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2016年10月21日

大学非常勤講師が労組 道内初、札幌圏の10人が来月結成

道新(2016/10/20)

 札幌と近郊の計約10校の国立、私立大に勤める非常勤講師約10人が、不安定な雇用や低賃金の改善を求め、労働組合「札幌圏大学・短大非常勤講師組合」(仮称)を11月5日に結成する。北海道私立大学教職員組合連合(道私大教連)が支援している。非常勤講師の労組は関東や関西などにあるが、道内では初めて。

 非正規雇用の非常勤講師は半年~1年の契約が多く低賃金のため、専業の場合は生活が不安定になりやすい。道私大教連は今年7月、道内の非常勤講師の実態調査を初めて行い、札幌などの計約10校の59人が回答、70%が30~50代だった。

 非常勤講師が専業の人は36%で、「安定していない他の仕事との掛け持ち」は29%だった。これらの講師の担当授業は週1~6コマが69%、7~10コマ18%、11コマ以上が13%で、雇用に不安が「ある」との回答は89%、賃金が「不満」は78%だった。道私大教連は通年で6コマ教えても年収は210万円程度とみており、「大半が年収300万円未満では」と回答している。

 組合に加入予定の40代の男性の非常勤講師は本年度、複数の私大で計7コマの授業を受け持つが、年収は約200万円にとどまり、「毎年、契約が更新されるまで不安だ」と話す。

 道私大教連の川村雅則委員長(北海学園大教授)は「カリキュラムの変更で 雇い止め される場合もあり、生活の安定しない非常勤講師は道内に数百人いるとみられる。賃金や雇用条件の改善に協力したい」と話している。

 組合の設立総会は11月5日午前11時、札幌市中央区北1西10、道私大教連。問い合わせは同教連(電)011・261・3820へ。


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