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2017年01月21日

常葉学園告訴で懲戒解雇、准教授の地位認める 地裁判決

毎日新聞(2017年1月21日地方版)

 補助金の不正受給を内部告発した常葉大短期大学部の男性准教授(43)が、別の理由で懲戒解雇されたのは不当だとして、運営する学校法人常葉学園(静岡市葵区)を相手取り、地位確認と慰謝料300万円などを求めた訴訟で、静岡地裁(関口剛弘裁判長)は20日、准教授の地位を認め、同学園に未払い賃金約900万円の支払いを命じた。ただ慰謝料の請求は退けた。

 准教授は2012年12月、短大部が補助金を過大受給していると内部通報した。一方で准教授は、実態を調べていた同学園側から脅迫を受けたとして、学園理事らを静岡地検に刑事告訴したが、13年に不起訴処分になった。同学園は15年2月、告訴により名誉を傷つけられたとして、准教授を懲戒解雇した。不正受給については、同学園は14年2月、480万円を過大受給していたと発表している。

 関口裁判長は判決理由で「解雇処分は内部通報の報復とまではいえないが、刑事告訴はマスコミなど外部に公表しておらず、就業規則に定める懲戒解雇理由には該当せず無効」と指摘。一方「違法な解雇」として慰謝料を求めた点は「不法行為は成立しない」として認めなかった。

 判決後に記者会見した准教授は「主張の7割が認められた」と話した。常葉学園の木宮岳志常務理事は「原告の地位が認められたことは残念。弁護士と相談し今後の対応を決める」とコメントした。


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