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2017年07月31日

常葉大短大部不当解雇事件、東京高裁判決 懲戒解雇無効 2審も支持

中日新聞(2017年7月20日)

懲戒解雇無効 2審も支持
東京高裁判決 常葉学園准教授訴訟

 刑事告訴したことを理由に懲戒解雇されたのは不当解雇だとして常葉大学短大(静岡市)の男性准教授が、運営する学校法人常葉大学に対し、解雇無効などを求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であって。大段亨裁判長は解雇の無効と解雇後の給与の支払いを認めた1審判決を支持し、原告、被告双方の控訴を棄却した。判決は13日付。
 准教授は2012年、学園内の補助金不正受給問題を調査していたところ、学園側からパワハラを受けたとして、学園理事長らを強要罪で静岡地検に刑事告訴し、不正受給を内部告発した。その後理事長らは不起訴処分になり、学園は2015年に、信用を損ねたとして男性准教授を懲戒解雇した。
 今年1月の1審、静岡地裁判決は「刑事告訴は、就業規則の懲戒解雇事由に該当しない」と判断していた。控訴審判決で大段裁判長は「懲戒解雇が内部告発に対する報復であることは否定できない。解雇は相当ではない」と指摘した。解雇による精神的苦痛に対する慰謝料請求は認めなかった。
 准教授は本誌の取材に対して「学園側の反省はない。組織性を問う内部告発が委縮する」と述べた。常葉学園の担当者は「判決は非常に遺憾だ。上告するかどうか検討したい」と語った。


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