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2017年10月27日

酪農学園大学長訴訟 「解任撤回」で和解 札幌地裁

■道新(2017/10/27)
「地位確認等請求事件」和解に関する声明

 理事会の違法な手続きによって学長を解任されたとして、酪農学園大前学長の干場信司氏(68)が、同大を運営する学校法人酪農学園(江別市)を相手取り、解任無効などを求めた訴訟は26日、札幌地裁(湯川浩昭裁判長)で和解が成立した。学園側は2015年7月14日付で行った解任の決定を撤回するとともに干場氏に解決金1600万円を支払い、干場氏は同日付で学長職を退任したとすることで合意した。

 原告側が和解成立後に会見して明らかにした。原告側代理人によると、学長解任の撤回は全国でも珍しいという。

 訴状などによると、干場前学長は13年4月に教職員による選挙で、任期4年の学長に選出された。学園理事会は15年3月、教職員による学長選挙を廃止するとともに、理事会が学長を解任できる規定を新設。同7月に理事会は「学長としての業務執行能力に疑問がある」などを理由に干場氏を解任した。干場氏側は「違法な手続きだ」として無効を訴えていた。

 干場氏解任後、学長には竹花一成氏が就任し、入学や卒業の認定などは竹花学長名で行われている。干場氏解任を撤回しても大学運営に混乱が生じないよう、同じ日付での退任にしたという。干場氏は会見で「解任が不当だったことが明確になった。学園には解任の決定に関わった理事会メンバーの責任を示してほしい」と述べた。酪農学園は「理事長が不在で、和解内容を把握していないのでコメントできない」としている。

「地位確認等請求事件」和解に関する声明

2017年10月26日

原告 干場信司
「酪農学園の建学の精神と教育を守る会」代表 井上昌保

 本日(2017 年 10 月 26 日)、札幌地方裁判所(民事3部、湯川浩昭裁判長)に おいて、原告干場信司(酪農学園大学前学長)が、被告学校法人酪農学園(以下、学 園)が 2015 年 7 月 14 日に行った学長解任を不服として提訴した「地位確認等請求事件」(事件番号:平成 28 年(ワ)第 44 号)について、被告が学長解任を撤回 し、解決金を支払うことを骨子とする内容で、和解が成立しました。

 この和解は、原告が本裁判で第一に明らかにしたいと願っていた「学長解任の不当 性」を被告学園自身が認めたことを意味しており、これまでに例のない画期的なもの であります。

 被告学園が自らの重大な過ちを認めたからには、原告の人権ならびに名誉を甚だし く傷つけたこと、および、大学を混乱させたこと(下記「事件の概要」および別紙「「地 位確認等請求事件」に関する経緯」参照)に対して、原告の解任を決定した当時の理事 会メンバーは、責任を明確にしなくてはなりません。

 そのことを通して、学園および酪農学園大学が、専制的な運営を止め、真に建学の 精神に基づいた教育に邁進することを望むものであります。

 私ども「酪農学園の建学の精神と教育を守る会」は、今回の勝訴にも等しい和解の 成立に当たって、原告が強く願っていた学校法人酪農学園と酪農学園大学、とわの森 三愛高等学校の教育と学園運営の正常化のため、これからも全力をあげて努力する決 意です。

「事件の概要」
 前理事長らは、2014 年度後半に、寄附行為等の改訂により、建学の精神を軽視し、 自分達の権限強化と専制的な運営を可能とする体制作りを強引に進めようとしてい ました。それに対し、干場前学長(原告)や教授会メンバーは、二回にわたり構成員 の8割以上の署名によって反対の意を表わしていました。前理事長らは、この反対署 名を完全に無視しただけではなく、意に従わない前学長をこじつけの理由で解任した のでした。
以上

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