研究者の地位と権利を守るための全国的ネットワークをつくろう!

2018年03月08日

私立大学生の学費負担の大幅軽減と私大助成の増額をもとめる国会請願

私立大学生の学費負担の大幅軽減と私大助成の増額をもとめる国会請願

【請願趣旨】
 現在、日本の私立大学・短期大学(以下「私立大学」)には、大学生全体の約73%(2017年度・約225万人)が学んでいます。数多くの卒業生が日本社会のさまざまな分野で活躍するなど、私立大学はたいへん大きな役割を果たしています。

 しかし、私立大学の学生・父母等は、非常に重い教育費負担を強いられています。私立大学学部の初年度納付金の平均額は131万6816円です。高校入学から私立大学卒業までにかかる入在学費用は1人当たり1000万円近くにも上ります 注。
教育は人類にとって必要不可欠な営みです。誰もが教育を受ける権利を有し、教育を受ける機会は均等に与えられなければなりません。諸外国では、高等教育を無償としている国も数多くあります。ところが日本では学費が非常に高額なうえ、奨学金のほとんどが貸与=ローンであり、卒業後の返済額は多額で「奨学金破産」が社会問題となっています。昨年から「給付型奨学金制度」が開始されましたが、対象者も給付額もごくわずかで、極めて不十分なものです。こうした中で、多くの私立大学生が学業に専念できない状況に置かれています。

 2012年に日本政府が国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」条項の受け入れを決定したことを踏まえれば、高等教育を含む全ての教育費の無償化をすすめていくべきです。
あわせて、私立大学と国公立大学との間には、国の財政支援に大きな格差があります。国から私立大学への補助(私大助成)を学生1人当たりに換算すると約14万円ですが、国立大学への交付額は学生1人当たり約180万円です。国立大学も私立大学も法律上、同等の高等教育機関であり、このような格差を放置すべきではありません。
1975年に私学振興助成法が制定された際、参議院は附帯決議で経常的経費の2分の1補助を速やかに実現することをもとめました。その後、補助率は29.5%(1980年度)にまで達したものの後退し、現在では9.9%(2015年度)にまで低下しています。そのため、私立大学は学費収入に依存せざるをえない財政状況にあります。

 以上のことから、次の各事項の施策の実現を請願します。

【請願事項】
1.私立大学生の学費負担を軽減するため、以下の施策を速やかに実施してください。
  ①「給付型奨学金」の給付額と対象人数を増やしてください。
②高校で実施されている「就学支援金制度」を大学生にも拡大してください。
③無利子奨学金の貸与基準を見直し、希望者全員が受給できるようにしてください。
2.奨学金の返済は、卒業後の本人所得に応じて負担が緩和されるよう改善してください。
3.大学の学費無償化に向けた計画を立案してください。
4.私立大学の経常的経費の2分の1を補助するよう私大助成を増額してください。

|