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2018年07月08日

明治学院大、元教授の解雇「無効」 東京地裁判決 授業無断録音訴訟

■東京新聞(2018年7月4日)

明治学院大 元教授の解雇「無効」 東京地裁判決 授業無断録音訴訟

 授業を無断録音され、懲戒解雇されたのは不当として、明治学院大学(東京都港区)の元教授寄川条路(よりかわじょうじ)さん(56)が、教授としての地位確認などを求めた訴訟で、東京地裁(江原健志裁判長)は、同大を運営する学校法人明治学院に解雇無効を命じる判決を言い渡した。授業の録音については違法性を認めなかった。3日、記者会見した寄川さんは「無断録音は客観的事実なのに違法性を認めないのは筋が通らない」と述べた。判決言い渡しは6月28日。
 訴えなどによると、寄川さんは同大の教授だった2015年、授業で大学の運営方針を批判したことなどを理由に大学側から厳重注意を受けた。大学側が授業の録音を聞いて寄川さんの批判を知ったと認めたため、寄川さんは教授名を挙げて「録音テープを渡した人を探している」とテスト用紙の余白に印刷し、学生に情報提供を呼び掛けた。
 大学側は、その教授が録音にかかわった印象を与え、名誉毀損に当たるなどとして、16年に寄川さんを懲戒解雇。寄川さんは「授業の無断録音は表現の自由や学問の自由の侵害だ」と訴えていた。
 江原裁判長は判決理由で、授業での寄川さんの態度が不適切だったと認定したが、解雇は「客観的に合理的な理由を欠く」として無効と結論付けた。一方、録音した授業は年度初めのガイダンスで、講義ではなかったなどと判断、「大学の管理運営のための権限の範囲内」と指摘した。双方が控訴する方針。


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