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2019年03月05日

九州保健福祉大の雇い止めは無効

NHK宮崎(2019年03月05日)

宮崎県延岡市の九州保健福祉大学から雇い止めを受けた元助手ら4人が地位保全を求めた仮処分の申し立てについて、宮崎地方裁判所延岡支部は雇い止めを無効とする決定を出しました。

このうちの1人は男性教授からセクハラ被害を受けたと申し立てていて、裁判所は「被害者を排除する意図で雇い止めが行われた可能性も否定できない」と指摘しました。

延岡市の九州保健福祉大学で助教や助手として働いていた男女4人はおととし12月から翌月にかけて大学から相次いで雇い止めを通告され、大学を運営する学校法人を相手取って地位保全を求める仮処分を申し立てていました。

これについて宮崎地方裁判所延岡支部の宮島文邦裁判官は先月22日づけで、「教員の間では助教や助手はそれぞれ一定の年数を雇用されるものと認識されており、契約の更新を期待する合理的な理由が認められる」として、雇い止めは無効だとする決定をしました。

この問題をめぐっては、4人のうちの1人で、元助手の女性が大学の50代の教授からセクハラを受けたとして大学に被害を申し立てていて、これについて宮島裁判官は「助手を排除する意図で雇い止めが行われた可能性も否定できない」と指摘しました。

大学は被害の申し立てを受けて教授のセクハラを認定し、去年1月、停職1か月の懲戒処分にしています。

今回の決定について九州保健福祉大学は「4人の契約を更新しなかったこととセクハラ問題は関係がなく、裁判所に異議申し立てを行いたい」とコメントしています。


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