2019年07月09日
北大学長の解任を申し出へ 選考会議、パワハラ認定
北大の名和豊春学長(65)が北大職員にパワーハラスメント(パワハラ)をした疑いがあるとして調査していた学長選考会議(議長=石山喬・日本軽金属ホールディングス元会長)がパワハラを認定し、文部科学相に学長の解任を申し出る方針を決めたことが4日、分かった。文科相は申し出を受け次第、精査し、解任するかどうかを決める。文科省によると、2004年度の国立大学の法人化後、全国で学長が解任された例はない。
名和学長は「大学から何も聞いておらず、コメントできない」としている。
国立大学の学長の任命、解任は国立大学法人法に基づき、学内外のメンバーで構成する選考会議の申し出を受け、文科相が決定する。
北大の選考会議は10人の委員で構成。「名和学長がパワハラを行った」との訴えを受け、昨年11月に調査委員会を設置した。関係者によると、選考会議は名和学長らのヒアリングを経て、パワハラがあったと認定し、学長を続けるのは適当ではないと判断した。
北大は「現時点でコメントは差し控える」(広報課)としている。
名和学長は三笠市出身で、北大大学院工学研究科修士課程修了。同大大学院工学研究院長などを経て、16年12月の学長選で現職を破り、17年4月に学長に就任した。
体調不良を理由に昨年12月から休職しており、笠原正典副学長が職務代理を務めている。任期は23年3月末まで。