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2019年10月04日

「明治学院大学事件」が小説になった!「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

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「明治学院大学事件」が小説になりました。
「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

■紀川しのろ『シノロ教授の大学事件』(世界書院、2019年10月)
(文庫、全219頁、750円+税、ISBN978-4-7927-9581-8)
https://books.rakuten.co.jp/rb/16083040/
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4792795818

■概要
大事件勃発! 平成の世の大学案内をつとめてきたシノロ教授が、なんと「令和学院大学」で解雇処分に?
授業の盗聴事件が発覚し、シノロ教授の講義を受けたい学生が猛反発。令和の世の学問の独立と大学自治をゆるがす大事件。はたしてその背景にある陰謀とは。これは学問と大学をめぐるミステリーだ。

■内容
本書は、「明治学院大学事件」の小説化で、ミッションスクールの「令和学院大学」を舞台に大学教授の受難を描いたフィクションです。若者の半数以上が大学に進学し大学の数が多すぎて余っている現代、教授の人員削減のために策を弄する大学側の思惑と、それを阻止するための作戦を展開する学生たちの行動がユーモア溢れる筆致で描かれています。学生たちに絶大な人気のあるラクタン倫理学の「シノロ教授」を主人公に、「シノロ教授の登場」「シノロ教授の災難」「シノロ教授の逆襲」「シノロ教授の教訓」という起承転結でアカデミックな世界で巻き起こった事件を形而上学的弁証法等も交えて描いたキャンパス小説であり、今時の大学や大学生たちの生態を揶揄しているような諧謔味が最大の特色ともなっています。

■目次
1 シノロ教授の登場
シノロ教授の倫理学――カントかヘーゲルか
大学生が求める倫理――プラトンのアカデメイア
人気科目ランキング――ボランティア学とは
多人数授業は抽選科目――イギリスの古典派経済学
少人数授業は不人気科目――孔子と孟子
人数制限はクレームの嵐――ギリシア語のスコレー
抽選登録のひみつ――アリストテレスの形而上学
履修登録の秘訣と裏技――儒教の王道
シノロ教授の授業ガイダンス――マルクスの下部構造
倫理とは何ぞや――広くて浅い教養
2 シノロ教授の災難
大学当局のマル秘作戦――ヘーゲルの弁証法
シノロ教授を狙え――孫子の兵法
秘密録音される授業――法律か倫理か
仕掛けられた罠――人の道とは
左手に聖書、右手に日の丸――相対主義的寛容論
教養部主任の尋問――リベラルアーツ対パターナリズム
自白を迫る誘導尋問――世界史の変革
学びたい科目を学びたい――アイデンティティーの哲学
雇われの身――リベラリズムとリバタリアニズム
欠席裁判のゆくえ――信じるものは救われるか?
3 シノロ教授の逆襲
イケメン弁護士・草薙五郎の登場――該当性と相当性
学長への挑戦状――やむを得ず、法的措置を講じます
哲人三銃士の共闘――デカルトとデリダ
哲学者の生き方――人間ぎらいの倫理
学生の意向はいかに――授業評価のアンケート
相手を説得する――倫理的に正しい行為か自爆テロか
弁護士・草薙五郎の再登場――1億円の慰謝料請求
教授会、多数派で強行採決か――公正中立とは
ガチで総選挙――キルケゴールの実存主義的選択
シノローズ結成――言論の自由を守れ!
4 シノロ教授の教訓
研究・教育・社会活動・校務――大学教授の仕事
令和学院大学のドン・キホーテ――倫理を問いただす
独立自尊か間柄の倫理か――福沢諭吉と和辻哲郎
シノローズ登場――神さまの声か学生の声か
作戦名は〈シノロ准教授の恋〉――プラトンからマルクスへ
機動隊の突入――ルターの宗教改革
クビを切るか反省文を書くか――虚勢を張るか去勢されるか
「無」の存在証明――西洋の形而上学
懲戒処分取消等請求事件――証拠裁判主義
実利よりも倫理――ライプニッツの充足理由律


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