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2019年12月07日

大分大、学部長選考巡り対立 教授会と大学側

西日本新聞(2019/12/7)

 大分大の経済学部長選考を巡り、北野正剛学長の対応に問題があったとして、職員OBらでつくる団体が6日、大学側に選考の再協議を申し入れた。北野学長は、経済学部教授会が事前選挙で選出した教授とは別の高見博之教授を10月1日付で新学部長に任命。教授会側が反発したが、大学側は教授会の事前選挙の正当性を調べる調査・検証委員会を立ち上げるなど、内部対立が先鋭化している。

 大分大は2014年まで各学部の教授会が選挙で学部長を決めていたが、15年に規定を変更。学長を任命権者とし「学部長の変更に当たっては学部などの意見を聴く」とした。一方、経済学部教授会は独自に「選挙で学部長候補者を決める」と教授会要項に規定。今年8月の事前選挙で選んだ教授が任命されなかったことに異議を唱えた。北野学長は取材に対し「規定通り、前学部長から意見を聴いて選考した」としている。

 大学側は10月、教授会の事前選挙は大学の規定に違反している恐れがあるとして、弁護士らによる調査・検証委員会を設置、年内に結論を出す見通し。これに対して同大の教員OBらは「行き過ぎた権限行使」として調査中止を要求。今月4日に市民の会を発足させ、代表者らが6日、「選考に関し学長と経済学部が真摯(しんし)に話し合って解決することを求める」と申し入れた。大学は「内容を精査し対応を検討する」とした。

 市民の会代表の神戸輝夫・同大名誉教授(80)は「学長の教授会への介入などは強引すぎる」と主張している。


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