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2020年08月26日

追手門学院理事長が「腐ったミカンは置いておけない」と発言 職員らが約2200万円の賠償を求め提訴

読売テレビ(8月24日)

  職員研修で「腐ったミカンは置いておけない」などと暴言を吐き、執拗に退職を迫ったのは違法だとして、学校法人「追手門学院」の職員ら3人が24日、学院理事長らに損害賠償を求める訴えを起こした。

「あなたのように腐ったミカンを追手門(学院)の中に置いておくわけにはいかない。まだ少しは可能性があって頑張ろうとしているミカンも腐ってしまう」「老兵として去ってほしいんです」

 職員に浴びせられた暴言の数々。訴えによると、学校法人「追手門学院」が、4年前に行った職員研修の音声データだ。研修を請け負った東京のコンサルタント会社の男性講師が、20代~50代の事務職員18人に対し、退職を迫ったとされている。

 訴えによると、職員研修は貸会議室の一室で行われたという。黒い幕が張られた日の光が入らない部屋で、人事課の職員が見守る中、一日8時間の5日間連続で行われたという。

 研修の冒頭、男性講師は…。

「原則として今回の18名全員が今年度末、来年(2017年)の3月末の段階で残念ながら学院を退いていただきたい。例外なくです。18人全員がね」

 研修は、受講者全員が「私の自己改革テーマ」というタイトルで発表を行い、講師がコメントする形で進められたという。

「もう必要ないよ、戦力外通告されたわけでしょ、この度」「30前で、もう要らんと言われたんだよ、あなた。ノーサンキューと言われたんですよ」「あなたのように腐ったミカンを追手門の中においとくわけにはいかない。まだ少しは可能性があって頑張ろうとしているミカンも腐ってしまう」

 さらに研修終了後、退職に応じなかった職員らは学院幹部との面談で何度も退職を迫られ、中には理事長から退職勧告書を読み上げられた職員もいたという。

理事長とみられる男性「学院からの退職勧告をします。思考が浅く幼いと見え、向上心が見受けられない。外部による研修を受講させ、気づきの機会を与えたが、研修講師からの評価も芳しくなく…」

 研修や面談の結果、うつ病を発症するなどして、受講した職員18人のうち10人が退職。現在も2人が休職しているという。

 そして、きょう。大阪地裁。男性職員ら3人は、人格を否定する言葉で執拗に退職を迫ったのは違法だとして、理事長や研修を請け負ったコンサルタント会社に対し、合わせて約2200万円の損害賠償を求める訴えを起こした。

 会見で、原告は…。

「パワハラ言葉のシャワー」「本当にこれは現実なのかなと」「泣き出す方もいらっしゃいましたし」「自分以外の人が攻め立てられているのを見させられているのが非常につらかった」「(研修の)5日間通して(大学の)人事課員はいたんですけど、一回もこうした発言に対して止めに入ったことはなかった」

 原告の代理人の谷真介弁護士「我々も退職勧奨・強要などの事案をよく取り扱っていますが、ここまでの事例は本当に聞いたことがない」「これが本当に教育機関の中で行われているのかと、初めて聞いたときは信じられなかった」

 追手門学院は「訴状が届き次第、内容を確認し、対応してまいります。多くの皆様にご不快な思いをさせましたことをお詫び申しげます」とコメントしている。


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