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2020年08月28日

追手門学院退職強要職員研修等事件にあたっての声明

2020年8月24日

追手門学院退職強要職員研修等事件にあたっての声明

追手門学院退職強要職員研修等事件原告一同

 本日,私たちは,学校法人追手門学院,同学院川原俊明理事長及び株式会社ブレインアカデミー並びに同社が受託し実施した研修の講師であった西條浩氏に対し,損害賠償及び退職強要等の差し止めを求めて大阪地方裁判所に提訴いたしました。

 提訴の理由は,追手門学院が2016年8月に実施した研修において,私たちに退職ないし退職した上での特定事務職員への変更を強要または勧奨する言動や名誉を毀損する言動により精神的圧迫を受けたことに対してです。

 私たちは,5日間40時間にわたる研修を業務命令として拒否できない形式で受講させられました。研修は「自律的キャリア形成研修」と名付けられ、暗幕が引かれた部屋で「腐ったみかん」「あんたはいらない」「虫唾が走る」などの人格否定の言葉のシャワーを浴びさせらました。研修終了後も追手門学院の執行部による退職強要とも言える面談を繰り返し行われたことによって精神疾患を発症し,休職せざるを得ない状況となっています。
 このため,私たちはそれぞれ茨木労働基準監督署に対し労災申請を行っています。

 研修を受講した18名のうち10名が退職しました。現在,2名が休職,1名が休職期間満了による解雇となっています。

 受講した職員のなかには,未だ殺された心を取り戻せずに苦しみ,研修が行われた新大阪や追手門学院の大学や各学校がある茨木周辺には近づけない者もいます。大きな声での会話でさえ動悸がして身体がこわばり,当時の恐怖感がぬぐえず,動けなくなる人もいます。

 追手門学院は,研修は大学設置基準第42条の3に基づきSD(スタッフ・ディベロップメント)として実施したと言っています。しかし,その内容は,退職強要そのものであり,同基準が求める,職員に必要な知識及び技能を習得させ、その能力及び資質を向上させるための研修ではありませんでした。言い換えれば,追手門学院がブレインアカデミーと手を組み,退職を強要するハラスメント研修を企画し実行したのです。

 私たちが,この裁判でめざすところは,退職強要によって失われた心と時間を取り戻し,職場に復帰するきっかけをつかむことにあるとともに,追手門学院が教育基本法の前文である「個人の尊厳を重んじ,真理と正義を希求し,公共の精神を尊び,豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに,伝統を継承し,新しい文化の創造を目指す教育を推進する」を踏まえた正常な教育機関に戻ること,追手門学院で学ぶ園児,児童,生徒,学生の育成に全力で取り組むことを望んでいます。


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