2020年10月17日
国士舘大の男性教授2人の懲戒無効
国士舘大の男性教授2人が、学生の前で学長を中傷するような発言をしたことなどを理由に懲戒処分を受けたのは不当として、地位確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、いずれの処分も無効とし、未払い賃金などの支払いを大学側に命じた。判決によると、文学部の男性教授は2016年12月、学生が卒業論文を発表する研修で、直前に急死した別の教授の名前を挙げて「学長に殺されたと思っています」と発言。大学は17年4月、この発言などを理由に教授を懲戒解雇とした。
伊藤由紀子裁判長は「学生に不信感、不安感を与える発言だったが、大学の一般的な信用を毀損(きそん)する恐れは小さい」とし、「解雇は社会的相当性を欠く」と結論付けた。
もう1人の原告は、指導学生に不適切な発言をしたなどとして、18年1月に懲戒降格処分となった。伊藤裁判長は「学生の精神的苦痛は大きいが、指導全般に問題があったとは認められず、教授の地位を剥奪するのは重きに失する」とした。
学校法人国士舘は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。(共同)