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 カテゴリー 日本学術会議

2008年09月18日

日本学術会議、提言「学校教育を中心とした環境教育の充実に向けて」

日本学術会議
 ∟●提言「学校教育を中心とした環境教育の充実に向けて」

要 旨

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3 提言の内容
(1) 全国すべての児童、生徒、学生に対して、学校教育は自然の驚異や環境の大切さ、景観の美しさを感じる心を養い、併せて人間と環境の適切な関係について学ぶことのできる機会を提供するべきである。
(2) 学校教育のなかで教科横断的な領域として「環境教育」を位置付け、環境学習のための単元づくりや各教科との連携を企画・構想できるコーディネーターとしての環境教育専任教員を配置するべきである。
(3) すべての教員養成課程受講者に対して環境教育(自然体験を含む)を義務付けるべきである。
(4) これからの教職大学院や現職教員の免許更新においても、環境教育関連の履修コースを増強し、必修とするべきである。
(5) わが国のすべての大学・大学院は「環境」に関する広汎な教育研究に、専攻分野の違いを越えて取り組むべきであり、その成果は学生に対する一般的な「環境教育」として、また教員養成課程にあたっては、「環境教育」担当能力の育成を通じて社会化するべきである。
(6) 大学には環境を幅広く捉え、全般的に研究・教育する各分野の専門研究者を配置することとし、全ての学生が環境に関する基礎知識を得るよう、教養教育を充実させるとともに、大学の地域に対する貢献活動を推進させるべきである。
(7) 児童、生徒、学生、成人各々にふさわしく有効な環境体験の多様な場所・施設・環境を全国各地に確保するべきである。

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2008年09月12日

日本学術会議、提言「新しい理工系大学院博士後期課程の構築に向けて-科学・技術を担うべき若い世代のために-」

日本学術会議
 ∟●提言「新しい理工系大学院博士後期課程の構築に向けて-科学・技術を担うべき若い世代のために-」

2008年09月09日

日本学術会議、提言「数理科学における研究と若手養成の現状と課題」

日本学術会議
 ∟●提言「数理科学における研究と若手養成の現状と課題」(2008/9/8)

提 言

数理科学における
研究と若手養成の現状と課題

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2.現状および問題点

 当分科会は、書面によるアンケート調査を2回実施した。また、各委員が聞き取った状況を持ち寄り検討を加えた。その結果、数理科学系の博士課程教育および数理科学の研究活動の現状分析は次のようにまとめられると考える。
1. 博士号取得者が大学の常勤ポストに新規採用される数が大幅に減少している。
2. 短期研究職ポストは増加しているが、期間を限定したポストの任期が終了した次の段階での就職先が得られないという問題がすでに顕在化しており、将来さらに深刻な事態にいたると予想される。
3. 数理科学系博士のキャリアパスを大学教員以外へも広げようとする動きが始まっているとはいえ、現時点では博士号取得者の進路に目に見える影響を与えるには至っていない。
4. このような進路状況を反映して、数理科学系博士課程の魅力は急速に低下し、定員を充足するに至っていない。
5. 科学技術全体の予算は増加しているにもかかわらず、数理科学推進への予算は相対的に減少傾向にある。
6. 研究条件の財政面での大学間格差が拡大している。中小規模大学では研究環境の劣化が著しく、図書整備などの最小限のインフラストラクチャーさえ崩壊しつつある。
7. すべての教員組織が研究時間の確保に困難を覚えており、小規模大学では特に数理科学研究者の疲弊が甚だしい。
8. 日本の数理科学研究のレベルは全般的に現在のところ高い水準にあるが、次の世代にわたって現在のレベルを維持できるかどうか予断を許さない。
9. 日本の数理科学研究は他分野との連携に弱点をもっている。その改善のために様々の試みがなされているが、まだ大きな効果を示しているとはいい難い。…


2008年09月03日

日本学術会議、数理科学分野における統計科学教育・研究の今日的役割とその推進の必要性

日本学術会議
 ∟●数理科学分野における統計科学教育・研究の今日的役割とその推進の必要性

2008年09月01日

日本学術会議、「大学法学部1年生の歴史素養調査と法史学関連科目の開講状況調査」

日本学術会議
 ∟●「大学法学部1年生の歴史素養調査と法史学関連科目の開講状況調査」

日本学術会議、「グローバル化時代における地域研究の強化へ向けて」

日本学術会議
 ∟●「グローバル化時代における地域研究の強化へ向けて」

2008年05月29日

日本学術会議、提言「新公益法人制度における学術団体のあり方」

日本学術会議
 ∟●提言「新公益法人制度における学術団体のあり方」

提言
新公益法人制度における学術団体のあり方

要旨
1 作成の背景

 そもそも、学術団体は、科学や技術などに関する学術研究の進歩・発展を図ることを目的として、主としてその当該分野の専門家が集まって構成するものである。その活動によって、自主的・自律的に学術の発展に貢献し、特定の者の利益を追求せず、最終的にはこれらの活動によって社会の発展と平和及び福祉の向上に貢献することを目的としており、極めて公益性が高い。例えば、世界的に、地球温暖化、各種資源の枯渇、人口の爆発的増加、などの諸問題が生じている。一方、我が国においては、人口減少・高齢化、食料問題、などを抱えている。これらを解決するためには、科学技術のみならず、人文社会科学、生命科学など、幅広い学術分野の協働が必要であり、これらの諸問題に関する研究の推進母体の主要な一つとなっている学術団体は高い公益性を有している。
 本提言は、学術団体が有する機能についての認識の現状と問題点に関してアンケート等により明らかにし、新公益法人制度下での学術団体の公益性のあり方について検討、取りまとめたものである。

2 現状及び問題点
 学術団体の主要な任務は、科学者や技術者よりなる研究者によって、明らかにされたこれまで未知であった科学的成果を同業の専門家によって審査・評価し、それが公開する価値があるかどうかを見定めることである。そのためには、学術集会等において口頭発表された研究成果について討議を行い、その結果を踏まえて学術誌に投稿された論文を審査し、その後に出版・公開というプロセスを経ることが世界的な標準である。このように、国際学術集会を含む学術集会の開催や学術誌の出版は学術団体の最も重要な機 能であり、これらを基礎として人材育成、科学的知識の普及・啓発などの公益事業が行われる。あわせて、多くの国で既に制度化されているが、学術団体が行政と協力し、それぞれの専門分野に関する合理的・客観的な政策の立案・施行を支援することが求められている。しかし、制定された公益法人認定法の別表(第2 条)には、具体的に「学術及び科学技術の振興を目的とする事業」として明記されているにも拘わらず、公益認定等ガイドラインにおいては、学術団体そのものが有する公益性についての直接的認知がなされていない。…