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 カテゴリー 国立大予算問題

2005年03月29日

予算減だが改革「手応え」 国立大学長アンケート

朝日新聞(3月28日)  

 法人化に伴い国立大学の学内運営や財政面に変革の波が寄せている。朝日新聞社が全国89の国立大学長に実施したアンケートでは、05年度予算額が前年度より減った大学が48校と半数以上に及び、厳しい財政運営を迫られた。しかし、ほとんどの学長が民間の手法を取り入れる新しい経営方式を評価、学長権限も増大したとして、改革への手応えを感じていた。

 予算は、文部科学省を通じて配分される運営費交付金と、授業料などの自己収入の二つに大別される。行財政改革の一環として、運営費交付金は毎年1%ずつ減額され、その分は各大学で効率化や自己収入増加に努めることとなった。

 アンケートでは、89校のうち48校で前年より予算額が減少していた。付属病院への交付金に一律かけられる2%の減額分と合わせ、運営費交付金の減額分が響いていた。

 新たに、民間の経営者や外部識者らをメンバーに設置された経営協議会方式は、「内向きの議論しかしてこなかった大学にとって、外部委員の発言は非常に新鮮で、外圧となっていい方向に機能している」(茨城大)などと84校が評価した。

 学長権限については、9割にあたる80校が強まったと感じていた。「『政策的配分経費』を設け、学長の意向で執行されるようになった」(島根大)、「人件費管理、組織改革などでリーダーシップが発揮できる」(静岡大)などと答えていた。

 では、法人化後、自主的な「大学改革」は実現へ向けて前進したのか。「手応えを感じている」としたのは74校で、増大した権限を元に、学長が自ら独自性を発揮していこうとする強い意気込みが伝わってきた。


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2005年02月09日

全大協関東甲信越地区協議会/首都圏ネット、本格的な国会要請活動を開始

■「意見広告の会」ニュース 号外17より

2月9日から本格的な国会要請活動が開始です。

9日の活動を含め、今後の活動に是非皆様もご参加下さい。

<第1波 行動概要>
日時:2月9日(水)午前10時集合
集合場所:衆議院第二議員会館 ロビー
 東京メトロ千代田線・丸の内線 国会議事堂前駅下車
予定:10時集合打ち合わせ
   11時要請行動開始
   16時要請行動終了
   16時からまとめと今後の取り組みについて

取り組み責任者: 新潟大学職員組合書記長 立石 雅昭

*以下は当日の「要請」資料の一部です。

国会議員の皆さんへ

2005年2月9日

 国立大学法人法(2003年7月成立)に基づき、国立大学は2004年4月から国立大学法人となりました。私たちは、従来から国立大学法人法の問題点を指摘してまいりましたが、法人移行後、問題はますます深刻の度を増しております。

 このたびは特に、国立大学財政が危機に頻していることをご理解いただくとともに、必要な審議を行ったうえ、是非とも2005年度政府予算の組み替えを行ったいただきたく、お願い申し上げる次第です。

 私たちが訴えたいことは、次の三点です。

(1)学生納付金(授業料・入学金など)の値上げを通じた運営費交付金の削減という、政府の責任放棄と国民負担の拡大方式をやめ、合わせて高等教育費の負担のあり方に向けた議論を行っていただきたい。

(2)国立大学法人に課せられた運営費交付金の効率化係数、国立大学病院に対する経営改善係数という名の逓減方式を改めていただきたい。

(3)劣悪な状況にある国立大学の施設を改善するため、『国立大学等施設緊急整備5か年計画』(平成13?17年度)を来年度中に達成し、合わせて次期5か年計画への接合を図っていただきたい。

 とりわけ、最初にあげた授業料の問題は、2005年4月値上げを2004年12月に決定するという唐突なものであると同時に、国立大学法人法の審議過程を無視したものであります。また、文部科学省がすでに各国立大学に値上げを決定させているという点でも、国会の予算審議権を軽視したものと言わねばなりません。

 詳細は、別紙の国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局の声明をご覧いただければ幸甚です。今後とも、国立大学をよりよいものとするために、ご協力を賜れば幸いです。

2005年度国立大学関係予算組み替え要求、授業料値上げ反対 国会要請行動要請団

主な構成団体
全大協関東甲信越地区協議会
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク

各団体連絡先など
全大協関東甲信越地区協議会
   事務局:東京大学職員組合気付 メール宛先 tousyoku@u.email.ne.jp
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク 
 http://www.shutoken-net.jp/  メール宛先info@shutoken-net.jp


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2005年02月08日

和歌山大学教職員組合、声明「専任教員5%削減計画に関し、説明責任の履行を求める」

和歌山大学教職員組合
 ∟●「専任教員5%削減計画に関し、説明責任の履行を求める」(くれない第1281号,2005年2月1日発行)

専任教員5%削減計画に関し、説明責任の履行を求める

2005年1月31日
和歌山大学教職員組合執行委員会

 学長・経営側は、和歌山大学の専任教員を2004年度から06年度までの3年間で5%削減する方針を突如として公式発表した。私たちは以下の理由からこの「教員5%削減計画」に反対し、当面ただちにこの問題に関する全学構成員への説明責任を果たすことを求める。

一、 専任教員を5%、3学部で14人前後も削減することは、大学としての教育・研究能力を大幅に低下させる。

 すでに非常勤講師を2年間で40%も削減する計画が実施されつつあり、教育・研究費も大幅に削減された。これに加えての専任教員の5%もの削減は、教育・研究サービスの面で学生・大学院生に多大な犠牲を強いることになる。その意味で、この問題は単なる経営問題ではなく、教学に関わる重要問題である。

一、 教学問題であるにもかかわらず、5%削減計画は教学部門を担当する教育研究評議会ではまったく審議されなかった。

 5%削減計画は2004年10月22日に学長・経営側の意志で決定された。それにもかかわらず、たとえば教育学部の教授会で公式に発表されたのは1月になってからであり、一般の多くの教職員にはほとんど知らされていない。こうした非民主的な政策決定と情報の秘匿は、「全学的な検討事項については、各組織での議論を踏まえた合意形成に努めること。また、教授会の役割の重要性に十分配慮すること」と定めた国会の附帯決議に反するものである。

一、専任教員の5%削減は、教職員に過大な労働を強いることにつながる。

 非常勤講師の大幅削減と相まって、この問題は教職員に対する不利益変更であり、労働問題でもある。和歌山大学教職員組合は「これ以上の人員削減は容認できない」と反対を表明した(11月5日付「くれない」1973号)。それにもかかわらず、学長・経営側は現在に至るまで、労働組合である和大職組および過半数代表者に対して決定とその経緯を何ら公式に説明せず、理解を求めようとはしてこなかった。これは労使間の信頼関係を損なう不誠実な態度であり、対立と軋轢を自ら醸成するものである。

一、教員5%削減計画は安易な発想であり、経営方針の熟慮と経営努力の遂行を経たものではない。

 いかなる事業所においても、正規従業員の削減は、徹底した不必要経費の削減や歳入向上などの経営努力の後に、最後の手段として行われるものである。法人化からわずか半年ほどで、教育・研究条件の悪化を招く専任教員をなぜ性急に削減しようとするのか。しかも、法人化直前の2003年度以降、講師以上の教員を合計21名も増員したのである(学長裁量を含む)。この採用自体に異議は唱えないが、こうした大量採用と今回の「5%削減」とがどう整合するのか。経営方針としては、あまりに振幅が激しく、無定見に過ぎる。

 どうしても教員を削減する必要があるのならば、まず経営と予算の全体計画を提示し、かつ学部独自の方針を尊重して、その上で教員の削減が避けられないことを論証すべきであろう。それなしに、「始めに教員5%削減ありき」では、どうして学内合意がえられるだろうか。

一、以上の点に関して、学長・経営側は全学の構成員に対して直ちに釈明し、説明責任を果たすべきである。その上で、この教員5%削減計画を見直し、改めて民主的かつ長期的な視点に立って人事方針を再提起すべきである。

 これまでも、説明責任の欠如と学内合意形成の不尽が指摘されてきた。法人化の下でのトップダウン型の意志決定システムが、またしても軋轢を誘発した。説明責任の履行と情報公開、学内合意形成のためのルール作りが早急に必要である。われわれ労働組合は、和歌山大学の発展と、夢を語れる職場作りを進める立場から、必要な協力は惜しまないと同時に、理不尽な方針は断じて容認できない。


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2005年02月04日

国立大学法人、運営費交付金削減の仕組みについて

国立大学法人法・意見広告の会

今回の運営費交付金削減の仕組みについて

 新聞掲載の「意見広告」の補足です。 「意見広告」紙面では、交付金削減の仕組みを分かりやすく説明しようと考え、その様子を図式化してみましたが、まだ分かりにくいところが残っているかも知れません。そこでこの補足を加えました。 国の予算からは「運営費交付金」が国立大学法人に支給され、授業料は各法人の自己収入です。この「交付金」を削減するため、政府は授業料の「標準額」を引き上げ、「標準額どおりに授業料を値上げしなさい。そうすれば収入が増えますよ。値上げしなくても、交付金を減らすことに変わりはありませんよ」と言っているのです。

<運営費交付金削減の仕組み>
 国立大学法人法第3条では、「国は、この法律の運用に当たっては、国立大学及び大学共同利用機関における教育研究の特性に常に配慮しなくてはならない」とあります。また、国会の法案審議のさいの政府答弁や衆参両院の附帯決議にも、国立大学が国民に付託された教育と研究を行う機関であることが、十分配慮されなければならないことが確認されています。

 しかし、国や文部科学省は、国立大学を単なる行政機関と考え、ひたすら財政削減の対象にしようとしています。国立大学は国から運営費交付金を受け取っていますが、それを削減しようというのです。削減の仕組みは三つあります。

(1) 効率化係数:
 国立大学法人の予算には、一般管理費(事務)と教育研究費に毎年1%の効率化係数がかけられています。10年後には現在の約10%減になるということです。「効率化」というのはそのような名前が付いているだけで、財務省も文科省も本当に「効率化」がなされるとは考えていません。そう考えていないから、「授業料の標準額」を引き上げて、「足りなくなった分はこれで補いなさい」としているのです。

(2) 経営改善係数:
 附属病院を持つ国立大学では、毎年2%の経営改善係数がかけられています。これは、病院の診療報酬等が毎年かならず2%増えることを前提に、その分の運営費交付金を減らすというものです。10年後には20%減になります。どんな企業でも「増収」の実現のためには、それなりの投下資本が必要です。政府はそれについては全く配慮なしに「経営改善」を号令しています。

(3)授業料値上げ:
 今回の授業料値上げは、学生納付金を増やす分、運営費交付金を減らすという仕組みから来ています。今後とも国が入学金や授業料を値上げすると決めれば、その分国立大学への運営費交付金は減り続けていきます。従来の仕組みだと、入学金と授業料が毎年交互に値上げされ続けます。

 この結果、何が起きているでしょうか。

(1)効率化係数によって、大学の基礎研究や教育が危機に瀕しています。基盤的な部門の費用が真っ先に減らされているからです。繰り返しますが、「効率化」というのは、ただの「名前」です。

(2)経営改善係数によって、病院は収入第一の診療を行うことになります。診療点数の高い患者が優先され、国立大学病院が美容外科や人間ドックによってお金稼ぎに走っています。

(3)授業料値上げによって、運営費交付金をこの先も減らし続けていくことになります。これは国立大学に対する、国の責任を放棄するということに他なりません。すでに文系の大学院では、私立大学よりも高い学費となっています。

 こうして国からの運営費交付金を削減し続けていけば、もはや「国立」大学ではなくなります。皆さんは、国立大学がこのように変貌していくことに賛成でしょうか。

 更に詳しくは、東京大学ホームページに神野経済学研究科長の解説も掲載されています。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170125_02_j.html

 また次のホームページも参考になります。
http://www.shutoken-net.jp/050131_1jimukyoku.html


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月04日 01:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年01月13日

弘前大、05年度運営費交付金を公表

東奥日報(1/12)

 弘前大学は十二日、国から各国立大学法人に運営資金として配分される「運営費交付金」の二〇〇五年度の内示額と増減の内訳を公表した。内示額は百十八億八千六百六十六万円で、前年度より五百八十九万円ほど増額したが、遠藤正彦学長は「実際に事業費に使える額は増えておらず、依然として厳しい」と、大学法人の運営の厳しさをあらためて指摘した。

 各法人に配分される運営費交付金はこれから毎年、事業費の一部が1%ずつ削減されるほか、付属病院に2%の経営効率化が求められ、その分も減額されていく。このため、各大学は年々厳しい運営を迫られ、外部資金の獲得や経費削減などに努めなければならない。

 特に〇五年度は、財務省が国立大学法人の年間授業料の目安となる「標準額」を現行から一万五千円引き上げ、五十三万五千八百円とする方針を示したことから、内示額では、増額見込み分が減額されている。

 弘大の〇五年度の運営費交付金が微増したのは、特色ある取り組みを支援するための特別教育研究経費(約一億八千二百万円)が前年度より多かったことなどによる。

 しかし、特別教育研究経費や退職手当など使途が決まったものをのぞいた、大学の裁量で使える額は約百億で、本年度より三億二千万円ほど少ない。

 遠藤学長は同日、弘大で定例会見に臨み、昨年四月の国立大学法人化からを振り返り「地域の財政基盤、産業基盤が弱く、外部資金の導入が困難」と窮状を語った。また、学生支援や地域貢献などについては「着実に進めている」と、及第点の見方を示した。


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2004年12月30日

新首都圏ネット、2005年度国立大学関係予算政府案を分析する

2005年度予算政府案の分析 2004年12月28日 新首都圏ネット事務局より

首都圏ネット事務局です。以下の文書を発表いたしましたので、お知らせいたします。資料については、ウェブページに掲載いたしますので、そちらをご参照下さい。

2005年度国立大学関係予算政府案を分析する

2004年12月30日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 去る24日、2005年度予算政府案が閣議決定された。同日国大協は会長名で「平成17年度国立大学関係予算の政府案決定と今後の対応について」(国大協企画第125号。以下、『12.24国大協会長文書』)を各会員大学代表者(学長)宛に送付し、来年1月13日に臨時理事会を開催して対応を検討する旨表明した。同文書には国立大学関係予算の枠組み等にかかわる文科省の資料(以下、『文科省資料』。引用を容易にするために本事務局でA~Gのラベルをつけた)が添付されている。なお、これに先立ち、22日には、文科省高等教育局国立大学法人支援課長名による「国立大学の授業料標準額の改定について」という事務連絡文書(以下、『12.22支援課長文書』)が各大学の学生納付金担当理事宛に送付されている。本事務局は、これらの文書をまず公開することとする。

(1)12.24国大協会長文書
(2)文科省資料(A~G)
(3)12.22支援課長文書

 また、それらの文書を基にして、2005年度国立大学関係予算政府案の解説と分析を試みたのでその結果を併せて以下に示す。

1.国立大学法人の収入:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利である。

(1)収入の項目
授業料等、雑収入、運営費交付金、病院収入の4つである

(2)各項目の増減
1)授業料:授業料標準額の増額(15,000円)による収入増81億円が既に組み込まれて、総額86億円増。『文科省資料G』の2)参照。
2)雑収入:1億円減。根拠不明。
3)運営費交付金:『文科省資料G』にあるとおり98億円減。
4)病院収入:経営改善係数2%分=92億円の収入増が前提にされている。
総額104億円の収入増のためにはさらに12億円の収入増が必要だがその根拠は不明(医療費「改革」?)。

(3)事業費総額
91億円増。このうち81億円は授業料値上げによる増収であることに注意。

2.国立大学法人の支出:『文科省資料A,F』が全体を理解する上で便利である。

(1)支出の項目
特別教育研究経費、教育研究費等、退職手当等、病院関係経費の4つである。

(2)各項目の増減
1)特別教育研究経費:45億円増。競争的経費への傾斜を示す。『文科省資料B,G』参照。
2)教育研究費等:46億円増額することによって効率化係額97億円減額分を51億円減に圧縮。『文科省資料B,G』参照。
3)退職手当等:78億円増。
4)病院関係経費:病院関係経費=病院収入+運営費交付金(病院診療関係相当分)であるから、病院関係経費の増額が19億円に留まっていることは、運営費交付金(病院診療関係相当分)が平成16年度の584億円から499億円へ85億円、率にして約15%の減を意味する。

3.2005年度国立大学関係予算政府案の本質

(1)2005年度国立大学関係予算政府案は授業料値上げを前提として作られている。

 文科省は、「運営費交付金の減額は98億円、0.8%に過ぎない。現状ではベストに近い予算案である」と主張していると伝えられているが、これはことの本質を覆い隠すデマゴーギッシュな主張である。『文科省資料G』に示された「算定ルール」による189億円の運営費交付金減額を98億円にまで圧縮できたのは、授業料値上げによる81億円増収や病院収入において経営改善額以外に12億円の増収などを見込んでいるからである。そして、政府支出は疑いなく189億円、率にして1.5%強減少するのである。

(2)授業料の連続的値上げが導かれる

 政府支出減を最も確かな収入増である授業料値上げでまかなおうとするならば、授業料を毎年値上げしなければならないことになることは明白である。すなわち、学生と父母の負担が毎年増大するのである。しかも、退職手当等増78億円(ほぼ授業料値上げ増収額に匹敵)となる2005年度は教職員数が最も少ない世代が定年を迎える年度であり、第1次ベビーブーマーが定年に達する2007年度は退職手当経費はピークになると推定されていることにも注目しておこう。

(3)病院の独立採算制移行への拍車がかかる

 2(2)4)で指摘したように、病院の経営改善係数2%の強制によって、病院診療関係相当分の運営費交付金は全体の10倍、年15%の率で減少している。この率で減少するならば、5年で当初年度の約50%になる。そうなればもはや事実上の独立採算制となるが、果たしてそれで大学病院としての任務が果たせるのであろうか。

4.問われる各大学、そして国大協の姿勢

 授業料値上げを前提とした政府予算案を粉砕しない限り、学生と父母への負担増によって運営費交付金削減をまかなうという悪無限的構造が確立される。各大学が個別に対処するのではなく、全国立大学が一致してきっぱりと授業料標準額値上げを拒否し、国立大学関係予算政府案の組み替えを要求することが必要である。そしてこのような運営費交付金制度をもたらした国立大学法人法の廃止へと進まねばならない。

 国大協執行部、なかんずく国立大学法人法案の国会審議過程で参考人として同法に賛成の意見陳述を行った佐々木会長は、自らの責任を自覚しつつ、予算案組み替えのための行動を直ちに展開しなければならない。その意味でも1月13日の臨時理事会が注目される。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月30日 00:11 | コメント (0) | トラックバック (0)
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