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 カテゴリー 国立大学の情報

2005年06月17日

大学共同利用機関 法人化1年、機能低下懸念

科学新聞(6/03)

松尾研究会、文科省へ報告書
体制強化へ一元化提案

 大学共同利用機関や大学附置の全国共同利用型研究所などは一法人にすべきである―松尾研究会(座長=井口洋夫・分子科学研究所名誉教授)が指摘した。国立大学の法人化から1年2ヶ月を経て、大学本体は自主性や独自性を発揮する一方、全国共同利用型研究所などの機能低下が危惧されていることから、報告書「新たな全国共同利用体制の確立に期待する」をまとめ、5月26日、文部科学省に提出した。……


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信大 独立大学院の設置申請見送り 法科募集再開へ力

信濃毎日新聞(6/16)

 信大(本部・松本市)の法科大学院設置申請書類に虚偽記載があった問題で、小宮山淳学長は15日、人文学部が主体となって来年度開設を目指していた独立大学院博士課程「地域価値創成研究科(仮称)」の設置申請を見送る方針を明らかにした。文部科学省の要請を受け、当面自粛する法科大学院生の募集活動については、来年度入学に向け9月に再開できるよう、早期に運営体制を見直す考えを示した。……


[関連ニュース]
信大法科大学院の虚偽申請問題:信大、法科院生の募集中止 改善検討委設置へ /長野(毎日新聞6/16)
学生募集を自粛へ 設置申請問題で信大法科大学院(長野日報6/16)

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2005年06月16日

文科省、信州大に学生募集の自粛要請 虚偽記載問題で

毎日新聞(6/15)

 信州大(小宮山淳学長、松本市)が法科大学院設置申請時に文部科学省に提出した書類に虚偽記載があった問題で、文科省は14日、小宮山学長に対し、教員体制の見直しなど改善が確認されるまでの間、法科大学院の学生募集を自粛するよう指導した。同日開かれた大学設置・学校法人審議会の審議を受けた措置で、学生募集の自粛要請は極めて異例。事態収拾が長引けば、学生確保に影響が出ることも予想される。……


[同ニュース]
信州大法科大学院の募集を停止 虚偽申請問題で文科省(朝日新聞6/15)
信大法科大学院問題で文科省「当面募集の自粛を」(信濃毎日新聞6/15)
学生募集を一時停止=信州大法科大学院-論文虚偽申請で文科省が指導(時事通信6/15)
信州大法科大学院、募集自粛を指導・文科省(日本経済新聞6/15)

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2005年06月10日

信大 前経済学部長を停職 法科大学院問題6人処分 

信濃毎日新聞(6/09)

 信大(本部・松本市)は8日、法科大学院設置申請時に就任予定教員の未完成論文を受理済みにしたとされる問題で、大学院設置準備室長で経済学部長だった又坂常人教授を同日付で停職3カ月とするなど、6人の処分を発表した。「重大な過失があった」と認め、9日に文部科学省に報告する。……


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山大職員、医学部後援会費から500万円着服

山形大学(6/09)

 山形大は8日、医学部の50代の男性管理課係長(現・総務課付)が、学生の父母で組織する後援会の会費から現金500万円を着服していたとして、停職12カ月の懲戒処分にしたと発表した。着服期間は2年以上に及び、今年4月まで被害に気付かなかった監査体制の甘さが浮き彫りになった。

 また、管理監督責任として、管理課長を注意処分にした。係長は被害発覚後、全額弁済していることを理由に、刑事告発は見送るという。……


[同ニュース]
後援会費500万円流用 山形大医学部の50代職員(河北新報6/08)
着服:山形大職員が後援会費500万円着服 告訴・告発せず停職処分 /山形 (毎日新聞6/09)

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2005年06月09日

岐阜大学、再任早々,黒木学長「人員削減」宣言!?

岐阜大学職員組合(05/06/07情報)
 ∟●岐阜大学職員組合ニュース Vol.21号外(2005年5月13日)

再任早々,黒木学長「人員削減」宣言!?
毎日新聞(4/23)より

 毎日新聞(4月23日付)によると,学長に再任された黒木学長が,法人化後の生き残りをかけ,人員削減などを行いたい」と語っています。
 職場では労使協定に違反した残業を実施しながら,さらに人員削減を宣言するとは,許し難いことです。不透明な大学運営の元で人員削減など許されることではありません。職組ではその事実をただし即対応します。


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信州大、法科大学院設置の虚偽申請認める

日経新聞(6/08)

 信州大学(長野県松本市)が昨年6月に法科大学院の設置を申請した際、未完成の論文を完成済みと報告したとされる問題で、同大の調査委員会は8日、5本の論文が申請時には未完成だったと発表した。

 調査委員会では虚偽申請の背景について、大学院設置に伴う教員確保が課題となり「研究実績の積み増しを図った」とした。また、法科大学院設立の中心となった経済学部の「適正手続きに関する意識の希薄さ」が原因との認識を示した。

 信大は同日、申請の最終責任者だった又坂常人前経済学部長を停職3カ月とするなど、関係者の処分を決めた。


[同ニュース]
法科大学院申請問題 信州大が調査結果まとめ5人処分(朝日新聞6/08)
論文未完成なのに「完成」…信州大が5教授処分(読売新聞6/08)

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金沢大学、「16学類」新設へ 学科の壁取り払う

東京新聞(6/08)

金大『16学類』新設へ
学科の壁取り払う
学習、研究に 広く選択肢

 二〇〇八年度をめどに現行の八学部を三「学域」に統合する金沢大(金沢市)の再編構想で、現行の学科に代わる緩やかな学生の募集単位として「学類」を新設することが固まった。「地域デザイン」「国際」「環境デザイン」(いずれも仮称)など十六学類の方向で、学部や学科の壁を取り払い、学び、研究しやすくする。〇五年度内に募集定員、試験科目などを細部を最終決定する。……


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2005年06月08日

国立大学法人評価委員会 総会(第9回) 配付資料

国立大学法人評価委員会 総会(第9回) 配付資料

国立大学法人評価委員会 総会(第9回) 配付資料

資料1 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の法人化を契機とした新たな取り組み
資料2 各年度終了時の評価を踏まえた法人全体の状況把握について(案)
資料3 国立大学法人評価委員会タスクフォースの設置について(案)
資料4-1 国立大学法人及び大学共同利用機関法人の年度評価の作業スケジュール(案)
資料4-2 評価チームの編成について(案)
 (参考1) 国立大学法人分科会における評価チームの編成について
 (参考2) 大学共同利用機関法人分科会における評価チームの編成について

国立大学法人及び大学共同利用機関法人の法人化を契機とした新たな取り組み


1.国立大学法人
経営のイノベーション
 学長のリーダーシップによる学内の研究費やポストの戦略的・競争的な配分
法人化以前は予算は費目別に積算され(「学長裁量経費」という予算区分があり、他区分からの流用はできなかった)、また定員も職種別に定数管理されていたが、法人化後は各法人の裁量に
・ 学長裁量の人件費・定員枠・・・55パーセント
・ 研究費等の戦略的な重点配分(検討含)・・・91パーセント

(具体例)
・全学教育研究基金(評価による配分)、学長裁量経費(学長のリーダーシップによる機動的配分)を措置〔東京大等〕
・学長裁量経費の配分の上で若手教員養成に重点〔静岡大、滋賀医科大等〕
・学長裁量定員を設定し、全学的な観点から定員を再配置〔山形大、東京工業大、新潟大等〕
学長を中心とした意思決定システムの確立
・ 法人化により各法人の裁量による学内組織編制が可能に ・ 秘書室の強化・・・66パーセント
・ 秘書室の強化以外の方策(学長特任補佐、役員補佐、経営政策室等の設置)・・・52パーセント
・ 役員会とは別に副学長、学長補佐等との会議の設置・・・47パーセント

(具体例)
・学内の各種委員会を整理し、理事担当や教員、事務職員等で構成する「室」に再構成〔北海道大、東京工業大、広島大等〕
……

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2005年06月07日

新潟大学職員組合、官製談合問題で監督責任を問われている前市長に大学法人監事職が勤まるのか

新潟大学職員組合
 ∟●官製談合問題で監督責任を問われている前市長に大学法人監事職が勤まるのか、疑問が出されている[速報版No.29(2005.5.25)]

2005年5月19日
新潟大学職員組合

官製談合問題で監督資任を問われている前市長に
大学法人監事職が勤まるのか、疑問が出されている

 公正取引委員会の立ち入り調査で明るみに出て、逮捕者4名が出るにいたった新潟市と建設業者の官製談合間題は、長年にわたる組識的かつ構造的な不正として、市民に大きな衝撃を与えています。368事業、6O4億円にのぼる事業費にかかわる今回の談合事件の解明と再発防止策の確立が強く求められています。新潟市民に対して本学監事に関わるこの問題を新潟大学で働く教職員として見のがせないとする声が上がっています。何故ならば、今回の官製談合事件が、長谷川義明監事が新潟市長として在任中であった1999年から2003年の問にも発生したものであり、「官民癒着の完璧な談合関与システム」とかかわるからです,
 篠田新潟市長が防止法に基づいて設置した「新潟市入札談合等関与行為調査委員会」の報告書と新潟市議会による「談合問題の構造的要因とその背景及び入札制度改革も含めた再発防の方策に関る調査にっいて」の議事録によると、長谷川前市長について以下の指摘がなされています。
1)たぴたび談合情報が寄せられていたにも拘わらず、有効な防止策を講じなかったばかりか、一般競争入札導入などの入札改革に当時の市トップがプレーキをかけた。
2)「落札率が高すぎるという」企画財務局長等の問題意識に対して、市長として「適正な競争率である」という認識であった。
3)市長選挙での建設業界からの組繊的集票との関係も指摘されている。
4)業界からの要請により、市中枢幹部が、談合構造を作る要因となる幹部職員のOB職員の再就職(「天下り」)を斡旋していた。これを長谷川氏は、「社会貢献」であるとする認識を示している。

 以の深刻な問題があるのです。「調査委員会」の報告書も、「市政のトップにたつ者の長年にわたる消極的姿勢が、適正化法などを周知させず、防止法を職員に知らせなかったことを招き、入札改革を遅らせた景大の要因である」と指摘し「本件関与事件が遅くとも平成3、4年頃から始まっており、この時期以降に市長、助役、収入役であった者、就任後に関与行為があった篠田市長も監督責任は免れない」と結論づけています。新潟日報(2005.03.26)も、「三役(長谷川前市長、渡辺前助役、熊谷前収人役})が、在任中の監督責任をを取りたいとして、市に寄付を中し出て受理されている」と報道しています。

法人監事職におる長谷川義明氏は、市長時代の
資任について自ら明らかにすべきである

 以上から、長谷川監事には、前市長として長年の談合体質を放置し温存してきた「監督責任」があるものと考えられますが、このことをいかがお考えか、また市長在任中の監督責任を果たしえていない場合に、大学法人の監査を行う者として適任か、監事自らのお考えを大学構成員に明らかにする必要があります。


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2005年06月06日

神戸大学行動計画に対する要望書

神戸大学教職員組合
 ∟●神戸大学行動計画に対する要望書(2005年5月31日)

2005年5月31日

神戸大学長
野上 智行 殿
神戸大学教職員組合
中央執行委員長 道奥 康治
女性部代表 坂本 千代

神戸大学行動計画に対する要望書

 神戸大学は先ごろ、次世代育成支援対策推進法(以下「推進法」という。)に基づく「神戸大学行動計画」を策定され、これに対するパブリックコメントを募集されました。
 推進法は「次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ育成される社会の形成に資することを目的」(推進法第1条)としたもので、301人以上の労働者を雇用する事業主は労働者の職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な雇用環境の整備に関する行動計画を策定・実施することを義務づけています。推進法のいう目的を実現するためには事業主が策定・実施すべき行動計画はきめ細かなものであることが要求されることは明確であり、実際厚生労働省が示す「行動計画策定指針」(以下「指針」という。)には多岐にわたる内容をもりこんでいます。
 神戸大学が策定する行動計画においても上記の点を踏まえたものであることが必要で、また策定にあたっては教職員の意見を十分に汲み取ったものでなければなりません。さらに計画は一度立てたら終わりというものではなく、実施状況を点検しつつ、見直し・充実を図ることが求められます。神戸大学教職員組合は神戸大学の行動計画が推進法の目的にかなったものとなることを願い、中央執行委員会と女性部の連名で以下のことを要望するものです。

1.推進法、指針および神戸大学行動計画についての説明会などを開催し、教職員への周知を図ること。管理職等への研修は随時行い、行動計画を実施する職場環境を整えること。
2.神戸大学行動計画は指針に照らしても限定的であり、内容の具体化を含めて見直しが必要である。とりわけ育児休業の取得について男性職員は5年間の内に「1人以上」とする計画はあまりにも低すぎるものであり、育児は女性が行うものであることを大学が認めるものである。この点についてはただちに見直しを行うこと。また行動計画の期間を5年間ではなく、2年ないしは3年とすること。
3.計画推進のための全学的な委員会を設置し、計画の推進・目標達成状況の点検・計画の見直しを行うようにすること。委員会には子育てに関わっている男女両方の教職員(非常勤職員を含む)が参加すること。参加にあたっては通常業務に支障のきたすことのないよう職場での人的手だても含めた配慮をおこなうこと。
4.上記の委員会での検討にあたっては全教職員の意見・要望を汲み取るための方策(例えばアンケート)を講ずること。また委員会での検討状況は全教職員に公表すること。
5.現段階で最低限のこととして次の点を行動計画に盛り込むこと。
①産前休暇を8週間とする。
②長期の病気休暇、産休、育休などに対する代替教職員を措置する。
③非常勤職員の休暇(有給休暇および特別休暇)、育児休業を常勤職員と同等にする。
④学内における保育所(託児所)の整備を図る。
⑤終業時刻を17時とし、やむを得ない場合以外の定時終業を促進する。


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法人2年目改革へ 岩手大あす新体制

岩手日報(6/05)

 岩手大(平山健一学長)の法人化2年目の新体制は6日、スタートする。役員5人の平均年齢は56歳。法人化初年度の62歳から大幅に若返った。役員には同大教職員組合委員長の玉真之介氏を理事に起用。古い枠にとらわれない人材登用で、法人化2年目を迎えた大学改革に拍車をかける。

 同大は、新理事に学務担当の玉氏と地域連携担当の大野眞男(まきお)氏のいずれも51歳の若手を起用した。改善が迫られる課題として「文系の地域貢献」「大学の共通教育の整備」を掲げる。……


 【岩手大役員】
▽学長 平山健一(63)
▽理事・副学長 斎藤徳美(60)=工学部教授
▽同 玉真之介(51)=岩手大教職員組合委員長、大学院連合農学研究科教授
▽同 大野眞男(51)=教育学部教授
▽理事兼事務局長 菊地俊彦(57)


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2005年05月30日

和歌山大学教職員組合、不払労働根絶、労災、人員削減停止 円満な労働関係の継続を確認

和歌山大学教職員組合
 ∟●「くれない」第1291号(2005年5月24日発行)

不払労働根絶、労災、人員削減停止
円満な労働関係の継続を確認

協 約 書

 国立大学法人和歌山大学(以下「大学」という。)と和歌山大学教職員組合(以下「組合」という。)は,以下の事項について協約する。

1.不払い残業の根絶と,超過勤務の大幅削減について

 不払い残業をなくす。超過勤務を実施せざるを得ない場合は,上司との協議制とし,捺印による確認等を行う。

2.労働災害について

 大学の管理下での深夜労働・休日労働における労働災害については,労働基準監督署に手続きを行う。出前講義・サテライト出講における労働災害についても同様とする。

3.人員削減の停止についての要求

 事務系職員についてはこれ以上の人員削減をしない。解職・解雇を強制的に行わない。

 この協約の有効期限は,平成18年5月10日までとする。

平成17年5月11日

国立大学法人和歌山大学長

和歌山大学教職員組合 委員長


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2005年05月27日

新潟大学、運営費交付金総額で98億円減額 わずか一年で「法人=リストラ制度」が露わに

新潟大学職員組合
 ∟●新潟大学職員組合法人化WG報告(運営費交付金総額で98億円減額)

運営費交付金総額で98億円減額 わずか一年で「法人=リストラ制度」が露わに

2005年4月25目
新潟大学職員組合法人化WG

 
 H17年度国家予算が決まり、既に紹介したように国立大学の運営費交付金総額が98.4億も減額されました。89大学のうち、およそ2/3の60大学で減額となっています。和歌山大学では、法人移行後の6年問の予算減額が3億5千万にのぽると予想し、教員数を16%削減する計画を立てているとの報道もあります.安易に人件費削減を検討することは間題ですが、法人制度が「定員削減を避けたければ、法人化をといいながら、予算削減で定員削減を押しつける」文科省の「だまし討ち』(石井郁子議員)であったことは,今や明らかになりました。

新大予算額は44億増 授業料据え置きも可能のはず!

 新潟大学の平成17年度予算は、すでに3月に財務委員会と経営評議会・役員会を経て決定されています、大学予算は、総額で44億近く増えています。増減の内訳は、特別教育研究経費14.5億+その他の教育研究経費8.6億+施設補助金等収入23.5億+授業料等収入2.9億-(授業料改定増収分1.7億+効率化額1.5億+長期借入金2.5憶)となっています。
 病院の経営改善額3億は、増収として計上されています。配分では特別研究経費の獲得に関連した経費、脳研「水分子の脳科学事業費」6.9億、ベンチマークや副専攻制度を目玉とする「全学教育支援システム推進事業費」2.5億、「技術連携…事業費11.2億などが含まれています。具体的に予算の使い道をみると、授業料値上げが本当に必要だったか疑問です。また、値上げをしても本学では、「成績優秀者の学費全学免除」(山口大)、「奨学融資制度」(島根大、利子は大学負担)、「学生らが決める予算枠1億円」(名大)など、値上げ分のサービスを行うこともありません。

昨年と同じ予算編成方針 相変わらずのピンハネ構造
……

以下は上のURLを参照下さい。


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2005年05月23日

名大教授、補助申請書類に虚偽 文科省1億5千万円交付

朝日新聞(2005年05月21日)

 世界的研究拠点に対して文部科学省が補助金を交付する「21世紀COEプログラム」で、名古屋大学(平野真一学長)から提出された申請書類の一部に虚偽の研究業績が含まれていることが20日、わかった。問題があったのは、大学院多元数理科学研究科の教授の業績部分で、教授自身が書いた。この教授がサブリーダーを務めるグループの研究は03年度事業に採択されており、これまでの3年間に約1億5千万円が交付されている。申請書の業績欄には研究論文8本が書かれていたが、このうち3本は申請と異なり数学専門誌に掲載されていなかった。

 朝日新聞の取材に対し、本人も未掲載の事実を認め、「チェックミスがあったことについては、責任を感じている。申請書の訂正を申し出たい。意図的ではなかった」と話している。

 COEは、高等教育での研究費補助で最高峰と位置づけられている。文科省は「極めて遺憾」としており、調査に乗り出す方針だ。……


[同ニュース]
大教授、COE申請で虚偽=論文、著名誌「掲載予定」と-文部科学省調査へ(時事通信5/21)
名大教授、COE補助金で未掲載論文を「業績」と申請(日本経済新聞5/21)
文科省『COE』 名大の申請に誤り 担当教授を調査へ(東京新聞5/21)
名大教授の申請に誤りか 調査委設置、補助金めぐり(共同通信5/21)
名大:事実と異なる研究実績を記載し申請 文科省COEで(毎日新聞5/21)
名大大学院教授、誤った研究業績で補助金1億5千万円 (読売新聞5/21)
虚偽記載:名古屋大教授、補助金申請書に虚偽--「著名誌に論文」未掲載(毎日新聞5/22)
名大教授が虚偽申請 文科省 補助金1億5000万円交付(産経新聞5/22)
学内調査委が書類を精査 名大教授の虚偽申請問題(共同通信5/22)

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2005年05月20日

参議院文教科学委員会、「国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(2005年5月17日)

全大教
 ∟●「国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(2005年5月17日)

国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
(参議院文教科学委員会 二〇〇五年五月一七日)

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

一、国立大学法人の再編・統合に当たっては、教育研究基盤の強化とともに、個性豊かな大学の実現に資するよう努めること。また、地域の知の拠点としての役割にかんがみ、各国立大学法人は地域との更なる連携に努めること。
二、再編・統合後の富山大学については、医薬理工融合による和漢医薬学を始め統合医療を総合的に教育研究するための我が国の拠点として十分に役割が発揮できるようにするなど、その拡充・発展を図るとともに、高岡短期大学がこれまで果たしてきた地域貢献の伝統を継承し発展させるよう努めるほか、様々な工夫により、キャンパス分散による不利・不便を克服し、再編・統合の実を上げるよう留意すること。
三、障害者に対応した高等教育機関の整備については、筑波技術大学の整備・支援に努めるとともに、一般大学における受入れの促進を図ること。特に、筑波技術大学は、聴覚・視覚障害者を対象とする我が国唯一の高等教育機関であることにかんがみ、大学院の設置について積極的な検討を進めるとともに、障害者教育に関する支援及び情報の発信、障害者のための機器の開発、技術等の習得方法の研究、新たな職域の開拓や雇用機会の確保等に努めること。また、大学評価に当たってはその教育研究の特性に十分配慮すること。
四、短期大学がこれまで果たしてきた役割と今後の重要性にかんがみ、その振興・助成に十分に配意するとともに、卒業生が学部等に円滑に編入学できるよう留意すること。
五、授業料等の標準額については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、適正な金額・水準とするとともに、標準額の決定に際しては、各国立大学法人の意見にも配慮するよう努めること。また、日本学生支援機構等の奨学金の更なる充実を図るとともに、授業料等減免制度の充実や独自の奨学金の創設等の各国立大学法人による学生支援の取組について、積極的に推奨・支援すること。
六、国立大学法人評価委員会による中期目標に対する評価の基準を示すとともに、運営費交付金を算定する際にその評価結果がどのように反映されるかを速やかに明らかにすること。
七、国立大学において、質の高い教育研究成果を得るため、先端施設のほか、老朽施設、学生寮の整備など教育研究環境の着実な整備を推進すること。

右決議する。


(参考)
衆議院文部科学委員会、「国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」(2005月4日22)

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改ざんデータで論文、大阪大チームが米医学誌に発表

読売新聞(5/19)

 大阪大大学院医学系研究科の研究チームが昨年10月に米医学誌「ネイチャーメディシン」に発表した基礎研究の論文が、不正なデータに基づく内容だったことが18日、明らかになった。

 研究の実質的な担当者だった医学部の学生が、大学側の調査に対しデータの改ざんを認めたという。

 実験を記録したノートや実験用のマウスも見つからず、実験結果そのものがねつ造だった可能性も出ており、同研究科は遠山正彌・研究科長を委員長とする調査委員会を設け、事実関係の解明に乗り出した。担当教授はすでに同誌に論文取り下げを申し入れ、承諾された。

 問題の論文は、脂肪組織にある酵素「PTEN」の働きを抑えると、たくさん食べても体重が減り、インスリンの働きがよくなって血糖値が下がることをマウス実験で確かめた――という内容。下村伊一郎教授(内分泌代謝学)、竹田潤二教授(発生工学)ら14人の共同研究で、第一筆者は医学部の学生。昨年10月17日付の「ネイチャーメディシン」電子版に発表された。

 論文によると、この酵素が脂肪組織にだけ生じないマウスを作り、正常なマウスと比較。「PTEN」のないマウスはえさをよく食べるが、正常なマウスと比べ、体重は少なく、脂肪組織の重さも4分の1で、糖尿病や肥満対策への応用が期待されるとしていた。


[同ニュース]
データ改ざん:米医学誌への論文取り下げる 大阪大学(毎日新聞5/19)
データ改ざん学生認める 阪大の肥満研究論文(共同通信5/19)
論文に学生がねつ造データ 大阪大謝罪(共同通信5/19)
阪大のデータ改ざん問題、発表論文を新たに取り下げ(日本経済新聞5/19)

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2005年05月19日

国立大の経営手腕磨け 京大副学長ら研究会発足

京都新聞(5/18)

 京都大の本間政雄副学長らが17日までに、国立大事務職員の経営能力向上を目指す全国組織「国立大学マネジメント研究会」を発足させた。東京大や立命館大でも研究機関が設けられるなど、国立大法人化から1年を機に、「大学経営の専門家」を養成する動きが加速している。

 全国89の国立大は昨春の法人化で、従来と違う効率的運営と独自の管理責任が求められている。予算も年々削減されるが、長く国の保護と規制のもとで存続してきたため、経営を担う人材が限られている。一方、私立大も受験人口減少により環境が激変し、経営を学ぶ需要は高まっている。

 マネジメント研究会は、法人化後の国立大が抱える各種の経営課題を協力して研究し、解決する。効率的な組織改革や非公務員となった教職員の労働問題、外部資金の獲得手法、病院経営、地域連携のあり方などが具体的な研究テーマとなる。

 上杉道世・東京大理事や早田憲治・九州大理事ら全国の国立大関係者が参加し、顧問は有馬朗人元文相が務める。全国の大学職員に参加を呼びかけて6月に東京で設立シンポジウムを開くほか、分野別の研究部会や国内外の先行事例を紹介する月刊誌発行も進める。

 また今春は、東京大大学院に大学運営や高等教育政策の研究者を養成する「大学経営・政策コース」が設けられたほか、立命館大にも大学幹部候補生を育てる「大学行政研究・研修センター」が設立されている。

 マネジメント研究会会長の本間副学長は「私大や企業とも情報交換し、社会にきちんと説明できる大学運営を実現するように専門知識や意欲を高めたい」と期待している。研究会事務局Tel:03(3230)8767。


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2005年05月17日

神戸大学教職員組合、サービス残業代、支払われる!

神戸大学教職員組合
 ∟●月刊しょききょく5月号(2005.05.13)

サービス残業代、支払われる!!

 昨年5月に遡って支給
 さる3月30日の交渉で「サービス残業の疑いがある」と当局が認めたA部局では、未払いであった残業代が昨年5月に遡って、この4月分給与で支払われました。私たち組合との交渉で「サービス残業はない」と述べ続けてきた当局が、組合が示した職場実態を否定しきれず、サービス残業の存在を認め、その手当を支給したものです。
 しかし、これは当局が超過勤務命令簿をもってしても否定できないサービス残業に対してのみ支払ったものであり、ほんの一部にすぎません。職員が実際に行った残業時間と超過勤務命令簿に記載された時間との間には隔たりがあることは当局も否定はしていません。組合の調査では、A部局だけでなく他の部局においてもサービス残業があることがわかっています。このことを放置しておくわけにはいきません。

「勤務状況記録簿」をサービス残業根絶の第一歩に
 この5月から「勤務状況記録簿」が試行されています。これはこれまでの出勤簿と超過勤務命令簿を廃止して、勤務時間管理をこの記録簿で行おうとするものです。職員(非常勤職員を含む)は日々、業務開始時刻と終業時刻を記録簿に記入し、超過勤務命令があった場合はその時間を記入して監督者に確認をしてもらうようになっています。当局は「この記録簿に記載された残業の手当ては必ず支払う」と表明しています。また「残業手当の上限をあらかじめ決めて、それ以上の手当を出さないとか、職員が自主的に残業時間数を抑えて報告するような指導はしない」とも述べています。
 私たち組合は、勤務時間の客観的な管理をシステム的に行う(例えばタイムカードを導入する)よう要求してきています。当局はその必要は認めつつ、まずこの形で試行し、それを踏まえて次のステップに進みたいとしています。日々記録簿に記入することは大変ですが、サービス残業根絶に向けて踏み出しましょう。問題点などがあれば組合にご意見をお寄せください。

「行動指針」も出ています
 大学当局は、勤務状況記録簿導入とともに「労働時間の適正な管理を実施するための行動指針」を出しています。そこには、毎週一回定時終業日を設けること、時間外勤務の縮減に努めること、また、管理者自らが帰りやすい雰囲気づくりを心がけ、時間外勤務の多い職員の健康管理に気を配ることなどが謳われています。さらに、家族の誕生日や子どもの学校行事などがあるときに、年次休暇が取得しやすいよう職場全体で取り組むことも促しています。自らの労働時間を自ら把握し、時間外勤務をした分の手当を受け取り、休むべきは休む。そういう当たり前のことが当たり前にできる職場にしていきましょう。


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2005年05月07日

熊本大、法人化から1年 経営効率化など課題山積み

熊本日日新聞(5/06)

 昨年四月から国立大学法人となり、自らの責任での「経営」が求められるようになった熊本大(熊本市黒髪)。初年度は、経営のカギとなる外部資金の獲得額は伸びたが、毎年課される経営効率化や二年後に迫る大学全入時代への対応など課題も山積。“生き残り”をかけた取り組みは始まったばかりだ。

 「法人化して常に経営を念頭に置かなければならなくなった」と崎元達郎学長。その理由は、法人化でより自立した経営を求められるようになり、国からの交付金が毎年削減されるようになったからだ。熊本大の場合、付属病院が毎年2%増収することを前提に交付金がカットされるなど、毎年四億円ずつ減ることなった。

 国からの交付金減を補うにはまず、大学の“企業努力”で獲得できる国の科学研究費補助金(科研費)などの外部資金を増やすことだ。

 科研費は独創的・先駆的な研究に国が助成する。熊本大は、法人化一年目の二〇〇四年度から科研費の獲得額を伸ばすため、全教員約千人に科研費申請を義務付けた。その結果、〇五年度の申請件数は千二百五件と前年度より四割近く増加。うち三百九十一件が採択(内定)され、獲得額は前年度より約三億円増の十四億五千万円となった。

 また、特別教育研究経費として工学部の「ものづくり創造融合工学教育事業」など四件が認められ、新たに約三億円の外部資金が加わった。

 全国の国立大のうち、半数以上の大学の〇五年度予算が前年度より減少する中、熊本大は外部資金の増加もあり三十五億円増(科研費含む)の四百六十六億円と順調な滑り出しとなった。

 だが、崎元学長は「経営効率化で課せられている付属病院の収入増を継続的に達成していくことは難しい。高度な医療に取り組むことが使命である以上、単純に病床稼働率アップや人件費削減といった対応はできない」と楽観視していない。

 また、法人化後はさまざまな面での評価が取り入れられた。各大学の世界的な先駆的研究に助成する「二十一世紀COEプログラム」に対して初めて実施された中間評価では、最も低い「D」評価を受けた大学の研究は国からの補助金が70%減額となった。

 熊本大の研究は最も高い「A」評価を受け、補助金は前年比45%増となったが、これからもより質の高い研究と成果が求められることになる。

 こうしたことを背景に、熊本大は学内の教員に対する評価制度を〇四年度から試行的に始めたが、人文社会系学部の教員は「人文社会系の研究成果は短期間では見えにくい。一律に成果を求めることには無理がある」と不満顔だ。学部間のバランスをとりながら、教育研究全体を充実させることも課題の一つだ。

 一方、大学全入時代への対応も急務。少子化の影響から、〇七年には全国の大学の定員より志願者数が下回る事態となる。今春の熊本大の入学試験の競争倍率は、前・後期とも平均で約二・五倍と前年度を下回った。

 崎元学長は、大学は二極化の傾向にあるとの認識の上で、「当面は九州や関西方面までをターゲットにして学生を獲得していきたい」という。熊本大の伝統に新たな魅力を加えるともに、県内の他大学とコンソーシアム(共同体)を設立して、共同で情報を発信していく方針だ。

 大学間の競争が激しくなる中、崎元学長は「トップダウンだけではなく全教職員が共通認識を持ち、大学としてまとまっていくことが必要だ」と力を込める。


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2005年04月29日

信州大学、2つの不祥事と処分

無料コピーで教材作り売る 信州大教授を戒告処分

共同通信(4/28)

 大学のコピー機で無料でコピーしたテキストを学生に売っていたとして、信州大(本部・長野県松本市)の男性教授が戒告処分になっていたことが28日分かった。信州大が同日記者会見し、2004年度の懲戒処分を公表した中で判明した。
 信州大によると、教授=処分当時(57)=は2001年度から03年度にかけて、自分で作成した約100ページのテキストを学内のコピー機で無料で複写。1部300-1000円で学生約280人に販売し、計約21万5000円を受け取っていた。
 信州大は昨年10月20日付で教授を処分。教授は「学生の懇親会などに使った」と説明しているという。

信州大、住宅手当など不正受給の教授 停職3カ月の処分

毎日新聞(4/28)

 信州大(本部・長野県松本市)は28日、約4年間にわたり住宅手当と通勤手当を不正に受け取っていたなどとして、経済学部の男性助教授(40)を停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。助教授は不正受給分の約300万円を国と大学に返還する。30日付で退職願を提出した。

 信州大によると、助教授は「神奈川県の自宅や東京の母親宅に帰省しやすい」として、01年2月に勤務先の松本市から長野市に転居し、住宅手当と通勤手当を申請。実際は自宅などから松本市へ通い、長野市のアパートには着替えに戻る程度だったという。同大は就業規則から、長野市のアパートは住居とは認められないと判断した。

 また同大は、昨年10月にテキストを大学の経費でコピーし、学生に配布したにもかかわらず、学生から代金計約21万円を受け取っていたとして、男性教授(58歳)を戒告処分にした。受け取った金について教授は「学生が学会に出席するための補助費や懇親会経費に使った」と話しているという。


[同ニュース]
信州大学助教授が手当の不正受給などで懲戒処分(信越放送4/28)

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2005年04月26日

国立大法人化から1年(3) 横並びでは生き残れない

日本経済新聞(2005/04/25)

地域か世界か個性模索
 この春、滋賀大で聞きなれない資格の養成プログラムが始まった。
 「環境学習支援士」。環境問題のリーダーに、大学が授与する独自資格だ。琵琶湖を抱える滋賀県は、学校や地域で環境学習が盛んだが、体系的に学んだ指導者の不足が悩みだった。そこに大学が目をつけた。
 定員は学生が二十人、社会人・現役教師が十人。専門科目と実習、課題研究を履修後、資格審査まで最低二年間。今年度は社会人・教員三十六人が志願した。「環境を大学の特色にし、地域に貢献したい」。神部純一助教授の鼻息は荒い。
 高知大も今春、独自資格「防災インストラクター」を設けた。防災関連四科目を履修させ、最終試験を経て認定する。南海地震対策が重要課題の高知県は、地域の防災リーダー育成が急務。「資格があると学生もやる気を出す」。松永健二副学長は、県との共同資格認定もねらう。
■  ■
 存在感が薄いとされた地方国立大が、地域に目を向け始めた。“ミニ総合大学”にとどまっていてはじり貧になると、地元の課題を正面から受け止めたのが特徴だ。
 マグロ漁で名高い青森県大間町。弘前大は、大間漁業協同組合と共同研究を始め、昨年九月、漁協内に、共同研究室を開いた。当面のテーマは、コンブの成育に有害な海草の有効活用と、津軽海峡の急流を利用した自然エネルギー開発。「大学と地域の共同研究の見本にしたい」。同大の加藤陽治・地域共同研究センター長は意気込む。
 東京都内で三月、「国立大学法人地域貢献シンポジウム」が開かれた。トキの野生復帰のため佐渡島の環境保全に取り組む新潟大。地域の女性リーダーを育成する奈良女子大……。二十四大学が成果を競う。金沢大の中村信一副学長は「大学の経営努力が問われている。学生や資金の確保も、地域連携なしにやっていけない」と話す。
 学生サービスもキーワードは「地域」だ。島根大は山陰合同銀行と連携し、国立初の授業料奨学融資制度を始めた。在学中は元金を据え置き、利息は大学が負担。卒業後に島根県か鳥取県に居住または就職すると、金利を〇・五%減免する。
 信州大や佐賀大の医学部、滋賀大の教育学部などは、入試に地元受験生向けの特別枠を設けた。医師や教員不足に対応し、今後も広がりそう。
■  ■
 地域志向が高まる傍らで、有力大学はグローバル競争の勝ち残りに、一段と軸足を移す。
 「東大は世界一の総合大学を目指す」。小宮山宏・新学長は今月記者会見で言い切った。東大学長が公式の場で世界一を表明したのは「たぶん私が最初」という。
 知の大競争の時代ともいわれる中、その主戦場は大学だ。英タイムズ紙のランキングでは一位ハーバード大、二位カリフォルニア大バークレー校、三位マサチューセッツ工科大と続き、東大は十二位。北京大(十七位)、シンガポール国立大(十八位)などアジアの有力大も猛追する。「米、欧、アジアの競争の熾烈(しれつ)さを、社会がどれだけ認識しているか」。小宮山学長の言葉に強気と危機感が入り交じる。
 「世界最高の理工系大学」を長期目標に掲げる東京工業大も「国家の支援を受けた東南アジアの大学は急成長している」(相沢益男学長)と危機感を募らせる。
 法人化から一年。将来を模索する中で、各国立大が描く大学像に違いが出てきた。それが大学の個性として花開けば、法人化は一定の成果を収めたことになる。

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国立大学の法人化から1年(上) 経営改革迫る決算―前東京大学長佐々木毅氏

日本経済新聞(2005/04/25)

コスト意識、不可欠に
事務効率化、成果これから

 国立大学が法人化されて一年がたった。大学問題に詳しい識者二人に一年間を総括してもらった。初回は三月まで国立大学協会長を務めた佐々木毅・前東京大学長。
 法人化に一学長として関与したのみならず、国大協の会長としてかかわって来た者として、現在の所感と今後の課題を述べることにしたい。
予算などに課題
 第一は、法人化のツメと実行が極めて短時間で行われたため、文字通り「走りながら考える」ことになったことである。それでも「考える」ことが出来ればまだましであり、「考える」余裕すらないままに当座の対応に追いまくられ、そのため放置されたまま一年が過ぎてしまった案件も珍しくないに違いない。
 国立大の法人化はその規模や事柄の重要性からして、第三者委員会といった場を設定し、細部にわたり論点を明確にすべき案件だったはずだが、それができなかった。
 その結果、細部に目が行き届かなかったのみならず、文部科学省の所掌を超える事項、例えば、予算などのあり方について、大きな課題が残ることになった。かくして、国立大学法人の経営にとって最大の不確定要因は政府ということになったのである。
 二〇〇四年度予算においては効率化係数が最大の問題になり、〇五年度では周知のように授業料標準額の値上げが争点になった。国立大の経営の自主性についての華々しいレトリックにもかかわらず、年末になって来年度の経営環境がいとも簡単に変えられてしまうというのでは法人化した意味がどこにあるのか分からない、という声が出ても不思議はない。
 また施設整備費は極度に不足し、〇六年度からは極めて深刻な事態になることが予測されているが、投資を減額し、しかも法人の自由を規制し、その上で経営を向上させよというのであるから、そもそも合理的な判断が成り立つ余地がほとんどない。
 国大協にはこうした疑問と不満が毎日のように寄せられる。これら制度設計にかかわる諸課題を政府側と国立大学法人側とで協力し、一つ一つ合理的に解決していくことが、この制度の定着にとって不可欠である。
インフラを整備
 第二は、国立大学法人の側の取り組みの問題である。実を言うと、この一年間は非公務員型の人事制度の設計や定着の問題、新しい財務管理システムの設計とその着実な実行(月次決算の実行など)といった、法人化に伴うインフラ整備に多くのエネルギーを割いて来たのが実情である。これはこれまでの日常的業務からの切り替えにとって必要な基本作業であるが、外からは見え難い誠に地味な作業である。
 また、産学連携関係の制度の整備についても実に多くのエネルギーが費やされた。総じて、法人化に伴う自由は法人としての自由裁量権の確立を意味するはずであるが、これを法人に属するメンバーが直ちに自由に何でもできることと誤解した向きが強く、これが問題を難しくした面があった。
 こうした合理的なシステム設計とその着実な実行の習性を定着させることができるかどうかは、長い目で見て各法人の経営力を左右する。こうした作業は「憎まれ役」を担う人材がなければ極めて困難であり、私の体験によれば、細部の議論になればなるほど執行部の評判は芳しくなかった。
 東京大学では昨年後半にコンサルタント会社と共同で事務作業の見直しと事務量の三割カットを目標とした準備作業を行ったところであるが、こうした作業の成果はこれからである。
 次のステップとして極めて大事なのは六月に明らかになる各法人の決算とそれを踏まえた経営の再検討である。これまではコストの問題抜きに教育や研究のあり方を議論できたが、この長い間の習性に終止符を打つのがこの決算である。
 実は授業料値上げ問題の際にこのことは議論になったが、今後は授業料のみならず、あらゆる課題について数字に即した説明が必要になっていく。学生に対するサポートにしても従来以上に透明性のある形で議論しなければならないし、国立大学の授業料の横並びが崩れたということを越えて、各法人の財務的個性などが吟味の上で報道されることになろう。
 極めて厳しい効率化が求められた大学病院の財務状態なども、これを契機に社会的関心を集めることになるかもしれない。その意味で決算は学内外における説明責任のあり方を大きく変え、それが学内の現状の見直しと新たな改革へのステップにつながり得るのではないか。
独自に職員採用
 最後に国会などで大きな問題になった文科省の人事面での「関与」「介入」について簡単に言及しておきたい。
 各法人の間をまたがって全国的・地位的に移動する職員については同省による調整が続いている。これは法人化に伴って国大協との間でなされた合意に基づくものである。
 しかし同時に、事務局長ポストも大学によっては廃止され、役員会が主導性を発揮するシステムへの転換も進んでいる。法人化の結果、職員に対する法人内部の評価の仕組みが整備され、徐々に選別の動きが高まることが予想される。それが文科省の調整力を弱める方向に作用することは避けられない。
 職員採用においても昨年はこれまでの公務員試験を模した方法が採用されたが、東京大学のようにそれと並行して直接採用を開始するところも出てきた。派手には見えないが、事態は着実に動いているというのが私の実感である。


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国立大法人化から1年 学長は「みこし」にあらず

日本経済新聞(2005/04/24)

 大学自治の象徴ともいえる「教授会」が、お茶の水女子大では五月から様変わりする。
 時には紛糾し、深夜まで及ぶこともあった討議時間を、最長一時間半に制限。毎回開始前の三十分は、郷通子学長が大学の運営方針を説明する。「学長の姿を大きく映し出すスクリーンを前に、決定事項を聞く新しい教授会」(同大教授)のスタートだ。
 滋賀県の長浜バイオ大の学部長などを歴任した郷学長が、卒業以来四十三年ぶりに母校に戻り驚いたのが会議の多さ。
 しかも法人化で国立大の最高意思決定機関は学長ら幹部による「役員会」と位置づけられたのに、「まだ大学運営の中心は教授会という意識が残る」。会議の半減と教授会改革に踏み切った郷学長は「私の考えを直接訴え、理解してもらう。皆で同じ方向を目指さないと大学が生き残れない」と言い切る。
■  ■
 学長の役割は法人化で大きく変わった。ビジョンを示し戦略を練り、大学を引っ張るリーダー役。もはや“みこし”や“名誉職”ではいられない。人材が豊富で学部ごとの力も強い一部有力大は別として、中小大学の多くは、誰を学長に据えるかが命運を左右する。
 「内部の人間だけでは限界がある。このままでは大学がつぶれる」
 兵庫教育大の若手らは昨年夏、中央教育審議会委員の梶田叡一・前京都ノートルダム女子大学長を、学長選に担ぎ出した。十二月に新学長に就任後、梶田氏は学内二大派閥の融和に努める一方、企画運営会議の新設や組織の簡素化、一律だった教員研究費の見直しを矢継ぎ早に打ち出した。
 「社会に存在意義を示せない大学は生き残れない」。当面の目標は教員養成専門職大学院の開設。文部科学省との太いパイプに学内は期待する。
 教職員による学内選挙が当たり前だった学長選考法にも変化が表れた。国立大学法人法は、外部委員を含む「学長選考会議」が決めた候補者を、文部科学相が任命するとだけ定める。それでも大半の大学は従来通り学内選挙(意向調査)をし、結果を選考会議が追認していたが、最近、風向きが変わった。
 東北大は学内選挙を行わず、選考会議の議論だけで学長を選ぶことに決めた。小田滋・選考会議長は「選挙で法人運営に適した学長が選ばれるとは限らない」と旧習との決別に決意を込める。
 東京工大の選考会議は今月、今秋任期満了の相沢益男学長の“無投票再選”を決めた。同大学長は再選禁止だが、選考会議が特別な理由があると判断すれば二年延長できる制度にしていた。
 学内選挙を行いながら、岡山大と滋賀医科大は選考会議が結果を覆し、二位の候補者を学長に決めた。「意向投票(選挙)は参考資料」(岡山大の塩飽得郎議長)という位置づけだ。
 だが、選考会議の権限の強さに批判もくすぶる。滋賀医科大では、その不満が爆発した。
 昨年十二月の投票で一位だった野田洋一教授は今月一日、国と滋賀医科大に対し、二位なのに再任された吉川隆一学長の任命取り消しや慰謝料請求を求め、大津地裁へ提訴した。自分は百八十八票(五九%)で圧勝したのに、百三十一票の吉川氏を続投させたのは、選考会議の裁量権逸脱だと主張。裁判の行方を全国の大学が注視する。
■  ■
 学長選びを巡り試行錯誤が続く国立大学。新制度にふさわしい選考法の定着には時間がかかりそうだ。ただ最適任者を学長に据える仕組みを確立した大学だけが、競争に勝ち抜けるのは間違いない。

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2005年04月25日

神戸大学教職員組合、サービス残業の「疑い」 当局認める

神戸大学教職員組合
 ∟●組合ニュース第6号 (2005年04月22日 )

サービス残業の「疑い」、当局認める
適正な労働時間の管理を約束

 さる3月30日(水)に、残業問題についての交渉を行いました。これまで大学当局は「サービス残業はない」としてきましたが、この席ではじめて、一部にサービス残業の疑いがあることを認めました。また、調査の上、未払いの超過勤務手当に対しては正当な賃金を支払うと表明しました。
 教職員組合はさらに、サービス残業が行われるような職場の実態を分析し、サービス残業を根絶する措置を講ずるように求めました。これに対し当局は、新年度より勤務状況記録簿を導入するとともに、労働時間管理のための指針を作成し、適正に管理されるように努めることを約束しました。
 以下、交渉の概要を掲載します。 ……


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国立大法人化から1年(1)裁量は広がったのか

日本経済新聞(2005/04/22)

 頑張れば学費五十五万円で医師になるのも夢じゃない――。山口大が今月導入した授業料優待制度が話題を呼んでいる。半期ごとの各学部の成績優秀者二人は次の半年の授業料を免除するもので、成績トップを続ければ、入学金と最初の前期の授業料だけで卒業だ。

「不可能な発想」
 私大の一部にもあるが、医学部までは珍しい。「学生がやる気を出す仕組みを考えた。法人化されなければ不可能な発想」。加藤紘学長は胸を張る。優秀な学生をねらい琉球大が今春、四年間授業料ゼロの二十人の特別入学枠を設けるなど、他の国立大の動きも急だ。
 今月五日、東京工業大の入学式。新入生約千百人の中に、東工大付属科学技術高校卒の十人の姿があった。国立大が付属高に“エスカレーター式”の特別枠を設けたのは初。相沢益男学長は「理科離れを防ぐため、やる気のある学生を受け入れたい」と期待する。
 昨年四月の法人化で、制度変更に伴う膨大な事務作業に追われた国立大。二年目に入り、旧制度では無理だった試みに次々と挑戦し始めた。
 高知大は退官したOB教授に報酬ゼロで授業や研究をしてもらう「エルダープロフェッサー」制度を始めた。全くのボランティアだが、四月から十人が教壇に立つ。松永健二副学長は「利用できる人的資源はどんどん利用したい」と言い切る。
 だが法人化したといっても「国立」は国立。国の呪縛(じゅばく)から逃れたわけではない。
残った入札義務
 「両手足を縛られて海に投げ込まれ、さあ泳げと言われているようなもの」。東大の小宮山宏学長は不満を隠さない。
 例えば高額の物品調達。政府機関が千六百万円以上の物を買う場合、原則として国際競争入札にかけなければならないが、国立大は依然このルールの適用対象だ。
 まとめ買いすれば安くなる物も、官報に掲載し入札にかけるとなれば、購入は半年以上先。「実際は海外からの応札はほとんどないのに……」。小宮山学長はぼやく。
 さらに予算削減の重圧がのしかかる。
 国が支給する運営費交付金は毎年マイナス一%の「効率化係数」がかかり、自動的に減っていく(専任教員の給与などを除く)。国が今年度、全国立大に渡す同交付金の総額は一兆二千三百十七億円。前年度より百億円近く少ない。
 予算削減を補うのは独自財源しかない。
 二〇〇七年に創立百周年を迎える東北大は、五十億円を目標に募金に乗り出した。記念事業に半額を充て、残りは基金としてプール。大学院の奨学金などに充てる。
 募金だけでなく、寄付講座などの外部資金獲得も直接扱えるようになったが、威力を発揮するのは多数のOBを輩出し、企業とのパイプがある有力大学など。地方大学や小規模大学には不利だ。
学長給与カット
 学長ら幹部九人は毎月給与を三―五%カット――。業績不振会社の経営陣さながらの決断をしたのは信州大の小宮山淳学長。「予算削減で教職員にしわ寄せがいくのは明らか。授業料値上げで学生にも負担を強いているのに、トップが無傷ではいられない」と説明する。
 京大の尾池和夫学長も「文部科学省は国立大の裁量が広がったとPRするが、実際はほとんど自由がない」と手厳しい。文科省と財務省が折衝する概算要求の仕組みは適用され続け、「交付金でこんなことをやりたいと思っても、文科省のおめがねにかなわなければ予算要求さえできない」。
 文科省幹部は反論する。「法人化前も国立大予算には国の削減枠がかかっていたし、他の独立行政法人もマイナス予算でやり繰りしている。工夫の余地は色々あるはず。法人化した以上、努力せず文句ばかりでは国民の理解は得られない」

 国の出先機関にすぎなかった国立大に、独り立ちを求めた法人化から一年。いまだ生みの苦しみは続き、国への不満もくすぶるが、複数の大学幹部は打ち明ける。「もう泣き言を言っても仕方がない。知恵を出さなければうちの大学が消えてしまう」。脱皮を終え、それぞれの道を模索する国立大を検証する。


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学外委員調査―協議会、影響力に限界

日本経済新聞(2005/04/22)

予算への意見反映、「不十分」半数超す
 法人化で国立大の意識改革は進んだが、学外の声を経営に反映させる場である「経営協議会」の影響力には限界を感じるようになった――。この一年間、各大学の運営にかかわった経営協議会の学外委員に対する調査で、過渡期にある国立大の姿が浮かび上がった。一般的な経営事項は、六割の学外委員が協議会の意見を十分反映したと答える一方、予算関連に限ると半数以上が「反映していない」または「事前説明さえない」と指摘している。(1面参照)
 経営協議会は学則、予算など大学経営の重要事項を審議する。審議の結果が経営に反映されたかどうかを聞いたところ、六〇・一%が「十分反映された」と肯定。しかし二四・三%が「あまり反映されなかった」としたほか、「(重要事項が)ほとんど協議会の議題に上らなかった」との回答も九・四%あり、合わせて三分の一の学外委員は協議会の運営に不満を持っていた。
■説明なし21%
 審議時間が十分だったかについては肯定五二・五%、否定四四・九%と評価が割れた。肯定派は「審議結果が経営に反映された」と考える委員が八割強を占めるが、否定派では「反映されなかった」と考える委員が四割強と多数を占めた。
 経営事項の中で、特に重要な国への概算要求や予算編成については二一・四%の委員が「大学当局から事前に説明がなかった」と回答。「事前説明はあったが、協議会の意見は十分反映されていない」とした三二・八%も合わせると、五四・二%の委員が協議会は予算案件との関連で役割を果たしていないとしている。
 「学内慣行の踏襲が目立つ」とみる委員の割合は三八・七%で、前回調査より五・八ポイント上昇。自由記入欄には「学長周辺と一般の教職員との間で、改革への意識にギャップがある」との指摘や、「協議会は形式的に必要なときに開かれ、重要な場面では開かれない」と開催のタイミングを疑問視する声があった。
■法人化は評価
 この春、ほとんどの国立大が値上げした授業料についても委員の三二・六%が「大学の方針決定後に協議会で説明があった」とし、二・九%は説明自体なかったとする。協議会で対応を決めたのは三四・六%、協議会で話し合ったが決定は大学側に委ねたのは二六・四%だった。
 「この一年間、大学は積極的に内部情報を提供してきたか」との問いには「そう思う」「どちらかというとそう思う」の合計が八八・三%と、全体として大学当局の姿勢を評価。ただ自由記入欄には「議題について事前説明してほしい」「資料が多く内容が分かりにくい」といった“苦言”も散見された。
 大学改革の仕組みとして、法人化を「評価できる」とした委員は七七・四%で、法人化三カ月後に行った前回調査から五・四ポイント減った。逆に「評価できない」は二一・一%で六・三ポイント増えた。

【表】自由記入欄の主な意見  
▽大学への意見・要望  
  ○執行部や学長周辺と一般教職員で改革への意識にずれがある
  ○改革に前向きな学長を選任するため、学長選考会議の過半数を学外者とすべきだ
  ○協議会専従の事務局を設けて資料提供や問い合わせに応じてほしい
▽文部科学省への意見・要望  
  ○裁量が広がった部分もあるが現実に大きく変革することは困難。運営費交付金の削減でいずれじり貧に
  ○依然として国の影響が大きく、経営といえるだけの議論ができない
  ○大学関係者のほとんどが文科省に顔を向けている。国も意識改革を
▽学外委員が経営協議会に独自に問題提起したテーマ  
  ○競争入札や外部委託の活用、土地や施設の有効利用
  ○部局別コストの明確化、付属病院への管理会計導入など財務改革
  ○障害を持つ学生の受け入れ
▽現在最も重要な議題  
  ○学長選考のルールづくり
  ○外部資金導入など収入確保策
  ○付属病院経営の改善
  ○教職員人件費のスリム化


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2005年04月23日

国立大学法人法の一部を改正する法律案、および附帯決議

国立大学法人法の一部を改正する法律案(第162回国会 閣第五四号提出時)
国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣提出第54号)4月20日(水)(第10回)質疑
国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(衆議院文部科学委員会 二〇〇五年四月二二日)

国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
(衆議院文部科学委員会 二〇〇五年四月二二日)

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。

一 国立大学法人の再編・統合に当たっては、教育研究基盤の強化とともに、個性豊かな大学の実現に資するよう努めること。 また、地域の知の拠点としての役割に鑑み、各国立大学法人は地域とのさらなる連携に努めること。

二 障害者に対応した高等教育機関の整備については、筑波技術大学の整備・支援に努めるとともに、一般大学における受入れの促進を図ること。また、筑波技術大学は、聴覚・視覚障害者を対象とする我が国唯一の高等教育機関であることに鑑み、障害者教育に関する支援及び情報の発信等に努めるとともに、大学評価に当たってはその教育研究の特性に十分配慮すること。

三 授業料等の標準額については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、適正な金額・水準とするとともに、標準額の決定に際しては、各国立大学法人の意見にも配慮するよう努めること。また、日本学生支援機構等の奨学金の更なる充実を図るとともに、授業料等減免制度の充実や独自の奨学金の創設等の各国立大学法人による学生支援の取組みについて、積極的に推奨・支援すること。

四 国立大学法人評価委員会による中期目標に対する評価の基準を示すとともに、運営費交付金を算定する際にその評価結果がどのように反映されるかを速やかに明らかにすること。

五 国立大学において、質の高い教育研究成果を得るため、老朽施設の整備など研究環境の着実な整備を推進すること。

[関連ニュース①]

予算削られ教職員減 国立大学法人化 石井議員が指摘 衆院文科委

新首都圏ネットワーク(4月21日更新記事)より

 日本共産党の石井郁子議員は二十日の衆院文部科学委員会で、国立大学の法人化後、運営費交付金の予算削減により、国立大学が教職員の削減をせざるを得ない状況に追い込まれている実態を示し、予算の増額を迫りました。

 運営交付金は今年度九十八億四千万円減り、八十九大学のうち六十大学で減額されています。

 石井氏は、大阪のある大学が二〇〇四年から〇九年までに予算が三億五千八百万円減ると予想し、教員数を三百十三人から二百六十二人へと五十一人削減(約16%減)する見通しをたてている実態を示しました。

 石井氏は、文科省が法人化すれば「定員法の範囲外になり定員削減計画の対象外となる」「これまで以上に財政の充実を図れるように制度設計に万全を期したい」(〇二年当時の工藤智規高等教育局長)と答弁していることを指摘。「定員削減を避けたければ法人化をといいながら、実際、法人化すると、こんどは予算削減で定員削減を押しつける。こうしたことを世間ではだまし討ちとよんでいる」と厳しく批判しました。

 中山成彬文科相は「運営費交付金と法人の努力で支えていきたい」とのべるにとどまりました。

[関連ニュース②]

国立大の授業料値上げ「急激すぎる」 衆院委で文科相

朝日新聞(2005年04月22日)

 中山文部科学相は22日、国立大学の授業料値上げについて衆院文部科学委員会で「余りにも急激すぎる。ちょっと問題ではないか」と懸念を示した。松本大輔氏(民主)らの質問に答えた。

 文科省が年間授業料の目安となる「標準額」を今年度から1万5000円上げて53万5800円としたのを受け、ほとんどの国立大で授業料が引き上げられた。

 62年に東大に入った中山文科相は「それにしても随分高くなったもんだなという感慨はある。自分たちのころは9000円だったから、とんでもないと思う」と語った。


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国立大学法人化後の意識改革、8割超「進んだ」 日経調査

日経新聞(4/22)

 4月の法人化1年を機に、各国立大学で「経営協議会」の学外委員を務める企業トップ、自治体首長らを対象に日本経済新聞社が調査したところ、「大学の意識改革は進んだ」と見る委員が昨年調査より大幅に増えて8割を超えたことが21日、分かった。「国が大学運営にいちいち口を出さなくなったか」は、肯定が32.0%、否定が63.9%だった。

 経営協議会は、外部の声を大学経営に反映させるため昨春、全国立大が設置した。議長は学長だが、委員の半数以上は学外から選ぶ。

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2005年04月21日

島根大学が大学憲章制定へ

山陰中央新聞(4/21)

 島根大学(松江市西川津町)は、大学の使命や改革の方向性を示した「大学憲章」を制定することを決め、策定作業に入った。教職員と学生が一丸となり、独立行政法人化に伴う新しい大学を作るための指針にすると同時に、社会に向けて大学の存在意義をアピールするのが狙い。学生も含めて内容を議論し、今年十月までにまとめる予定。

 憲章制定は、教職員や学生を対象にこのほど開いた学内研修会で、保母武彦副学長が提案した。

 この中で同副学長は、高校卒業者と大学定員が同数になる「全入学時代」を控え、学生を含む大学構成員が目標を共有し、魅力ある大学を作る必要性を強調。

 本年度の大学院入学者が定員割れするなど、大学の厳しい現状も説明しながら、「法人化してまだ一年という甘えが許される状況ではない」として、大学の使命を「地域に根差し、社会をけん引する個性輝く大学の創造」とする独自の憲章案を提示した。

 具体的な憲章の中身は、今後、教職員、学生をはじめ、同窓会や地元経済界などからも意見を求め、詰めていくが、同副学長によると、十-十五年先の島根大学の役割を見据えたものにしていくとしている。


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2005年04月18日

法人化で時価総額査定、室蘭工大136億円 キャンパス、研究棟など

北海道新聞(2005/04/16)

 室蘭工大の「価格」は約百三十六億円-。昨年四月に国立大学法人に移行した室蘭工大(田頭博昭学長)が行った土地や建物などの査定で、同大の時価総額が明らかになった。キャンパスなどの地価が五十億三千万円、研究棟などの建物は六十三億二千七百万円だった。この金額が高いのか安いのかについては評価が分かれそうだ。(大能伸悟)
 これまで国立大の財産額は五年ごとに改訂される国有財産台帳に記載されてきたが、時価と隔たりがある場合が多く、昨年四月の法人化に伴い文部科学省がすべての国立大に時価総額の調査を求めた。
 室蘭工大は不動産鑑定士らに査定を委嘱した。対象は、室蘭市水元町のキャンパスや明徳寮など約十九万五千平方メートルの土地と、大学が所有する資産。総額百三十六億六千七百万円のうちには、門や道路などの「工作物」(二十二億七千二百万円)、ヨット部が利用する「船舶」(百四十五万円)も含まれる。
 二年前に総工費二十二億六千万円をかけて建設された総合研究棟の評価は十八億二千三百万円、創立百周年を記念して構内に設置されたオブジェは九十二万円だった。
 一方、「工具・備品」は六百九十二万円。研究機材が多い工学部にしてはかなり低い金額に見えるが、今回の査定では一部しか含めていず、約三十万冊を数える図書館の蔵書も査定していない。
 ちなみに、北大の時価総額は十五倍強の二千百十三億円。数字上では室蘭工大は安価にもみえるが、北大は医学部など十二学部を抱えている。単科大学の室蘭工大としては高い価格ともとれる。
 同大会計課によると、この時価総額は六月に「資本金」として文部科学省に決算報告する予定で、「国立大学法人としては初めての査定なので多いか少ないかは分からないが、六月に各大学の時価総額がそろったら比較もできるだろう」としている。


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3大学間で同時講義 熊大が遠隔授業公開 九大、鹿大とネット接続

西日本新聞(2005/04/16)

 熊本市の熊本大(崎元達郎学長)は十五日、法科大学院のテレビ会議システムを活用した遠隔授業と、裁判の実務を学ぶための模擬法廷室を公開した。遠隔授業は、熊大と九州大、鹿児島大の三大学をインターネットの高速通信回線でつなぎ、同時に対話型・双方向の講義が可能で、全国で初という。来年に迫った新司法試験に向けて熊大は「学生にさらに質の高い実践的な講義を行える」としている。
 遠隔授業は、昨年四月の法科大学院開校後、三大学のうち二大学間で行ってきたが、本年度から三大学間に拡充。「法と経済学」など五講義(うち二つが三大学、三つが二大学間での講義)が本年度に予定されている。
 この日は、山中至・熊大大学院法曹養成研究科長が「日本法制史」の遠隔授業を熊大と鹿大間で実施、計二十八人が受講した。熊大の遠隔授業室には、大型のモニター画面三台と学生二人に一台のパソコン画面を設置。山中研究科長が、手元のパソコン画面に書いた板書が、両大学の学生のパソコン画面に同時に映し出され、鹿大側からの質問にも応じた。鹿大の鹿田和義さん(48)は「他大学の先端学問が学べる画期的な試み」と喜んでいた。
 また、模擬法廷室では、裁判での実務能力を養うため、架空の刑事事件を主に審理。九月からの授業で使用される。


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2005年04月16日

超勤手当の未払い分を支給 滋賀医科大 総額9894万円

京都新聞(4/15)

 教職員の超過勤務に見合う手当を支払っていないなどとして、大津労働基準監督署から是正勧告されていた滋賀医科大(大津市瀬田月輪町)は15日、教職員469人に対し、手当の未払い分として総額9894万円を支給した。

 対象者の内訳は、看護師354人、事務職員90人、理学療法士や薬剤師ら24人、教員1人。同大学は2月に監督署から勧告を受け、教職員に対し、手当が未払いになっている超過勤務時間の申告を要請。精査の結果、延べ4万4901時間が支給対象となった。

 同大学は、再発防止に向けて本年度から業務改善と経営管理を担当する副病院長2人を新たに配置。今後、業務改善に努めるとともに、労務管理の専門家を招いた講習会を継続的に行い、管理職の意識改革を進めるとしている。


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2005年04月13日

山形大学職員組合、「退職強要によって書かされた辞職願の破棄について」

山形大学職員組合
 ∟●退職強要によって書かされた辞職願の破棄について(2005/04/12)

医学部組合員教員への退職強要事件について(2005年3月7日)
医学部退職強要問題Part2 今回も組合の要求により決着(3月11日)

辞職願いの破棄について (4月12日)

山形大学職員組合書記長 品川敦紀

本学医学部における退職強要事件に関連して、強要によって提出された本人自筆押印の辞職願がシュレッダーで破棄されたことをご紹介いたしました。

この件について、4月11日N理事から、本人に断りなく辞職願を破棄したことが違法であるかのごとき指摘が教育研究評議員でもある組合員に伝えられました。

この辞職願の破棄の適法性を云々する前に、そういった違法な退職強要を許した大学執行部の一員として、N理事はどのような反省、総括をされているのか、明らかにされるべきではないでしょうか?

事実関係を申し上げますと、

医学部へ出向き、事務部長から事実関係についてご説明を受けた後、私から、辞職願を本人に返却するのが筋であると申し上げましたが、事務部長としては、疑いをかけられるのは不本意なのでこの場で破棄したいというご返事でした。

私としては、元々、違法な退職強要によって書かせた辞職願ですので、退職強要をした当事者が非を認めて、その辞職願を破棄し、その旨本人に通知するという措置で何ら問題ないと考え、破棄の現場に立ち会った次第です。

事実、破棄した辞職願を書かれたご本人から、その後、苦情は一切寄せられておりません。

さて、今回の辞職願の破棄についての適法性ですが、N理事が問題としている法的根拠は不明ですが、N理事が誤解をされている可能性があるのは、刑法第二百五十九条(私用文書等毀棄)「権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。」もしくは、刑法第二百六十一条(器物損壊等)「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」かもしれません。

しかし、これは、両条項の文言をみれば、該当しないことが一目瞭然です。

まず、私用文書等毀棄の罪ですが、「権利、義務に関する他人の文書を毀棄」したときに問われる罪で、今回破棄した辞職願は、それを書かされた教員の「権利、義務に関する文書」ではなく、「労働契約の解除の申し出の文書」にすぎません。したがって、犯罪を構成しません。

次に器物損壊等の罪ですが、辞職願は医学部長に提出されたものですから、提出された時点で、所有権が医学部長に移ったものと見なせます。従いまして、その辞職願を大切に保管するか、破棄するかは医学部長(代理の医学部事務部長)に委ねられていることになります。故に、この場合も、犯罪を構成しません。

さらに、これら私用文書等毀棄、器物損壊等の罪は、仮に犯罪を構成するとしても、刑法第二百六十四条によって親告罪であることが規定されていますので、告訴がなされなければ、罪は問われません。上述のように、辞職願をお出しになったご本人から、何らの苦情も参っておりません。

以上のように、どこから見ても、今回の退職強要によって出された辞職願の破棄が、犯罪になることなどありえません。

本HP掲載の内容が意に添わないことで、脅しによって削除させようとしたとも受け取れるN理事の今回の言動は、自らの無反省ぶりをさらけ出す「恥の上塗り」行為でしかないことを指摘いたします。


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2005年04月11日

大阪大、若返ります 教授らにも早期退職制-63歳定年時と退職金同額

毎日新聞(2005/04/08)

 大阪大学は、63歳の定年前に退職する教授らに退職金を増額して支給する「早期定年退職制度」を始めた。教員の若返りを図り、研究・教育の活性化や人件費を抑制する狙い。国立大学の法人化で実施が可能となり、国が交付する退職金に阪大が運営費交付金を使って上乗せする仕組み。全国的にも珍しい制度で、少子化時代に生き残りを模索する大学の取り組みとして注目される。
 対象は10年以上在職する60歳以上の教員。約150~180人いるとみられ、全教員数に対する割合は6~7・5%。
 国立大教員の退職金は国家公務員退職手当法で決められ、私立大への転職など自己都合で定年前に退職する場合、同じ在職期間でも定年退職より減額される。このため「定年まで居座る人がいて、活性化にならない」という意見が法人役員から上がったという。
 退職金の額は、基本給の月額に、勤続年数によって決まる割合を掛けて算出されるが、従来は勤続30年の場合、定年と自己都合とでは約10カ月分の差が出た。新制度では、早期定年退職を申し出れば、定年退職の場合と同額が支給される。先月末に教授4人が新制度を利用して退職し、うち3人は私立大に移った。阪大人事課は「どれだけ若返るか、様子を見なければ分からない」としており、試験的に2~3年実施して効果を判断する。


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佐賀大の新年度予算 302億7100万円 前年度比9.8%増

西部読売新聞(2005/04/08)

 ◆付属病院や交付金増収
 国立大学法人佐賀大(長谷川照学長)は、独立法人化2年目となる2005年度の予算を発表した。総額は302億7100万円で前年度比9・8%増。授業料据え置きにもかかわらず、付属病院や国の交付金が増収となった。
 予算が膨らんだ要因は、伊万里市に建設した海洋温度差発電関連の海洋エネルギー研究センター建設資金貸付金の償還が始まるため、国から17億7800万円の補助金が下り、そのまま償還経費に充てられる。
 同大は、年間授業料52万800円を据え置くことを発表しているが、授業料収入は、前年度比880万円減の34億8100万円。文部科学省の「標準額(53万5800円)」に合わせた場合でも1億円程度の増収にしかならないという。
 04年度から重点研究としている有明海総合研究プロジェクトなど五つの研究に、国の予算が付き、運営費交付金が増えた。そのため研究経費などに充てられる学長経費は、前年度比2億3900万円増の12億1200万円。このうち、新たに重点研究1件に2億3300万円を使う。新規の重点研究は公募中で、国の概算要求までには間に合わせたいとしている。
 付属病院は3億3300万円の増収を見込み、支出は前年度比4900万円増に抑えたため黒字を確保した。
 長谷川学長は「授業料を上げないから質が落ちる訳ではない。国の交付金を増やすためには、面白い研究をやって、国の概算要求で予算を認めてもらうしかない」と話した。


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2005年04月08日

国立大法人化1年 キャンパスは今 <中> 教育 生き残りかけ質向上 教員多忙化案じる声も

中国新聞(2005/04/06)

 三日、東広島市の広島大で入学式があった。教育、学生担当の高橋超副学長は、新入生や保護者たち約五千人を前に講話の冒頭で、民間の教育研究機関がまとめた大学ランキングを取り上げた。
 「学生が後輩や弟、妹に入学を薦めるかどうかで、広島大は全国の国公私立大で六位です。学生の満足度で高い評価を得ています」
学生は漠然
 国立大法人は第三者の評価を受ける。教育面も六年間の中期目標と計画の実施状況を独立行政法人の大学評価・学位授与機構が評価し、文部科学省が次期の運営費交付金に反映する。補助金獲得状況などで順位付けできる研究面に比べ、大学の教育力は分かりにくい。学生アンケートに基づいた民間ランキングは参考になる。
 その学生は法人化をどう感じているのか。入学式直後、部活動の勧誘に忙しい三、四年生十人に聞いた。「大学のマークができた」「『挑戦』『行動』とかのポスターが目立つ」…。十人とも法人化を知っていた。
 「休講が減った気がする。よりしっかり教育してくれるようになったのかも」と教育学部四年女子。学生が感じるメリットは漠然としていた。
 高橋副学長は「法人化でドラスチックに教育は変わらない。社会や環境変化の中で改革を進めている」と説明する。広島大は二〇〇六年度、到達目標型の教育プログラム制を導入する。
 工学部は独自に日本技術者教育認定機構(JABEE)へ申請中。プログラムが認定されると、卒業生は一定の国際水準を満たした技術者として評価される。島根大総合理工、生物資源科学の両学部も申請を進める。
 山口大工学部の一学科と、鳥取大工学部の三学科はすでに認定を受けた。「山陰の大学は努力しないと学生を関西にとられる」と鳥取大の副井裕学部長。少子化が進む中で危機意識を募らせ、生き残りをかけて教育の質向上を図る。
独自に援助
 学生サービスでも大学が独自色を打ち出し始めた。山口大は本年度、国立大法人で初めて「特待生制度」を導入。前後期ごとに各学部二人の成績優秀者を選び、次期の授業料を免除する。島根大も地場銀行と協力して「授業料奨学融資制度」を設け、在学中四年間の利子を大学が負担する。
 改革の中で、岡山大は「教員個人評価制度」を〇四年度から本格実施した。教育、研究、社会貢献、管理運営の四分野で教員が自己申告し、大学は評価結果を給与や待遇に反映する。ただ、教育に関しては「自己評価の基準が難しい」「学生におもねり人気を得る教育は正しいとは言えない」との戸惑いも多い。
 広島大教職員組合の佐藤清隆委員長は法人化による教員の多忙化を指摘する。「事務が増え春休みも連日会議。忙しいと学生を指導する時間が減る。学生からの評価が悪いと失点にされる」。悪循環を断ち切るため、教員が安心して仕事ができる体制づくりを訴える。


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2005年04月05日

株式取得、国立大に解禁―文科省が通達、VB・中小への技術移転が条件

日本経済新聞(4/04)

 文部科学省は国立大学法人に、条件付きで企業の株式取得を認める通達を出した。従来は研究成果を企業に仲介する技術移転機関(TLO)への出資に限っていたが、未公開のベンチャー・中小企業の株式を、大学側が供与する特許の対価として受け取れるようにした。資金力に乏しい企業への技術移転を促し、新産業の育成につなげる。
 株式取得は特許供与の対価を支払えない企業に限る。配当も受け取れるが、議決権の行使など経営への参加は国立大学法人法に定めた業務ではないとして禁じた。株式を保有した企業が成長して株式公開することになった場合は、速やかに売却するよう求めている。
 国立大学に所属する研究者が出資する企業の株式取得については各大学の判断に委ねる。株式公開企業や大企業への特許供与は、現金支払いにする。
 法人化前の国立大は株式保有が禁止されていた。昨年四月の法人化後もTLOへの出資以外は規定がなく、株式取得は事実上認められていなかった。

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信州大、法科大学院設置で虚偽申請か 学内に調査委設置

毎日新聞(4/03)

 今年度から法科大学院を新設した信州大(本部・長野県松本市)は3日、昨年6月に大学院設置を申請した際、文部科学省に提出した予定教員の調書で、執筆中の論文を「完成済み」として記載した疑いが生じ、1日に大学内に調査委員会を設置したと発表した。

 文科省の「大学設置申請書類作成手引」などによると、申請時に提出する教員の調書で、発表予定の論文・著書には出版元の「発刊予定証明書」を添付するが、申請時に未完成のものを含めてはならないと定めている。

 会見した調査委員長の藤沢謙一郎副学長らによると、教員21人中11人の調書に「発刊予定証明書」が添付されたが、その中に6月30日の申請時で執筆中だった論文も含まれていた疑いがあるという。論文集は8月末に発刊された。

 他大学の学部・大学院設置にかかわった信州大関係者は「申請手続きに追われ、執筆中の論文を完成済みとして申請する話はよくある」と証言している。

 一部報道機関から指摘を受けた文科省が先月末、同大に問い合わせ、疑惑が浮上した。藤沢副学長は「今月中旬には調査結果をまとめたい」と話している。


[同ニュース]
信州大が調査委 法科大学院の設置申請問題で(朝日新聞4/03)
未完成論文で申請? 信大、法科大学院設置手続き(信濃毎日新聞4/04)
信大法科大学院 同意得ず証明書を発行(朝日新聞4/04)

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2005年04月02日

福井大教授 無届け兼業 公費で年100日超す出張

福井新聞(4月1日)

 福井大教育地域科学部の教授が少なくとも過去三年間、必要な届けを大学に出さないまま多い年で勤務日数の半数以上を出張に充て、複数の企業活動に携わっていたことが三十一日分かった。この教授は出張で休んだ授業の補講をほとんど行っておらず、同大はいずれも就業規則違反に当たるとして厳重注意した。教授は「一身上の都合」を理由に同日付で依願退職した。

 同大では「研究と教育を両立すべき教員が、異常ともいえる日数の出張を繰り返していたのは問題。再発防止に努める」としている。

 学長名で厳重注意を受けたのは、教育地域科学部の五十歳代の男性教授。大学の調査などによると、年間約二百五十日ある勤務日数のうち二○○二年で百三十六日、○三年は百二日、○四年は九月末までに六十一日を公費出張に充てていた。

 いずれも「共同研究」や「打ち合わせ」などの名目で出張しており、○三年は公費出張とは別に「自費研修」として五十三日間、学外で活動していた。大学側は休講を補う授業をほとんど行っていなかったとみている。

 福井大では教員が企業と共同で研究する場合、就業規則に基づいて大学に「兼業届」を提出する必要があるが、教授はこれまで一度も届けを出していなかった。

 教授が大学に提出した申請書類によると、出張先は東京や京阪神、九州、沖縄の企業のほか、米国シアトル市にまで及んでいた。昨年六月に関西で開かれた国際会議に出張した際は、共同研究相手の商社社員と身分を偽って参加していた。

 同大では、問題が発覚した昨秋に本多義明副学長を中心とする内部調査委員会を立ち上げ、この教授や関係先から聴き取り調査を進めていた。同大は「調査を拒否した企業もあり、出張予定通りに活動していたかどうかは調べようがなかった」と結論付けている。

 この教授は福井新聞社の取材に対し、代理人の弁護士を通じて「大学の調査に任せており、説明するつもりはない」とコメントしている。


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2005年03月29日

大学法人化1年、改革進展への工夫が足りない

世界日報(3/28)

 国立大学が法人化され、四月で一年になる。しかし、多くの国立大学で、学費の一律値上げが同月から実施されるなど、独自の経営の目的が達成できていないところが多い。建学の精神を明確にし、大学の特色を前面に出して工夫された経営が行われ、学究が強化されることにこそ、大学改革の進展があることを大学関係者は肝に銘じるべきだ。

財務面の手腕が見えない

 昨年末、政府は国立大授業料の基準となる授業料標準額を一万五千円引き上げることを決めた。これを受けて、大半の大学は「値上げしないと研究費に大きなしわ寄せがくる」と訴え、今年からの値上げを決定している。
 国は授業料値上げを前提として、その分の運営費交付金の減額を打ち出したことが横並びの値上げの背景にあり、法人化後の各大学の苦しい台所事情が浮き彫りになっている。

 この中で、東京大学は大学と大学院修士課程について一万五千円の値上げを決めたが、博士課程は据え置いた。一方、佐賀大学は大学、大学院ともに授業料据え置きを決定し、その分、経費を徹底的に削減することで賄うとする取り組みをすることになった。だが、おしなべて財務面の自由裁量的な手腕の側面が見えてこない。

 研究費を外部機関など政府以外からいかに調達するか――。大学の生き残りを懸け、法人化後二年目からの大きな経営課題である。その解決案の一つとして、思い切って大学の特色を前面に出し優秀な学生を集める手立てとすることだ。

 各国立大学には、歴史により培われた学問の伝統がある。教授陣も一つの国立大学の中で研究し、研鑽(けんさん)してきた学者が多い。また明治時代から、大学の中に製鉄、医薬品、合成繊維などの研究分野を設け、重要な技術が育てられてきた。これは各大学が競って一流の学者、産業人を集い合わせた結果で、その特徴を形成してきた。

 ところが、一九六〇年代から七〇年代の初めにかけ、大学のキャンパスを襲った左翼学生運動で学問の権威が破壊され、先導的な知識人らが大学を去り、大学の信用も地に墜(お)ちてしまった。それだけに、それぞれの大学が営々として積み上げてきた学問実績を学生にアピールすることが必要だ。

 もう一つは、法人化の目的の中に、教育機会の提供、地域の教育・学術文化・産業・医療への貢献を行うこと――があるように、本来の産学共同を育成し、とりわけ地方の大学には、地域の活性化のために共同で取り組む方針を明確に打ち出すことである。

 すでに東京大学は、産学協同を活発化させるとともに、規模の大きさのメリットを生かし、全学的に連係しながら学問の成果を有機的に連結させる取り組みを始めている。その実りを社会に還元し、社会貢献を行うことを目標に動き出しているのである。

 一方、法人化に伴い、予算・定員の学内配分、給与水準の決定、事務職員の人事などについて大学の権限と責任は拡大し、基本的には役員会で担うことになった。従来、基本的に、研究費の分配は研究者の業績とは無関係に、大学教員の間で年齢や地位などを勘案した上で、均等方式が取られてきたため、これに反する実績主義は、教員の間で戸惑いが大きい。

大学内部の一体化が重要
 学長と教授、助教授の関係は、いわば経営者と被雇用者の関係になりつつある。大学内部の一体化が重要である。


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2005年03月25日

財政難で給与を返上 信大幹部9人 月計30万円 

信濃毎日新聞(3/24)

 信大(本部・松本市)の小宮山淳学長ら幹部9人は23日までに、4月から当面の間、給与の一部を自主的に返上し、大学運営費に組み込むことを決めた。昨年4月に独立行政法人化し、国からの交付金削減などで財政が厳しくなるため。文部科学省は「財政を理由にした給与返上は聞いたことがない」(国立大学法人支援課)としている。

 返上するのは学長のほか、教員出身の理事と副学長。学長は基本給の5%、ほかの8人は同3%を返上する。学長の場合は毎月約5万7000円で、9人合わせた返上額は月約30万円になるという。

 本年度の国から信大への運営費交付金は約170億円。法人化に伴う国の削減方針により2005年度は約4億円減り、06年度以降も減少が見込まれる。政府の来年度予算に合わせて学生の負担も増し、信大も1人当たり年1万5000円の授業料値上げを決めている。

 小宮山学長は「財政の厳しさを言葉だけでなく行動で表したかった。学生だけに負担をかけられない気持ちもある。期限は決めていないが、長期的に取り組みたい」と話している。


[同ニュース]
信州大学長ら給与自主返納 独行化に伴う交付金減少で(共同通信3/24)
信州大学学長など給与返上・大学運営費に(日本経済新聞3/24)

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2005年03月23日

新潟大学法人のこの一年、役員会のこの無責任!

新潟大学職員組合
 ∟●新大職組新聞 No.24, 2005年3月16日

新潟大学法人のこの一年、役員会のこの無責任!

2005年3月11目
新潟大学職員組合
法人化 WG

 国立大学がが法人化されて一年、新潟大学では役員をはじめ大学執行部の無責任な対応が際だっています。彼らは、現在の新潟大学の問題と課題を明らかにするどころか,トップダウンによる無意味な「改革」を強要し,教育・研究の現場で仕事をする教職員の抱えている困難に耳を傾ける姿勢もありません。これらのしわ寄せは,全て教職員と学生に押しつけられています。このまでは,構成員の士気が低下し活力のない大学になってしまう危険性が大です。……

以下は略。下記に見出しのみ掲載。

(1)労使関係担当理事を置かず,労働協約締結申し入れをを9ヶ月も放置

(2)「財務会計システム」など劣悪な電算システムを導入し,事務量を増やす

(3)まともな方策もなく「人件費削減」にひた走る


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2005年03月22日

道内10国公立大、共同・受託研究1000件突破―04年度、独立法人化で加速

日本経済新聞(3/19)

 道内に十ある国公立大学(短大を除く)が二〇〇四年度に実施した民間企業などとの共同・受託研究は、前年度比五・六%増の千十一件(速報値)に上ったことが日本経済新聞社のまとめでわかった。初の千件突破で、国立大学の独立法人化前の〇一年度との比較では三四%増という急増ぶり。独立法人化を機に、各大学が産学連携を積極的に推進している姿がうかがえる。
 共同・受託研究は小樽商科、帯広畜産、釧路公立の三大学を除く七大学で増加した。最も多かったのは北大の五百六十二件で、室蘭工大(百八件)、北見工大(九十六件)が続く。全体の五五%強を占める北大がけん引している面はあるが、他の九大学でみても過去三年間で二四%増と大幅に伸びた。
 こうした動きを反映し、教員の発明件数や研究成果の事業化なども加速している。北大知的財産本部によると、教員の発明届けは昨年四月から十二月までに百九十六件あり、前年同期の百十一件を八割近く上回る。
 各大学とも体制を整備して共同研究を拡充する構え。札幌医科大は道と組み、今月二十五日に初の「産学連携フォーラム」を開催、バイオや福祉機器関連企業との連携を強める。来年四月をメドに「産学連携センター(仮称)」も設置する方向で検討している。
 室蘭工大は四月、中小企業支援を手がける第三セクター、室蘭テクノセンター(室蘭市)の職員が駐在する「産学官連携支援室」を設置する予定。はこだて未来大は一月、共同研究センター初の専任教員として地元企業出身者を採用。両大学とも民間企業との連携機能を強化する。
 また、北見工大は接点の少なかった小売りやサービス、農漁業との交流を強化するため、北海道中小企業家同友会オホーツク支部(北見市)と包括提携し、情報公開などを通じて地域密着型の共同研究に取り組む。
 国立大は昨年四月に独立法人化され、弾力的な運営が可能になった半面、経営目標の達成を問われるようになった。研究資金も従来以上に自前で手当てすることが求められ、企業との連携が活発化している。

共同・受託研究の件数          
大学名    件 数      
北海道    562  (  6.4  )
室蘭工業    108  (  9.1  )
北見工業    96  (  3.2  )
帯広畜産    90  (  ▲18.9  )
札幌医科    67  (  34.0  )
旭川医科    42  (  20.0  )
はこだて未来  26  (  36.8  )
北海道教育    9  (  80.0  )
小樽商科    8  (  ▲11.1  )
釧路公立    3  (  ▲62.5  )
合 計    1,011  (  5.6  )
(注)件数は2004年度速報値。カッコ内は前年度比伸び率%、▲はマイナス

   

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2005年03月15日

埼玉大、労組の看板はずせば会おう 田隅学長が文書で団交回答

埼玉大学の将来を考える会
 ∟●労組の看板はずせば会おう 田隅学長が文書で団交回答

労組の看板はずせば会おう 田隅学長が文書で団交回答

「法人化後の学長の権限とその行使に関する見解」について、団体交渉の場で学長自らが説明することを要求していた埼玉大学教職員組合(林量俶委員長)に対して、田隅埼玉大学長が、団体交渉の席で直接話し合うことはしないが、「組織代表という資格を外した形の教職員個人またはグループとは、直接話し合う用意はある」と書面で回答していることがわかった。

この文書は2005年3月2日の団体交渉で、津田理事から林執行委員長に手渡された。文書の骨子は以下のとおり。

①学長見解については1月12日の第6回団体交渉で津田理事が十分説明したと聞いているので、私(学長)からこれ以上申し上げることはない。
②津田理事に交渉権限を委任しているにもかかわらず、私(学長)が説明しなければならない理由は何か。
③「見解」については、仕組みとして説明しているだけで、それ以上説明申し上げることはない。
④しかし、私(学長)は、組織代表という資格を外した形の教職員個人またはグループとは、直接話し合う用意はある。
⑤「見解」に誤りがあると組合が主張するのなら、その証拠となる文書類を提出されたい。

国立大学法人埼玉大学の使用者(学長)が労働組合に対して、労組とは団交の席で語り合わない、用があれば労組の看板をはずした個人・グループとして会いに来い、そうすれば会って直接話し合うにやぶさかではない、と文書で回答したわけだ。

労働組合法は、使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由なしに拒むことを、不当労働行為として禁じている。この意味で、労組への学長回答は、労働組合の団体交渉権に対する揶揄であり、埼玉大学労組・林執行部に対する嘲笑を感じさせるものになっている。林執行部は急ぎ学長文書の内容の評価と、それへの対応を迫られることになった。①見解を示した②反論はなかった③よって見解は認められた、というのが田隅式三段論法といわれているからだ。

 <解説>法人化からまだ日が浅く、労使双方の不慣れと無知による交渉の場での齟齬が、今後とも発生することになるだろう。
 すでに非常勤講師料の削減を理由とした労働問題がこじれかけた。この問題は埼玉大学と東京公務公共一般労組との和解で解決した。このときの準備書面(東京丸の内法律事務所の永野剛志、吉田ゆう子両弁護士、丸市綜合法律事務所の二宮照興弁護士が代理人となって2004年12月24日、東京地方労働委員会に提出された)で国立大学法人埼玉大学は、非常勤講師が「授業の委嘱形態、業務内容、『非常勤』という特殊性からしても、そもそも『労働者』に該当するかどうか疑問なところではあるが、その点についてはここでは言及せず、以下……」と不必要な言辞を弄する脇の甘さを見せた。
 労働基準法は、労働者を、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者と定義し(第9条)、賃金を名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものと定義している(第11条)。さらに埼玉大学自身が、国立大学法人埼玉大学非常勤教職員就業規則で、非常勤講師を「授業を業務とする非常勤教職員」とし(第2条2項)、非常勤教職員を「本学に勤務する常時勤務を要しない教職員」と定義している(第1条)。以上のような定義のもとで、非常勤講師は労働者ではない、と主張しようとすれば、相当の工夫が必要になったことだろう。
 一方、使用者側から学長団交拒否の文書による回答を受けたことを、埼玉大学労組はいまだに労組員に広報していない。日本国憲法第28条が勤労者の団結する権利、団体交渉、団体行動の権利を保障しているのはなぜか。労働者に対して圧倒的な力を行使できる使用者に対抗するために、労働者が団結して、使用者と団体交渉する権利を認めているわけだ。黙って文書を受け取り、その後も沈黙を続けている労組側にも、団体交渉の場が労働条件にかかわる一切の事柄について労使が切りむすぶ真剣勝負の場であるという、きびしい認識が欠けているのではないか。
 「私人には会うが労組員には会わない」という法人大学運営責任者の発言の正当性をめぐって、労使とも専門家の意見をよく聞き、納得できる結論を得てもらいたい。また、その過程で、双方とも将来のために、交渉のルールのABCをよく学んでほしい。


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神戸大学教職員組合、外国人教師問題と特任教員制度導入にあたっての組合のとりくみについて

神戸大学教職員組合
 ∟●「外国人教師問題と特任教員制度導入にあたっての組合のとりくみについて」組合ニュース2004年度第4号

外国人教師問題と特任教員制度導入にあたっての組合のとりくみについて

中央執行委員

はじめに

 外国人教師問題については,組合として「2005年3月での現職外国人教師の雇用をまもる」との立場から,とりくみを進めてきました,団体交渉の結果,当局からこの点での譲歩をかちとりましたが,その後さまざまな問題が生じたため,報告が遅れていました,ここに,経緯の概略と私たちがどのような方針で臨んできたのかを,報告いたします。

組合の申し入れと大学当局の回答
 この問題に対する大学の当初の方針は,(1)2005年4月から新たに特任教員制度(公募制,任期は3年が上限)を導入し,現行の外国人教師制度は特任教員制度に移行する,(2)現職の外国人教師を2005年3月末で解雇し,特任教員制度への公募に応じてもらう,というものでした。
 本組合としては,当該外国人教師たちとも協議をしながら,中央執行委員会などで議論を重ねてきました,その結果,「2005年3月で現職外国人教師を解雇しあらためて公募により採用するというのは,これまで大学が雇用を事実上継続してきた経過からも問題である」との立場から,現職外国人教師については2005年3月時点での雇用を継続するよう,当局に申し入れました(組合ニュースNo,3参照)。
 11月末には,この問題での当局との折衝・交渉が行われ,「経過措置として,希望する者については公募を経ることなく特任教員制度に基づく特任教員として採用する」等の回答が示されました,これは,組合の要求をおおむね受け容れたものであり,現職外国人教師の雇用をまもるという点で重要な成果であると考えています,そうした判断から,交渉にあたった組合四役として,雇用継続についての当局提案を了承する旨,当局に伝えました。

一部外国人教師の主張と組合の対応
 ところが,この交渉と相前後して,一部の外国人教師が,「自分たちの要求は『特任教員制度の撤回』『一年契約の無条件継続』である」と主張し始め,その内容で当局と交渉を継続するよう求めてきました,これに対しては,組合内部の民主的な手続きを経て決定した要求を覆すことはできないこと,当局が組合の要求を受け容れたのでこれ以上の交渉余地がないことなどを説明しましたが,当人たちの理解は得られませんでした,その後当人たちは,別に所属する組合で交渉を継続していること,本組合が労働協約を締結するとそちらで交渉できなくなるので協約を締結しないこと,などを求めてきました。当該組合員のこれらの主張に,私たちは率直なところ当惑しましたが,労働協約を締結すると個々の組合員を拘束することになること,この問題は多数決で決めるには相応しくないこと(協約の締結には中央代議員会での議決が必要となる)などを考慮し,「外国人教師の雇用継続に関する労働協約は締結しない,これ以上本組合として当局との交渉は行わない」との方針を,12月21日の中央執行委員会において決定しました。
 この方針を当局に伝えたところ,当局は「11月末の合意を反故にするものであり不誠実だ」と主張し,労働協約の締結を強く求めてきました。当局との二度の協議でも議論は平行線をたどりましたが,最終的に,外国人教師問題に関する当局との交渉は1月13日を以て終了しました,なお,当該外国人教師にも上述の方針を伝え,当人たちから了解の旨,返答がありました,

今後の課題
 特任教員制度は,外国人教師制度の廃止を機に導入されたものですが,制度設計としては外国人教員に限定されるものではなく,適用範囲が広げられていく可能性があります,今後,この制度の運用において適用範囲が無原則に拡大されないよう,必要に応じて組合としてのとりくみを進めていく方針です。
 また,労働協約に関しては,今回のような特殊事情がないかぎり,当局との交渉で合意した内容については締結することが原則であると考えています。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月15日 02:03 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年03月12日

山口大の挑戦 -法人化から1年-

サンデー山口(3/11)

 国立大を国の機関から切り離し、独立した組織へと移行する「国立大学法人化」がスタートして1年。自立的な経営努力が求められる国立大は、どこも厳しい状況下にある。さらに大学法人化の波は、県立大、市立大にも押し寄せている。そんな中、山口大学(加藤紘学長)では、独自の試みを次々と打ち出し、他大学との差別化に積極的。生き残りをかける山口大の取り組みを取材した。

 そもそも国立大学法人化は、「公務員の人員を減らす」という行財政改革の一環として持ち上がったもの。実際、山口大の今年度の営費交付金は数億円規模で減額されている。政府は、法人化によって大学の自由度が大幅に増すとメリットをうたっているが、各大学とも苦しい運営に頭を抱えているのが現状。存続のためには相当の経営努力が必要だ。
 数年前から法人化への対応を練ってきた山口大は昨年4月以降、独自の試みを次々にスタートさせている。縦割りから横割りへの組織改編、学生や同僚が授業内容を評価するという教員のレベル向上を目指した新たな教育評価の導入、特に優れた研究を行っている教員に時間・費用・人員を提供する「研究特任」の選任、高い専門性を持つ研究推進体の充実など、学内改革はもちろん、学外に対しても、市民向け講座の充実、宇部興産やトクヤマ徳山製造所など地元企業との研究・技術提携、宇部高専との交流協定締結と、この1年の動きはめまぐるしい。
 しかし今春、一つの壁にぶつかった。昨年末の政府予算編成で、国立大の年間授業料の目安となる「標準額」が現行の52万800円から1万5千円引き上げられることになったのだ。それに伴い、全国83の4年制国立大のうち、山口大を含む6割以上の大学が授業料の値上げを行う。国から各校への運営費交付金が削減傾向の中で、財源を確保するための値上げはやむを得ない。
 そこで山口大は、独自の特待生制度を導入して対応を図る。成績優秀者に限って授業料を免除するという制度。在学生の成績アップや、大学選びの際の動機付けにつなげる狙いもある。7学部全てを対象に、前・後期で各学年から成績上位者を選び、次期の授業料を免除。経済的理由に基づく免除制度は各大学で既にあるが、条件を成績に特化した制度は全国で初めてだ。
 さらに新年度には、社会ニーズの高い観光政策学科、応用分子生命科学系専攻、環境共生工学を新設。就職相談を専門に扱うキャリアカウンセラーの学内配置も行う。西日本の大学の中でも特に山口大に人気の集まっている獣医学科を充実させる他、県外者の来院も多い家畜病院の施設拡充も計画中だ。
 「法人化は山口大にとってプラスだった。公立大の序列が崩れる大きなチャンスともとらえている。強い分野を磨いて個性化を図るとともに、地域社会により必要とされる大学を目指す」と大坂英雄副学長。広中平祐元学長が設置した日本で唯一の研究所「時間学研究所」も、山口大の目玉として打ち出していく。

-法人化まで1年- 県立大
向かうは地域貢献

 大学運営の効率化やさらなる地域貢献を目指し、県立大学(岩田啓靖学長)は06年4月、公立大学法人となる。こちらも、少子化や国立大法人化、県の行財政改革などが発端。利点は、県の交付する運営費の効率的な利用を促し、予算や組織、人事など様々な面で大学の自由度が増すこと。
 地域に開かれた大学づくりを進めてきた県立大は、「地域貢献型大学」として地元に積極的に関与することで、厳しい大学間競争に打ち勝っていく考えだ。地元のニーズに応じた学習機会の提供、知的資源を活用した地域課題の解決、産学公の共同研究などに力を入れ、地域との連携強化を図ろうとしている。
 先月8日には、法人化を円滑に進めるための準備委員会の初会合が県庁であった。委員は、県と大学側の関係者、学外有識者の8人で、組織や制度など法人化後の運営のあり方を検討。来年度末まで計7回開く予定で、9月県議会に評価委員会設置条例などを提案し、10月に国へ認可申請する。なお、学費については法人化後も引き上げない方針だ。


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2005年03月10日

国立大法人化1年 小宮山宏氏VS佐和隆光氏

東京読売新聞(3/08)

 国立大学が法人化されて4月で1年になる。規制が緩和され、大学の裁量が生かされるはずだが、その効果は表れているのだろうか。授業料のほぼ一斉値上げなど、相変わらずの横並びにも見える。現状と課題を聞いた。
 
 ◇小宮山宏氏
 ◆「自由裁量」まだ不十分
 ――この1年を振り返っての感想は。
 小宮山 これまで国立大学は、画一的で金太郎アメのようになっていた。文部科学省が制度を定めており、大学は一々お伺いを立てねばならなかったからだ。その規制が取り払われ、国立大学法人として自由裁量を持つようになったことは良い。だが、百年に一度の大改革にもかかわらず、法人化は非常に唐突で、これほど早く実施に移されるとは我々も思っていなかった。法人の形を整えるのに精いっぱいで、自由裁量とは何かの検討が不十分なまま走り出した。この1年で、いかに多くのことが自由にならないかがわかった。
 ――どういうことか。
 小宮山 規制や制限が残っており、自由裁量が制限されている。特に財務面が不自由だ。国立大学の物品は、政府調達手続きをする規則がある。法人化後も国から運営費交付金が配分されており、この規則は生きている。例えば、1500万円以上の物品を購入する際は国際入札にかけねばならない。東大のように規模が大きいと、すぐその額を超える。時間と手間がかかるが、海外企業の応札は何年もない。死文化した規則に縛られている。
 ――効率化が難しい。
 小宮山 民間企業は、まとめ買いなどで、財務の効率化をはかるが、国立大学法人はそれができない。ほかにもこうしたたぐいの規制が残っている。両手両足を縛られたまま、海に放り込まれ、自由に泳げと言われているようなものだ。
 ――法人化の効用は。
 小宮山 人事制度は比較的自由になった。特任教員制度を作り、企業の寄付などの外部資金で雇えるようにした。運営費交付金を使わず、幅広い人材を登用できる。教員の年齢制限も取り払われたので、小柴昌俊・東大名誉教授など世界の頂点に立つ学者による講義も始める。また、これまでは学部ごとに教員を採用していたが、大学本部でも採用できるようにした。学問が細分化し全体像をつかみにくくなっており、それを統合するためだ。こうしたことで教育や研究の質向上につながるはずだ。
 ――国立大学の授業料が春から値上げされる。学生へのサービスという点ではマイナスではないか。
 小宮山 国が授業料の値上げを前提として、その分の運営費交付金減額を打ち出した。まだ1年目の決算が終わっていないのに、我々もショックだ。人材育成への影響も大きい。東大は学部の授業料は値上げするが、大学院博士課程は値上げをしない。1億円の減収だが、人材育成という筋を通したつもりだ。入るを量りて出ずるを制する一方、国に日本の高等教育の現状を訴えたい。
 ――現状とは。
 小宮山 経済協力開発機構(OECD)諸国の高等教育支出を見ると、国内総生産(GDP)比で1%だが、日本は0・5~0・6%だ。欧州の授業料は日本の半分以下だろう。米国の授業料は高いが、多くの減免策がなされている。そうした実情を政策決定の場にいる人は見ようとしない。人件費が高いのではという意見もあるが、国際比較してほしい。むしろ低い。東大の教職員7500人のうち教員は4000人で、給与も私立大学より低い。教員は大学の“商品”だ。それを削減して何の意味があるのか。
 ――産学連携などで収入を得ようとする傾向が一層強まった。実利的でない基礎研究や文学などの分野は冷遇されないか。
 小宮山 そんなことはない。大学人は学術に対する見識がある。心配なのは貧すれば鈍することだ。小さな国立大の中から、背に腹は代えられないと、切るところが出るかもしれない。
      ◇
 ◇こみやま・ひろし 東大副学長。4月からは東大学長。専門は化学システム工学、地球環境工学。60歳。
  
 ◇佐和隆光氏
 ◆事務部門の見直し急務
 ――かねてから、法人化の問題点を指摘してきた。
 佐和 法人化とはそもそもはお金の話で、国立大学特別会計の歳出を削減することが狙いだ。これまでの国立大学は、定員に応じて人件費などが配分され、予算が硬直化していた。人件費と物件費をひとまとめにして運営費交付金として大学法人に渡し、どう使うかを任せた。そうすることにより効率化が可能だとして、2005年度から大学への運営費交付金が毎年1%弱ずつ減らされていく。他方、大学法人は6年間の中期目標と中期計画を文部科学省に提出し、達成度の評価が評価委員会に委ねられる。結果は運営費交付金の額に反映される。達成度の高い大学は増額されるが、低いと減額される。
 ――予算的に厳しい?
 佐和 企業が効率化をはかる場合、間接部門の職員を減らす。例えば、総務部門から、営業、製造、宣伝などのライン部門へ人を回す。しかし大学は企業にはない難問を抱えている。ライン部門にいるのは教員であり、間接部門にあたる膨大な数の事務職員を抱えている点だ。京大の場合、教員約3000人に対し、職員約1500人だ。米国の大学では考えられない構成だ。しかも事務職員の役割が日米の大学では異なる。
 ――どういう意味か。
 佐和 米国の大学の事務職員は、教育や研究を支援することに徹している。例えば、応募・審査を経て国や財団から研究費を獲得する競争的研究資金があるが、事務職員が申請書の書き方の指南役を務める。しかし、日本では国家公務員時代のなごりで、事務職員は教員を管理することを本務としている雰囲気だ。事務職員の役割を見直し、その配置を適正化することが、大学法人の経営効率化に資する最優先の課題だ。
 ――大学は変わったか。
 佐和 運営費交付金の配分の在り方を抜本的に改めようとしている大学もあれば、旧態依然のところもある。国家公務員でなくなったのに、国家公務員法や教育公務員特例法に由来する規制を温存しているところもある。教職員の定員の枠が取り払われたのに、生かせないところもある。自由化・効率化の進展はまちまちだ。そうした中、大学間の格差が目立ち始めた。
 ――格差とは。
 佐和 産業界でも独り勝ち傾向が強まっているが、大学も同じだ。制度改革などが大学の創意工夫に任された結果、群雄割拠の競争ではなく、強いものがますます強くなる。毎年度、各大学法人が応募できる「特別教育研究費」という枠がある。運営費交付金に追加されるボーナスのようなものだが、2005年度の配分額を見ると、東大の獲得金額が圧倒的に多い。
 ――格差はお金だけか。
 佐和 もともと国立大学には暗黙の序列がある。序列の高い大学へ優秀な研究者が流れる傾向が加速された。私立大学も、優秀な人材が引き抜かれるから安心できない。お金も人材も一極集中の傾向があり、このまま数年たてば東大の独り勝ちになりそうだ。
 ――産業創出などの役割も課されている。
 佐和 昭和35年の池田内閣の「所得倍増計画」で、学術・科学は経済のしもべであるべしという考えが打ち出された。以来、学問の価値を有用性ではかる風潮が根付き、法人化で一層加速された。だが、授業料以外の金を稼ぐのは容易ではない。だからといって、すぐに役に立たない研究を冷遇してはならない。予想外の応用の場が生まれる可能性がある。例えば京大の数理解析研究所の伊藤清先生の独創的な研究は、数十年後に金融工学に生かされ、米ウォール街でもその名が知られている。無用の学を大切にすることが必要だ。
       ◇
 ◇さわ・たかみつ 京大経済研究所所長。専門は計量経済学、エネルギー・環境経済学。62歳。
 
 《寸言》
 ◆知の創出 長期的視点で
 国立大学の法人化は、一気に進んだこともあって、多くの大学が戸惑っている。様々な規制が残っていることも混乱に拍車をかける。小宮山氏は「両手両足を縛られたまま、自由に泳げと言われているようなもの」と言う。予算面の厳しさも増しており、佐和氏は「国家公務員時代のなごりの事務職員の役割の見直しや、配置の適正化が、最優先課題」と語る。
 大学は、人材育成や知の創出を腰を据えて行う場のはずだ。効率化や目先の利益にとらわれ、視野の狭い研究や人材の育成になっては困る。両氏の大学は、様々な点で恵まれているが、規模の小さい大学では一層問題が深刻だ。政府も大学もより良い姿を引き続き模索すべきだ。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年03月10日 00:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
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神戸大、ラオスの大学を支援 国立大で初めて JICA事業を受託

神戸新聞(3/09)

神戸大 ラオスの大学を支援
国立大で初めて JICA事業を受託

 神戸大学は八日、国際協力機構(JICA)が進めているラオスの支援事業を、国立大では初めて、大学単独で受託したと発表した。
 昨年四月の法人化により、国立大が大学の判断で事業契約できるようになったことから実現。十一日から助教授を現地に派遣し、支援活動にあたる。
 事業では、ラオス国立大の経済経営学部に対し、神戸大が人材養成を支援する。
 具体的には、現地に教授らを派遣し、起業や国際マーケティングなどの教科書を作成する。工業や農村開発を指導するほか、神戸大とラオス国立大を通信衛星で結び、映像や音声を双方向でやりとりする「遠隔授業」も展開する。
 文部科学省によると、国際協力事業では昨年、立命館大が国際協力銀行(JBIC)と、東海大がJICAとそれぞれ事業契約を結んでいる。国立大では、広島大が民間のコンサルタント会社と共同で教育関係の事業を受注したケースがある。


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広大教授収賄:病院につけこむ医局、癒着の背後に医師不足-あす1週間

毎日新聞(3/09)

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の医師派遣を巡り、原医研腫瘍(しゅよう)外科研究分野教授、峠哲哉容疑者(62)が受託収賄容疑で逮捕されてから、10日で1週間を迎える。事件の裏側には、慢性的な医師不足に悩む地方の病院と、その弱みにつけ込む医局の癒着があった。【田中博子、遠藤孝康、吉川雄策】
 ◇逮捕された峠容疑者、外車4台の派手な生活/視察、同伴家族の旅費も
 広島地検特別刑事部の調べなどでは、97年9月に始まった贈賄側の北海道の病院への医師派遣は、仲介者の失そうで99年3月に一時中断。同年10月、病院の理事長(贈賄罪は時効)が峠容疑者に派遣再開を要請し、翌00年4月から再び派遣が始まった。01年5月、病院の理事長から額面100万円の小切手が峠容疑者に贈られた。
 病院関係者の話から、新たな利益供与も明らかになった。00年2月にも、病院側は派遣再開の謝礼に現金100万円を峠容疑者に渡したという。また峠容疑者が年1回程度、視察に訪れる際に数十万円を渡し、同伴の家族の旅費も負担した。峠容疑者が主宰する学会や原医研への寄付も総額1000万円以上に及ぶ。
 峠容疑者の教授就任は、89年。峠容疑者を長年知る医療関係者は「教授になってから、人が変わった」と証言する。96年には原医研所長にも就任し、医局でのワンマンぶりがいっそう高まったらしい。贈賄側の病院関係者も「確かに統率力があった。昔の医局トップの印象」などと話す。
 贈賄側の病院がある地域は、慢性的な医師不足に悩んでいる。病院関係者によると、人口10万人当たりの医師数は144人程度で、全国平均の7割程度に留まるという。病院関係者は「病院は医師の確保に必死。安定して派遣してもらえる大学の医局との関係は、何より重要だ」と説明する。
 峠容疑者は高級外車4台を乗り回し、クレジットカードの支払いも多額に上るなど、収入に比べて派手な生活ぶりが目立ったという。同地検特刑部は、病院側の利益供与の全容解明を進める。
 原医研では各部門の教授5人で作る内部調査会で医局員らから事情を聴き、事件の背景の調査を進めている。神谷研二所長は「医局派遣の密室性が事件を招いた。調査で現状を把握し、医師派遣のプロセスの透明化を図りたい」と話している。


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2005年03月09日

広島大教授汚職、贈賄は北見の病院 100万円、医師派遣の謝礼

北海道新聞(3/08)

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)教授が、医師派遣の謝礼として百万円の小切手を受け取ったとして受託収賄容疑で広島地検に逮捕された事件で、贈賄側は北見市内の医療法人理事長であることが7日、分かった。この理事長は8年前から、派遣委託料の名目で仲介者に現金を支払い、仲介者がいなくなったあと、原医研教授の峠哲哉容疑者(62)=広島市西区=に直接派遣を頼んで、派遣再開後に小切手を贈ったという。贈賄側は時効が成立している。 ……


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2005年03月05日

広島大教授を受託収賄容疑で逮捕、医師派遣の見返り

朝日新聞(3/04)

 広島地検は3日、医療法人に勤務医を派遣する見返りに100万円を受け取ったとして、広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム疾患治療研究部門の峠哲哉教授(62)=広島市西区己斐中3丁目=を受託収賄の容疑で逮捕した。容疑を認めているという。

 調べでは、峠容疑者は同大学医学部付属病院外科診療科長を兼ね、腫瘍外科医局の医局の責任者も務めていた。99年10月31日ごろ、県外の医療法人の理事長から、医局から同医療法人へ勤務医を派遣するよう依頼を受け、03年5月25日ごろ、広島市内の同大学内で、派遣依頼の見返りとして理事長から百万円の小切手1通を受け取った疑い。同容疑者は96年4月から97年3月まで同研究所長を務めていた。

 同大学の牟田泰三学長は「事件については先ほど聞いたばかりで、詳しいことは分からない。早急に情報を集めたい」と話した。


[同ニュース]
原医研教授を収賄で逮捕 広島地検(中国新聞3/04)
医師派遣で100万円受領=広島大教授を収賄で逮捕-地検(時事通信3/04)
受託収賄で広島大教授逮捕 医師派遣頼まれ100万円受領(産経新聞3/04)
受託収賄容疑で広島大教授を逮捕 医師派遣で百万円(朝日新聞3/04)

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2005年03月04日

室工大など法人化の影響 学生証で「口座」作れない 金融機関 公文書扱いせず 今春も戸惑う新入生続出?

北海道新聞(3/02)

 学生証は身分証明書に非ず-。昨年四月に国立大学法人となった室蘭工大や北大などの国立大の学生証が、国が発行する「公文書」として扱われなくなった。学生たちは銀行口座開設の際、免許証など別の証明書の提示を求められ、面食らっている。(大能伸悟)
 テロ対策を目的とする「本人確認法」(二○○三年一月施行)は、顧客が口座開設する時などの身分確認を、国や地方自治体が発効する公的書類で行うよう金融機関に対し義務付けている。
 文科省の内部組織ではなくなった国立大が発行する学生証は公的書類には当たらないとみなされる。
 これに伴い、室蘭工大に隣接する高砂町に「工大前支店」など二店舗がある室蘭信金は昨年四月から同大学生に免許証や住民票などの提示を求めるようになった。室蘭工大生の斉藤寿也さん(21)は昨年、奨学金の口座を作ろうと学生証を持って同支店を訪れたが、「窓口で断られ、慌てて保険証を探してきました」と話す。
 北洋銀や道銀も、同様の対応を取っている。北大に近い北洋銀の北二十四条支店などでは、学生証のみを持参する学生も多かったというが、「窓口で事情を説明し、住民票を取ってきてもらっています」(担当者)と話す。
 金融庁などは、国立大の学生証の取り扱いについてほとんど広報していない。「それぞれの対応については金融機関が考えること」(同庁企画課)という姿勢だ。
 現段階で法人化していない札医大などの公立大の学生証は従来通り「公文書」とみなされ、それだけで口座開設が可能だ。国立と公立では扱いが異なる。
 この春も金融機関の窓口で戸惑う新入生が少なくなさそうだ。


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2005年03月03日

国大協、次期会長に相澤氏-大学改革先取り・バランス感覚を評価

日刊工業新聞(2/28)

国立大学協会は3月4日の通常総会で次期会長に相澤益男副会長(62、東京工業大学長)を選出する。
佐々木毅会長(東京大学長)が3月末で学長任期満了となることから、国大協理事会の選挙で相澤学長を会長候補に選んだ。
就任日は未定(総会で決定)、任期は2年。
東大、京大学長以外からの就任は異例。
相澤学長のリーダーシップと都市部と地方、大規模と小規模など多大学の声を受け入れられるバランス感覚が評価されたとみられる。
(33面に解説)国立大学協会は全89国立大学と関連機関のトップが会員で、会長となった学長は1950年以降で東大13人、京大5人、東工大と一橋大が1人ずつ(代行・代理除く)。
現在は03年6月就任の佐々木会長、梶山千里副会長(九州大学長)と、石弘光前一橋大学長の後任として04年11月に就いた相澤副会長の3人体制となっている。

【略歴】相澤益男氏(あいざわ・ますお)71年(昭46)東工大大学院博士課程修了、同年同大資源化学研究所助手。
80年筑波大物質工学系助教授、86年東工大工学部教授、90年生命理工学部教授、00年副学長、01年学長。
03年日本学術会議会員、04年大学基準協会副会長、国立大学協会副会長。
神奈川県出身。
相澤益男東京工業大学長が国立大学協会長に就くのは、モノづくり立国の日本の理工系大学トップとして、東工大の存在感を旧帝大と同格以上に引き上げてきたリーダーシップと、地方大学の声にも配慮できるバランス感覚が評価されたためだ。
文部科学省の大学設置・学校法人審議会会長、中央教育審議会委員という要職経験も大きい。
国立大学法人化からまもなく1年。
実際上の課題がようやく明らかになってきた面もあり、多様化が進む国立大をどう束ねるか注目が集まりそうだ。
(山本佳世子)東工大は従来、国立大工学部長会議のメンバーの表現でみられるように「旧7帝大プラス1」の“プラス1”という位置づけだった。
しかし、相澤学長は01年10月の学長就任以来、「世界トップクラスの理工系大学」を目指し、研究戦略室を学内に置くなど大学改革を先取りしてきた。
理工系出身学長は近年増えており、早稲田大、慶応義塾大の私学2強のほか、東京大の次期学長もそうだが、相澤学長の個性はしばしば注目を集めてきた。
その結果、米国の著名雑誌による日本の大学の総合力ランキングで東工大は東大、京大に次ぐ3位になるなど評価は高まっている。
予算や教員数など規模ではなく、教員一人当たりの特許数・論文数が注目されるようになり、東工大の評価がより高くなった面もある。
今回、「国大協会長は東大か京大の学長」の伝統には反したが、異論は少なかったとみられる。
人格的には相澤学長のバランス感覚や、リーダーシップに評価が高い。
国大協は4月からの授業料標準額引き上げで国に激しく抗議してきたが、89の全国立大でも事情はさまざま。
東京遊学が無理な地元学生を集める地方大と全国区のトップ大では、値上げによる影響も微妙に異なる。
相澤学長は学部出身大学が横浜国立大で、筑波大の助教授の経験もある。
東工大でも本流ではなく新設の生命理工学部出身で、多様な視点を持つうえでプラスになっている。
2月に中教審の委員に就き、義務教育費負担や子どもの基礎学力低下などの重要課題に対し、高等教育・人材育成の面からの視点を期待されている。
また、大学設置審会長としては、賛否渦巻く株式会社立大学を構造改革特区で認めるなど、教育・研究の中長期視点と変革のバランスを取ってきている。
国立大学法人化から4月で1年がたち、新組織での問題点が実感されてきたという声は少なくない。
国立大全体の真の改革はまだこれからだ。


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2005年03月02日

統合「富山大」10月発足へ 筑波技術大も、閣議決定

共同通信(3/01)

 政府は1日、富山大、富山医科薬科大、高岡短大の3大学を統合して国立大学法人富山大を新設し、筑波技術短大を廃止して4年制の筑波技術大とする国立大学法人法改正案を閣議決定した。
 いずれも10月1日に新設予定で、国立大の統合は昨年春に法人化して以降では初めて。現在89校ある国立大は87校になり、独立した国立短大はなくなる。
 政府はほかに、短期大学の卒業生に正式な学位「短期大学士」を与えるほか、大学の助教授の名称を「准教授」に改めるなどの学校教育法改正案も閣議決定。現行の大学の助手を2種類に分け、自ら教育研究する人を「助教(じょきょう)」として新設、教育研究の補助者はそのまま「助手」とする。


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2005年03月01日

茨城大学教職員組合、「今度は人文学部教員への研究費ゼロ提案である」

茨城大学教職員組合
 ∟●委員長日誌第14号(2005年2月28日)より抜粋

……
 第四に、現在進行中であるが、2005年度大学予算編成問題にっいての学長との団体交渉の開催(2月15日)、その後の予算編成についての取り組みを進めている。
 この最後の予算編成問題では、各学部へ、学部予算の概算要求上限枠が、2月21日、大学から提示された。この概算要求限度枠提示には、手続きと、内容において重大な問題がある。いつ・どこで、この学部限度枠が決定されたのか明確でない。学部限度枠を算出した根拠も明確でない。詳細な批判は、別途文書を用意しようと考えている。
 最大の問題は、すべての犠牲が、人文学部に集中的に現われたという問題である。この学部概算要求限度枠では、人文学部で教員個人への研究費配分はゼロになる。
 私が人文学部に所属するから、問題としているわけではない。職員の昇給問題の時もそうだった。想えばこの一年の労使紛争のすべての問題がそうだったように思う。適正手続きの無視、原則の不明確さ、差別的制度実施。この三位一体の大学運営である。
 研究費のゼロ配分というのは、教員に、とくに人文・社会系教員に研究をするなということである。そんなことは許せない、絶対に。
 職員の皆さん。人文学部以外の教員の皆さん。財政厳しき折、この程度の削減はしょうがない、と妥協しないでほしい。職員昇給が9ヶ月遅れてもしょうがない、とはいえないのと同じである。自分と自分の組織の利害打算だけで、物事を判断しないで頂きたい。
 予算決定までの時間は少ないが、なんとかしようではありませんか。

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2005年02月24日

滋賀医大が残業代未払い 1億円超? 労基署が是正勧告

京都新聞(2/23)

 滋賀医科大(大津市瀬田月輪町)が、労使協定で定めた残業時間を守らず、教職員に超過勤務手当を支払っていないとして、大津労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、23日までにわかった。
 勧告によると、同大学は労使協定で決められた残業時間を超えて教職員を残業させている実態を改め、3月15日までに昨年4月にさかのぼって時間外労働の実態を調査し、超過勤務手当を支払うよう大学側に求めている。
 同大学は1人あたりの残業時間の上限を、1週間に15時間、1カ月45時間、1年間で360時間以内と労使協定で定めている。教職員団体は昨夏から、上限を越えた超過勤務実態があり、手当の未払い分があるとして大学側と協議してきたが、大学側は「超過勤務命令簿に基づいて適正に支給している」と主張。このため教職員団体が大津労基署に調査を申し入れ、昨年12月下旬に大津労基署が同大学に立ち入り調査した。
 教職員団体側は「未払いの超過勤務手当は合計で1億円から1億5000万円になる」とみており、同大学庶務課は「是正勧告に従って、今後超過勤務の実態を調査し、勤務時間の管理を徹底したい」としている。


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2005年02月23日

埼玉医大、特別指導、学長が講師紹介の疑い

毎日新聞(2/22)

 卒業試験の特別指導を行ったとして講師が懲戒解雇された埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)で、山内俊雄学長が学生に講師を紹介した疑いや、講師の謝罪文書などに不自然な記載があることが分かった。関係者の証言や学生が起こした訴訟に大学側が提出した資料などから判明した。同大では、成績不振を理由に退学した学生の再入学も行われており、一連の経緯を含めて大学の不可解な運営実態が浮き彫りになった。【大平誠】

 特別指導を受け200万円を払った学生は、01年度の試験に不合格となった直後の02年2月、大学に呼び出された。学生にとっては、02年度が6年生としての在籍期限。面談には、当時学務委員長の山内学長、講師(懲戒解雇)らがいた。

 学生側によると、この席で山内学長は「この先生に何でも相談しなさい」と講師を紹介した。同大では11月と12月の卒業試験の平均点が65点以上の場合、卒業内定としている。学生は02年度の1回目の卒業試験が終わった後、講師から呼び出され特別指導を持ちかけられた。

 ◇大学側は否定

 これに対し、大学側は「留年した学生全員を呼び出して一般的な助言や指導をしただけ。講師は学生の01年度の担任だ」と面談と特別指導の関連性を否定する。しかし、学生は「担任は別の助手。講師とは初対面だった」と証言する。

 学生は特別指導の発覚後、除籍になったが、不服として大学を相手に地位確認の訴訟を起こしている。大学側は講師が学生にあてた謝罪の手紙や、返金したことを通知した大学あての文書の写しを裁判に提出している。

 大学あての文書は03年1月30日付。特別指導を受けた2人の学生に計1200万円を返したことを証明する振込明細表などの写しが同封されていたが、振込日は文書を書いた日付の翌日の31日となっていた。また、学生側に振り込んだことを確認するよう求めた謝罪の手紙の日付は、振込日より10日以上前の1月13日になっていた。

 ◇不可解な再入学

 02年度の卒業内定を取り消された学生2人に、大学側は自主退学を勧め、1人が受け入れた。この学生は昨年12月の再入学試験に合格し、6年生として今春再入学する。医師国家試験の受験資格となる卒業試験に合格するためだけの復学だが、学費550万円と入学金100万円を大学に納めなければならない。

 同大の学則は再入学の要件を「疾病その他の事由で退学した者」としているが、以前から成績不振を理由に再入学を前提とした自主退学を勧めてきた。昨年末にも他に4人が受験、計3人が合格し今春復学する。


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2005年02月22日

愛媛大、科研費を不適切使用 714万円返還

愛媛新聞(2/18)

 愛媛大は17日、2000―01年度に文部科学省の科学研究費補助金(科研費)などの交付年度外に物品を納入させるなど不適切な使用があったとして、医、理、工の3学部の教授ら12人を厳重注意し、うち医学部の4人に交付された補助金計714万円を国に返還すると発表した。
 03年、医学部教授による約1300万円の科研費不正使用が発覚したことを受け、補助金を受けた教員約60人を対象に、納品書と発注書を突き合わせるなど不正の有無を調査していた。
 補助金返還の対象となった不適切使用は医学部教授2人、助教授1人、助手1人の4人で、同日までに文書で注意。また業者から購入した物品をほぼ同額の別の物品に交換するなどした医学部教授2人、助教授2人、助手1人、技術職員1人、理学部教授1人、工学部助手1人の8人を口頭で注意した。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月22日 00:51 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年02月18日

[聞く]国立大学法人佐賀大の運営 佐賀大学長・長谷川照さん

西部読売新聞(2/16)

 ◆地方に学生呼ぶ時代へ 「授業料上げず、質下げず」
 行政のスリム化の一環として、国立大は2004年4月から法人化された。大学が自主性を獲得するための独立行政法人化だが、18歳人口の減少や財源確保などの問題が山積している。県内唯一の国立大である佐賀大はどのように対処していくつもりなのか。同大のかじ取りをしている長谷川照学長に話を聞いた。
 ――少子化が進んでいますが、対策は。
 これまでは地方から都心の大学に出て行くというのが定番だったと思いますが、これからは逆になると考えています。地方には青空と大地があり、人がいて、文化がある。科学技術の進歩に見合った心の豊かな人間を育てるためには、そのような地方の環境が最も適しています。
 都心から地方に学生を呼ぶ努力をしなければなりません。佐賀大は昨年十月、東京に東京オフィスサテライトを作り、大学の宣伝や企業への呼びかけを行っています。ほかの九州・山口の国立大と協力して、東京の千三百の進学校に大学説明会のパンフレットを投げ込みました。十人しか来なかったのですが、あきらめていません。これからも続けていきます。
 国際化も重要です。中国や韓国の大学と佐賀大の学生が交流して、両大学で単位が半分ずつ取れるようにすれば、就職市場も広がると思います。
 ――財源はどのように確保していきますか。
 財源の問題は二〇〇五年度の一番の課題で、これからが踏ん張りどころ。授業料を上げてやりくりするというのは、経営とはいわないと思うんです。だから佐賀大は来年度の授業料を上げなかった。都心から学生を呼ぶには、それも魅力の一つのはずです。教職員の超過勤務を減らすなど運営の効率化をすることで、大学を支えていくべきでしょう。優れた教育研究をすることで、国に教育研究費を認めてもらうよう努力する必要もあります。
 ――優れた教育研究のための具体的な方針は。
 現在、修士課程は全五学部にありますが、博士課程があるのは医、理工、農学部だけ。二〇〇七年度には、医、経済、教育、理工を融合させた総合大学院を設置します。これからは専門だけではなく、別の視点で専門を見るという目が必要な時代です。
 学部では、理工で、海洋温度差発電、シンクロトロン、有明海に関する研究をさらに深め、文化教育では地域貢献をやっていきます。医学部は面接を重視して、人の気持ちが分かる医者をつくっていくべきだと思っています。
     ◇
 大学も自己責任が問われる時代。優れた教育と健全な経営ができなければ淘汰(とうた)されても仕方がないだろう。「教育は誰にでも平等。教育の質は下げず、授業料は上げずに経営努力で乗り切りたい」という長谷川学長。その力強いリーダーシップのもと、佐賀大のあるべき姿について教職員も真剣に、大いに議論してもらいたい。(浴野朝香)
 
 〈独立行政法人化〉 文部科学省が2001年6月、「国立大の構造改革方針」を打ち出した。少子化や国の財政難を理由に「大学の大幅削減を目指す」とし、04年4月から独立行政法人化が始まった。
 法人化により、各大学に配分される運営費交付金は使途を特定せず、大学の判断で使えるようになった。教職員の身分は非公務員型となり、給与や勤務時間は雇用契約で決める。また、教育や研究のあり方について6年間の中期目標を立て、文科省の認可を得て実施。目標をどの程度達成したか、大学評価・学位授与機構と、第三者も入れた評価委員会による評価を受ける。評価は交付金額の算定に反映される。


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2005年02月17日

定期試験の問題流出か 室工大、全員満点に

共同通信(2/16)

 北海道室蘭市の室蘭工業大(田頭博昭学長)で英語の定期試験の問題が事前に流出した可能性があり、大学側が学生の抗議を受け、約600人の受験学生全員を100点満点にしたことが16日、分かった。
 試験科目は昼間・夜間両コースの「英語B」。10日に行われた昼間の試験の開始15分前に、大学側に「事前に問題が出回っている」という内容の匿名メールが届いた。試験は予定通り実施されたが、その後、9日夜に実施された同内容の夜間の試験で、回収したはずの問題用紙が数部なくなっていることが判明。
 大学側は昼間コースの再試験の実施を学生側に告知したが、一部の学生から「大学のミスで不利益をこうむるのは許せない」と抗議を受け、取りやめた。


[同ニュース]
定期試験の問題流出か 英語全員満点に 室蘭工業大(産経新聞2/16)
室蘭工業大:学年末試験の再試験、学生の抗議で中止(毎日新聞2/16)

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2005年02月15日

和歌山大学教職員組合、学長、教員5%削減問題で全学説明会を約束

和歌山大学教職員組合
 ∟●「学長、教員5%削減問題で全学説明会を約束」(くれない第1282号 2005年2月10日発行)

学長、教員5%削減問題で全学説明会を約束

 大学側が専任教員の5%削減計画を打ち出している問題で、組合執行委員会は「説明責任の履行を求める」旨の声明を出した(2月1日付「くれない」)。
 この件に関し、2月7日(月)に小田学長と江利川執行委員長の間で会見がもたれた。その結果、小田学長は5%教員削減問題に関し、2月中をメドに全学的な説明会を開催することを約束した。
 また今後は、こうした問題に関して労働組合および過半数代表に対して説明と議論の場を持ち、全学的な合意形成に努めることを確認した。


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2005年02月12日

労基署、筑波大を指導 職員の時間外勤務不明りょう

東京新聞(2/11)

 筑波大(つくば市)が職員の労働時間を適正に把握していないとして土浦労働基準監督署(土浦市)が昨年十二月、労働基準法に基づき指導していたことが十日、分かった。国立大学は昨年四月の法人化に伴い、同法の適用を受けるようになり労基署からの指導などが相次いでいる。

 筑波大人事課によると、同大の労働時間の管理はタイムカードなどを使用せず、自己申告制。上司などの監督者が時間外勤務の確認をすることになっていたが、適切に記録されていない可能性があり、労基署は同大に三カ月間にわたり実態調査をするよう指導した。

 同課は「時間外勤務を縮減して、本人と監督者の間で、書類で勤務時間をはっきりさせるなど適正管理を徹底していく」としている。

 日本教職員組合によると、これまで労基署から指導などを受けた国立大学法人は、残業代の不払いを指摘された広島大など十を超えるという。

 労働組合の「筑波大学ユニオン」は「法人化によって(労働環境は)大変厳しくなっているが、労基署からきちんと是正を求められる道も開けた」としている。


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2005年02月11日

茨城大学教職員組合、「約束違反の昇給発令の撤回を求める」

茨城大学教職員組合
 ∟●「約束違反の昇給発令の撤回を求める」(2005年2月8日)

国立大学法人茨城大学
学長   菊池 龍三郎殿
労務担当理事 丸山 彰殿

約束違反の昇給発令の撤回を求める

2005年2月8日
茨城大学教職員組合
執行委員長 深谷信夫

 別紙添付の文書(PDFファイル)によって告発されている事態は、大学(前学長)が法人化にあたって、すべての教員と職員に約束した内容に反する不当不法な行為です。すなわち、大学は、法人化はソフトランディングで行う、と繰り返して言明してきました。ソフトランディングということを、雇用と労働条件の問題でいえば、不利益変更は行わないということです。百歩譲っても、「一方的不利益変更は行わない」ということを意味します。
 職員の昇給延伸という問題は、現役員会発足前から、職員のなかで問題とされ、執行委員会へも苦情が寄せられていました。教員の場合で例えれば、4月1日付けで、講師から助教授へ昇進する、しかし給料は上がらない、翌年の1月1日付けで昇給の発令がある、ということが職員に対して行われたということです。
 まさかこのような発令をすることはないと考えてきましたから、教職員組合として行動することを差し控えてきました。しかし、もはや見過ごすわけにはいきません。法人化以降の最悪の問題であるからです。

 さて問題となる内容を列記し、発令権者である学長、当該事項の最高責任者である労務担当理事に、説明を求めます。
 第一に、今回の「新基準」(と呼べるものが存在するのかどうかわかりませんが。)について、なぜ教職員組合に対して事前の説明をいただけなかったのでしょうか。雇用と労働条件について、大学と教職員組合が協議と合意に努めることが、労使関係の大原則ではないのですか。なぜ、教職員組合を無視したのですか。それは、団結否認の不当労働行為を意味することになりますね。そのことをご理解されたうえで、今回の措置をとられたのですか。ご説明下さい。

 第二に、今回の発令は一方的な労働条件の変更を意味します。4月1日の法人化のとき、具体的な措置がとられていない以上、国家公務員時代の昇任・昇給の措置が継続されます。変更するならば、それ相応の法律上の条件を満たさなければなりません。まず、ここで不利益変更ではない、白紙状態から自主的に決定したのだ、との反論が予想されます。しかし、大学は、国立大学時代の諸規程・諸基準に「準ずる」との大学運営の姿勢をもってきました。明示的に「準じる」規定が存在しない場合でも、「準ずる」措置をとってきました。それでは、昇給基準だけ「準じない」とする確認がどこでなされたのですか。第五でふれるような適正手続きを踏んで、非準拠が確認されていませんね。その事実がない以上、かつての基準が継続されていると考えるのが当然ではないでしょうか。ご説明下さい。

 第三に、不利益変更を行う必要性の問題です。最高裁判例によれば、使用者による労働条件の一方的な不利益変更は許されず、例外的に、賃金などの中核的な労働条件の変更には、「高度の必要性」という合理性が存在する場合にのみ許される(大曲市農協事件・最高裁第三小法廷判決昭63・2・16)、ということになります。さて、今回の措置のどこに、高度の必要性がありますか。ご説明ください。もし4月に遡って昇給した場合、どのくらいの財源が必要なのでしょうか。何百万円ですか。その支出を抑えなければ、本年度の決算ができないというのですか。そんなことはありませんね。今回の措置によって削減された額を具体的にご説明下さい。
 国立大学法人茨城大学の財務が火の車であることは理解しています。しかし、今回のやり方は、あまりにも乱暴です。

 第四に、万が一に支出削減の高度の必要性が存在したとしても、その支出削減・犠牲を「物言えぬ」職員にのみ強制するのですか。根本的には、ソフトランディングといって、幻想を振りまいてきた大学役員会の責任ではありませんか。役員会がまずは役員手当一部返上など経費削減の努力をすべきです。また、本当に必要ならば、教員にも犠牲を求めるべきでしょう。しかし、教員は教授会決定通りの昇任と昇給が行われていますね。役員会も身を削り、教員にも協力を求め、そのうえで、職員にも相応の負担を求めるというのなら、まだしもですよ。
 なぜ、職員にのみ犠牲を強いるのかを、ご説明下さい。

 第五に、発令の根拠となった「規則・基準」は適法な手続きを踏んで制定されていません。人事課が、役員会が、勝手に、秘密裏に、昇給基準を作成できるとお考えなのでしょうか。それこそ、大間違いです。労働基準法違反の暴挙です。就業規則・給与規程に関連する諸規則は、法律上の就業規則と評価されます。就業規則の作成・変更には、過半数代表者の意見聴取などの適正手続きが求められます。今回そのような措置はとられましたか。とられていませんね。この作成・変更手続き違反の問題について、どうお考えなのか、ご説明下さい。

 私の試算によれば、今回の措置で支出が削減されるのは、大学財政全体から見れば、微々たる金額です。他の経営努力で補填可能な金額であるにもかかわらず、なぜこのような措置をとられるのでしょうか。
 <手にする金額>と<失われる職員からの信頼>とを秤にかけて熟考されたのでしょうか。乱暴な表現を使えば、大学役員会は、ちまちましたことをやらないでほしい、すべての教職員が納得できる堂々とした大学運営をしてただきたい、ということです。
 上記の質問にお答えいただくことよりも、発令を修正し、昨年4月に遡っての昇給の措置をとる、との回答を求めます。
 今回の事態は、労使関係と労働条件をめぐる重大問題であると考えます。したがって、この要求に応えていただけない場合は、経営協議会委員に問題を理解していただくための要請行動を行うなど、社会的に問題を訴える行動をとらせていただきます。教職員組合の存在意義が問われる問題だからです。
以上 


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2005年02月09日

名大が来春、保育所 国立大法人初 教職員、学生ら対象

中日新聞(2/08)

 名古屋大(名古屋市千種区)が、学内の教職員、学生・大学院生らを対象にした保育所を、来年四月に設置する方針が明らかになった。国立大ではこれまで、学内の労働組合やNPO法人(特定非営利活動法人)などが運営する保育所はあったが、国立大学法人が設置主体となるケースは初。少子化や国立大の法人化で大学間の競争が激化する中「子育てと研究や事務が両立できる環境整備で、優秀な人材を確保したい」との狙いもある。

 計画によると、対象は零歳から就学前の乳幼児で定員三十人。教職員や学生・大学院生のほか、留学生や短期滞在の外国人研究者も利用できる。業者に委託するが、学内に置く運営協議会が監視指導する。

 同大は一九六八年に共同保育所「どんぐり保育園」「ひまわり保育園」を設置。七六年に財政上の理由などで市の認可保育園に移行したが、収入のない大学院生や名古屋市に住んでいない教職員らが利用の対象外になる問題があった。

 同大が設置した男女共同参画室が二〇〇三年に学内調査をしたところ、保育所設置を望む声が圧倒的で、特に一歳半以下の子どもを持つ人たちのうち約五十人から「設置されれば利用したい」との要望があったという。

 人事・労務担当の森英樹副学長は「研究を志す学生や院生にとって、子育て環境の不備が進路の妨げになっているケースが少なくない。仕事と子育ての両立がしやすい職場を目指すことは、人材確保の面だけでなく、社会的にも重要なメッセージになると考えている」と話している。

 名古屋大には現在一万九千五百人の教職員や非常勤講師、学生、大学院生が在籍しており、女性は30%にあたる五千九百人。大学院生は、一九九四年から二〇〇四年の間に、前期課程の在籍者が12%から31%に、後期課程が12%から25%にそれぞれ増えた。


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2005年02月07日

徳大の業務合理化 事務職員から具体策募集

徳島新聞(2/05)

 徳島大学(青野敏博学長)は、業務の合理化や効率化のための具体策を学内の全事務職員から募集する「業務改善提案制度」を始めた。法人化以降、経営効率が求められるようになった大学が、事務職員の意識改革と職場の意見交換の活発化を狙って導入した。
 提案の対象となるのは事務組織や事務処理、収益向上策などで、任期付き職員を含むすべての事務職員約千人が応募できる。提案については、理事らで構成する提案制度実施検討会(仮称)で実施の有無を協議。採用された場合、実効性などに応じて最高で五万円のギフト券または図書カードが報奨金として贈られる。
 三日、同大秘書課が全事務職員に応募用紙をメールで送付した。山本晃秘書課長は「どれくらい応募が来るか心配。民間企業では珍しくないが、大学では法人化以前には考えられなかった制度で、大幅なコスト削減につながるようなアイデアを期待している」と話している。


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2005年02月05日

運営費削減問題で意見相次ぐ 京で国立大の現状探るシンポ

京都新聞(2/04)

 昨春法人化した国立大の現状と展望を探るシンポジウム「法人化10カ月を経て-国立大学はどう変わろうとしているのか?」が4日、京都市下京区のホテルで開かれ、京都大や大阪大などの学長から運営費削減問題を問う意見が相次いだ。

 尾池和夫京大総長は「日本は高等教育に対する公費負担割合が先進諸国に比べて低い」と指摘、「その結果、少子化を招き、優秀な人材を外国に取られ、日本語が衰退する、との3つの危ぐがある」と分析した。

 宮原秀夫阪大総長は、国立大授業料の目安となる標準額が引き上げられたことに関連し「受益者負担と言うが受益者は学生でなく社会や企業。良い製品(学生)を出すためお客さんに協力してほしい」と話した。

 これに対し遠山敦子元文部科学相が「メリットが多いのに少しのデメリットだけ言っていては駄目」と批判する場面も。文科省の徳永保官房審議官は「特色を出す大学には文科省も応援する。大学は自立的運営で教育研究の意義を実証してほしい」と述べた。

 シンポは科学技術振興機構の主催で、大学や企業関係者ら約500人が耳を傾けた。


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2005年02月04日

退職教授を「人材登録」 無償で授業を依頼 高知大

高知新聞(2/03)

 高知大は2日、17年度から、名誉教授らによる大学支援組織「エルダープロフェッサーセンター」を創設すると発表した。退職教員のいわば人材登録機関で、学内の教育や研究を無償で引き受けてもらう。昨春の国立大の法人化で、非常勤講師への賃金確保が難しくなっており、センター設立で事態の打開を狙う。

 エルダーは「年上の」という意味。センターは同大を退職した70歳以下の名誉教授らのうち、希望者を登録。大学側の要請に基づいて、ボランティアで学内の授業や研究を担う。交通費などの実費は大学が負担するが、賃金はない。

 同大の退職教員の多くはこれまで、長年の教育経験を生かし、有償の非常勤講師として同大の授業を受け持ってきた。ところが、同大は法人化された16年度から、教員の採用や賃金の決定に自由度が増した半面、前年度まで国から年間1億8000万円措置されていた非常勤講師の人件費が全額カットされ、対応に苦慮していた。

 そこで法人化以前から大学の支援組織として創設を検討していた退職教員組織に、無償の授業協力などを求めることを決定。名誉教授や年度末で退職する教授ら計約80人にセンターへの登録を呼び掛けており、17年度から活動を依頼する。

 同大の松永健二副学長は「全国の国立大法人でも例がない制度ではないか。17年度は同じ非常勤講師でも有料と無償の人がいるなど課題もあるが、取りあえず実行したい。退職された先生方に一層、大学を支援してもらいたい」と協力を求めた。

 教育奨励賞も新設

 また同大は、教育の活性化を図るため、優れた教育を実践している学内の教員を表彰する「教育奨励賞」をこのほど新設。毎年、2、3の個人・グループに贈り、10万―15万円の教育研究費を措置する。3月にも最初の受賞者が決まる。


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2005年02月01日

岩手大法人化で納税義務 負担ため息

岩手日報(1/31)

 岩手大(平山健一学長)は、2004年4月の法人化で納税の義務などが生じ、約1900万円の経費負担増に直面している。国立当時は国の保護下にあったが、04年度は職員の給与振込手数料などで約1000万を支出し、05年度からは固定資産税で約900万円の負担が生じる。4月に法人化される県立大も同様の経費増が見込まれる。いずれも民間なら当然負担している支出だけに、一層の意識改革と経営努力が求められている。
 岩手大は法人化初年度の04年度、既に授業料の口座引き落とし、教職員の給与振り込みなど金融機関への手数料、家屋や車両にかかる保険料など約1000万円を支出した。国立だった時代は国の保護で一切かからなかった経費だ。
 さらに法人化で、国有財産だった土地と建物は同大の所有に。04年度分までの固定資産税相当額は、国が「国有資産等所在市町村交付金」として盛岡市に納付してきた。しかし、同市は昨年12月1日、国からの通知を受け、05年度からは固定資産税として岩手大から徴収する。
 キャンパスや農場、演習林、学生寮など教育にかかわりがある施設は非課税だが、有料で使用されている教職員宿舎は課税対象となる。
 同大の教職員宿舎は、1964年から86年にかけて建設。同市の青山地区、高松地区など7カ所に164戸あり、総延べ床面積は約9800平方メートル。現在151世帯が入居している。
 市は、大学側から提出された教職員宿舎の図面を基に既に現地調査を終了。敷地は路線価から評価額を決定する。2月中には算定額が決まり、2005年度4月から年4回税の納入が始まる。税額は大学側の試算で年間約900万円に上るとみられる。
 同大財務担当の菊地俊彦理事は「今までは税金を意識しておらず、法人化の影響が目に見える形で表れてきた」と厳しい現実を実感する。
 県立大も事情は同じ。法人化で盛岡市、宮古市の教職員宿舎が課税対象となる見込み。計126戸あり、総延べ床面積は約7400平方メートル。05年度までは合計約1900万円が、県から各自治体に支払われている。納税は06年度から始まる予定だ。
 国公立の時代には全く発生しなかった経費。岩手大の佐藤悟財務部長は「経費節減で対応する」としているが、収入の柱である授業料の安定確保に向けた魅力ある大学づくり、コストを意識した経営感覚が不可欠だ。

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2005年01月28日

懲戒処分 熊本大大学院教授、300万円を不正受給 停職6カ月に

熊本日日新聞(1/27)

 熊本大は二十七日、同大大学院医学薬学研究部の五十代の男性教授が海外出張の際、文部科学省などの補助金から、五年間に渡り総額約三百万円を不正に受け取ったとして、停職六カ月の懲戒処分にしたと発表した。同教授は同日、辞表を提出、受理された。

 同大によると、同教授は一九九九(平成十一)年度から二〇〇三年度まで、学会などで十六回出張。このうち米国、タイ、スウェーデンなどに出かけた十二回は、格安航空券を購入しながら、正規航空運賃で旅費を請求した。差額の総額は三百十六万円。一部は二回の出張に同行した妻の航空券購入に当てたという。補助金は文科省のほか、日本学術振興会から支給されていた。

 同教授は「妻の同行は学会発表や会議での秘書役としてであり、国際共同研究の会議経費、熊本に招いた外国人研究者の懇親会や観光のための経費などとして使用した」と申し立てていたという。

 文科省に昨年三月中旬ごろ、同教授の不正受給を指摘する匿名メールが届き、同大が同四月から立ち上げた調査委員会の調べなどで発覚した。

 同教授は二十四日、加算金などを含め約四百三十三万円を返還。調査の過程で大学側が与えた陳述の機会も辞退したという。

 会見した崎元達郎学長は「誠に遺憾であり、心よりおわび申し上げる。今回の事件を真摯(しんし)に受け止め、教職員ともども、えりをただして信頼される熊本大学にしていきたい」と謝罪した。


[同ニュース]
熊本大:出張費不正受領の教授を停職処分(毎日新聞1/27)
格安航空券で妻同伴=補助金不正で教授停職-熊本大(時事通信1/27)
芝浦工大:江崎玲於奈学長が退任へ(1/27)

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2005年01月24日

北見工大、教育研究費 「目標値」設定 達成度で増額 12項目で教員「採点」

北見工大、教育研究費 「目標値」設定 達成度で増額 12項目で教員「採点」
学生からの評価/論文実績/大学活性化/地域貢献

北海道新聞(1/22)

 北見工大は教員に支給している教育研究費を、二○○五年度から大学が定める「目標値」の達成度に応じて配分する方式にすることを決めた。大学が客観的な尺度で教員の頑張りを評価し、透明性を高めて教員の能力開発につなげるのが狙いだ。
 教育研究費は給料とは別に、研究や授業の質向上のために大学が教員に支出する補助金。各地の国立大学で、論文などの実績を教育研究費の配分に反映させる評価制度が導入されており、北見工大でも二○○○年度から実施している。
 同大の現行制度は、学長、副学長らでつくる運営会議が、論文数や受け持つ学生数など数値化しやすい実績については加算方式で評価してきたが、地域貢献など数値化しにくい部分は「総合的に判断」(同大)するしかなかった。
 新方式は《1》学生からの評価を含む授業評価《2》過去十年間の論文数や外部資金獲得などの研究評価《3》大学活性化および社会貢献-の三分野について、計十二の評価項目を明示。大学が定める「目標値」や全教員の「平均点」などを物差しに個々の教員の達成度を数値化する。
 同大は○四年度から教員の任期制を全国に先駆けて導入するなど改革に取り組んでおり、常本秀幸学長は「新しい教育研究費配分制度は、教員が自分の弱点を是正するきっかけにもなる」と説明する。ただ、学内には「前向きな取り組みだが、すぐに実績が上がらない基礎研究分野などが不利な扱いにならないか心配」(ある教授)との声もある。


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熊本大学教職員組合、「なんで特別昇給しないの??」

熊本大学教職員組合
 ∟●赤煉瓦 No.25(2005.1.14)

なんで特別昇給しないの??
~特にこれまで頑張ってきた特別昇給対象者へ~

 みなさん特別昇給という言葉を知っていますか??これまでは業務において個人の能力や勤務実績より大きな処分がない限り、平均7年に一度特別昇給がありました。この制度は就業規則にも載っており、今年もその制度はあるのです。しかし、皆さんの周りで今年度特別昇給した方はいますか??大体7月か10月位にあるのですが、おそらくおられないことでしょう。

 これは熊本大学ばかりのはなしではなく全国的に行われていないようです(いくつかの大学では行われています)。しかし、11月には独立行政法人国立高等専門学校機構において各高専に特別昇給の定数配分を通達しました。これは各高専が独立した法人格を持っておらず、独立行政法人国立高等専門学校機構の下に置かれているため、勝手に決めることが出来ないということもあり遅れていたようでした。しかし、大学の場合は各々に法人格を持っているので、このように定数の配分など関係なく自己裁量で決定できるのです。

 では何故??特別昇給がないのでしょうか。大学使用者側は「予算の見通しが立たない」と言っていました。予算の見通しが立たないってどういうこと??この特別昇給分の予算については運営交付金にも含まれ、4月の大学運営予算に含まれていると聞きます。なのに・・・。たしかに現在の大学の財源はカットカットで厳しい現実にありますが、それを理由に特別昇給等の手続きをおざなりにしていていいのでしょうか。というより人件費で来ているものを出さないってどういうことよ。

 先日の団体交渉のなかで昇格については「二月の給与で四月に遡って支給するつもりだ」という回答はありましたが、特別昇給についてはいまだ曖昧なままです。今大学では評価評価と学部・個人を評価するために様々な評価法を取り入れていますが、労働者の正当な評価をせず、労働者の労働意欲を無くすような使用者側の不誠実な対応に対して不信感は募るばかりです。というより「ちゃんと仕事をしているのですか??」と言いたいくらいです。今年度ももう終わりに差し掛かりました。大学には予備費としていた一億円近い予算が余り (使用者は余らしたと言っている)、各学部に割り振られています。

 昇格と同じく特別昇給についても早急に対処するべきではないでしょうか。


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法人移行で弘大に固定資産税

東奥日報(1/23)

 弘前大学の法人移行を受けて、国は国有財産だった弘大の建物と土地を「国立大学法人弘前大学」に所有権移転登記する手続きを二十二日までに完了した。これを受けて弘大は二〇〇五年度から弘前市に固定資産税を納める必要に迫られている。課税対象は複数ある大学の教職員宿舎で、弘大側は約六百万円の負担になるとみている。「大学には税金はかからないと思っていた」と苦渋の表情の遠藤正彦学長。財政状況が厳しい中、大学は新たな負担増に直面している。

 弘大の所有権移転登記は、文部科学省が昨年十二月から順次実施。青森地方法務局弘前支局が二十二日までに、地方自治法に基づき所有権が移転された事実を弘前市に文書通知した。

 これにより、大学法人は行政側に対する固定資産税の納税義務が生じる。国立大学法人は基本的には非課税法人だが、市と大学によると、公共性の高いキャンパスや学生寮は非課税で、固定資産税の対象は「教職員宿舎」となる。

 弘前市は(1)〇五年一月一日の賦課(2)さらに、同年度から四半期ごとに固定資産税を徴収―で作業に入っているが、現在、弘大に図面提出を要望中。宿舎にかかる課税額について市は「調査はこれからで、現段階では何とも言えない」とする。弘大は「六百万円程度になると見込んでいる」と話す。教職員宿舎等については、これまで固定資産等所在市町村交付金法に基づき国が納めてきた。それだけに、〇五年度から自前で支払うことになる弘大は「負担増は明らか」と苦境を訴える。

 遠藤学長は「固定資産税がかかることは、法人化されてから知った。財政的に極めて厳しい」と語り、宿舎の家賃等について再検討の必要があるとみている。

 教職員宿舎は弘前市学園町や文京町にある。市税務課は「複数ある鉄筋の教職員宿舎(共同住宅)は鉄筋等の理由で県税事務所扱い、木造分が市扱いとなる」と説明する。

 法人化により経営権を得た弘大。今後の大学運営では外部資金などを得ていかなければならないが、現実には「地域の経済基盤が弱く、財政面に不安を抱える。容易なことではない」と大学側は言う。国の保護下にあった時代から新しい時代に入り、大学にはいっそうの意識改革が迫られている。


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2005年01月23日

香川大、病院室長を懲戒解雇 起訴、逮捕の教授ら2人の処分は継続審議

毎日新聞(1/22)

 ◇人事審査委
 香川大は21日、相次ぐ不祥事を受けて関係者の処分を審議する人事審査委員会(高木健一郎委員長)を開き、収賄罪で起訴された那須教生・同大医学部付属病院手術部医用機器室長(53)を懲戒解雇処分とすることを決めた。また、那須室長の当時の上司で手術部長だった長尾省吾・病院長と乗松尋道教授をいずれも戒告とする懲戒処分を決定。3人の処分は、近く木村好次学長が正式決定する。
 高木委員長は「倫理規定に重大な違反行為があり、大学の名誉や信用を著しく傷つけた」などと説明した。
 また、準強制わいせつ罪で起訴された岩月謙司・同大教育学部教授と、福岡県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された永瀬雅啓・同大留学生センター助教授の処分は継続して審議する方針。


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2005年01月21日

北大“総長選” 中村睦男現総長と獣医学部・藤田正一教授の一騎打ち

BNN(1/20)

 演説会、投票を経て2月3日に決定。

 北海道大学(中村睦男総長)は20日、16代総長の候補者に中村総長と北大総合博物館長で大学院獣医学研究科・藤田正一教授の2人を決定した。候補者は20人以上の推薦人に推挙された人物。 

 今回の総長選考は中村総長が4月末日で任期満了を迎えるため実施されるもの。北大は昨年4月、国立大学法人に移行したことから国立大学法人法に基づいて総長の選出方法を変更。これまでの学内全教官による投票制から「総長選考会議」(泉誠二議長)が互選する新制度となる。

 今後のスケジュールは、1月27日午後1時半から候補者の演説会、2月1日午後1時半からは学内の意向を調査するため、助手を除く教官と事務局の課長職以上約1,600人を対象に投票を実施する。

 16代総長が決定するのは2月3日。総長選考の決定権を持つ選考会議が演説会と投票の経過を踏まえ、同日午後2時から委員13人で投票を行う。

 選考会議は総長選出の決定権を有する組織で、法人法に基づいて設置された。委員は大学の経営に携わる経営協議会と学内の教授・理事で組織する教育研究評議会から各5人、総長を除く理事3人の計13人で構成される。

 16代総長の任期は5月1日から09年の4月末日までの4年間。なお、中村総長が再選された場合は、2期目の任期は2年間と定められているため、07年4月末日までとなる。


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2005年01月20日

国立大学法人化で北大が新たな“総長選挙”

BNN(1/19)

 2月3日に新総長を選出。

 北海道大学(中村睦男総長)は昨年4月の国立大学法人化に伴い、総長の選出方法をこれまでの学内全教官による投票制から「総長選考会議」(泉誠二議長)が互選する新制度に変更する。

 選考会議は国立大学法人法に基づき設置された組織。大学の経営に携わる経営協議会と学内の教授・理事で組織する教育研究評議会から各5人、総長を除く理事3人の計13人で構成され、総長選出の決定権が与えられている。 

 新制度は20人以上の推薦人(教授、助教授、講師)から推挙された人物が候補者となる。

 選考会議は候補者に政策などを発表する場として演説会を開催する。演説会は助手を除く教官と事務局の課長職以上およそ1,600人に公開される。総長選出は学内の意向を調査するため、先述の1,600人を対象に投票を実施。選考会議は演説会と投票結果を踏まえ、改めて13人で投票を行い、新総長を選任する。

 目下、候補者として取り沙汰されているのは、中村総長と獣医学部の藤田正一教授、さらに工学部教授の立起も囁かれている。

 候補者は1月12日から19日まで受け付け、20日に発表。27日に演説会、2月1日に1,600人を対象にした投票を実施し、2月3日に新総長が誕生する。

 新総長の任期は5月1日から09年4月末日までの4年間。中村総長が再任された場合、2期目の任期は2年間と定められているため、任期は07年4月末までとなる。
 
 これまで北大では、候補者確定後に学内の全教官による投票で総長を決定してきた。

 しかし、新制度では助手が単位の認定やカリキュラム作成に責任を負わないとの理由で推薦人及び投票権を認めなかった。

 教官の中には「助手は研究現場で中心的な存在となって働く立派な教官であり、投票権などを認めないのは不当な扱い」(農学部)、「選考会議が決定権を持つため、学内の意向がどこまで尊重されるか疑問が残る」(理学部助教授)、「以前のように学内のトップは自分たちで決めるべきだ」(工学部教授)など、総長の選出方法を危惧する声もある。


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2005年01月14日

弘大・就職内定率78%にアップ 遠藤学長・法人化後の成果評価

陸奥新報(1/13)

今年最初の定例記者会見を行う遠藤正彦学長

 弘前大学は十二日、今年最初の定例記者会見を行い、遠藤正彦学長は学生の就職内定率アップなど、法人化後の取り組みの成果を評価した上で「十分な外部資金導入は難しく、新たな予算配分方式を検討したい」と財務見直しに着手する方針を示した。

 弘大の今年度の運営交付金は百十八億八千七十六万二千円。来年度の内示額は百十八億八千六百六十六万円だが、医学部付属病院の収入を国に納める点などを考慮すると、実質的金額は百億円前後に減少したことを明らかにした。
 弘大はこれまで事務系職員の大幅な配置見直しで効率化を推進。遠藤学長は「産学官連携など外部資金導入が必要だが、他県と比べて地域の産業基盤が弱く難しい」と述べ、新たな予算配分方式による財務見直しが必要~とした。
 また国が年間授業料の標準額引き上げを決定したことに対し、「弘大も引き上げるかは未定。年間一万五千円でも『たかが』と決して言えないが、一億円近い交付金を失うことも痛手」と苦しい立場を述べた。一方、学生に社会人と接する機会を与えるキャリア教育の実施や、就職支援センター開設により、就職内定率を前年同期比で25・1%引き上げる78・1%になったことを示した。
 遠藤学長は「法人化後、予想以上に多くの問題があったが、学内一致してうまく行くことができた」と評価した。


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2005年01月08日

琉球大学は民主主義の危機、政府の干渉を許すな

「意見広告の会」ニュース233より転載

琉球大学は民主主義の危機、政府の干渉を許すな
永井 獏(實)琉球大学工学部教授

 法人化を果たし最初の年末年始を迎えようとしている琉球大学で、今、とんでもないことが画策されている。
 すなわち、琉球大学経営協議会(学長選考会議)は次期学長候補者の選考に関し、同大学が国立大学法人に移行したことを唯一の根拠に、現行「学長候補者選考規則(1973年制定)」を一方的に改悪し、次期学長候補者の選考に入ろうとしている。伝えられるところによれば、従来、当然の民主的ルールとして実施されてきた「学長候補者選挙管理委員会の施行する全学教員による選挙」を意味不明の「意向調査」に変質させ、しかも同「調査」によって選ばれた候補者が必ずしも学長になるとは限らないとする驚くべき内容を含んでいるようだ。
 これは明らかに歴史に逆行する企てであり、戦後民主憲法の下育まれ確立されてきた国立大学の民主的運営を根底から覆し、大学を再び戦前型の「もの言わぬ大学」に戻そうとする暴挙と断ぜざるを得ない。しかも今回の企てが、現学長森田孟進氏が任命した学外委員によって主導され、規則に反して森田氏の再選を計るものとあっては、この暴挙が同大学の歴史を(米軍占領下で経験したように)再び三度傷つけることは明らかであろう。
 会議の中で最も声高に「学長選挙無用論」を唱えている学外委員が誰あろう「元文部事務次官井上孝美氏」とあっては、そこに日本政府の強い意図を感ぜざるを得ないではないか。森喜郎元首相が屈託もなく発言したように、「沖縄の新聞社と大学には共産党が多数」だから、まず大学から大人しくさせたいのか。ともあれ、「権力者は選挙を嫌う」と云う定理がまたもや証明された。
 経営協議会のこのような動きに対し、同大学では、既に決議を上げて抗議したと聞く理学部教授会、教育学部教授会を始め全学から多数の抗議、批判、疑問の声が上がっていることは当然である。
 森田学長や県内選出の経営協議会委員諸氏は、今こそその良心に立ち戻って、日本政府・与党勢力のあからさまな干渉・大学の自治破壊を断固許さず、当面、次期学長候補者の選考は現行学長候補者選考規則ならびに関連諸細則に沿って実施する立場を明瞭にすべきではないか。
(本文881文字)

永井 獏(實)  琉球大学工学部教授


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2005年01月05日

金大、保健学科を部局化 新年度から、全教員を大学院所属に

北國新聞(1/04)

 金大は新年度、看護師や放射線技師らを養成する医学部保健学科を部局化し、すべての教員を大学院の所属とする。保健学科の部局化は阪大などに続き全国四番目。研究大学院の立場を明確にすることで、単なる養成機関から研究者や教育者を育てる研究機関への脱皮を目指す。

 同学科は一九九五(平成七)年に金大医療技術短大を改組し、検査技術や理学療法など五専攻で発足した。二〇〇〇年に修士課程、〇二年に博士課程を設置し、大学院も整備した。全国に次々と医療関係の大学が設置される中で、保健学の研究者や教育者など指導的立場の人材の養成が求められるようになった。

 四月の部局化で博士前期(修士)課程は五専攻を三専攻とし、理学療法と作業療法をリハビリテーション科学に統合するなど、総合的に研究と教育に取り組む。博士後期(博士)課程には医療科学領域を新設し、工学部などと連携して新しい医療機器や福祉機器の開発も進める。

 金大では既に医学部医学科と理・工・薬学部を部局化しており、二〇〇八(平成二十)年の三学域再編に向け、作業を加速させている。


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2005年01月04日

佐賀大、07年目標に総合大学院設置へ

佐賀新聞(1/03)

 佐賀大(長谷川照学長)は、医学、経済学、教育学、理工学を融合させた総合大学院設置に向け具体的な検討に入った。これまでなかった人文、社会科学系に加え、「MOT(技術経営)」「ヒューマンケア」など学際的分野の専攻の設定を構想。二〇〇七年の開設を目指す。広範な要請に応える「地域のシンクタンク」として期待が高まる。

 同大によると、大学院は総合研究科として、工学系、医学系、文系の三分野を柱に構成し、それに融合型のコースを加えることを検討している。

 融合型の案として挙がっている「ヒューマンケア」は、医学と社会福祉学(文化教育学部)の視点から高齢者福祉や障害者支援、発達臨床心理を総合的に研究。「MOT」は技術成果をどう事業や経営に結びつけるかを、経済学と工学を結びつけ体系的に研究する。

 いずれも現代のニーズに対応しようと複数の研究領域が提携、融合して生まれた新たなカテゴリーで、実践型の研究として福祉や産業界で注目されている。研究力アップとともに、外部からの資金獲得増が期待される。

 定員については、現行六十人(医学系三十、工学系三十)に五人ほど増員する案が出ている。〇五年秋をメドに最終案をまとめ、〇六年末の認可を目指して文部科学省に申請する方針。

 前段として、医学、工学系の博士課程に経済、文化教育学部の教員が入って新たな講座を置くなど、融合型コース実現に向けた試みを来年度から始める。

 同大は「博士課程設置が条件となっている外部資金もあり、先端研究体制の整備は不可欠。高度な専門家育成の拠点にもしたい」としている。

 現在、修士課程は全五学部にあるが、博士課程があるのは医、理工、農学部で、文系学部にはない。農学系は鹿児島大など三大学と連携して設置している研究科を当面継続する。


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2004年12月27日

『04高知 年末回顧』(7) 時代の波にもまれる大学  生き残りへ競争激化

高知新聞(12/24)

 「大学淘汰(とうた)の波」が本県にも押し寄せた。平成五年春に開学した土佐女子短期大学が学生数減少による経営悪化を理由に、学生募集停止を五月末の理事会で決定。現在の一年生が卒業する十七年度末以降に廃学となることが決まった。十八歳人口の減少で学生を確保できず、廃学に追い込まれる例が全国で既に出ていたが、同短大も有効な打開策を見いだせぬまま生き残り競争に敗れた。
 その一方で、四月一日、高知大など全国八十九の国立大学が国の直轄から切り離され、国立大学法人として船出した。
 法人化で経営は独立。国の丸抱えだった財政は授業料、入学料、病院収入などの自己収入と、国からの運営費交付金で賄わねばならなくなった。
 本年度、約百五億円だった高知大の交付金は今後、毎年二、三億円程度削減され、財政事情は厳しさを増す。文部科学省は削減予算を優れた教育・研究に重点配分する予算に振り替え、大学間競争をあおっている。
 そんな中、高知大は中期目標・中期計画に地域社会貢献を使命とした「地域の大学」を打ち出した。その計画達成度は毎年評価され、六年間の総合評価を下される。総合評価は次期運営費交付金の算定に反映されるといわれ、大学存亡の命運を握る。
 相良祐輔学長は言う。「受験生全入時代が迫っており、国立大の統廃合は将来必ず行われる」。高知大は限られた時間の中で、「地域の大学」として、産学官の連携などによる具体的な成果を残さなければならない。
 また、県立大も厳しい大学間競争を生き抜く改革を迫られている。
 県は県外の学識経験者ら十一人で構成する県立大学改革検討委員会を組織し、昨年一月から高知女子大と高知短大の将来像を模索。十月には「女子大を共学化し、新たに社会科学系学部を設け、短大を廃止する」などの再編案を県に提言した。
 当事者の高知女子大も独自の改革案をまとめており、今後、短大も含め県と協議し、改革の具体策を煮詰める。県立大の培った伝統と実績を踏まえ、いかに県民の期待に沿い、存在感ある大学をつくるのか。英知を結集した議論が求められる。


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愛媛が動く・大学淘汰の時代(4)法人化 一定割合で運営費減 教員の研究費カットも

愛媛新聞(12/24)

 愛媛大は四月、ほかの国立大と同様、組織転換した。「国立大学法人」への移行。「確かに幾つかの権限は移され、細かい点で自由度は増した。しかし、自分たちだけでやっていけるかは別問題だ」。小松正幸学長(62)は法人化後の八カ月余をこう総括する。
 メリットはあった。文部科学省の「出先機関」ではなくなり、新事業を始める際に不可欠だった同省との折衝、概算要求などにかかる手続きは軽減された。裁量をフル活用し、独自の事業を迅速にスタートできるようになった。
 地域への政策提言を活動の柱とする地域創成研究センターや、理系研究者を養成するスーパーサイエンス特別コースは、発案から約一年で設置。国立大であれば最低二年以上かかっていた。
 公務員でなくなった教職員は、組合を設立。組織率の低さ、研究職と事務職の考え方のずれなど問題を抱えるものの、労働条件の維持・改善において、今後その役割が期待される。
 ところが、小松学長の表情はさえない。「もろ手を挙げて喜ぶわけにはいかない」とこぼす。依然として文科省が幹部人事をコントロールしようとする姿勢は明々白々。ほかの独立行政法人と同じく、一定の割合で運営予算を削減する措置からも逃れられなくなった。
 二〇〇三年度に約三百二十億円だった運営費は本年度、約五億円減少。さらに〇五年度から〇九年度まで、各年度当たり約一億二千万円ずつ自動的に削られる事態に直面する。
 運営費削減に対し、小松学長は対策に余念がない。定年退職者の補充をしない形での人員削減を決断。〇五年度からは、全教員に配分している教育・研究費に当たる校費を一律にカットする予定だ。教員が学外から得た研究費の一部を「大学に入れる」措置の検討も始めた。「背に腹は代えられない」との言葉が情勢の緊迫度を物語っている。
 こうした対策を、職員組合は冷静に受け止める。書記長の深田昭三教育学部教授(47)は「知的活動のライフラインを止める恐れがある」と大学側の動きを注視する姿勢は崩さないものの、「国全体の流れから見れば、ある程度は仕方ない」と話す。
 国立大の法人化と三位一体改革。「いずれも権限移譲は明確だが、将来像がはっきり分からない」。小松学長にはダブって見える。法人化の先に民営化があるのは間違いないだろう。採算を極度に重視するようになれば、研究は困難な状況に追い込まれる。「日本の高等教育のシステムそのものを揺るがす問題をはらんでいる」。小松学長は警鐘を鳴らす。


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2004年12月24日

広島大学、「学長選考のプロセス」を一方的に決定

広島大学教職員組合
 ∟●「ひろば」No.10より
広島大学教職員組合「広島大学の新しい学長選考規定に対する申入れ」(2004/12/16)

「学長選考のプロセス」を一方的に決定

「意向投票」助手の投票権切捨て

 「学長選のプロセス(本項・左に掲載)」が、途中の審議過程をほとんど公表しないまま、学長選考会議によって決定されました。「十一月十五日に決定した」と、翌十六日の教育研究評議会で審議することはなく報告のみがなされました。
 組合は九月、牟田学長宛に司学長選考のあり方」に関する質間状」を提出していましたが、審議の日程に関する回答さえないままでした。
 新制度では、学長任期は四年、再選と三選まであり、再選・三選の場合は二年任期です。
 新プロセスの特徴は、学長選考会議の裁量権が、いろいろな段階で確保されていること、助手を原則的に意向投票から排除していること、事務職員の上層部(副課長以上)のみに意向投票権を与えていること、「意向投票結果」の公表が確約されていないことなど、さまざまな間題が含まれています。
 今回の学長選挙は、国立人学法人広島人学への移行後最初の選挙として、重要な意味をもつものです。法人化後、運営費交付金の毎年一律削減に象徴されるような厳しい状況のもとで、教育研究を充実・発展させるためには、教職員の叡智を結集した人学運営が必要で、学長にはそのためのリーダーシップを発揮することが求められています。それには教職員による強い支持が必要であり、全教職員の意思を十分に反映した選挙によって学長が選出されることが望まれます。
 組合は今回の学長選挙にあたり、選挙が令教職員の意思を反映する民主的な制度のもとで行われることを求めて、以下の基本的な立場を表明します。
(1)民主的かつ公止な選挙を行い、構成員の意見を反映した民主的手続きによる候補者選考をすること
(2)候補者による所信表明の機会を設けること
(3)意向投票の結果を公表した上で、その結果が充分反映された候補者決定を行うこと


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岩手大、1億6000万円の余剰金--独立法人化後初の中間決算

毎日新聞(12/23)

 ◇上半期収納確保などで

 岩手大学は4月の独立行政法人化以来初の中間決算を発表した。国からの運営費交付金(当初予算額76億4900万円)や授業料・入学検定料(同35億7226万円)のうち上半期収納額を当初見込み通り確保する一方で、動物病院に収容されている家畜の治療による収入が見込みより増額した。支出では人事院勧告に基づく寒冷地手当の減額や教員の欠員が増えたことで約1億6000万円の余剰金が出た。

 これに伴い約1億8000万円規模の補正予算を編成することとし、視聴覚設備を更新し、グラウンドを改修する。

 また法人化後6年間の中期目標・計画(211項目)のうち04年度の計画(110項目)の上半期の達成状況をまとめた。全体として66%に当たる73項目を「順調に実施」とする一方で、34%の37項目が「十分実施できていない」「実施していない」と評価された。

 評価したのは、学内の理事、学部長らで構成する評価・点検委員会。教育研究等の向上に関する措置▽業務運営の改善効率化に関する措置▽財務内容の改善のための措置▽自己点検・評価についての情報提供に関する措置▽その他--の5分野について評価した。「実施していない項目」として(1)学長と学生との定期的な懇談会の開催(2)外国の大学・研究機関との連携、交流、国際性を重視した教育と地域社会の国際化に貢献するための基本計画の策定▽民間企業や地方自治体への大学教職員の派遣による人事交流--の3項目を挙げた。


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新・富大に67億円 来年度政府予算、運営費交付金盛る

北國新聞(12/23)

 財務省は二十二日、二〇〇五(平成十七)年十月に再編統合を予定する富大、富山医薬大、高岡短大に対し、統合後の運営に必要な運営費交付金として、来年度政府予算財務省原案に六十七億八千七百四十九万円を盛り込んだことを内示した。三大学は今後、新大学創設準備協議会で各キャンパスをつなぐ学内情報通信網の構築を検討するなど、開学に向けた本格的な準備に入る。

 三大学の統合再編は「国立大学法人富山大学(仮称)」の創設として予算化された。三大学への来年九月末までの運営費交付金を加えた総額は百四十三億二千三百九十六万円で、今年度に比べて約五億九千万円の減額となった。

 大学創設準備協議会は内示を受け、学内情報通信網の構築のほか、各キャンパスで同じ条件で教育を受けられるような環境整備、看板の付け替えなど設備整備の検討を進める。


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2004年12月21日

広島大学教職員組合、「広島大学の新しい学長選考規定に対する申し入れ―新規定に抗議し、その改訂を求めるー」

■Academia e-Network Letter No 222 (2004.12.21 Tue)
http://letter.ac-net.org/04/12/21-222.phpより

広島大学学長選考規定、助手を選挙から外す
「広島大学では21日、学長候補者推薦の公示を行う予定としているようですが、広島大学教職員組合は、広島大学学長選考会議が決定した学長選考規定に対し、「抗議し、その改訂を求める」申し入れを本日行いました。

広島大学の新しい学長選考規定に対する申し入れ―新規定に抗議し、その改訂を求めるー

2004年12月16日 広島大学教職員組合執行委員会

1.不十分な審議

 広島大学の学長選考のプロセス(以下、新規定とする)が、途中の審議過程をほとんど公表しないまま、学長選考会議によって決定されました。11月16日の教育研究評議会では新規定が審議されることなく、報告のみがなされました。

 私たちは、すでに9月15日に、牟田泰三学長宛に「『学長選考のあり方』に関する質問状」を提出していましたが、これに対する回答さえ与えないまま、 このような一方的な措置が行われたことに、強く抗議致します。

2.非民主的な選考規定

新規定は、
(1)学長選考会議の裁量権が、候補者決定の段階にまで及び、構成員が意向投票を行う際の選択肢を制約していること

(2)助手は意向投票からすら排除されていること

(3)何らの原則も示されず、事務職員の上層部(副課長以上) のみに意向投票権を与えていること

(4)学長候補者の最終選考にあたって「意向投票結果」の公表が確約されていないという4つの大きな問題が含まれています。

とくに、助手を原則的に意向投票から排除する(当面は第1次意向投票のみを認め、第2次意向投票から除外している)ことは、言語道断です。これまでの 広島大学の50年を超える歴史の中で定着していた「助手を含む大学構成員の投票で学長を選考してきたシステム」の大幅な改悪に、私たちは絶対に反対致します。

3.新規定の改訂を求める

今回の学長選挙は、国立大学法人広島大学への移行後最初の選挙として、重要な意味をもつものです。法人化後、運営費交付金の毎年一律削減に象徴される ような厳しい状況のもとで、教育研究を充実・発展させるためには、教職員の叡智を結集した大学運営が必要で、学長にはそのためのリーダーシップを発揮す ることが求められています。それには教職員による強い支持が必要であり、全教職員の意思を十分に反映した選挙によって学長が選出されることが望まれます。

組合は今回の学長選挙にあたり、選挙が全教職員の意思を反映する民主的な制度のもとで行われることを求めて、新規定の早急な改訂を申し入れます。

(1)広島大学に働く全ての構成員に投票権を与えること,とくに助手の投票権の剥奪を白紙に戻すこと

(2)候補者決定における学長選考会議の裁量の余地をなくすとともに、候補者による所信表明の機会を設けること

(3)意向投票の結果を公表した上で、その結果が充分反映された候補者決定を行うこと

(4)投票総数の過半数を占める候補者がいない場合は,上位2名による決選投票を行うこと

以上


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月21日 01:23 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月11日

国立大学協会、第1回臨時総会議事次第(資料)

全大教ホームページより

資  料

平成16年12月8日
第1回臨時総会

○ 会員名簿
○ 第1回臨時総会議事次第
○ 資   料
 1 平成17年度予算の編成等に関する建議(抄)
 2 平成17年度運営費交付金概算要求の概要
   -国立大学等における教育研究の充実と活性化-
 3 国立大学法人の収支構造(イメージ)
 4 平成17年度国立大学法人等施設整備費概算要求の概要
 5 国立大学授業料等の推移


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国立大学協会、国立大学関連予算の充実について

国立大学関連予算の充実について

平成16年12月8日
国立大学協会

1.法人化のメリットを活かした活力に富む国立大学実現のために

1-1.改革への取り組みを失速させない予算措置を
 本年4月に国立大学法人としてスタートして以来、各大学は、国民の負託に応えるべく、法人化のメリットを最大限に活かして魅力と特色のある活力に富んだ国立大学の実現を期して、関係者一丸となって改革の努力を積み重ねてきている。

 各国立大学とも、学外有識者の積極的な任用などによる意識改革・既に策定した中期目標・計画の実現へ向けて学長のリーダーシップによる経営のイノベーション、法人化による柔軟な人事・会計システムの積極的な活用、GPAの導入などによる教育機能の強化、学生サービスの充実など様々な改革に取り組んでいる。さらに・地域再生への貢献、産学連携の促進を視野に、地元企業・公共団体との連携の強化、「地域連携センター」などの設置、大学発のベンチャー上場や支援基金の創設など・高度な人材養成や基礎研究の中核としての使命を踏まえた取り組みを行っている。未来の大空に向けて離陸した各大学は、今後も法人化のメリットを活用してギさらに、より高度な教育・研究活動を展開するための努力を継続する覚悟である。

 しかし、そのためには、制度の絶えざる見直しと、何よりも活動の基盤となる運営費交付金が十分確保されなければならず、これらなしには改革の機運は失速しかねない。国立大学法人制度の運用及び財政措置等についての改めての精査やこれに基づく国大協としての必要な行動については、この際留保するとしても、各学長が運営費交付金の効率化係数や経営改善係数をどのように吸収するかに悩みながら、極めて膨大且つ困難な移行作業に加えて、改革へ向けて日夜奮闘するのは・国立大学の使命を自覚するとともに、少なくとも基盤的な教育研究費である運営費交付金や施設整備費補助金が、国により安定して確保されることを信じて疑わないからに他ならない。

1-2.国立大学法人の使命を果しうる予算措置を
 21世紀の「知」を基盤とするグローバル社会の中で、我が国が世界に伍してさらに発展していくためには、国立大学を初めとする高等教育と学術研究の充実により、優れた人材の育成と高度な知的創造を展開する以外に道はない・なかでも・国立大学法人の使命は、国民に能力に応じて高等教育を受ける機会を普く保障するとともに、教育・人材立国、科学技術創造立国日本の発展を支える人材養成と高度先端的研究開発、高度最先端医療の提供など教育・研究・診療などを通じて社会貢献を推進していくことにある。こうした国立大学法人の使命を果たすためには、その基盤的経費であり、意欲的な取り組みを支援する特別教育研究経費を含む運営費交付金の確実な確保・充実が必要である。
 同時に、大学における充実した教育研究を目指すうえにおいて・施設・設備をはじめとする環境整備が欠かせない。近年、国立大学の教育研究環境の整備はある程度進みつつあるが、その貧弱さは依然として大きな問題である。特に老朽化した施設の整備は、安全や防災上の観点からも敦置できず、今後の教育研究の充実のために、これらの改修による有効活用が不可欠であることに改めて理解を求めたい。

 教育・人材立国、科学技術創造立国を目指す我が国としては、教育研究の拠点である国立大学が、未来に向かいその改革を一層進展させ、教育研究の基盤充実を図れるよう国が支援することは国益に沿う責務であり、予算面からも確実に実行して頂くことを強く訴えるものである。

2.平成17年度予算等における要請
以上を踏まえて、以下のように要請する。

(1)運営費交付金の確保・充実
 教育・人材立国、科学技術創造立国の重要な拠点である国立大学が・意欲的な特色ある取り組みを継続して推進し、法人化のメリットを活かすことができるよう、運営費交付金の確実な確保を図ること。
(2)学生納付金標準額の据え置き
 学生が、経済状況に左右されることなく、能力・適性に応じて進学できる機会を確保するという国立大学の役割を果たすため、中期計画期間における学生納付金の値上げは容認できないこと。
(3)施設整備費の大幅増
 「国立大学等施設緊急整備5か年計画」の達成、特に、老朽施設の着実な整備は、より高い教育研究の成果を実現するために欠かせない緊急な課題であり、施設整備費補助金などの大幅な増額を図ること。


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2004年12月10日

国大協臨時総会にあたって首都圏ネットの声明

「意見広告の会」ニュース223より

国大協臨時総会にあたって首都圏ネットの声明

首都圏ネット事務局です。

 12月8日の国大協臨時総会にあたって、下記の声明を発表いたしました。
この声明と国会内ポスターセッションの関連資料を総会会場にて参加各大学に配布いた
しました。

国立大学法人と財政危機―予算編成と国大協臨時総会に寄せて―

2004年12月8日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

はじめに

 国立大学法人の財政は、未曾有の危機にある。国会附帯決議(参議院文教科学委員会)は、「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること」と全会一致で決議を行った。それにもかかわらず、現実には法人化固有の費用が措置されないばかりか、2005年度以降には「効率化係数」「経営改善係数」などの名の下に、運営費交付金の逓減が企図されている。さらにいわゆる「シーリング問題」も何ら決着していない。

 教育・研究の現場では、多くの大学において予算が40~50%削減されている。このため、従来通りの教育・研究経費はすでに前期において底を付いている。財政不足を理由に、サービス残業が横行するとともに、同一労働にもかかわらず低賃金しか支払われていない非常勤職員は、さらに「雇い止め」という名の解雇の危機にさらされている。非常勤講師に対する給与削減とコマ数削減は暴力的とも言えるものになっており、とりわけ専業非常勤講師の生活と研究を脅かしている。

 こうした状況の下で、国立大学法人法体制を受け入れた国立大学協会は、それゆえにこそ、財政問題に関する抜本的な取り組みを行う責任を負っている。本国大協臨時総会は、「国立大学法人の予算について」を議題とし、予算編成関連の活動について議論することを予定している。高等教育予算の抜本的拡充という一般論だけでなく、政府の政策動向と現場の教育・研究を踏まえた、具体的かつ根本的な議論が求められる。

一、国会内ポスターセッションの成果

 私たちは、2004年11月1~2日の両日、衆参両院において「国会内ポスターセッション」を行った。これは、現下の国立大学法人の財政問題を解決するために、議員各位に現状認識を深めていただくと同時に、その解決の方途を示したものである(添付資料をご覧いただきたい)。

 私たちの結論は以下の通りである。

(1)附帯決議違反と労働法制違反の状態を今年度中に解決するためには、最低限以下の費用が必要である。

○法人化にあたって新たに発生した経費→355 億円
○「サービス残業」解消のための経費→274 億円
○"同一労働・同一賃金"の原則に反する非常勤職員の均等待遇化経費→320億円

 以上の経費総額は推計約949億円であり、これは補正予算によって措置すべきである。

(2)国立大学法人の運営費交付金の算定について、現在の「総額管理・各種係数による逓減方式」をあらため、当初の制度設計である「収支差額補填方式」に戻すこと。

 国立大学法人法案の審議過程では、運営費交付金は従来の交付金制度を引き継ぎ、「収支差額補填方式」が想定されていた。しかし、法成立後になって、財務省は強引に「総額管理・各種係数による逓減方式」を要求し、文科省はこれを受け入れたのである。このため、国立大学法人はひたすら経営重視に傾斜し、特に病院はその半数が赤字転落を予想していることもあって、収支改善のために収益部門の重視と混合診療の導入へと向かっている。こうした状況をあらためるには、「収支差額補填方式」への転換が必須である。

二、国立大学法人の財政問題に関する政策動向

 「平成17年度予算編成の基本方針」(閣議決定)、「知的財産推進計画2004」(知的財産戦略本部)、「我が国の高等教育の将来像(審議の概要)」(中教審)などの文書によれば、法人財政に関する政府の基本的な政策動向は次の通りである。

(1)政府は、国立大学法人運営費交付金及び施設整備費補助金について、経営努力を重視するのみで、「所要額の確保」のための具体的施策に言及することはない。

(2)政府は、基盤的経費の助成よりも競争的資源配分を重視し、「選択と集中」という経営用語を大学に適用しようとしている。特に、「21世紀COEプログラム」「特色ある大学教育支援プログラム」等の競争的・重点的支援を通じて、「競争原理に基づく支援策へのシフトを促進し」、機関補助を通じた高等教育フ種別化を進めようとしている。

(3)政府は、「科学技術創造立国」という国策遂行に沿った分野のみを重点化し、「その他分野においては一層の効率化・合理化を図る」としている。

(4)政府は、「知識基盤社会」「知識経済」への対応のために、イノベーションの中核に大学を位置付けようとしており、大学の研究・教育の双方を「知的財産立国」のために一元化しようとしている。

 このような政策が適用されれば、基礎的な研究・教育分野の崩壊と、大学の国策への一層の従属が進行することになる。運営費交付金自体もまた、競争的資金とみなされることになりかねない。本来的に、高等教育への投資の水準とあり方についての議論が欠如したまま、縮小の中の特化が進むのである。

 また、政府は「自己財源」の充実を強調することで、授業料等の引き上げに誘導し、同時に奨学事業等を「意欲と能力のある個人の主体的な自助努力」の支援に限定することで、学生の階層化さえ促進しようとしている。

 このような政策動向に追随し、国立大学の法人の予算を編成していけば、大学内で立場の弱い分野や構成員に矛盾を皺寄せし、大学の公共性や、構成員の協働関係にとって破滅的な結果をもたらすことになろう。

三、補正予算と2005年度予算

 報道によれば、財務省は今年度補正予算案について、総額を4兆8000億円規模とする方向で最終調整に入ったと言われる(『日本経済新聞』2004年12月3日)。景気回復を背景に、税収見込みを当初予算より2兆円規模で上方修正するほか、2003年度決算で生じた約1兆円の剰余金などを財源に充てる、とされる。日程としては、12月20日に補正案の決定が行われ、来年の通常国会に来年度予算案と同時に提出される予定である。

 また、共同通信(12月6日)によれば、通常国会の招集は、2005年1月21日が予定されており、その冒頭で補正予算の審議が行われる。審議予定は、衆議院3日、参議院3日程度とも言われる。

 国大協は、ただちに、政府に対して補正予算要求を行い、数千億円と見込まれている「義務的経費」の増額分などにおいて、法人化経費の欠損分を措置させることが必要である。

 2005年度予算編成に関しては、政府は、次のように述べている。「「義務的経費」は、自然増を放置することなく、制度・施策の抜本的見直しを行い、歳出の抑制を図る。裁量的経費は、前年度予算額から2%減算(「科学技術振興費」に相当する額を除く。)した額を上限として縮減を図る。」運営費交付金が裁量的経費と位置付けられれば、さらに2%以上の減算(!)が企図されているのである。これは、国立大学財政にとって破滅的であろう。運営費交付金の位置付けの転換が是非とも必要である。

 同時に、すでに一で述べたように、運営費交付金を「収支差額補填方式」に抜本的に改変することが、国立大学法人財政の改善のために必須である。

 本国大協臨時総会では、これらの方針を取り、そのためのあらゆる努力を行うよう強く求めるものである。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月10日 00:47 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月09日

国会ポスターセッションの報告 連載 第5回 「首都圏ネット」分の最終回

「意見広告の会」ニュース222より

非常勤職員の均等待遇化におよそ320 億円

国立大学における非常勤職員とは?

 国立大学には、さまざまな種類の非常勤職員が存在して「ます。
 時間雇用職員、日々雇用職員の他、教員が獲得した科学研究費から給与の支払われている職員も存在しています。
 彼ら・彼女らは、他の常勤の職員と同じ仕事をしていながら、非常勤ということで、劣悪な労働条件の下に置かれています。しかし、国公法の世界から労働法の世界へと国立大学が移行した以上は、同一労働・同一賃金の原則に基づいて、常勤職員と同じ労働をしている場合には、彼ら・彼女らに対して、同一賃金が支払われなければなりません。
 ところが、運営費交付金においてはこのことが考慮されていないために、劣悪な労働条件の下に置かれ続けています。非常勤職員の処遇を改善する一番の方法は、彼ら・彼女らの時給を上げるなど常勤職員と均等待遇化することです。では一体どれくらいの予算が必要なのでしょうか。

時間雇用職員および日々雇用職員の均等待遇化経費 推計320 億円
 その実数が比較的良く把握されている、時間雇用職員および日々雇用職員についてだけ、推計してみます。時間雇用職員および日々雇用E員の人数の出典は国大協法人化特別委員会が2002 年に作成した資料です。調査年度である2001 年においては、時間雇用職員は18,107 人、日々雇用職員は5,455 人で、非常勤職員は計23,562 人となっていました。データとしては少し古いのですが、「法人化」の前後でどこの大学でも非常勤職員数は削減されていると推測されるので、百の単位はカットして、現在の非常勤職員数と推定して、概算しました。

A) 時間雇用職員(週30 時間)の総雇用費:309 億6000 万円
一人当たりの平均年雇用費:約172 万円
時間雇用職員の人数:18000 人

B) 日々雇用職員(週40 時間)の総雇用費:163 億5,000 万円
一人当たりの平均年雇用費:約327 万円
日々雇用職員の人数:5000 人

C) 非常勤職員の総雇用費: 473 億1,000 万円 (A + B)

D) 常勤職員として同世代の労働者を雇用すると想定した場合の人件費:約791 億2,000 万円
推定法:一人当たり時間雇用職員の2 倍の年平均雇用費(344 万円)がかかるとし,それに時間雇用職員と日々雇用職員の合計人数(23000 人)を乗じた.
→ 344 万円 x 23,000 人 = 791 億2,000 万円

E) 常勤職員並み保障に必要な原資 :318 億1,000 万円 (D - C)
791 億2,000 万円 - 473 億1,000 万円 = 318 億1,000 万円

科学研究費などによって雇用されている非常勤職員の実態はナの中!!
 以上の推計は、時間雇用職員および日々雇用職員以外の科学研究費などによって雇用されている非常勤職員を含んでいません。彼ら・彼女らの人数、労働実態を包括的に明らかにする調査は行なわれていません。しかし、日々雇用職員や時間雇用職員と同じくらいの人数の人々が、存在しているといわれる場合も有るので、労働法上の原則を実現するためには、その実態を迅速、かつ包括的に明らかにしていく必要があります。

*****************************
開会中の臨時国会への要請
国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 昨年の国立大学法人法案の審議過程では同法を提案した政府・文科省の方々はこぞって「法人化によって現在より予算が減額されることはない。いっそう旺盛に教育研究活動を行う基盤が作られる。」「もちろん、法人化に伴う非公務員化に伴って労働基準法をはじめとする労働法制は完全に適用される。」と答弁されていたことは記憶に新しいことです。また、法人法案成立に際しての国ム決議で「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。」(12項)を、国会の名によって厳粛に政府に求めました。
 しかし、本ポスターセッションで、1)法人化に必要な諸経費等によって各大学が実際に用いることが可能な予算が実質的に 減額され、学科(専攻)などの現場では昨年比50%減という状況が続出している
 2)非常勤職員の均等待遇を求める「パート労働者法」や同法に関わる「指針」の精神に 反して、依然として各大学では非常勤職員への差別的待遇が続けられている3)労働基準法に明白に違反する「サービス残業」(超勤費未払い)が常態化していることがあきらかとなっています。さらに重大なことに、運営費交付金の算定方式は国会審議過程では「収支差額補填方式」であったのに、国立大学法人法成立後になって「総額管理方式」に強引に切り替えられました。このため、平成15年度を出発点に効率化係数、経営係数によっト運営費交付金が確実に逓減することになったのです。つまり、本ポスターセッションが紹介した現実がもっと深刻になるのです。国立大学法人法が引き起こした事態が明らかになった以上、私達は国権の最高機関たる国会におかれてはャやかに以下の措置をとられるよう強く要請するものです。

1.本年度において以下の項目を補填する補正予算を組むこと
(1)運営費交付金を実質減額させた法人化必要経費
(2)同一労働・同一賃金の原則と「パート労働者法」の精神に反する状態を解消するための非常勤職員均等処遇経費
(3)労基法に反する「サービス残業」解消経費
 私達の試算では少なく見積もっても(1)355億円(2)320 億円(3)274億円であり、補正予算の総額は949億円となり ます。

2.運営費交付金算出方法を「総額管理方式」から当初想定されていた「収支差額補填方式」に戻すこと

3.国立大学法人法と同法に基づく法人化の問題点を広く大学関係者から聞き、改善・改革のための審議を国会で行うこと

以上

Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月09日 00:53 | コメント (0) | トラックバック (0)
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信大職員残業賃金未払い さらに3500万円判明

信濃毎日新聞(12/08)

 信大(本部・松本市)事務職員の残業のうち、大学側が把握していない分が、今年四月の独立行政法人化以降、九月までで延べ約一万五千時間に上り、賃金計約三千五百万円が未払いだったことが七日、分かった。大学側は十一月支給の給与で全額を支払った。

 信大は九月、付属病院の事務職員約七十人の残業代計約七百万円が未払いだったなどとして、松本労基署から是正勧告を受けていた。これを受け、病院以外の本部や、各学部の事務職員約四百人を対象に、全学で自主的に調べた。

 人事課などによると、調査では、職員から残業の自己申告を受け、すべての時間数を認めた。今回、対象者のほとんどが申告したとみられる。総務・人事担当理事の渡辺裕・経済学部教授は「勧告以降は、残業を減らし、未払いがないよう各職場の担当者に守らせるようにしている」と話している。

 「勤務と自主研修の区別が難しい」(同理事)という付属病院の看護師や技師らについては、年末までに調べる予定。教員は、労働時間の管理を本人に任せる裁量労働制のため、調査の対象外という。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月09日 00:52 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月06日

国会ポスターセッションの報告(連載)第4回 「役員出向問題」「法人化経費」

「意見広告の会」ニュース221より

国会ポスターセッションの報告 連載 第4回 

2-1 役員出向問題

文部科学省からの出向役員(理事に限る)の所属する国立大学法人

*出向役員は文字通り文科省からの出向者であり、天下り理事ではありません。
以下の49大学(全国立大学の56%)で、ほぼ旧事務局長が「役員出向」しています。

北海道大学 旭川医科大学 秋田大学 宮城教育大学 山形大学 宇都宮大学 茨城大学 千葉大学 東京大学 東京医科歯科大学 東京農工大学 東京芸術大学 新潟大学 上越教育大学 富山医科薬科大学 金沢大学 福井大学 信州大学 山梨大学 岐阜大学 名古屋大学 名古屋工業大学 三重大学 滋賀大学 滋賀医科大学 京都大学 京都教育大学 京都工芸繊維大学 大阪大学 大阪教育大学 大阪外国語大学 神戸大学 奈良女子大学 和歌山大学 鳥取大学 岡山大学 広島大学 徳島大学 香川大学 愛媛大学 高知大学 佐賀大学 九州大学 長崎大学 熊本大学 大分大学 宮崎大学 鹿児島大学 琉球大学

*役員出向者は国家公務員身分を失っていない。
「本籍=文科省、現住所=国立大学法人」 である文科省の役人である。

 12万にも達しようとする旧国立大学教職員は、本年3月にその公務員身分を失い、4月に国立大学法人職員に移行した。一方、役員出向者(理事)は平成16年3月に文科省を退職、4月に出向者となった。出向辞令を発した者は文部科学大臣である。すなわち出向者は、純粋な法人職員の身分に移行することもないまま、再び文科省の職員に復帰し退職金もまた文科省より受け取るわけである。 国会審議でも明らかなように、多数の教職員が本人の意向に反して国家公務員身分を失ったことは重大な問題と言わねばならないが、それにも関わらず一部の文科省幹部職員は、事実上の公務員身分のままより高度な地位の理事職に就任しているわけである。まことに不公平・不公正な「火事場の焼け太り」と批判されても仕方がないのではないか。
 また役員出向者は、文部科学大臣から出向辞令を受け取っている以上、「本籍=文科省、現住所=国立大学法人」という事実上の文科省官僚である。国立大学法人法によって、国立大学の運営の自主性・自律性を高めると説明しながら、実際には多くの事務局長が事務局内にとどまらず、法人の最高の意思決定機関である役員会の構成メンバーに入り込んだわけであるから、国立大学に対する文科省コントロールは一層強化されたと言わねばならない。
 そればかりではない。役員出向者は、人事交流の名のもとに文科省の都合に従って本省と国立大学法人や他の独立行政法人の間を転々とする。現に既に本年7月に、二つの国立大学法人で「役員出向者」(理事)が交替している。「適材適所」で配置された役員が、最も重要な法人発足後のこの時期にわずか3ヶ月で交替しているのである。これでは一体どのようにして国立大学法人の「運営の自主性、自律性と自己責任」が保てるであろうか。

*「役員出向」は、官僚OBの天下り以上に問題である。
 以上は何も旧事務局長の国立大学法人理事就任を頭から排除する主張ではない。役員に出向役人を起用することの問題点を指摘している。各理事の任命権がそれぞれの国立大学法人の学長にあると言っても、出向者たちは事実上の人事権を持つ本省の意向を汲み取ろうとするであろう。文部科学省は自らの既得権益の確保に汲々とすることなく、法の趣旨に照らして「役員出向」を自粛すべきである。
 なお、本パネルの内容に誤りがあればご指摘をお願い致します。

2-2法人化経費 推計355 億円以上

 「法人化にあたって新たに発生した経費」を詳しく見積っている東京大学の推計額を基礎にして、それと全国の国立大学の教職員数や、支出総額などの比率に応じて355 億円以上と推計しました。この推計では、病院、理系部局の有無による保険料、労安法対策費の多寡については考慮できていません。特に保険料の推計はこの見積もりよりも60 億円程度多くなる可能性もあります.推計の詳細は下の説明をごらんください.

全国国立大学の教職員数と支出総額(ともに2004 年度)
実数     比(対東京大学)
教職員数  116816 人   15.45 (a)
支出総額  23381 億円  10.91 (b)

法人化に必要な経費の内訳 費用(億円)
1. コンピューターシステム・サポート経費 7.63
2. 職員研修費用 2.78
3. 職員採用試験実施経費 4.02
4. 銀行手数料 10.47
5. 保険料 199.51
6. 法定監査法人費用 18.24
7. 役員人件費(503 名) 100.60
8. 労働安全衛生法見合いの維持費 11.59
総費用 354.84

*「法人化にあたって新たに発生した経費」の推計方法について
 上記各費用の算出は、極めて困難である。その理由は、(i) 法人化1年目のため、正確な値が分からず、他のデータ等から予測しなければならないため,(ii) 上記予測に必要な信頼に足る詳細なデータが公開されていないため,等である。一方、東京大学においては、法人化前に上記費用の詳細な予測が行われており、そのデータは利用可能である。
 そこで本算出方式においては、国立大学におけるおおよその費用を見積もるため、入手可能な「教職員数」および「総支出額」のみを用い、東京大学の試算額との比を用いて計算を行うことを考えた。
 まず「総支出額」と深い関わりを持つと考えられる1,4 の項目については、全国立大学と東京大学の「総支出額」の割合に東京大学の予測経費を掛けることにより、算出を行った。同様に、「教職員数」と深い関わりを持つと考えられる2,3,5,6,8 の項目については、東京大学の「教職員数」の割合に東京大学の予測経費を掛けることにより、算出を行った。
 また7 については、役員1名あたり0.2 億円の経費とした。

1. コンピューターシステム・サポート経費(人事,財務会計,病院管理会計)
2. 職員研修費用(労務・人事管理, 会計基準等・衛生管理者研修等)
3. 職員採用試験実施経費(募集要項・問題作成等)
4. 銀行手数料(振込手数料,ファームバンキング利用料等)
5. 保険料(雇用保険,労災保険,児童手当拠出金,火災保険,自動車保険,損害賠償責任保険等)
6. 法定監査人費用等(弁護士・会計士等費用)
7. 役員人件費
8. 労働安全衛生法見合いの維持費


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2004年12月03日

岩手大中期計画の自己評価 「不十分」「未実施」3割強

東京読売新聞(2004/12/02)

 岩手大が一日、今春の独立行政法人化にあわせて策定した今年度から六年間の中期計画の進ちょく状況を発表した。教育や研究面など、今年度中に実施すべき項目を自己評価した結果、半数以上が計画通りに実施されている反面、三割強が「実施不十分」や「未実施」だった。また中期計画に盛り込んだ法科大学院の設置も既に見送りを決めたため、内容を一部変更することにした。
 理事や学部長、事務職員らで作る点検評価委員会が教育研究、諸制度、財務内容など百十項目の進ちょく状況を調査した。その結果、六割を超える七十三項目が「順調に実施」だったが、「実施不十分」「未実施」も三十七項目にのぼった。
 「不十分」だった主なものは「教員個人の業績評価制度の創設」や「学生の成績評価に対する相談窓口の設置」「省エネ・省資源で1%の経費削減」など。「未実施」には、学生の声を大学経営に取り入れるため学長と学生の懇談会開催、国際化に沿った海外の大学との連携や人事交流のための基本計画の策定などが挙がった。
 平山健一学長は会見で「おおむね計画通りに進んでいるが、十分ではない。年度内にすべて達成できるよう努力したい」と話した。また「秋田、弘前大との連携強化を目指し、三大学間の教員の相互乗り入れや専門科目の単位互換制度の創設、共通の講演会開催の早期実現に向け、協議を進めている」と明らかにした。


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2004年12月02日

国会ポスターセッションの報告 連載 第3回

「意見広告の会」ニュース219

3 運営費交付金、法人移行経費、および、労働法の適用に関して、衆議院文部科学委員会と衆議院文教科学委員会はどの様な付帯決議をし、議論をしたのか?

参議院文教科学委員会 付帯決議 2003 年7 月8 日十六、国立大学法人への円滑な移行が行われるようにするため、文部科学省は、進捗状況、課題などを明らかにし、当委員会に報告を行うこと。

運営費交付金に関わる付帯決議
衆議院文部科学委員会 付帯決議 2003 年5 月16 日

6 運営費交付金等の算定に当たっては、公正かつ透明性のある基準に従って行うとともに、法人化前の公費投入額を十分に確保し、必要な運営費交付金等を措置するよう努めること。また、学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、適正な金額とするよう努めること。

参議院文教科学委員会 付帯決議 2003 年7 月8 日
十二、運営費交付金等の算定に当たっては、算定基準及び算定根拠を明確にした上で公表し、公正性、透明性を確保するとともに、各法人の規模等その特性を考慮した適切な算定方法となるよう工夫すること。また、法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。

衆議院文部科学委員会 付帯決議 2003 年5 月16 日
8 国は、高等教育の果たす役割の重要性に鑑み、国公私立全体を通じた高等教育に対する財政支出の充実に努めること。また、高等教育及び学術研究の水準の向上と自立的な発展を図る立場から、地方の大学の整備・充実に努めること。

参議院文教科学委員会 2003 年7 月8 日
十九、国は、高等教育の果たす役割の重要性にかんがみ、国公私立全体を通じた高等教育に対する財政支出の充実に努めること。また、高等教育及び学術研究の水準の向上と自立的な発展を図る立場から、地方の大学の整傭・充実に努めること。


運営費交付金に関わる審議
第156回国会 文部科学委員会 第12号
平成十五年五月十四日(水曜日)

○石井(郁)委員 …次に、各大学の来年度の予算規模がどのくらいになるのかということなんです。・・・十五年度は一兆五千二百五十六億円ということで、積算校費のいろいろ基準などがあって各大学の予算が決まっていたと思うんですが、今度、運営費交付金になるわけですね。運営費交付金がどのくらいの規模で出されるのかという問題なんですね。ことしのこの予算額を上回るのか、それとも下回るのか、これはいかがでございますか。
○玉井政府参考人 運営費交付金と、それから施設関係は、施設整備につきましては施設費補助金という形で必要な予算措置をするわけでございますけれども、これを具体にどれぐらいの規模にいたすかにつきましては、基本的には、移行前に必要とされた校費投入額を十分に踏まえて、それぞれの事務事業が確実に実施されるように配慮したいと考えておりますけれども、具体的に幾らにどうなってくるか、これは、各国立大学法人の方のそれぞれの見積もり、それからまた当然財政事情、こういったものを勘案しながら、これからやっていくというふうに考えております。

第156回国会 文教科学委員会 第18号
平成十五年六月五日(木曜日)

○山本香苗君 ・・・大学が実質的に自主性、自律性を確保していくことができるかどうかというのは、先ほど来お話が出ておりますけれども、国からのきちんとした財政的な支援、それが確保されるか否かに懸かっているんではないかと思います。この点、参考人の中からも、それが削減されてしまうんじゃないかといった御心配の声もございましたが、そういった心配はない、予算的なバックアップはしっかりしていくと、その言葉を大臣からいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) ・・・私どもとしましては、移行前、つまり現在ですね、現在必要とされている公費投入額を十分踏まえて、国立大学における教育研究が確実に実施されますよう国としての責任を果たしていく考えでございます。

運営費交付金の収支差額補填方式か総額漸減方式かをめぐる審議
第156回国会 文教科学委員会 第22号
平成十五年七月八日(火曜日)

○佐藤泰介君 ・・・今心配なのは、法人化後の国立大学には独立行政法人としての性格上、不断の業務の見直し、効率化が求められるおそれがないのか。現在の独立行政法人には、運営費交付金の算定の際に、人件費を毎年一定の割合で減らしていくための仕組み、効率化係数等が導入されている。・・・毎年の一定割合のコスト削減が国立大学法人等に関して求められることになるのではないかと。そうしますと、今、大臣が強い決意を述べられましたけれども、この効率化係数によって一定割合のコスト削減が国立大学に求められるとするならば、移行前の措置すら削減されていくのではないかと、こんな心配をするわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(玉井日出夫君) 国立大学法人についても効率的な業務運営は図られる必要がありますが、そもそも法人化は単純に人件費等の経費削減を目指したものではなく、学問の進展や社会の変化に応じ所要の経費は確保していく必要があると考えているわけでございます。なお、運営費交付金の具体的な算定方法等につきましては、今後、法律が成立いたしましたならば、今後様々な要素を勘案しつつ検討していくことになりますけれども、その際、各法人の実情に応じ教育研究に関する経費が適切に確保されるよう十分配慮してまいりたいと考えております。○佐藤泰介君 ということは、効率化係数はどこへ、どうなるんですか。掛かるとすれば、いろいろとたくさんあって、掛かるところもあるけれども掛からぬところもあるから、トータルとすりゃ、掛けられても全体として前より減らないと言っているのか、必ず移行前よりは効率化係数によって一律に下げられていくということではないと言っているのか、そこのところをはっきりしてください。
○政府参考人(玉井日出夫君) 運営費交付金の基本的な仕組みは、法律が成立いたしました後、諸般の要因を入れながら具体的に検討させていただくことになっておりますし、具体の金額もこれまた十六年度概算要求の中でどのようにしていくかということでございますけれども、いずれにせよ移行前の公費投入額を十分踏まえていくということを基本にしておりますし、そしてまた、先ほど来、大臣がお答えいたしましたように、必要な経費の確保に十分努力をしていきたいと、かように考えているわけでございます。

法人化に伴う労働関係法規の適用に関する付帯決議と審議
参議院文教科学委員会 付帯決議 2003 年7 月8 日

十五、法人化に伴う労働関係法規等への対応については、法人の成立時に支障の生ずることのないよう、財政面その他必要な措置を講ずること。また、法人への移行後、新たにに必要とされる雇用保険等の経費については、運営費交付金等により確実に措置すること。

法人化に伴う労働関係法規の適用に関する審議
第156回国会 文教科学委員会 第18号
平成十五年六月五日(木曜日)

○神本美恵子君 それで、非常勤職員、公務の場における非常勤職員の方はいわゆる民間法、これから民間労働法制が適用されることになるわけですけれども、パート労働、いわゆる短時間労働者に関して、今、パート労働法の見直しが厚労省の方で行われておりまして、労働政策審議会での議論を受けて二月に出された報告では、通常の労働者との均衡を考慮した処遇の考え方を指針で示すというふうな報告が出され、お聞きしましたところ、厚労省の方ではその指針を速やかに作るということで今作業が進められているというふうにお聞きした・・・。そこで、その指針が示されれば当然こ
れに従うことになると思いますが、文部科学省として、この民間労働法制のこういう動きも含めて、その適用に関してしっかりと大学法人の方に説明していく責務があるというふうに思います。また、必要な予算措置も行う責務があると思います。七万人を超える非常勤の教職員にかかわる生活上の問題でありますし、この問題については先日、決算委員会で私もお聞きしていたんですが、河村副大臣がお答えになっておりますので、是非ともしっかりとした対応についての御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(河村建夫君)・・・今度、国立大学の法人化をいたしますと、非常勤講師についてはいわゆるパート労働法といいますか、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、この適用になっていくわけでございますから、同法によりますと、今度は「事業主は」と、こうなってきておりますが、通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件を確保すると、こうなっておるわけでございます。国立大学法人の非常勤講師の給与については、この趣旨にのっとって、この趣旨にのっとって各国立大学法人においてそれぞれの自主性、自律性の下に決定をすると、こういうことになっていくわけでございます。文部科学省といたしましても、国立大学法人の運営費交付金の算定に当たりましては、この法人化前における支給実績と、さきの決算委員会では支給実績等十分実績を踏まえてということを御答弁申し上げましたが、正にこの支給実績等を十分に踏まえて、今労働省の間で検討されておりますが、そうした流れといいますか、そういうものの、その趣旨にのっとって、そしてこれまでの実績、そういうものを踏まえて十分にひとつ交付金の算定をやっていきたいと、このように考えております。

法人化移行経費をめぐる審議
第156回国会 文部科学委員会 第13号
平成十五年五月十六日(金曜日)

○佐藤(公)委員 …法人移行のための費用、まさにこれは国立大学全体でどの程度の額になるのか、お金がどれぐら「かかるのか、また、移行後の制度整備のためにどの程度の額が必要になるのか、こういったことをきちっと具体的に資料で示していくことが必要なんじゃないかというふうに思います。移行費用が保障されなければ、まさに二〇〇四年四月一日までの法人化はまだまだすべきではないというふうに僕は思いますけれども、この三点に関していかがでしょうか。
○玉井政府参考人 …その法人化後にもいろいろな経費がかかるのではないかということでございます。御指摘のとおり、各大学共通に新たに必要になるものがございます。具体的には、例えば、事業主として各大学に加入が義務づけられる労災保険や雇用保険にかかわります事業主負担分、あるいは、法定監査というものがきちんと入りますので、法定監査人の監査に要する費用が考えられるわけでございますが、これらの経費につきましては、今後速やかに試算を行い、運営費交付金の算定に確実に反映させてまいりたいと考えております。例えば労災保険、これは十六年度できちんと見込まねばなりませんけれども、仮に十五年度の人件費から推計いたしますと五十四億、それから雇用保険も、十五年度の人件費の予算額から推計すれば、見込額百十三億というような推計もあるわけでございますので、私どもとしては、こういうものを念頭に置きながら遺漏なきよう万全を期してまいりたい、かように考えているわけでございます。

第156回国会 文教科学委員会 第18号
平成十五年六月五日(木曜日)

○山本香苗君 移行経費という話が、移行経費を確保するとったお話がございました。これについては平成十六年度か計上しようということだと思うんですけれども、どれぐらをお考えになっているのか、併せてお伺いいたします。
○政府参考人(玉井日出夫君)・・・移行後のことでございまけれども、基本的には運営費交付金あるいは施設費補助金いう形になるわけでございますが、その言わば十六年度概要求の中でそれぞれ策定をしていくわけでございますが、人化に伴いまして各大学共通に新たに必ず出さねばならなという必要経費も想定されるところでございまして、例え事業主として各大学に加入が義務付けられます労災保険あいは雇用保険に係る事業主負担分ということがまた出てまります。これらについては、これは具フの数字は十六年度算要求に向けト積算をしていかねばなりませんけれども、に十五年度の取りあえず人諸・濠zということを念頭に置て、本当の試算でございますけれども申し上げますと、労保険については五十四億、雇用保険について百十三億ぐらの一応見通しがあるわけでございますが、これはいずれによ十六年度概算要求に向けて、この法人化、この法律成立後更に精査をしながらそれぞれの予算について検討をさせてただきたいと、かように思っているわけでございます。


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2004年12月01日

広がる大学の授業評価制度

産経新聞(11/29)

 ■岡山大では「改善論」の講義も
 ■学生の声で特色づくり

 米国の大学のように、国内でも学生が教授を“採点”する「授業評価システム」が導入されつつあるが、岡山大学(岡山市)ではさらに踏み込んで、授業の問題点を学生らが討論して解決策を探る授業がこの秋から始まった。大学では全国初の試みという。少子化時代にあって、各大学は学生にどのようにして魅力ある授業を提供していくのか。岡山大を中心に各大学の授業評価の取り組みを検証した。
 ≪「やりがいある」≫
 「これから始まるのは『授業を変えよう』という授業です。大学内や社会にも大きな影響を及ぼす可能性もあります」
 新授業「大学授業改善論」(後期日程)の初回の講義(十月七日)で、担当する橋本勝教授(49)はこのように切り出した。
 学生数約一万一千人、十一の学部を擁する岡山大は中国地方の中核大学を目指し、世界水準での研究を目指す文部科学省の「21世紀COE(卓越した研究拠点)プログラム」の対象校にも選ばれている。この授業は国立大学の独立法人化を受けた特色づくりの一環である。
 「改善論」で対象とする授業は、学生がまず話し合った後、教授が意見に偏りがないか、学生の共感を得ることができるかなどをチェックして選考。選抜されたグループは対象授業の問題や改善点、評価すべき点を調べ、プレゼンテーションに臨んでいる。
 「単位を楽に取れる科目は必要悪か」という討論などがすでに行われたが、経済学部一回生、孫海波君(18)は「大学を変えるチャンスにかかわれるのは画期的」。法学部二回生の渡辺知佳君(20)も「大学の活性化に参加できるのはやりがいがある」と前向きだ。
 ≪今後の展開に期待≫
 橋本教授らが中心となって平成十三年に、授業を含む教育環境の改善点などを話し合う「FD(ファカルティ・ディベロップメント)検討会」を立ち上げた。これに「主役」である学生を参加させたところ、「授業の改善に向けた内容を盛り込んだ授業ができないか」との声が上がり、「改善論」誕生への契機となった。実際に学内では「板書中心の講義。学生にも私語が多い」「入門段階なのに教授が専門的な話を進めるのでついていけない」などと、学生が授業を真面目に評価している実態が浮かび上がっていた。
 「改善論」では対象授業の担当教員に改善点などを提案、学生に報告書をまとめてもらう予定にしている。岡山大の教育学生担当理事、松畑煕一(きいち)副学長(64)は「学生と教職員が協力して作り上げた大学授業改善論は、未来の大学教育のあり方を語るうえで望ましい」と期待を寄せる。
 ≪東大、慶大でも≫
 岡山大のような授業の中ではないにせよ、学生が授業を評価してその声を授業に反映させる動きは東京大学教養学部(東京都目黒区)をはじめ各大学に広がっている。
 平成二年の開校以来、学生による授業評価を実施している慶応大学湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)でも、「この授業を履修してよかったか」「教え方が分かりやすかったか」と学生の満足度を聞き、結果は学内限定でホームページ(HP)で公開され、教員が必ずコメントを記入するようにしている。「問題を指摘されても改善が見られない教員は恥ずかしい思いをするし、あまりにひどい教員がいれば、学部長が確認に乗り出す」(事務室)という。
 「授業はすべて英語」などの特色を打ち出している国際教養大学(秋田県雄和町)の中嶋嶺雄学長は「岡山大のように、大学の主人公である学生が授業改善に参加するのは大いに結構なこと。私の大学でも教員が他の授業を見学するほか、学生も授業評価アンケートに参加しているが、学生のコメントは非常に有益」と話す。
 授業評価の流れは、学生数が減少し「大学全入」の時代が目前といわれる中で、各大学がいかに危機感を抱いているかを表すものだ。岡山大の例だけでなく、こうした取り組みは大学教育の活性化に一石を投じる試みだけに今後の成果に注目したい。(岡山総局 藤崎真生、特集部 草下健夫)
                  ◇
 【プラスα】
 ≪米では教員の人事考課に反映 竹中経済財政相≫
 慶大教授とハーバード大客員准教授を務めた竹中平蔵経済財政・郵政民営化担当相は日米の授業評価の違いについて次のように述べた。
 「米国ではハーバードをはじめ、つまらない授業があれば、大学そのものの人気がなくなるので学生による授業評価が当たり前のように行われてきている。学生の評価が悪ければ教員の人事考課に即はねかえるシステムだ。給与にも反映し、最悪の場合、くびになるかもしれない。単位を落とされた学生は腹いせに悪い評価を出すこともあるが、全体としてはうまく機能している。慶大の授業評価は人事考課に影響せず、『来年の参考に』と教員たちに調査結果が与えられていた。米国の大学は競争原理が働いている。日本の大学も競争を意識して変わっていくところが生き残れるのではないだろうか」


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2004年11月27日

国立大学の独立行政法人化の経緯(1999~2004年)

「意見広告の会」ニュース218より

首都圏ネット ポスターセッション報告 第2回
国立大学の独立行政法人化の経緯(1999~2004年)

第一期 (1999年春~秋)
文部省は当初「反対」していた(効率化は大学になじまない、活性化に結びつかない、学術研究水準が低下する―1997年10月文部大臣所信)→「条件付き賛成」に転換
有馬三条件(1)大学の特性に配慮する特例措置を設けること、(2)運営費交付金として予算が確保されること、(3)公務員型の特定独立行政法人となること→論点の中心は、文部省の統制と行財政改革

第二期 (1999年冬~2000年春)
自民党内部の意見調整(麻生委員会~2000年3月、2000.5.11に政務調査会の提言)、新たな論点は、大学の種別化と再編統合通則法+特例法(調整法)+「国立大学法人」の名称、という基本路線の確定

第三期 (2000年夏~2000年秋)
調査検討会議(2000年7月発足)において、国立大学を独立行政法人の枠組みに組み入れるための技術的議論(「イージーオーダー」「メリットの活用」―杉野文部省大学改革推進室長)議論が水面下に入り、国民の眼には見えなくなる通産省(現経済産業省)官僚グループの国立大学法人法案 (2000年秋)―大学を経済改革に利用しようとする路線が明示的に登場

第四期 (2000年冬~2001年春)
UT21(東京大学)、名古屋大学等大学別の検討
文科省: 経営と教学の分離を提案
経産省: 学外者が過半数(ないし三分の一以上)を占める「運営会議」設置を提案
これまでの独法化の枠を越えて、国立大学の組織やあり方そのものを改変する動きへ

第五期 (2001年春~2001年夏)
構造改革路線の登場(日本経済活性化のために大学の知的・人的資源を利用する意図)
小泉首相の民営化論(2001.5.11参議院本会議―民営化と地方移管という発言)
平沼プラン(2001.5.25)―「産官学総力戦」の開始
遠山プラン(2001.6.11)―平沼プランに対抗するため二週間で作成 (大学政策ではなく経済政策)

第六期 (2001年秋~2002年春)
再編統合とトップ30―大学間の連携の分断
非公務員化(事務職員を含む)の論点の出現(2002.1.25閣議決定「構造改革と経済財政の中期展望」)
調査検討会議最終報告(2002年3月)

第七期 (2002年春~2002年冬)
法制化に向けた政府部内の検討―文科省と国大協法人化特別委員会の結合(再び議論の内容は水面下に入り、国民の目に見えなくなる)

第八期 (2003年春~2003年夏)
国会審議の過程
1. 2月28日閣議決定、同日国会提出
2. 衆議院段階―問題点が明らかになるも、一語たりとも修正せず、委員長職権による採決
3. 労働安全衛生法対応問題で議論が延びる(~5月16日委員会、22日本会議採決)
4. 参議院の独自の意味―衆院より本質的な問題を議論
5. 6月10日民主党櫻井充議員の質問で審議ストップ(6月26日まで止まる、18日会期末の延長によってようやく審議未了廃案を免れる)
6. 文科省の対応
1. 封建制と家父長制による支配
2. 未定稿の連発と「行政の裁量権」という論理
3. 遠山文科相の「おわび」

第九期 (2003年夏~2004年春)
法人化の実質をめぐり、各大学で混乱
1. 運営費交付金の算定にあたって「効率化係数」を導入するという財務省に、文科省が屈服
2. いたずらに学長権限を強化する「授権法体制」(東京大学、名古屋工業大学など)
3. 労働安全衛生法対応の遅れ
4. 就業規則作成の混乱(2004年4月時点で、就業規則が存在しない大学が複数あった)

第十期 (2004年春~2004年秋)
法人化に随伴する諸問題が表面化
1. 応用科学も基礎科学も「知の生産工場」へ転換を求められる→知財戦略に特化した大学政策(利益相反が大きな問題に)
2. 地方大学:「国土の均衡ある発展」が放棄され、「地域間競争」の促進というスローガンに
3. 国立大学の支出格差(学生1人当たり最大7.4倍、東大718万円、大阪外語97万円)は放置
4. キャリア職員の異動システムは温存
5. 奨学金から教育ローンへ、返還免除の全廃(自己責任、自己負担、自助の論理)
6. 教員養成: 再編統合、教員の「計画養成」、初等・中等教育との連携
7. 法科大学院: 国際的な知的財産保護のための企業弁護士の育成
⇒誘致合戦、教授引き抜き、予備校化、基礎法・政治学の衰微


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2004年11月24日

神戸大学教職員組合、学長選挙の結果についての声明

神戸大学教職員組合
 ∟●学長選挙の結果についての声明(2004年11月22日掲載) 組合ニュース

学長選挙の結果についての声明

1.11月10日第二次意向投票の結果を受けて、翌11日学長選考会議(以下、選考会議という)は学長予定者を野上智行氏と決定した。この学長選挙に、神戸大学教職員組合(以下、組合という)は当初から重大な関心を払い、折に触れてその問題点を指摘してきた。
 今回の学長選挙は国立大学法人への移行後最初の選挙として、これまでの学長選挙以上に重要な意味をもつものであった。法人化後、運営費交付金の毎年一律削減に象徴されるように、大学は大変厳しい状況に置かれている。こうした状況のもとに教育研究を充実・発展させるために教職員の叡智を結集した大学運営が必要であり、学長にはそのためのリーダーシップを発揮することが求められている。それには教職員による強い支持が必要であり、全教職員の意思を十分に反映した選挙によって学長が選出されることが望まれる。こうした観点から見たときに、今回の選挙は多くの問題点をかかえ、今後に多くの不安を残すものであったと言わざるを得ない。
 以下それらの問題点を指摘し、次回以降の選挙に生かされることを要求する。

2.組合は今回の学長選挙にあたり、6月10日に教育研究評議会が選考会議委員を選出して以後、選挙が全教職員の意思を反映する民主的な制度のもとで行われることを求めて、候補者選考の方法・手続きについて選考会議への申し入れを行った。また、全教職員への訴えや投票呼びかけのニュース発行なども積極的に行った。主な取り組みは以下のとおりである。

1)民主的かつ公正な選挙を求める取り組み
 組合は、以下の主張を掲げ、学長及び選考会議議長あてに申し入れを行い、また緊急声明も発表して全教職員に訴えを行った。
①構成員の意見を反映した民主的手続きによる候補者選考をすること
②候補者による所信表明の機会を設けること
③意向投票の結果が充分反映された候補者決定を行うこと
さらに8月9日に選考会議が学長選考規則などを決定するまでに、3回にわたって「学長候補者選考のあり方」を特集する組合ニュース号外を発行した。
 こうした取り組みもあって当初1回のみ予定されていた意向投票が2回行われるようになったこと、候補者による所信表明が神戸大学ホームページに掲載されるとともに、候補者が揃っての所信表明の場が設けられ、質疑応答も行われるようになったことなどの前進があった。しかし決定された学長選考規則には多くの問題点が含まれていた。その主なものは次のとおりである。
i 第一次意向投票では非常勤職員に投票権が与えられなかったこと。また、投票結果の公示では得票上位15名の人の氏名が発表されたが、得票数は発表されなかったこと。
ⅱ 所信表明の場における質疑応答の時間が限られており、所信表明を深めるに至らなかったこと。
ⅲ 第二次意向投票では講師以上の教員と課長補佐相当職以上の職員にのみ投票権が与えられ、助手や職員の多くが投票から排除されたこと。また過半数の得票者がない場合の投票は2回目のみを実施し、過半数得票者が得られるまで行うことにしなかったこと。

 さらに今回の選挙で特に強調しておくべきなのは、選挙の公正という点で大きな問題を残したことである。第一次意向投票が実施される直前に、選考会議委員から複数の職員に対して、特定候補者への投票依頼が行われたとの情報が組合にもたらされた。これが事実であれば、公正であるべき学長選考をゆがめる重大な問題であるとの認識から、組合は選考会議議長あてに事実関係の調査とそれに対する見解を示すことを求める公開質問状を提出した。しかし選考会議からの回答は、事実関係をあいまいにしたまま、r投票の公正さを害し、その効力に影響を及ぼすような事態はなく、重大な問題があるとは認め」ないとするものであった。
 組合はこの回答を不十分と判断して、事実の再調査と明確な見解の提示を求めて公開質問状を再度提出したが、それに対する回答は、「当初の回答で言い尽くしている」とする不誠実なものであった。組合はこうした選考会議の姿勢に強く抗議するとともに、今後ともこの問題をあいまいなまま終わらせないよう追求し、公正な学長選考が行われるよう規則改正などを要求していく。

2)第一次および第二次意向投票に向けての取り組み
 組合は学長選挙について全教職員が関心を寄せ、また投票にも積極的に参加することが非常に重要であると考え、投票への呼びかけや学長選挙に関する情報提供を行うとともに、候補者への公開質問状とその回答を全教職員に配付して投票への判断材料を提供した。訴え・呼びかけは下記のような組合ニュースとともに組合員のメーリングリストでの配信も行った。
9/17組合ニュース号外「学長選挙についての特集号一学長選挙にあたっての組合の見解一」(教職員の意思を反映できる学長選考を、私たちが求める学長像、第一次意向投票に積極的参加を)
10/19組合ニュース号外「学長選挙についての大特集号」(候補者への公開質問状)
10/25組合ニュース号外r学長選挙についての特集号一学長候補者のお考え一」(公開質問状に対する候補者からの回答)
11/5組合ニュース号外「学長選挙についての特集号一学長選挙に関心と投票を一」(第二次意向投票に向け、「私たちが求める学長像」を再掲しつつ、参加を呼びかけ)

3 上記の取り組みを踏まえ、組合は次回の選挙がより民主的・公正なものとして実施されるよう、選考会議に次のことを要求する。

①意向投票(第一次、第二次とも)には全教職員に投票権を与えること。
②第一次意向投票の結果公示では得票数も公表すること。
③候補者の所信表明の場での質疑応答の時間を十分保障すること。
④第二次意向投票では投票回数を2回と限定せず、過半数得票者を得るまで投票を行うこと。
⑤第二次意向投票の結果を必ず踏まえた学長予定者決定を行うこと。
⑥意向投票にあたっては投票者への不当な圧力がかからないよう、公正な選挙実施のための措置を講じること。
⑦選考会議の中立性を学長選考規則に明記すること。

 今回の選挙において再選された野上学長が、その所信表明ならびに組合の公開質問状に対する回答として示したr公約」を誠意をもって実行することによって、教職員の意向を十分踏まえたリーダーシップを発揮されることを要望するものである。

2004年11月19日
神戸大学教職員組合中央執行委員会

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2004年11月19日

首都圏ネット事務局、ポスターセッション報告

「意見広告の会」ニュース216より

 去る11月1日、2日と国会内で開かれたポスターセッションのポスター内容の報告が首都圏ネットから届いています。ポスター内容のテキスト版です。本号から連載形式でお示し致します。格調高いポスターにより、当日の会場・議員会館会議室は学会のポスター発表、ないし大学文化祭の雰囲気になりました。

1 ポスターセッションの趣旨説明
主旨説明
大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッション

 国立大学が国立大学法人へ移行してから半年が経ちました。参議院文教科学委員会は国立大学法人法案を採決する際に23 項目にもわたる附帯決議を採択し、その中で、「運営費交付金等の算定に当たっては、・・・法人化前の公費投入額を踏まえ、従来以上に各国立大学における教育研究が確実に実施されるに必要な所要額を確保するよう努めること。」と決議しました。また、文科省は、国立大学法人の雇用関係への労働法適用に関連して、「労働基準法等の労働法制を遵守することは当然である。」と繰り返し答弁してきました。
 しかし、それらは法人化後半年の間に全くの絵空事であることが明白になっています。研究教育の最前線に位置づく研究室および教員に割当てられる予算が40%~50%減少するという事態が多くの国立大学法人において発生しています。また、サービス残業の問題や同じ労働をしていながら低賃金しか払われていない非常勤職員の問題も解決されていません。
 私たちは、国立大学法人が直面している財政的危機を解決するために、当面の間必要な財政的措置および抜本的財政措置を国会議員の皆様に訴えたいと思い、国会議員会館内においてポスターセッションを開催することにしました。

 上述の問題は、附帯決議や文科省答弁にもかかわらず、法人化に必要な財政的な手当てが行われなかったことにその原因の一つがあります。そこで、附帯決議違反、労働法制違反の状態を今年度中に解決するために、最低限、どれほどの費用が必要かを以下の3分野に絞って全国集計・推計し、それを補正予算要求として提示することとしました。

(1)法人化にあたって新たに発生した経費 → 355 億円
(2)「サービス残業」解消のための経費 → 274 億円
(3)“同一労働・同一賃金”の原則に反する非常勤職員の均等待遇化経費 → 320億円
 私たちは以上の経費総額をおよそ 949 億円と推計しました。

運営費交付金制度の抜本的改善を求めます

 国立大学法人法案の審議過程では、運営費交付金は従来の交付金制度を引き継ぎ、「収支差額補填方式」が想定されていました。しかし、法成立後、財務省は強引に「総額管理・各種係数による逓減方式」を要求し、文科省はこれを受け入れてしまいました。これにより、国立大学への運営費交付金が毎年1~2%程度減額されることは必至です。特に病院には2%の経営係数が乗ぜられるために、大学財政を大きく圧迫します。附属病院での収支を改善しようとするならば、先端医療や難病研究など大学病院が担っていた役割を捨て、収益のあがる部門重視へ傾斜せざるをえなくなります。それは民間の医療機関を圧迫し、国民医療体制を崩壊の危機にさらすことになりかねません。
 ポスターセッションでは、来年度予算決定過程において、運営費交付金制度を当初設計通りの「収支差額補填方式」に戻す必要性を具体的に提示したいと思います。
(以下次号)

新首都圏ネットワーク「大学財政危機打開をめざす国会内ポスターセッションLast Circular」(11/18)

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2004年11月18日

広大、時間外手当3600万円 労基署指導、申告職員280人に

大阪読売新聞(11/17)

 広島大(牟田泰三学長)が四月の国立大学法人化後、事務系職員に十分な時間外労働手当を支払わないなどとして、広島大教職員組合(佐藤清隆委員長)が広島中央労働基準監督署に大学への改善指導を求めていた問題で、同大は十六日までに、職員約二百八十人に時間外手当計約3600万円を支払った。松本勤・人事課長は「時間外労働への認識が甘かった。労働時間を適正に管理したい」としている。
 広島大によると、同労働基準監督署から文書で指導を受けた八月以降、事務系職員約千二百人を対象に、四―六月の勤務状況を調べ、時間外手当を適正に受けていないと申告した職員に支払った。大学側は九月から職員に対し、時間外労働の申告を書面で行うなどの措置をとっている。
 組合側は「一応改善されたが、勤務実態と比べるとまだ不十分」としている。


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2004年11月15日

大学、戦後以来の改革―共同体から経営体へ(今を読み解く)

日本経済新聞(2004/11/14)

 日本の大学は改革の真っただ中にある。
 四月には全国八十九の国立大学が国立大学法人として再出発、六十八の法科大学院が開校した。全大学に七年に一回、認証評価機関による第三者評価を受けることが義務づけられ、構造改革特区に株式会社立大学も誕生した。私立学校法も抜本改正された。産学連携や社会貢献は、教育、研究に次ぐ大学第三の使命とされ、社会の期待は高まるばかりだ。
 一連の改革は、明治期の帝国大学創設、戦後の新制大学発足に匹敵する大改革で、当事者の大学人ですら、ついて行くのが精いっぱいと悲鳴を漏らすほど、内容は多様だ。外部の人間が全容を理解するのは容易ではない。

大衆・市場化に対応
 高等教育研究の第一人者、国立大学財務・経営センター教授、天野郁夫の『大学改革――秩序の崩壊と再編』(東京大学出版会、二〇〇四年)は、改革の全体像を知るのに、格好の一冊だ。法人化、評価制度、法科大学院などのテーマごとに、現在何が起きているのか、問題点も含め具体的にときほぐす。
 天野によれば、日本の大学改革は、一九八〇年代の米国や英国に端を発する改革の波の一周遅れの動きだ。背景にあるのは、大学の「大衆化」「市場化」「グローバル化」という三つのメガトレンド。大学像は、「知の共同体」から「知の経営体」へ、大きく変質せざるを得なくなった。さらに日本固有の問題である「十八歳人口の急減」「産業・職業構造の急変」「進学率の頭打ち」の三要素が加わり、今日の改革ラッシュになった。
 だが、文部科学省は、環境激変への対応に追われるだけで、新たな高等教育のビジョンを描き切れてはいないようにみえる。「文部科学省という参謀本部が、十分に作戦を組み立てる時間も能力もないままに、戦線だけが拡大し、前線の指揮官とでも言うべき学長をはじめとする大学のリーダー層が困惑している」。いつもながら、天野の舌ぽうは鋭い。
 大学問題で苦しんでいるのは日本だけではない。桜美林大学教授、潮木守一の『世界の大学危機―新しい大学像を求めて』(中公新書、二〇〇四年)は、英米独仏四カ国の大学が直面する危機を、歴史的経緯を踏まえて描き出す。
 大学以外の高等教育機関を大学に昇格させた一方で、評価制度で予算を傾斜配分する英国。平等な公立大学の限界から脱却しようとするドイツ。グランゼコールなど大学以外の高等教育機関との調整で苦慮するフランス。大学院の“発明”で世界の学問の頂点に立った米国。大学制度は各国様々だが、先端的研究やエリート養成などの「卓越性」と、「大衆化」という、相反する課題をどう克服するのか、本質的な課題は共通している。

商業化が進む米国
 今や、世界で独り勝ちと言われる米国の大学。日本の改革の多くは米国がモデルだが、その米国で急速に進む大学の商業化について、ハーバード大学の元学長が警鐘を鳴らしているのが興味深い。デレック・ボックの『商業化する大学』(宮田由紀夫訳、玉川大学出版部、二〇〇四年)は、大学スポーツでいち早く商業化の道を歩んだ米国の大学が、産学連携やインターネット講義などで、研究、教育の分野でも商業化を進めていると指摘。商業化の意義は認めながらも、期待したほどの利益をもたらさないだけでなく、市民からの信望が揺らぐという代償を長期的には払うことになると懸念を示す。
 潮木の前掲書によれば、米国の研究大学と呼ばれる私大四十九校の収入源は、基本財産収入(四〇%)と事業収入(一七%)で過半に達し、授業料はわずか一三%に過ぎない。抜群の財務体質が、世界中から優秀な研究者と学生を引き寄せる米国大学の力の源だが、二十年間も学長を務めたボックの懸念は、周回遅れで米国の後を追う日本の大学にとっても他人事ではない。


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2004年11月11日

北大など8国立大 寄付金3億円無届け 教員個人あて317件 会計検査院報告

北海道新聞(11/10)

 会計検査院が九日公表した二○○三年度決算検査報告で、北大など八国立大の教員が個人的に受けた寄付金のうち計約三億五千万円が国に無届けだったことが明らかになった。また、小中学校の廃校校舎などの有効利用が道内で特に遅れているほか、札幌などの国立病院で医薬品などの支払いを翌年度に回す不適正な会計処理が指摘された。

 問題とされた大学教員の寄付金は○二、○三年度分。北大、東大など八国立大で教員が個人で受けた教育・研究目的の寄付のうち計三百十七件、約三億五千百万円が国に届けずに使われていた。このうち北大は四十二件、約三千四百万円。目的外に流用された例は見つからなかったという。

 法律では、大学や教員が受けた寄付は国庫に計上し、国が相当額を大学側に交付する。会計検査院は「個人への寄付でも教育・研究は国や大学に管理責任があり、無届けは問題」と指摘。本年度からの国立大法人化に伴って関連法が廃止されたため「個人あての寄付金をいったん大学に寄付することを義務付ける新たな規定が必要」と求め、北大、東大などは十月までに学内規定を整備した。

 一方、廃校校舎で検査院は、耐用年数(鉄筋Rンクリートの場合は六十年)が半分以上残る四百六十六校(道内は約一割)と、へき地教員宿舎四百三十五戸(道内は約四割)を検査。校舎は二百四十一校で一年以上使われていないか、公民館などに転用されたのに正規の転用手続きが取られていないことが分かり、このうち道内が約12%を占めた。教員宿舎も百四十三戸が一年以上空き家か、公務員住宅などに転用されたのに手続きが取られておらず、このうち約25%が道内だった。

 問題が指摘された校舎や宿舎の建設費は計約四百四十億円。文部科学省は九月、活用を促す通知を都道府県に出し、活用事例集を配布、講習会も実施するなど改善を進めている。

 道教委によると、一九九二年度から○三年度までに道内で廃校になった小中学校は三百十八校に上り、全国最多。「大半が過疎地にあり、使い道がなかなか見つからない」という。有効利用が進まない背景には、地域の人口減と自治体財政の厳しさがあるとみられる。

 また、○一、○二年度に医薬品や物品の購入費が不足し、次年度予算で支払う違法な「つけ回し」があったのは札幌、函館、療養所帯広、道北の道内四カ所を含む二十一の国立病院。計約七十六億円に上り、厚生労働省は改善策を講じている。


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