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2005年06月20日

検証:国公立大学法人化

東北大学新聞記事データベース
 ∟●検証:国公立大学法人化(2005年06月18日)

 ◆    ◆
法人化の影響として最も大きかったのは、授業料の値上げだといえる。法人化以前は、大学独自の判断で授業料を設定することはできなかった。それが法人化に伴って、国側が定めた標準額の上下10パーセントまでの範囲であれば、大学側の判断で授業料を自由に設定することが可能となったのだ。
今年4月の授業料値上げは、国の定める標準額がこれまでの52万800円から、53万5800円に値上げされたことに伴うものである。実際に授業料を値上げするかどうかは、各大学の判断に任されていた。
しかし国では、この標準額の値上げ分に学生数をかけた分を、運営交付金から差し引くことを決定していた。その結果、教育水準を維持するために値上げをせざるを得なかった、とする大学が多い。
本学も例外ではなく、今年4月から全学生の授業料が値上げされた。本来であれば、在学生の授業料に関しては据え置かれるものだった。
在学生に対する連絡は、掲示と3月末に保護者あての封書のみというものであった。大学側からは、これ以外に授業料値上げに関する連絡はなかったため、学生からは不満の声が挙がっている。
この先も、交付金が削減されていくことが予想される。だが、その度に授業料の値上げをしていくわけにはいかない。授業料を抑えるためには、国からの運営交付金以外に、大学独自の資金源を得ていかなければならない。
やはり、学外団体などと協力して研究を行い、社会貢献をするなどして、大学独自のカラーを出していくことが求められるのではないだろう。その上で、新たな研究を行なったり、寄付金を得ていくことになる。
ただ、ビジネスにつながりやすい理系の研究ばかりに予算がまわされ、文系学部での研究がおろそかになっていくことが懸念される。そうなれば、学生数や研究の質に差が出てしまい、総合大学の意義が損なわれてしまう。大学は、全学生にとって魅力的な教育や研究を行なっていかなければならないのだ。
法人化により、大学はこれまで以上に学内外に対する責任が大きくなる。それに対応することのできる、しっかりとした組織構造が求められている。

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2005年06月03日

東北大、論文無断使用損賠訴訟:教官に100万円支払い命令-横浜地裁判決

毎日新聞(6/02)

 研究成果の無断使用で著作権を侵害されたうえ、いじめを受けたとして、東北大大学院医学系研究科の大学院生だった神奈川県内の女性が、講座教授と指導教官の講師に計3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(川勝隆之裁判長)は1日、論文の一部無断使用で権利を侵害し精神的苦痛を与えたと認定、指導教官に100万円の支払いを命じた。教授の責任や著作権侵害、いじめの請求は棄却した。
 判決や訴状などによると、女性は94年1月から指導教官の講師のもとで糖尿病の研究を始め、96年にチームを外れた。その後、講師は96~98年、学術誌などで論文などを発表した際、女性が博士論文などで用いたデータの一部が使用されていた。
 判決は論文のうち1本を「講師が使用できる範囲を超え、女性に帰属する部分を無断使用し権利を侵害した」と認定。著作権は「思想・感情や、創作性のある表現が再生されていると認められない」と棄却した。いじめも「客観的証拠はない」と退けた。


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2005年03月22日

「セクハラしていない」 東北大助教授が自殺

共同通信(3/21)

 東北大大学院国際文化研究所(仙台市青葉区)の40代の男性助教授が駐車中の車の中から遺体で見つかっていたことが21日までに分かった。助教授は教え子へのセクハラ(性的嫌がらせ)問題を学内で指摘されていた。「セクハラはやっていません」などと書かれた遺書が車内から見つかっており、仙台北署は自殺とみている。
 同署によると、13日午後に青葉区内の霊園に止まっていた乗用車の中で助教授が死んでいるのを通行人が見つけ、119番した。車は助教授の所有で、中で練炭を燃やした跡があった。外傷はなく、死因は一酸化炭素中毒とみられる。
 助教授は、同大の女子学生にセクハラをしたと指摘され、同研究所は「懲戒処分が相当」とし、近く大学としての正式処分が決まる予定だった。


[同ニュース]
東北大大学院助教授、セクハラ指摘を苦に自殺か(朝日新聞3/21)

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2005年02月14日

東北大の学長新選考方式 職員ら異論反論 “正解”は?

河北新報(2/13)

 東北大が、83年間続けてきた学長選挙を廃止し、新たな選考方式を決めたことが波紋を広げている。新設の「学長選考会議」が選ぶことに対し、職員組合は「選考過程が不透明になる」と反発。一部の教授も研究科の枠を超えて、大学に説明を求める署名活動に出た。昨年4月の法人化で権限が強まった学長をどう選ぶかは国立大共通の悩みだけに、全国の関係者が議論の行方を見守っている。

 国立大の学長は教員の投票で選ばれてきたが、法人化後は選考会議に委ねる方式に変わった。ただ、ほとんどの大学が全学的な意向投票を行う形で選挙を残す中、東北大は先駆けて廃止した。
 歴代学長19人の顔触れをみると、現学長を含む14人が教員(有権者)数の多い理工系で、文系出身は2人だけ。

 選考会議の議長を務める小田滋・元国際司法裁判所判事(東北大名誉教授)は「今の制度は民意を反映していない」と指摘。「これからの学長は碩学(せきがく)なだけでなく、経営能力があるなど、広く人材を求める方がいい」と語る。

 これに対し経済、工、農学研究科の教授3人は9日、廃止の理由や新方式の選考過程の透明性をどう保つかについて、説明を求める署名活動を始めた。今月末まで、教授や助教授、講師、助手ら教員約2000人に呼び掛けるという。

 「選考方式の変更は大学運営の要なのに、議論が尽くされていない」と呼び掛けた教授。情報科学研究科も研究科名で同様の意見書を提出した。

 問題視しているのは、選考会議がどんな基準や過程を踏んで審査するのかが不明なことだ。学長が任命した経営協議会委員が選考会議に加わることも可能で、学長の影響力を受け、偏った選考が行われる印象がぬぐえないというわけだ。

 同大幹部は「欧米の大学も選考機関が選ぶが、第三者的で学長と距離を置く。東北大の場合、チェック機能が働かない恐れはある」と認める。

 農学系の教授は、経営力を学長の資質とすることに危機感を抱く。「経営に力点を置くトップ選びは、研究第一主義の伝統に逆行し、営利追求でない基礎研究が切り捨てられる可能性がある」

 山形大は選挙で上位3人の得票数を公表し、その後に選考会議が絞る形にした。選考会議委員の加藤静吾・理学部長は「学内の支持があって初めて、学長は大学を運営できるのでは」と話す。

 東北大の小田選考会議議長は「有識者でつくる選考委員が議論を尽くせば、ふさわしい人が選ばれる」と理解を求める。

 東北大は年内に選考基準などを公表するとして、署名活動を静観。ある選考委員は「他大学が追随するものにしてみせる」と自信を示すが、学内を納得させることができるかどうかは不透明だ。

[学長選考会議]経営を審議する経営協議会(学内、学外委員各13人)と、教育を担う教育研究評議会(学部長ら52人)の代表計12人で構成する。両機関から各5人以内の推薦と、教授・助教授30人以上による推薦を受け付け、1人に決める。資格を学外にも広げ、これまで1期4年(再選時は2年延長)だった任期を1期6年とした。新方式は来年秋から適用される。


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2005年02月09日

東北大学職員組合、「総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程」の撤回と公正で民主的な総長選考方法の制度化を求める署名活動

東北大学職員組合
 ∟●「総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程」の撤回と,公正で民主的な総長選考方法の制度化を求める署名活動

国立大学法人東北大学
総      長  吉本 高志 殿
理      事       各位
総長選考会議議長  小田  滋 殿
総長選考会議委員       各位

私たちは「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程」に反対し,その制定強行に抗議するとともに,以下の3項目を要求します。

1.総長選考会議および吉本総長は,多くの反対意見を無視して1月24日に制定を強行した「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程」を一旦全面的に撤回し,次期総長を選ぶにあたって現総長の意向が反映されることのない,公正で民主的な総長選考および解任に関する規程案を作成し,国立大学法人法21条を遵守して教育研究評議会において十分に審議した上で再決定すること。
2.国立大学法人法第12条第7項にある「学長の選考は,人格が高潔で,学識が優れ,かつ,大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから行わなければならない」を実現するためには,理事や教育研究評議会評議員だけではなく,一般教職員の意向をも問うことが是非とも必要である。それゆえ,再度作成される総長選考および解任に関する規程案には,総長選考・解任の過程における,一般教職員による「意向投票」の規定を必ず盛り込むこと。
3.再度作成される規程案の原案作成にあたっては,国立大学の法人化前に行ったように学内ネット等の手段を用いて広くパブリック・コメントを求めた上でこれを原案に反映させ,学内コンセンサスの形成に努めること。

署名者は東北大学の教職員に限ります.学生・大学院生の皆様,学外の皆様の協力を拒むものではありませんが,今回は声援のみ頂くこととさせて下さい.

解説とご協力のお願い

 東北大学で働くすべての皆さん!

 1月24日に開催された本学の役員会懇談会は,学内に存在する多くの反対意見を無視して,昨年12月13日の東北大学総長選考会議において作成された「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程(案)」の,原案のままの制定を強行しました。この規程案は,12月21日の教育研究評議会において単に報告されたに過ぎないものであるにも拘らず,それを「議事」として処理するという脱法的手続きによって強引に教育研究評議会を通過した形を装わせているものであり,極めて重大な手続き上の問題を残したままで制定されたものです。しかも,1月25日付けの「朝日新聞」では,12月21日の教育研究評議会で多くの反対意見が出されて同意が得られなかったことについて,大学側は「選考方法を決めるのは,あくまで選考会議」と言い,しかも,「吉本総長の決裁」でこの規程の導入を決めたと報道されています。しかし国立大学法人法第12条は,最終的には学長選考会議が学長を選考すること,学長選考会議が「議事の手続その他学長選考会議に関し必要な事項」を定めることだけを求めており,総長選考方法とその決定方法は各大学にまかされているのです。その一方,法人法第21条は,教育研究評議会を「国立大学の教育研究に関する重要事項を審議する機関」と規定しており,ここでの審議を無視することは違法の可能性すらあります。同条第3項には教育研究評議会が審議する事項として「学則(国立大学法人の経営に関する部分を除く。)その他の教育研究に係る重要な規則の制定又は改廃に関する事項」が挙げられていますが,法人化後の国立大学においては「学長の教育研究に関するリーダーシップ」が一層喧伝されていることを考え合わせれば,総長候補者の選考や総長解任の方法がこれに該当しないはずはないからです。

 また,この「規程」による総長選考方法の内容は,経営協議会および教育研究評議会から各5人以内で推薦された総長候補者および本学の専任の教授・助教授30名以上の連名で推薦された者(第5条)について,総長選考会議が「前条に基づき推薦された総長候補者を基礎として,最終の総長候補者1人を決定する」(第6条)というもので,一般教職員による「投票」が一切規定されていないのみならず,また,総長選考会議には,いかなる経緯で最終候補者を1人に絞り込んだかを公表する義務すら全く課されていません。これは「総長の選考は密室で行う」と宣言するに等しい行為です。

 しかも,国立大学法人法20条・21条の定めにより総長と一部理事は教育研究評議会と経営協議会の双方において構成員となることができ,しかも,同12条の規定により,総長選考会議が決定さえすれば,総長選考会議自体の委員になることすら可能なのです。さらに,同13条によって,そもそも理事はすべて総長が任命することが定められています。これは,次期の総長を選考するに当たって現総長の意向が幾重にも働くことを十二分に可能にする,極めて不公正な制度であると言わざるを得ません。

 このように,「規程」による総長選考方法は,構成員にも社会にも開かれていない,独裁的・反民主的なものであり,法人経営に求められる説明責任に真っ向から反するものです。東北大学でこのような規程が制定される一方で,多くの他大学では,同じ国立大学法人法に基づきながら一般教職員の「意向投票」を盛り込んだ規程を制定しているのです。

 私たちは,総長,理事,総長選考会議議長,同委員に対して,この「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程」を撤回し,あらためて公正で民主的な総長選考方法を制度化するよう要求します。署名へのご協力を宜しくお願いいたします。

2005年2月

学長選廃止撤回を 東北大 職員組合が署名活動

河北新報(2/08)

 東北大が学長選挙を廃止し、学長選考会議が審査、決定する新たな学長選考方式を決めたことを受け、同大職員組合は8日、学長選廃止を撤回し、教職員による学内投票を含めた選考方式とするよう求める署名活動を学内で始めた。今月末まで続け、吉本高志学長と小田滋・学長選考会議議長に提出する。

 経済学と情報科学の各大学院研究科も、新方式導入の理由や選考過程について問う意見書を既に選考会議に提出しており、新選考方式を巡って今後学内で反発や議論が広がりそうだ。
 組合は、新方式には学内投票が盛り込まれず、選考会議が候補者を1人に絞り込む経緯を公表するかどうかが規定されていないことを挙げ、「『学長選考は密室で行う』と宣言するに等しい行為」と批判している。

 その上で、候補者の大学運営への見解などを公表したうえで学内投票を行うことや、広く学内外の意見を募り、選考方式に反映させるように求めている。
 国立大学法人法は学長や理事(副学長)が選考会議の委員になることを認めている。組合は「次期学長を選ぶに当たり、現学長の意向が強く働くことを可能にする不公正な制度」と指摘している。
 批判に対し、同大学長選考会議事務局は「選考のプロセスはこれから詰める。議論を随時学内に公表するなど、透明性確保に努めたい」と説明している。

[新たな学長選考方式]学内の経営協議会(学内、学外委員各13人)と教育研究評議会(学部長ら52人)が各5人を推薦。両機関の代表12人でつくる学長選考会議が1人に決める。教授、助教授30人以上の連名の推薦も可能。候補資格を学外に広げ、現在1期4年(再選時は2年延長)の任期は1期6年とした。


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2005年02月08日

東北大、波紋広げる学長選廃止 法人化の危機感 背景に

波紋広げる学長選廃止=法人化の危機感、背景に-東北大

時事通信(2/07)

 民間的経営手法を導入した昨年4月の国立大法人化を受け、東北大(吉本高志学長)が先月、学長選挙の廃止を決め、学内外に波紋を広げている。「象牙の塔のままでは生き残れない」との危機感からトップダウン式経営を目指す大学側に対し、職員組合は「大学の自治を損なう」と強く反発。学長権限強化の動きには、学外からも「封建領主制に逆戻りする」と懸念の声が上がっている。
 ◇理系優位、覆す狙い 東北大の新規定では、まず学外の有識者も交えた「経営協議会」と、学内関係者だけの「教育研究評議会」が、各5人以内の候補をリストアップ。これに、教授や助教授30人以上の推薦を得た候補を加え、「学長選考会議」(学内代表と学外有識者6人ずつで構成)が適性を審査して新学長を選ぶ。投票はなく、企業経営者や外国人の登用も可能だ。来秋の次期学長選びから適用される。
 同大は戦後の13人の学長のうち、現学長を含む8人は医・工学部出身者と「理系優位」が伝統だ。「規模の大きい学部が仲間を推せば決まってしまうような従来のやり方は好ましくない」。新規定をつくった学長選考会議の小田滋議長(東北大名誉教授、元国際司法裁判所裁判官)は「私見」と断り、狙いを解説する。
 ◇他大学も追随? 国立大学長はかつて、教授会などの学内投票で選ばれていたが、2003年10月施行の国立大学法人法で、学長選考会議による選考に改められた。具体的手続きは各大学が定める選考規定に任され、旧帝大7校では北海道大、東大、京都大、大阪大が「意向聴取」などの形で学内投票を「温存」。名古屋大は投票を残した暫定規定を施行し、九州大も投票を取り入れる方向で検討している。
 ただ、投票を残した大学でも選考会議による投票結果の扱いは、規定上は「尊重する」(阪大)、「基礎とする」(京大)などあいまいな表現が多い。このため「投票結果が十分反映されないのでは」との懸念も強い。
 東北大の場合、「理系優位」の固有事情が影響したのは否定できないが、同大関係者は「全国に模範を示した。20年後には多くの国立大が追随するのでは」と胸を張る。小田議長は「今後はトップの経営能力が問われる。昔のように碩学(せきがく)の人を置いておけばいい時代ではない」と語る。
 ◇組合、撤回求める 学長選廃止の決定に対し、職員組合は「報道で初めて知った」と驚きを隠せない。「学長を密室で決めるに等しく、非民主的で時代錯誤だ」と強く反発。決定の撤回を求め、近く署名運動を始める方針だ。
 学長の権限強化に反対している九大の小田垣孝・理学部長は「権限だけ与えても、教員のサポートがなければ何も実行できない」と指摘。「現在の大学の問題は、学長がリーダーシップを発揮できないのではなく、真のリーダーの資質を持つ学長がいないことにある」とした上で「大学の自治」にこう警鐘を鳴らす。
 「権限の強まった学長は、『学内の理解が得られない』と弁明できない。文部科学省はコントロールしやすくなる」。


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2005年02月07日

文科省大臣会見、東北大学の学長の選考について

平成17年1月25日大臣会見概要(平成17年1月25日)

平成17年1月25日大臣会見概要

記者)
 東北大学の学長の選考についてですけれども、これまでの学内の選挙で選ぶという方法から学内外の有識者による選考会議というのを設置して、そこで決めることにするという発表があったのですけれども、これについての大臣のお考えはいかがでしょうか。

大臣)
 法人化前は、学内の教員組織の代表者のみで構成された評議会で学長の選考を行っていたのですけれども、法人化後は、構成員の半数は学外の有識者が占める学長選考会議が最終的に学長選考について責任を有することになったわけでございまして、今回の東北大学の試みも含めて、今後とも各大学が、国内外あるいは学内外から学長の適任者を選ぶ工夫を更に重ねることを期待したいと思っております。今回の東北大学の方法というのは、一つの試みとして積極的に評価したいと思っております。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年02月07日 00:11 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年02月03日

女性教官増へ環境整備 東北大 比率20%目標

河北新報(2/02)

 女性の割合は教授3.2%、助教授5.3%(昨年11月現在)―。他の国立大と比べても女性教官が少ない東北大は、割合を20%に引き上げることを目標に、女性が研究を続けやすい環境づくりに乗り出す。第1弾として4月、多忙な研究活動と子育てを両立できるようにと、川内キャンパス(仙台市青葉区)に保育所を開設する。

 隣の山形大の女性比率は教授6.3%、助教授10.6%で、東北大はその半分。その山形大も私立大と比べれば高くはなく、東北大は極端に少ない。
 昨年、各課程の修了者に占める女性の割合はグラフの通り。学生では博士でも16.5%と比較的高いのに、助教授以上の教官となると極端に下がる。

 博士修了時は研究者として生きていくか決断を迫られる時期で、しかも結婚を考える時期と重なるケースも少なくない。文系学部で助手を務める既婚女性(32)は「研究者と母親の2役を両立させるのは難しいと、研究の道をあきらめる女性が多い」と証言する。

 この女性の場合、夫の両親に子どもを預けられる環境にあるが、一般には「昼夜続く研究と母親の役割を両立させるのは厳しい」。そのため「先輩には独身者が多く、結婚しても子どもを産まない女性が目立つ」という。

 保育所の設置は状況を改善するための最初の取り組み。教官や職員だけでなく大学院生も利用でき、収容人員30人。利用時間は午前7時から午後8時まで。土曜日も利用でき、受け入れ態勢はかなり充実している。

 東北大総務課は「忙しくて子どもを産めない先輩の姿を見て、結婚を機に大学を去る傾向もある。学内に保育所があれば仕事の合間に子どもを見に行けるし、少子化にも一石投じられる」と期待をかける。

 研究の質の面でも女性の増加に期待する声が多い。大学院文学研究科の小林隆助教授は「うちの研究室では、子守歌の研究など男性には気が付かないテーマに取り組む人もいる。女性は子育てや家事など生活に密着した分野を研究する傾向があり、男性研究者の視野も広げてくれる」と話す。

 学内では「工学分野でも生活に密着した研究が出てくるかも」「女性がいると研究室が活性化する」など、さまざまな期待が広がっており、大学では第2弾の取り組みも模索していく。


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2005年01月31日

東北大の学長選廃止、学部間の不公平は解消 「非民主的」との批判も

毎日新聞(1/29)

 ◇選考会議「経営感覚重視し選出」

 東北大(吉本高志学長)は今週、これまでの学長選挙を廃止し、新たに設けた「選考会議」が学長を決める方式を打ち出した。同大は国立大学法人に移行した昨春、大学運営の決定権を学部代表による評議会から、学外有識者の入った経営協議会に委ねる「改革」を行ったが、自らのトップすら投票で選べなくなる事態に、学内からは「研究者の意思が大学運営に反映されなくなる」と危惧(きぐ)する声が出ている。【鈴木英生】

 □民主的か公平か

 東北大の学長は1919年以来、教官による選挙で決めてきた。戦争で大学自治が危うくなった時代でも、文部省の圧力を受けながら選挙を貫いてきた歴史がある。いわば学長選は「大学自治の根幹」とも言える存在だった。

 しかし、その一方で、選挙での選出は教官数が多い学部の出身者ばかりから選ばれるという「欠点」も併せ持っていた。東北大の教官配置は工学部系約760人、医学部系約600人など理系に厚く、工学・医学部系で全教官(約2600人)の半数を超える。このため、新制大学移行(49年)後に選出された10人は、両学部出身者で8人を占め、他の学部は学長選の蚊帳の外に置かれてきたのが実態だった。

 「学長選改革」は、こうした経緯に照らし、「民主的だが必ずしも公平ではない」という在り方を否定したものと言える。学長選考会議の小田滋議長(元国際司法裁判所裁判官)は、従来の学長選びを「大学運営にとって合理的ではない」と退け、「法人化された大学の学長には、経営者としてふさわしいかどうかの判断も必要だ」と、学外からも幅広い人材を求められる新方式の意義を語った。

 □「みな後を追う」

 だが、選挙によらない学長選びは、学長に縁が薄かった文系学部からも疑問の声が上がっている。文学部のある教授は「私たちは学内の研究教育に責任を持てる人を、民主的に学長に選んできた」と指摘。選考会議が経営者感覚を強調している点をとらえ、「研究成果を即実社会に還元できるとは限らない文系学部は、さらに軽視されるかもしれない」と危機感を募らせた。

 東北大職員組合(吉田正志委員長)も、新方式を強く批判している。「ほとんどの大学構成員の意見を反映させる仕組みがない非民主的・独裁的なものだ」とし、新方式を導入するにしても、選考に一般教官の意思を反映させる仕組みを作るよう吉本学長に求めた。

 東北大は、国立大学法人になって以来、次々と学内改革を打ち出し、東京で連続セミナーを始めるなど「ブランド力」強化を目指す取り組みも始めている。学長選廃止もその一環といえ、選考会議委員の植木俊哉法学部長は「東大も京大も旧来の学長選を残したが、将来はみな東北大の後を追うだろう」と“先駆的取り組み”への自負を口にした。

………………………………………………………………………
 ◇新制大学になって以降に選ばれた学長

氏名    出身学部 在任期間
黒川利雄  医    57年7月~63年6月
石津照璽  文    63年7月~65年10月
本川弘一  医    65年11月~71年2月
加藤陸奥雄 理    71年5月~77年4月
前田四郎  工    77年5月~83年4月
石田名香雄 医    83年5月~89年4月
大谷茂盛  工    89年5月~90年9月
西沢潤一  ※    90年11月~96年11月
阿部博之  工    96年11月~02年11月
吉本高志  医    02年11月~


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2005年01月25日

東北大、学長選を廃止

東北大学
 ∟●国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程

東北大、学長選を廃止・選考会議がトップダウン決定へ

日本経済新聞(1/24)

 東北大学の学長選考会議(小田滋元国際司法裁判所判事)は24日、次期学長の選考から学内選挙を廃止し、学外の有識者も含めた選考会議がトップダウンで学長を選ぶ方式にすると正式発表した。

 経営協議会、教育研究評議会がそれぞれ5人以内の候補者を順位を決めず推薦する。民間企業の経営者など学外者にも広く門戸を開放する。選考会議は推薦された候補者をもとに最終学長候補者を決める。

 任期はこれまでの1期4年、再任は2年から再任なしの6年に変える。吉本高志現学長は2006年11月が任期満了。次期学長選考から新しい選考規定を採用する。

 文部科学省によると、総合研究大学院大(神奈川県)を除く国立大学で学長選挙の廃止は初めて。

東北大、学長選挙廃止へ “欧米流”選考会議で決定 「閉鎖性打ち破る」

東京読売新聞(1/24)

 東北大(吉本高志学長)は、従来の学長選挙を廃止して、学外の有識者が半数加わった学長選考会議(議長=小田滋・元国際司法裁判所裁判官)による独自の判断で、学内外から同大のトップにふさわしい人物を選考する“欧米流”の方式に改める。二十四日の役員懇談会に報告する。
 二〇〇四年四月の独立法人化により、学長には大学間競争を勝ち抜くための高い経営能力や強い指導力が求められようになったことが背景にある。学長は従来、東北大教授や教授経験者しかなれなかったが、今後は大学経営に精通した海外の有力大学の外国人学長を東北大の学長にスカウトすることもできるようになる。
 東北大では「国立大学法人で学長を選挙せずに選ぶのは極めて珍しい。象牙(ぞうげ)の塔と呼ばれた大学の閉鎖性を打ち破る画期的な選考方式」と説明する。
 新しい学長選考方式は、大学の経営面を審議する「経営協議会」と研究や教育面を審議する「教育研究評議会」が、それぞれ五人以内の学長候補者を選出、学長選考会議に推薦。教授や助教授三十人以上の連名でも候補者を推薦できる。
 候補者の推薦前であれば、学内の意向を探るため、教育研究評議会が意向投票を行ってもよいとしている。
 学長選考会議は、学内外の意見を参考に、推薦された候補者に面接などを行い、大学経営のかじ取りを任せられる人物を選ぶ。こうした方式は欧米の大学では一般的だ。
 東北大の学長の任期は現在四年間で、再選されれば任期を二年延長できたが、次の学長からは任期は六年間で再選は認めない。
 東北大はこれまで、助手以上による選挙で学長を選んできた。選挙は民主的な面もあるが、研究科(学部)や付置研究所の数が二十一もあるため、「よく知らない他学部の候補者に、学長にふさわしい能力が備わっているどうか判断するのは困難だった」(東北大幹部)という問題があった。
 このため、学長選は各学部の利益が優先されがちで、歴代の学長の半数以上が、教員の多い工学部や医学部など理系出身に偏っていた。
 
 〈学長選考会議〉
 2004年4月の国立大学法人東北大の発足に伴って設置。経営協議会の学外委員6人と、教育研究評議会の評議員6人で構成。学外委員は、小田・元国際司法裁判所裁判官のほか、小野寺正KDDI社長や山野井昭雄・味の素技術特別顧問、安西祐一郎・慶応義塾長など。


[同ニュース]
東北大、学長選挙廃止へ 「非民主的」と批判の声も(朝日新聞1/24)
東北大が学長選廃止へ 選考会議が決定(共同通信1/24)
東北大、学長選を廃止へ・選考会議に権限(日経新聞1/24)
東北大が学長選廃止へ(東京新聞1/24)
東北大学:学長選挙を廃止、国立大では初めて(毎日新聞1/24)
東北大が学長選廃止、学外有識者半数で選考会議(読売新聞1/24)
東北大が学長選廃止へ 選考会議が決定(熊本日日新聞1/24)

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月25日 00:24 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月29日

東北大学長ら17人不起訴処分 医師派遣の現金受領で

朝日新聞(12/28)

 医師派遣先の公立病院から現金を受け取っていたとして東北大の吉本高志学長らが収賄容疑で告発されていた問題で、仙台地検は28日、「受け取った現金はわいろに当たらない」として吉本学長ら教授10人を含めて17人を不起訴処分(嫌疑不十分)にした。告発していた仙台市民オンブズマン(坂野智憲代表)に同日、処分結果を通知した。

 東北大医学部をめぐる現金受領問題では、告発された10人を含めて各医局などが、98~03年度に東北地方の48の公立病院から計1億2374万円の寄付を受け取っていたことが、同大の調査委員会の調べで判明している。

 オンブズマンは昨年10月、このうち釜石市民病院(岩手県)から99~02年度に受け取った現金2300万円が「医師派遣の見返りによるわいろにあたる」として仙台地検に告発していた。

 これに対し、同大は「社会に誤解を招きかねないものだった」として医局や関連財団などに寄せられる寄付金を医学部が一括管理し、会計検査院の検査を受けるシステムに統一したが、「受け取った現金と医師派遣との関連性はない」として内部処分はしていない。

 地検は、(1)教授らは医局などのトップの立場で現金を受け取っており個人に渡されたものではない(2)現金は市議会の承認のもとに支出されているなど支出側にも受領側にも違法性の認識がない――などとして収賄罪に問うのは困難と判断した模様だ。

 医師派遣をめぐる現金受領問題では、大阪地検特捜部が00年、奈良県立医大の教授ら3人が民間病院から計3705万円を受け取ったとして収賄罪で逮捕・起訴(いずれも有罪判決)した。3人は金を女性との交際費やゴルフ代に使うなど私的流用していた。

 しかし、仙台地検の捜査では、東北大医学部の教授らが受け取った現金が私的に流用された証拠は見あたらなかったとみられる。


[同ニュース]
医師派遣問題:東北大学長ら教授17人を不起訴処分(毎日新聞12/28)
医師派遣で現金、収賄で告発の東北大学長ら不起訴に(読売新聞12/28)

Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月29日 00:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月27日

東北大 学長選挙の廃止検討 選考会議方式に転換

河北新報(12/26)

 東北大は25日までに従来の学長選挙を廃止し、学内で推薦された候補者の中から「学長選考会議」が審査、決定する方式に変える方針を固めた。候補者資格を学外にも広げ、より開かれた形での学長選びを目指す。2006年秋からの導入を目指す。

 改革案によると、学内の「経営協議会」(学内、学外委員各13人)と「教育研究評議会」(学部長ら52人)から、まず各5人程度の候補者を推薦してもらう。
 教育研究評議会の場合、候補者の推薦前に意向投票を行うこともできる。経営協議会は経営面を、教育研究評議会は教育面を審議する機関で、今年4月に設けられた。

 2機関からの推薦以外に教授、助教授30人以上の連名で推薦があれば、これも受け付ける。
 その後、「選考会議」が面接して候補者の実行力、組織改革の実績、教育・研究分野での業績を審査、決定する。
 具体的にどう優劣をつけるかなど、基準設定は今後詰める。
 現行の学長任期は一期4年。再選されれば2年延長されるが、今後は一期6年、再選は認めない。

 従来は候補者を東北大の教授か教授経験者に限定。助手以上による一次選挙で上位15人を決定、2次選挙で5人に絞り、3次選挙で過半数を得た候補者を選んでいた。

 歴代学長19人をみると、教員の多い工学部や医学部など理系出身者が14人と7割以上を占める。学内選挙は民主的との声がある半面、「旧態依然の選考で、各学部の権益が優先され、学長としての資質は二の次」との批判も根強かった。

 同大幹部は「トップの資質を見極めるには、数の論理がまかり通る選挙では不十分。地域に開かれた大学を目指すために改革が必要だ」と話す。
 しかし、選挙方式にこだわる意見や明確な選考基準が示せるのか、不安視する向きもあり、今後、論議を呼びそうだ。

[学長選考会議]今春の法人化をきっかけに設置された。経営協議会の学外委員と教育研究評議会の代表者が同数ずつ参加し、東北大の場合は計12人で構成する。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月27日 02:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年12月02日

東北大学職員組合、寒冷地手当の削減・廃止に反対してこのように行動しました

東北大学職員組合
 ∟●国立大学法人東北大学職員組合は 寒冷地手当の削減・廃止に反対してこのように行動しました(2004/11/30)

 国立大学法人東北大学の役員会は、私たちの重要な生活費の一部となっている寒冷地手当を、「人事院勧告に準拠する」の一点張りで削減・廃止することを決定しました。下記(表1)(表2)をご覧下さい。職員組合は、これに反対して、4回の声明や要請書を大学当局に提出しました。また、今年度から実際に3万円の削減が実施される浅虫・鳴子両地区の教職員(未組合員を含む)の切実な反対の声を載せた要請書を取り次いで提出しました。さらに、10月22日と25日の2回北村理事と団体交渉を行い、また11月10日には懇談を行いました。

 この間の経過については寒冷地手当改定問題のページをご覧下さい.……


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年12月02日 01:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年11月22日

東北大学職員組合、教務職員制度廃止および教務職員の待遇改善に関する要望書

東北大学職員組合
 ∟●教務職員制度廃止および教務職員の待遇改善に関する要望書(2004年11月19日)

教務職員制度廃止および教務職員の待遇改善に関する要望書

2004年11月19日

国立大学法人東北大学
総長 吉本 高志 殿
理事各位

国立大学法人東北大学職員組合
 執行委員長 吉田 正志

国立大学法人東北大学職員組合教務職員対策委員会
 委員長   阿部 幸勇

 教務職員制度は、1949年に副手制度が助手制度に統合された際、助手に任用されなかった人を暫定的に任用するために措置された制度です。教育職俸給表(一)1級(法人化後は、教育職本給表(一)1級)の適用を受けながら2級以上への昇格もありません。しかし暫定的趣旨に反してこの制度は長期化し、本学の歴代総長も、組合との交渉において、教務職員は職務に対して待遇が劣悪すぎる職種であると言明しています。後述の通り、本来法人化を機に本学の制度としても廃止し待遇改善を図ることを労使ともに追求してきましたが、残念ながら現在にいたるまで本学の教務職員制度は存続しています。本年4月1日現在の在職者56名という数字は大規模大学の中でも突出したものです。これまでも、本学および人事院・文科省・国大協において様々な努力や検討が行われてきました。役員会がイニシアチブを発揮して、法人化前の制度検討及び総長交渉で確認された法人化推進本部第一部会の方向性に則った教務職員制度廃止および待遇の抜本改善を早急に図るよう要望するものです。

 1991年に国大協第4常置委員会が出した「教務職員問題に関する検討結果報告」以降、人事院および文部省による特例措置「調整給実甲」の活用により、全国的に概算要求による教務職員の助手振替が大きく進みました。本学においても、それまで定数がなく概算要求による振替が不可能だった部局に対して学部間定数の再配分措置を行う等、画期的な努力がされました。

 法人化に向けた本学の制度検討の中ではさらに踏み込んだ方向性が示されてきました。2002年10月に出された「東北大学制度検討委員会組織業務・人事制度委員会及び目標評価・財務会計委員会の検討結果について(中間報告)」においては、「「専門職員」は新しい職名の職員である」と謳った上で、「「教務職員」は移行措置として助手に準ずる職位とし、次第に廃止し、「助手」または「専門職員」の配置に切り替える」としました。これはその後の「中間報告以降の検討に関する報告」においても否定されることなく、さらに2004年初頭の法人化推進本部第一部会の検討は、具体的に助手や技術職員等への移行に一歩踏み込んだものでした。本年1月に行われた総長交渉において、早稲田副総長は「第一部会の座長として各部局長に、教務職員制度の廃止をベースに、助手にすることが適当な人数、技術職員にすることが適当な人数について調べてもらっている。その調査結果をふまえて第一部会、第二部会で検討する。一定程度解決したいと考えている」と発言しています。こうした大学本部のイニシアチブに教務職員は大きな期待を持っていました。

 しかしその後、法人化推進本部は、「法人化後の大学運営及び移行に関する基本的考え方(その2)」において、「学位を持った教務職員を、部局の判断で「助手」に振り替えることも原理的には可能である。ただし、部局によって教務職員の採用・役割等が異なるので、画一的に措置することは適当でない」と述べ、これまでの指導性を投げ出してしまいました。教務職員問題は制度上の問題であり、この期に及んで、「各部局においての、その便宜性」を云々することは言語道断です。それまでせっかく優れたイニシアチブが発揮されてきたのに、法人化直前になって突然問題が先送りされ今日に至っているのです。

 3月30日、法人化推進本部第二部会(座長・北村副総長)は、「就業規則案・労使協定案等に関する主な論点と検討結果」において、教務職員への裁量労働制の適用の可能性について「宮城労働局に確認したところ実態が研究の業務であれば、適用可能とのことである。したがって、教務職員についても、業務内容により、適用できるものとする。実質的には、『専門業務型裁量労働制に関する協定届』の対象人員に加えるものとする」として各部局に通知しています。実態が研究の業務である教務職員への裁量労働制の適用について助手以上の教員と同じように扱い法人化を迎えたのです。それならば待遇もただちに改善すべきではないでしょうか。

 この夏、「教育職俸給表(一)は、1級を削除する」という内容の人事院勧告がなされています。人事院勧告や給与法の改正は非公務員型の国立大学法人にとって直接の関係はありませんが、それでも「教育職俸給表(一)1級」はもはや社会的に存在理由がないことがあらためて宣言されたものであり大きな意義があります。まして本学において「教育職本給表(一)1級」を存在させる意義がないことは法人化前に確認済みなのですから、長年の課題である教務職員問題を一刻も早く解決するべきです。在職する教務職員の高齢化も進んでおり、もはや先送りは許されません。私たちは、役員会がイニシアチブを発揮して早急に以下の措置を行うよう要望します。

要望事項
1.教育職本給表(一)1級を廃止すること。
2.本学に現に在職する教務職員を、原則として現在の教育職本給表(一)2級(助手)に昇格させること。
3.上記2級昇格にあたっては「再計算措置」(調整給実甲措置/1991年11月人事院・文部省)と同等の特別の待遇改善措置をとること。この場合、任期はつけないこと。
4.技術職員等他の職種への移行を希望する教務職員については、本人の意向を十分に尊重し、その移行を可能にすること。
5.上記技術職員等への移行にあたっては、同様の経歴をもつ技術職員等と待遇面で不利益が生じないようにすること。
6.いずれの職に移行した場合にも、退職時期や職務等について不利益が生じないようにすること


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年11月22日 01:17 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年11月16日

東北大が特待生制度設ける方針

読売教育メール(11/15)

 東北大(吉本高志学長)は11日、優秀な学生や留学生を対象に、大学独自の予算を使って、学費を免除したり、奨学金を与えたりする「特待生制度」を設ける方針を明らかにした。こうした制度は私立大にはあるものの、国立大では珍しいという。優秀な学生を国内外から集めることで、独立法人化に伴って激化する大学間競争に勝ち抜こうという戦略と言えそうだ。
 吉本学長らが同日の記者会見で明らかにした。2007年6月に迎える創立百周年の記念事業で約20億円の基金を設立し、特待生制度に使う。基金の原資は3年かけて、同大の卒業生や企業などから集める。

 基金はこのほか、キャンパスの施設整備や、企業・社会との連携を図るためのセミナー開催などの費用にも使うという。

 同大は早ければ2008年度に、定員を1学年20人程度に抑えて優秀な人材を養成する「高等研究教育院」(仮称)を、大学院に発足させる方針も明らかにした。吉本学長によると、同院の学生が特待生制度の対象となる見通し。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年11月16日 00:59 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年11月10日

東北大学職員組合、声明 「一方的かつ重大な不利益変更に抗議する」

東北大学職員組合
 ∟●「声明 一方的かつ重大な不利益変更に抗議する」(2004年11月9日)

声明 一方的かつ重大な不利益変更に抗議する

 役員会は、10月28日、組合と過半数代表者の批判にまともに応えることなく就業規則(給与規程、寒冷地手当支給細則、本給支払細則、准職員等給与規程)を変更し、寒冷地手当の削減・廃止を強行した。……

 そもそも就業規則は本年4月に制定されたばかりである。寒冷地手当制度は、就業規則制定から一度も実行されずに不利益変更されてしまったのである。その結果、青森市、遠野市、鳴子町、秋田市に働く教職員は厳寒の季節を前にして突然3万円もの生活費が奪われ、仙台市等についても、2006年以降、寒冷地手当は漸減・廃止されることになった。実に総額3億円を超える重大な不利益変更が一方的に決定されたのである。

 組合は、寒冷地手当の削減・廃止に断固反対の意思を示してきたが、あらためて、この役員会決定に対して抗議の意思を表明するものである。

役員会が自主的に判断し、10月29日に従来通り一括支給した大学もある

 自主的な人事制度が国立大学法人の第一の原則であることは言うまでもない。問題は、それでも政府の要請や給与法の改正があれば人勧に準拠すべきなのかであるが、これは当然否であろう。小泉首相は、国立大学法人への文科省の指導について「強力な行政指導が行われたり、行政指導による画一的改革が進められるなどの事態にはならない」と国会で答弁しているが、閣議決定による要請についても当然同様のはずである。

 注目すべきは、今回の寒冷地手当制度変更をめぐっても、自主的に判断して従来通りの支給を実施した大学(福島大、東京大、富山大、九州大)も現実にあるということである。またシステム上やむなく一括支給日を1ヶ月後にしたものの基本的に従来制度を維持した大学(山形大)や、削減・廃止への経過措置を盛り込まずに分割支給のみを実施した大学(宮教大)もある。

……後略。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年11月10日 00:44 | コメント (0) | トラックバック (0)
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