全国
 カテゴリー 教育基本法改正問題

2005年06月16日

教育基本法「守る会」結成

朝日新聞(6/14)

 教育基本法の「改悪」を阻止しようと14日、県内の有識者らが盛岡市内のホテルに集まり、「教育基本法を守る岩手の会」(代表・武田晃二岩手大学教育学部教授)を結成した。
 
 大学教授、弁護士、元学校教員ら74人が呼びかけ人。この日は20人ほどが集まり、与党内などにある教育基本法改正を意図した動きを「国民の権利としての教育から、『お国のための教育』に転化させるもの」などと批判した。……

[同ニュース]
教育基本法:大学教授ら、法を守る活動団体を設立 /岩手(毎日新聞6/15)

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2005年05月12日

「愛国心」表記、自公両案併記に 教育基本法改正素案

朝日新聞(2005年05月11日)

 文部科学省は11日、教育基本法改正案の仮要綱案を、与党検討会に提出した。自民、公明両党が対立していた「愛国心」を巡る表現は、両党案の併記となった。同省はいったんは国を「愛する」という文案にまとめていたが、公明党の反発を受けて提出直前で修正。与党内の調整の難しさが改めて浮き彫りになった。また、同案は新たに前文に盛り込む項目として、「公共の精神の尊重」や「日本の伝統の継承」などの理念も示している。

 愛国心の表現を巡って昨年6月の与党検討会の中間報告では、郷土や国を「愛し」とする自民案と、「大切にし」とする公明案が併記されていたが、同省は今回、表現を「愛」で一本化した文案を作成。複数の同省幹部が一本化の見通しを明かし、文案を知る検討会関係者も「文科省の考え方を示す以上、併記はあり得ない」と述べていた。しかし、公明党がこうした動きに反発したことから、同省は「検討会で結論が出ていない」とし、両論併記に戻した。

 さらに同省は、三位一体改革で義務教育費国庫負担制度の扱いが焦点となるなか、「国及び地方公共団体は教育を円滑かつ継続的に行うために必要な財政措置を講じなければならない」との条文案を追加。このほか、現行法と日本国憲法の密接な関係を示した前文の「憲法の精神に則(のっと)り」との部分や、教育行政の項目で「公権力などによる不当な教育介入」を批判する根拠となってきた「(教育は)不当な支配に服することなく」という個所の削除も視野に入れており、議論を呼びそうだ。


[関連ニュース]
「愛国心」は両論を併記 文科省案受け与党が議論(共同通信5/11)

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2005年05月09日

教育基本法改正反対訴え市民5500人集会、代々木公園

東京新聞(5/08)

 教育基本法改正に反対する市民集会「教育基本法の改悪をとめよう!全国集会」が七日、東京・代々木公園で開かれ、全国から教員や学生ら約五千五百人が参加した。

 改正の柱となる「愛国心」の問題について、評論家の加藤周一氏は「ずうずうしいっていうか、おかしな話。(愛するかどうかは)こっちが決める話で、国が決める話じゃない。みんなが愛さないなら、国が反省すればよい」などと話した。

 このほか、米軍普天間飛行場(沖縄県)の同県名護市沖移設計画に反対して座り込みを続ける名護市の男性や、愛媛大の学生らがそれぞれの立場で反対を訴えた。


[関連ニュース]
「基本法改悪とめよ」 都内で集会 本県からも多数参加(埼玉新聞5/08)
日本の民間団体、「つくる会」の教科書を批判(CRI 5/08)

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2005年05月08日

教基法改正反対に5千人余 要綱提示前に危機感

共同通信(5/07)

 「子どもは『お国』のためにあるんじゃない!」を合言葉に、教職員組合などの立場を超えて教育基本法改正に反対する大規模な集会が7日、東京・代々木公園で開かれ、市民団体のメンバーや教員ら全国から約5500人が参加した。
 与党の教育基本法改正に関する検討会で今月11日、文部科学省が改正案のたたき台となる要綱を提示する予定で、参加者は危機感を募らせた。
 改正で焦点になっている「愛国心」の導入に対し、評論家の加藤周一氏は「『自分を愛せよ』と国が号令するのは見当違いで、愛される魅力もないのにずうずうしい」と批判。「教育基本法と憲法9条は運動の両輪だ」と訴えた。


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2005年05月06日

教育基本法の改悪をとめよう!全国集会 5月7日(東京・代々木公園)

教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会
 ∟●5.7全国集会のお知らせ
 ∟●全国各地から届けられた5.7全国集会への連帯表明(総連帯者数27,703人)

教育基本法の改悪をとめよう!全国集会

2005年5月7日13時
場所/東京・代々木公園・NHKホール隣

JR原宿駅表参道口→徒歩1分(原宿門)
東京メトロ代々木公園駅→徒歩3分(西門)
参加費/無料
この集会は、賛同金とカンパで作られています。
当日、カンパのお願いを予定しています。

交流の広場(11時~)
学ぶ・遊ぶ・動く・つながる
(憲法・教科書などテーマ別テント・屋台やお楽しみワークショップ・・・)
ライブ(13時~)
ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
決起集会(14時~)

呼びかけ人 大内裕和・小森陽一・高橋哲哉・三宅晶子
全国からの発言
憲法 加藤周一
教科書問題
日の丸・君が代問題
デモパレード(16時~)
※5月7日の集会のチラシ(GIFファイル)  5月7日の集会のチラシ(JPEGファイル)
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教育基本法改悪法案の国会上程をさせない!

教育基本法の改悪に反対するすべての皆さんへ
全国連絡会への賛同と5・7全国集会への呼びかけ

 今、私たちは、大きな岐路に立たされているのではないでしょうか。「教育の憲法」とも呼ばれる教育基本法が改悪されようとしています。

 「与党教育基本法改正に関する検討会」は2004年9月15日、国会内で会合を開き、自民、公明、両党が合意していない部分を除き、教育基本法「改正」作業に着手することを決めました。これは教育基本法「改正」法案を2005年の通常国会に提出することへ向けて与党が本格的に動き出したことを示しています。

 2004年6月16日に出された中間報告は、教育基本法の理念を根本から否定するものです。前文の「憲法の精神に則り」の扱いは今後の検討事項とされ、また「個人の尊厳」と「平和主義」という教育基本法の理念がともに削除されています。さらに第10条(教育行政)の項目は、現行の「教育は、不当な支配に服することなく」から「教育行政は不当な支配に服することなく」と書き換えられています。教育行政の権力濫用を抑止するための法律から、教育行政への要求や批判を封じるための法律に変えられてしまう恐れがあります。

 すでに教育現場の現状はきわめて悪化しています。2003年10月23日東京都教育委員会は、「入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」通達を出し、春には教員自身の国歌斉唱不起立のみならず、生徒の不起立をも理由として、300名以上の教職員を処分しました。これは教育基本法第10条に違反する「不当な支配」そのものであり、教職員と子どもの「思想・良心の自由」(憲法第19条)を侵害するものです。

 教育基本法が改悪されれば、私たちが大切にしてきた教育の自由と平等はその防波堤を失い、状況がさらに悪化することは確実です。東京都で行われていることは教育基本法改悪の先取りであり、この状況が全国化することが危惧されます。それは有事法制の成立や自衛隊のイラク派兵など戦争国家化が急速に進みつつある現在、戦争を担う「国民」を育成するものへと教育が変えられていくことを意味しています。私たちはそれを許してしまってよいのでしょうか?

 2003年12月23日の「教育基本法改悪反対!12・23全国集会」では、教育基本法改悪反対の一点で、組織・団体の枠を超え、4000人以上の人々が全国から集まりました。その熱い思いは「12・23方式」の集会となって2004年以降、全国各地へと広がっていきました。そして2004年4月24日、教育基本法改悪を阻止するための全国ネットワーク「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」が発足し、11月6日に全国集会を行いました。11・6集会では5500人もの人々が集まり、教育基本法改悪阻止を強くアピールしました。「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」は、全国の人々の力で教育基本法の改悪をとめよう!とさまざな活動を続けています(詳しくはホームページをご覧ください)

 教育基本法をめぐる攻防は山場を迎えています。私たちは教育基本法「改正」法案の国会上程を阻止する行動を続けていますが、2005年通常国会に上程がなされる場合も含めて今から運動を展開していく必要があります。そこで教育基本法改悪を阻止するために、これまでで最大規模の全国集会を2005年5月7日に開催しよう!と決めました。

 「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」および5・7全国集会に、個人・団体で賛同、連帯してくださることを心からお願いいたします。

2005年1月1日
教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会 呼びかけ人
大内裕和、小森陽一、高橋哲哉、三宅晶子


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2005年03月27日

「基本法改正に反対」 教職員ら1万人が集会

共同通信(3/26)

 教育基本法や憲法の改正に反対する教職員の組合などが26日、東京都の有明コロシアムで1万人規模の集会を開き、「基本法は教育の憲法だ、改正は許されない」と訴えた。
 講演した国連子どもの権利委員会のノルベルト・リウスキー委員は、日本の現状を「過度な競争で教育がゆがめられている」と指摘。基本法の改正について「変更がなされると聞いているが、子どもの権利条約に調和したものでなくてはならないし、逸脱があってはならない」と述べた。
 主催者の1人の石元巌全日本教職員組合(全教)委員長は「改正に反対と言うだけじゃなく、憲法や基本法を生かした、子どもが主人公の学校づくりを提言していきたい」と話した。


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2005年03月16日

文科省大臣会見、教育基本法 「速やかな改正に向けて立派な法案を作りたいと思っています」

平成17年3月4日大臣会見概要 教育基本法改正

記者)
 与党の教育基本法改正に関する検討会が、文部科学省に改正法案の草案作成を指示したということですが、大臣の受け止めはいかがでしょう。

大臣)
 与党の教育基本法改正に関する検討会でも、いろいろと検討を進めていただいており、今般、文部科学省に改正法案の草案作成の指示をいただきまして、一歩前進だと思ってよろこんでいるところでございます。

記者)
 与党検討会においては、愛国心をめぐる表記などで自・公間で対立点がまだ残っている点について、最終的に、もし合意に至らなかった場合には、大臣のイニシアティブをというような議論もあったのですが、いかがですか。

大臣)
 私のイニシアティブというよりは、まずは与党の間できちんと詰めていただきたいと思います。それをしっかり踏まえさせていただいて、速やかな改正に向けて立派な法案を作りたいと思っていますから、ぜひ、よろしくお願い申し上げたいと思います。


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2005年03月03日

議員立法で教育基本法改正を=超党派の委員会などが決議

時事通信(3/02)

 自民、民主両党の国会議員が参加した超党派の「教育基本法改正促進委員会」(委員長・亀井郁夫参院議員)などは2日、都内で集会を開き、議員立法で教育基本法の早期改正を目指す決議を採択した。政府・与党は政府提案を模索しているが、「愛国心」の条文をめぐる自民、公明両党の意見対立が続いているため、同委員会は独自の改正案を作ることを表明した。
 集会では、主催者を代表して平沼赳夫前経済産業相が「衆参合計で388人の議員が賛同している。今国会で決然たる行動を起こさなければならない」とあいさつ。その後、「改正論議の停滞は失望を禁じ得ない」とする決議を採択した。
 一方、政府提案での法案提出を目指す自民、公明両党の「与党教育基本法改正に関する検討会」(座長・保利耕輔元文相)は同日、18条から成る素案の検討を終えた。今後、宗教教育など積み残した問題を引き続き議論しつつ、これまでの意見を受け、文部科学省が政府原案づくりに入ることを了承した。


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2005年01月31日

教育基本法改悪案の今国会上程を阻止できました

教科書情報資料センター
 ∟●教育基本法改悪案の今国会上程を阻止できました

教育基本法改悪案の今国会上程を阻止できました
――次は、流れを完全にこちらへ引き寄せる運動へ!!――

  1月26日、与党は、教育基本法改悪案の今国会への上程を断念しました。産経新聞は、「中央教育審議会が基本法見直しを答申して2年近くが経過してもなお、改正のメドはたっていない」と嘆き、上程は「来年の通常国会以降に先送りされる」という見通しを報じ(国内外ニュース1/28)、たんなる「上程延期」にとどまらない可能性を示唆しました。

  今国会への上程を断念させた最大の理由は、なんといっても与党内の二つの対立でした。その一つは、自民党内部の未調整。いくつかの記事は、上程断念の理由を、「郵政審議を優先」のため、としていますが、これはあくまで表向き。上の産経の記事が認めているように、なんといっても三位一体改革の横槍によるものです。三位一体改革による義務教育費の国庫負担の廃止は、文科省の権限を弱め、教基法の改悪の流れと真っ向から対立するため、これまで教基法の改悪を推進してきた森喜朗氏などは、国庫負担廃止を強行しようする麻生太郎氏など(彼らも教基法の改悪では盟友だった)と対立、決着は、今年秋に予定されている中教審での結論待ちになりました。

  これにあせったのが右派です。中教審には、三位一体改革派も新たに加えて審議するため、必ずしも彼らが希望するような結論になる保障はないからです。ならば逆に、今国会で教基法改悪案を成立させることにより、秋の中教審の結論を縛ろうと、彼らは上程にやっきとなり、公明を動かそうとしました。

  しかし、公明党は、昨年6月に教基法に関する与党合意を行ったものの、参院選挙で自民党に大きな退潮の兆しを見、さらに与党内で相対的に力が増したこともあって、以後は様々な面で独自色を強めてきました。愛国心をめぐる自民との対立だけがよく報道されていますが、それ以外でもいくつのもの点で、与党合意を行き過ぎとする見解が党の主流を占め、ぶり返しが起こってきました。その結果、自・公の対立は今、一般に知られている以上に深まっている現状なのです(愛国心を受け入れる考えが公明に広がっているとする朝日1/17の記事は、その点で誤報に近いものです)。

  以上が、与党内の第二の対立でした。報道紙によると、憲法論議との調整の必要性が理由であったように報じているものがありますし、とくに教基法の前文に現憲法が盛り込まれているため、それを改訂するには改憲論議との関連が浮上するのは確かです。しかし、前文の憲法との関係部分を削って法を成立させることも不可能ではありませんでした。むしろ、教基法の改悪は、自民党右派によって憲法改悪の前提として戦略的に位置づけられてきました。もし今後、憲法改悪とリンクさせることが原則となるなら、逆に教基法の改悪も、憲法改悪の高いハードル――国会の三分の二、国民過半数の賛成――を飛び越える状況にならなければ実現しないことになります。これでは、教基法改悪の戦略を破綻させますし、実質的には論議を棚上げにすることも意味するでしょう。

  そのため自民党右派は、深い危機感をもって、今国会での上程へ向け、公明党に対して激しい圧力をかけてきました。そのことによる動揺もあって、公明が岐路に立たされたことは事実です(先の朝日1/17の記事は、これを伝えたものでした)。しかし、今年7月の都議戦をひかえ、公明は、教基法の改悪に対してより批判的な創価学会の協力を得なければなりません。これが大きな転機となりました。そして、私たちの存在も、ここで大きな力となったのです。

 「教育基本法の改悪を止めよう!全国連絡会」は、昨年来、院内集会やロビーイング活動など、波状的な働きかけを国会に対して行いました。この動きは、これまでの日教組・全教という枠の外にある新鮮な勢力として、議員会館に新しい風を送り込んだのでした。これは、公明が感じていた孤立感を払拭させるとともに、自民が本格的に公明を揺さぶるためには、民主の一部を巻き込むしかなかったのですが、すでに鳩山氏たちの超党派の動きが党中央から封じられていたのみならず、私たちの働きかけによって横路・生方氏などのリベラルの会(会員53人)が教基法について鮮明な立場を打ちだし、教育基本法の改悪を止めよう!11・6全国集会へ代表が参加、発言するなど、既存の共産・社民の反対がしっかりと健在であることを含め、強い核が国会の中に形づくられ、揺さぶりの余地を無くしたのでした。

  つまり市民運動が国会に新しい風を送ったことで、公明のがんばりを支える力になったのみならず、共・社はじめ民主リベラルの会を固め、中間派のブレを完全に消し去り、公明切り崩し戦術を自民党右派に取らせなくさせたのでした。これには、自民の分裂という予期せぬ味方が幸いしたとはいえ、そのチャンスを生かし切った私たちも、上程阻止に少なからずの力を発揮したということです。

  たしかに、これで教基法改悪そのものを阻止できたわけではありません。1年間の時間的余裕を得たにすぎない面があります。しかし、小泉政権はこれから終極へと向かい、政局は流動化する一途です。私たちは与えられた時間を生かし切り、これまで地方議会で勝ち得た多くの決議をさらに増やし、そして今年焦点となる「新しい歴史教科書をつくる会」との教科書採択に競り勝つならば、私たちは教基法の改悪を完全に阻止する段階へと歩を進めることができるでしょう。


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2005年01月28日

政府・与党、教育基本法改正案の今国会提出見送りへ

日本経済新聞(1/27)

 政府・与党は27日、教育基本法改正案の今国会提出を見送る方針を固めた。自民党が求める「愛国心」の明記に公明党が反対姿勢を崩しておらず、憲法改正や義務教育のあり方に関する論議を見極めたうえで提出時期を探る方向だ。

 自民党の小坂憲次国会対策筆頭副委員長は同日午前の記者会見で「現場でもう少し議論する必要があるということであれば、あえて急ぐ必要はない」と述べ、公明党との調整が難航している中で今国会提出にこだわる必要はないとの認識を表明。自民党国対幹部は「通常国会に提出できない場合は臨時国会で議論するものではない」と語り、来年の通常国会以降に先送りされる可能性もあるとの見方を示した。

 公明党は神崎武法代表が26日の記者会見で「この国会でやらなければいけない、と性急に結論を出す必要はない」と強調するなど、7月の都議選を控えて今国会提出に難色を示している。自民党内には小泉純一郎首相が今国会で最優先課題と位置付ける郵政民営化法案の処理を優先するためにも、提出見送りを容認する声が出ている。


[同ニュース]
教育基本法:自公の調整つかず改正案の今国会提出見送り(毎日新聞1/27)
今国会提出見送りへ 与党、教育基本法改正案(共同通信1/27)
今国会提出見送りへ 与党、教育基本法改正案(共同通信1/27)
教育基本改正案、今国会提出見送りへ 与党(産経1/27)
「愛国心」は両論併記 文科省案もとに議論開始(共同通信1/27)

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2005年01月27日

教育基本法の改正案、4月までにまとめへ 文部科学部会・文教制度調査会合同会議

デイリー自民(1/25)

 教育基本法の改正問題について保利耕輔文教制度調査会長は25日、「党の新憲法起草委員会の小委員会が3月末までに報告案をまとめ4月末までに試案をつくることを決めた。新憲法の前文には『国を愛する』などの愛国心の精神が盛り込められるだろうから教育基本法の前文でも当然取り入れられることになる。そのために基本法改正も同様のスケジュールでいく必要が出てきた」と述べ、与党教育基本法改正に関する協議会での審議を急ぐ方針を示した。同日の文部科学部会・文教制度調査会合同会議での発言。

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2005年01月22日

教育基本法改正案の早期提出に意欲=中山文科相

時事通信(1/21)

 中山成彬文部科学相は21日の閣議後記者会見で、今国会で目指している教育基本法改正について、「(『愛国心』の取り扱いなどで調整している)与党にできるだけ早くまとめていただき、国会に提出したい」と語り、改正法案の早期提出に意欲を見せた。ただ、「私からアクションを起こすことは考えていない」と述べ、当面は与党内の調整を見守る姿勢を示した。


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2005年01月18日

教育の国家統制をめざす教育基本法「改正」法案の国会提出に反対する文化人123人の声明

「意見広告の会」ニュース237より

教育の国家統制をめざす教育基本法「改正」法案の国会提出に反対する文化人123人の声明

 与党の「教育基本法改正に関する検討会」は、二〇〇四年六月一六日、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(中間報告)」を発表しました。これを受けて、合意部分について文部科学省側で具体的な法案作成作業に入ったことが伝えられています。この与党検討会は今後、「愛国心」の表現や宗教教育の扱いなど、意見の分かれている項目に関して引き続き議論することになっています。
 この中間報告では、「別紙」で前文及び各条項について「改正」の概要が記されていますが、中間報告と銘打っているにもかかわらず、文書化されている部分はごく僅かであり、「改正」にあたっての基本的な理念は何一つ示されていません。また個々の改正点について、その改正理由すら全く記されていません。そして、多くの重要論点については、なお検討を要するとして結論が先送りされています。
 にもかかわらず、「別紙」として箇条書き程度に列挙された改正点には、現行教育基本法の基本原理を踏み躙り、その内容を一八〇度転換させようとする意図が随所に見られます。
 私たちは、この中間報告に代表される現在の教育基本法「改正」作業について、特に見過ごす事のできない以下の点を指摘し、警告するものです。

教育の国家統制に道を開く十条「改正」
 現行法は、戦前の教育が、国家による極端な内容統制によって歪められた反省から、教育と教育行政を分離し、教育行政の教育内容への不介入の原則を第十条で打ち立てました。
 ところが中間報告では、この教育と教育行政の分離を定める第十条について、主語を「教育は」から「教育行政は」にすり替え、この一見些細な文言の修正に見せかけによって、教育と教育行政を一体のものとして扱うという重大な改訂を行い、戦前の国家による教育統制を想起させる内容となっています。この改訂と教育振興基本計画の策定がセットで行われれば、現行教育基本法の原理は完全に崩壊し、教育行政の教育内容への無限定の介入を導くことになります。

人間の内心に踏み込む復古主義的な徳目の列挙
とくに問題なのは、復古主義的な徳目の列挙によって教育を統制しようとしていることです。
 与党中間報告では、教育基本法に掲げる「教育の目標」として、二〇もの徳目を列挙しています。現行法にある徳目は、憲法の理念と対応したものになっていますが、中間報告では、「伝統文化の尊重」や「郷土や国を愛する(大切にする)」ことを教育目標に組み入れようとしています。これは、およそ法で統制すべきでない領域、国家が文化や愛国心の内容を定め、人々の内心に踏み込むことを是認するものであり、憲法によって保障された思想良心の自由の侵害にあたるものです。これはさらに、憲法の理想を実現するために一体的に制定された教育基本法を、憲法から切り離すものであります。

強者の論理によって教育を再編
もう一つの重大な問題点は、強者の論理によって教育を再編しようとしていることです。
 中間報告では、「教育の目標」として「一人一人の能力の伸長」を謳ってはいますが、同時に、現行法が「教育の機会均等」で規定する「ひとしく」という文言が削除されています。これは、すべての子どもがひとしく、一人一人の能力や個性に応じ、その可能性を開花させることのできる教育を受ける権利を保障するという現行法の理念を否定し、教育の差別化、序列化を加速するものです。また、義務教育についても、「人格形成の基礎と国民としての素養を身につけるため」として、権利としての教育ではなく、義務としての教育という考えをことさら強調する内容になっています。ここでも戦前の義務教育観を復活させようとする意図が透けて見えます。

教育基本法の基本法的性格に関する認識の欠如
このような与党合意による「改正」への方向づけは、準憲法としての教育基本法の基本法的性格に関する認識の欠如を反映しています。
 中間報告では、教育基本法「改正」の検討にあたって、「格調高い法律を目指す」との前提が示されています。そうであれば、教育基本法の準憲法的な位置づけを踏まえ、憲法との関連が真っ先に検討されて然るべきです。ところが中間報告では、現行法前文中の、「『憲法の精神に則り』の扱いについて、さらに検討を有する」こととし、その扱いを先送りするという本末転倒の過ちを犯しています。これは、最高裁判決でも確認された教育基本法の準憲法的位置づけについての認識が完全に欠落していることを自ら明らかにするものです。

 その他にも、中間報告では、本来法が踏み込むべきでない家庭教育について殊更に項目を設けることによって、家庭教育への国家の介入を企図していることや、本来主役であるはずの子どもの視点からの発想が全く見られないなど、看過することのできない重大な問題が多く含まれています。
 さらに、このような重要な法律の改正作業は広く市民に開かれた形で行われて然るべきですが、中央教育審議会の答申後、「改正」作業が与党の検討会に移ってからは、その検討内容はほとんど密室の作業として行われています。すべての子どもと社会の将来を左右する、世界に開かれるべき教育の在り方を定める基本法の審議が、このようなほとんど密室の作業として行われていること自体、重大な問題と言わざるを得ません。
 私たちはこれまで中教審の教育基本法の「改正」の審議に対し二回にわたり声明を発表し、中教審の教育基本法見直し論議の問題点を指摘してきました。ところが、今回の与党中間報告は、そこで指摘された問題が解消されるどころか、さらに増幅拡大するものとなっていることに、私たちは重大な危機を感じざるを得ません。この中間報告の骨格に従って法案が作成され、上程されるとすれば、日本の将来に重大な禍根を残すことになりかねません。私たちは、以上のように、重大な問題点を含んでいる現在の教育基本法「改正」作業に強く抗議するとともに、「改正」法案を国会ノ提出しないよう求めるものです。

2005年1月20日


賛同人
(50音順、敬称略、1月11日現在、計123人、*印はこの声明の呼びかけ人)

浅井愼平(写真家)
浅田光輝(立正大学名誉教授)
* 味岡尚子(全国PTA問題研究会)
新崎盛暉(沖縄大学名誉教授)
安藤彦太郎(日中学院学院長・早稲田大学名誉教授)
安野光雅(画家)
井家上隆幸(フリーライター)
池田香代子(翻訳家)
伊佐千尋(作家)
石井桃子(著述)
* 石井小夜子(弁護士)
市川昭午(国立学校財務センター名誉教授・前中央教育審議会委員)
一海知義(神戸大学名誉教授)
伊藤成彦(中央大学名誉教授)
伊藤比呂美(詩人)
入江曜子(作家)
色川大吉(歴史家)
岩崎 力(東京外国語大学名誉教授)
宇井 純(沖縄大学名誉教授)
宇佐見圭司(画家・京都市立芸術大学教授)
宇沢弘文(日本学士院会員)
内橋克人(経済評論家)
永六輔(ラジオタレント)
海老坂武(フランス文学者)
大石芳野(フォトジャーナリスト)
大江志乃夫(歴史家)
大久保昭男(イタリア文学)
大城立裕(作家)
岡部伊都子(随筆)
* 尾木直樹(教育評論家)
沖浦和光(桃山学院大学名誉教授)
奥平康弘(憲法研究者)
* 奥地圭子(東京シューレ)
小倉英敬(国際基督教大学講師)
小山内美江子(脚本家)
小沢さとし (信州豊南短期大学講師)
小沢遼子(評論家)
小田実(作家)
片桐ユズル(京都精華大学名誉教授)
桂 敬一(立正大学教授)
加藤幸子(作家)
鹿野政直(歴史学専攻者)
鎌田慧(ルポライター)
上笙一郎(児童文化評論家)
川添登(建築評論家)
* 川田龍平(人権アクティビストの会)
川村湊(文芸評論家・法政大学教授)
* 喜多明人(早稲田大学教授)
北村薫(作家)
北村想(劇作家)
木下順二(劇作家)
金時鐘(詩人)
栗原彬(明治大学教授)
黒古一夫(文芸評論家・筑波大学教授)
河野修一郎(作家)
高史明(作家)
小谷真理(文芸評論家)
小中陽太郎(日本ペンクラブ理事)
小檜山博(作家)
* 小森陽一(東京大学教授)
早乙女勝元(作家)
坂本義和(東京大学名誉教授)
* 佐藤学(東京大学教授)
佐野眞一(ノンフィクション作家)
ジェームス三木(脚本家)
下田治美(著述業)
城山三郎(作家)
杉原泰雄(一橋大学名誉教授)
鈴木道彦(フランス文学者)
徐京植(作家)
高木敏子(児童文学作家)
高橋哲哉(東京大学教授)
高畑勲(アニメーション映画監督)
高柳芳夫(作家)
高良勉(詩人)
田口富久治(名古屋大学名誉教授)
武田清子(国際基督教大学名誉教授)
田島征彦(画家)
巽孝之(慶應義塾大学教授)
辰濃和男(ジャーナリスト)
* 俵義文(子どもと教科書全国ネット21)
* 辻井喬(作家)
津田道夫(著述業・障害者の教育権を実現する会)
角田房子(作家)
鶴見和子(上智大学名誉教授)
* 暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)
直木孝次郎(大阪市立大学名誉教授)
永井憲一(愛知学院大学教授)
永井路子(小説家)
* 中川明(弁護士)
中川李枝子(作家)
* なだいなだ(作家・精神科医)
* 西原博史(早稲田大学教授)
野見山暁治(作家)
朴慶南(作家)
秦恒平(作家・日本ペンクラブ理事)
羽田澄子(記録映画作家)
林 郁(作家)
林 京子(著述業)
林 光(作曲家)
針生一郎(和光大学名誉教授)
* 藤田英典(国際基督教大学教授、前教育改革国民会議委員)
古川純(専修大学教授)
古田足日(児童文学者)
* 増田れい子(エッセイスト)
水島朝穂(早稲田大学教授)
水田 洋(名古屋大学名誉教授)
宮内勝典(作家)
宮田光雄(東北大w名誉教授)
宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)
* 牟田悌三(俳優)
無着成恭(僧侶)
村上 伸(日本キリスト教団代々木上原教会牧師)
室伏哲郎(創作・評論)
* 毛利子来(小児科医)
持田季未子(大妻女子大学教授)
山口二郎(北海道大学教授)
山田慶兒(科学史家)
山中恒(作家)
梁 石日(作家)
吉岡しげ美(音楽家)
吉永春子(ジャーナリスト)
米川哲夫(東京大学名誉教授)
若桑みどり(美術史家)
和田春樹(東京大学名誉教授)


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月18日 00:25 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年01月14日

教育基本法改正原案

「真摯に学習」「愛国心」明記…教育基本法改正原案

読売新聞(1/13)

 政府が、21日召集の通常国会への提出を目指している教育基本法改正案の原案が12日、明らかになった。

 小中一貫教育など義務教育年限の弾力化を進めるため、現行法にある「9年」の年限を削除することや、深刻化する子供の学力低下、若者の無業者(ニート)増加を踏まえた規定を新設することが特徴だ。「学校教育」では、「規律を守り、真摯(しんし)に学習する態度を重視する」との表現を盛り込み、学力低下に歯止めをかけることを目指す。

 焦点の愛国心については、教育の目標として「伝統文化を尊重し、郷土と国を愛する態度を養う」と明記する。

 政府は1月末までに各条文の表現などを最終調整し、自民、公明両党の実務者で構成する「与党教育基本法改正協議会」(座長=保利耕輔・元文相)に提示する。

 改正案の政府原案は現行法の11条に、「生涯学習社会への寄与」「家庭・学校・地域の連携協力」「家庭教育」「幼児教育」「大学教育」「私立学校教育の振興」「教員」「教育振興基本計画」の8条文を追加。現行法の「男女共学」の条文は「教育の目標」に包括し、計18条で構成する。

 「教育の目標」では、「公共の精神の重視」も明記する。義務教育年限は基本法から削除し、学校教育法で義務教育のあり方を新たに定めることにする。将来の改正を容易にして「六・三制」の弾力化論議を加速する狙いがある。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で、「小学校5年、中学校4年」なども認め、区分を柔軟にする検討を進めていることなどを踏まえたものだ。政府は、幼児教育の義務教育化なども将来の検討課題とする考えだ。

 「学校教育」に関する「真摯に学習する」などの表現については、2003年の中教審答申では、「子供に義務を課すことはできない」として見送られたが、日本の子供の学力低下が深刻になっていることなどを考慮し、明記することにした。

 また、若者の無業者「ニート」の急増を踏まえ、「教育の目標」に、将来の生活設計を考える教育を行う文言も盛り込む。学校現場で就業体験学習などを促進させる狙いがある。

 新設の「家庭教育」では、「親は、子の健全な育成に努める」と子供のしつけの重要性を強調。私立学校については、現行の私学助成制度の法的裏付けとなるよう、「国・地方公共団体は振興に努める」と明文化する。

 「愛国心」の扱いをめぐっては、公明党が「国を大切にする」との表現を求め、「国を愛する」を主張する自民党と調整が続いている。政府は、現在の小学生の学習指導要領に「国を愛する心情を育てる」と明記されていることなどから、「愛する」が望ましいと判断している。

 宗教教育については、「宗教に関する寛容の態度」を尊重するとした現行規定を踏襲する。

 ◆教育基本法改正案原案の要旨

 第1条(教育の目的)教育は、人格の完成を目指し、心身共に健康な国民の育成を目的とする。

 第2条(教育の目標)教育は以下を目標として行われる。▽真理の探究、豊かな情操と道徳心のかん養、健全な身体の育成▽一人一人の能力の伸長、創造性、自主性と自律性のかん養▽正義と責任、自他・男女の敬愛と協力、公共の精神を重視し、主体的に社会の形成に参画する態度のかん養▽勤労を重んじる▽生命を尊び、自然に親しみ、環境を保全し、良き習慣を身につける▽伝統文化を尊重し、郷土と国を愛し、国際社会の平和と発展に寄与する態度のかん養。

 第3条(教育の機会均等)国民は、能力に応じた教育を受ける機会を与えられ、人種、信条、性別等によって差別されない。

 第4条(生涯学習社会への寄与)教育は、学問の自由を尊重し、生涯学習社会の実現を期す。

 第5条(家庭・学校・地域の連携協力)教育は、家庭、学校、地域等の連携協力のもとに行われる。

 第6条(家庭教育)家庭は子育てに第一義的な責任を有するものであり、親は子の健全な育成に努める。国・地方公共団体は家庭教育の支援に努める。

 第7条(幼児教育)幼児教育の重要性にかんがみ、国・地方公共団体はその振興に努める。

 第八条(学校教育)学校は、国・地方公共団体及び法律に定める法人が設置できる。規律を守り、真摯(しんし)に学習する態度を重視する。

 第9条(義務教育)国民は子に、別に法律に定める期間、教育を受けさせる義務を負う。国公立の義務教育諸学校の授業料は無償とする。

 第10条(大学教育)大学は高等教育・学術研究の中心として、教養の修得、専門の学芸の教授研究、専門的職業に必要な学識と能力を培うよう努める。

 第11条(私立学校教育の振興)私立学校は、建学の精神に基づいて教育を行い、国・地方公共団体はその振興に努める。

 第12条(教員)教員は、自己の崇高な使命を自覚し、研究と修養に励む。教員の身分は尊重され、待遇の適正と養成・研修の充実が図られる。

 第13条(社会教育)国・地方公共団体は、学習機会の提供等により振興に努める。

 第14条(政治教育)政治に関する知識など良識ある公民としての教養は、教育上尊重される。学校は、党派的政治教育、政治的活動をしてはならない。

 第15条(宗教教育)宗教に関する寛容の態度と一般的な教養ならびに宗教の社会生活における地位は、教育上尊重される。国公立の学校は、特定の宗教のための宗教教育、宗教的活動をしてはならない。

 第16条(教育行政)国は、教育の機会均等と水準の維持向上のための施策の策定と、実施の責務を有する。地方公共団体は、適当な機関を組織し、区域内の教育に関する施策の策定と実施の責務を有する。

 第17条(教育振興基本計画)政府は、教育の振興に関する基本的計画を定める。

 第18条(補則)この法律に掲げる諸事項を実施するため、適当な法令が制定される。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月14日 01:47 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年01月13日

教育基本法改正、与党中間報告の問題点(改訂版)

教科書情報資料センター
 ∟●与党中間報告の問題点(改訂版)

与党中間報告の問題点(改訂版)

 2003年3月20日、中央教育審議会が教基法「改正」の答申を出し、その後、与党による協議が積み上げられ、04年1月、正式に「教育基本法改正に関する協議会」の名前で協議を進めることが合意され、6月20日に与党の「中間報告」がまとめられた。

 この与党中間報告を読むとき、自民党と公明党の間に、「愛国心」と「宗教教育」をめぐる対立ほかを残しているとはいえ、すでに根本的な点で改悪へと踏み出したことは重要である。その内容を別表に掲げておいたが、削除されようとしている点を条文の順に従って要約すれば、以下のようである。

 ①憲法と教基法の有機的結びつき、②平和的国民の形成という目的、③個人の尊厳と価値、④学問の自由の尊重、⑤平等主義教育の課題、⑥部落差別の撤廃、⑦九年の義務教育制、⑧男女共学、⑨教育の公共的性質、⑩教育の自立性などである。

 また、今回新たに加えられようとしているのは、a道徳心の涵養、b公共の精神、c伝統文化の尊重、d「愛国心」ないし「国を大切にする」こと、e能力に応じた教育、f大学・私学・幼児教育、g家庭教育の第一義的責任、h生涯学習、i教育行政の教育内容への責務、j教育振興計画などである。

 これらの特徴をさらに要約するならば、第1に、現行の教基法は、平和憲法の制定を承け、平和的国民の育成をうたってきたのだが、今回その基本方向を否定し、代わりに盛り込もうとしているのが「愛国心」ないし「国を大切にする」である。

 また第2に、戦後教育の目標とした重要な価値観としてあった個人の尊厳、学問の自由、部落差別の撤廃などを削除し、今回、これらに代わって加えられようとしているのが、道徳心、公共の精神、伝統文化などである。個性・知性・人権を抑制し、戦前的価値観への逆戻りである。

 さらに第3に、戦後教育のシステムの基礎となってきた平等主義教育、それを支える9年間の義務教育と男女共学の条項が抹消され、代わりに加えられようとしているのが、能力に応じる教育、大学・私学・幼児教育の規定である。教基法第3条には、これまでにも能力主義教育を容認するとの批判が一部あったが、それを制御する役割を果たしてきたのが「ひとしく」であり、その文言が削除されようとしている。「能力に応じた教育」のみになった意味はきわめて大きなものとなろう。

第4は、教育において家庭教育の第一義的責任が加えられたことの意味である。これまで学校教育は、家庭教育の不備をも補うものと考えられていたが、そうした側面を否定し、教育の多くの側面を家庭教育へと移行させ、公教育から排除してよいと認めたことを意味しよう。教育改革を唱えながら、実質は公教育が負担する部分を切り捨て、スリム化が目指されているというべきだろう。いっぽうで「家庭、学校、地域等の連携」もうたわれてはいるが、右の基本から生じる弊害を補うものとしか考えられていないようである。

 そして最大の注目を要する変化は、教育の公共性と自立性が全否定されたことである。教基法の特徴は、「国民全体に対し直接に責任を負」(第10条)うという基盤の上に打ち立てられていることに特徴があり、それが教育の「公共性」、教員の「全体への奉仕」(第6条)の意味するところであるとともに、不当な支配を排除する教育の「自立性」(第10条)を保障する必要性が導き出され、教育行政の権限というものは、狭く条件整備に限定されてきた(第10条第2項)。

 それらが今回削除され、反対に教育行政による責任と義務が大きくとりあげられ、その中には「教育水準の維持」が盛り込まれていることから、教育内容への行政の責務が入ったと見るべきだろう。国家による教育権の明確化であり、そこから「不当な支配」の主体は、これまでの国家などから、労働組合であったり市民運動などへと変わり、意味内容を180度転換することになる。

 最後に、振興計画の盛り込みについても理解しておく必要がある。これは教育に限らず、他の分野でも同じだが、現在の国家機構の仕組みでは、基本法と振興計画を結びつけることで、国家予算の確保をほぼ自由にできる権限を担当省庁に発生させることになる。文部科学省が、教基法の改訂を推進してきた主な動機は、行政改革のもとで省庁のスリム化が求められている中、自らの省益を保護し権限を確保する有力な方法として、教基法の改訂により、この部分を獲得しようとしてきたからにほかならない。……



「現行教育基本法と与党中間報告の対照表」は省略。上記URLを参照して下さい。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月13日 01:15 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年01月11日

学校に自由の風を! 日比谷公会堂大集会

澤藤統一郎の事務局長日記 2005年01月10日(月)より

学校に自由の風を! 日比谷公会堂大集会 

学校に自由の風を! の運動体が主催する、「変えよう! 強制の教育」の大集会。2000用意したプログラムが、ほぼなくなったという盛況。日比谷公会堂の一階はぎっしり人で埋まり、2階席もほぼ満席。私は、2階席の最後尾、最上段で舞台を見下ろした。これなら、都議選で3悪人らを落とせそうにも思うのだが…。

今日は右翼がやって来るという事前の触れこみで、弁護団から6名が警備を担当した。幸い右翼の来訪はなかったが、これ見よがしにカメラをぶら下げた私服警官が10人以上。トラブルはこちらの方と。平穏な集会を妨害する犯罪行為あった場合にだけ、警察の出番となる。右翼が来ないのだから、本来警察の出番はない。しかし、集会の参加者を盗み撮りするのが彼らの仕事。それをやめさせるのが私たちの仕事となる。

警察の監視の下では、市民が集会に参加しにくくなる。彼らの狙いはそこにあるのだろうが、少なくとも撮影はさせない。肖像権の侵害になるからだ。犯罪が行われていない場面での警察の写真撮影は原則違法である。

最高裁大法廷判例(1969.12.24、京都府学連事件)は次のとおり。
原則「警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し、許されないものといわなければならない」
例外「現に犯罪が行なわれもしくは行なわれたのち間がないと認められる場合であつて、しかも証拠保全の必要性および緊急性があり、かつその撮影が一般的に許容される限度をこえない相当な方法をもつて行なわれるとき」

集会のプログラムはいつものことながらセンスがよい。一人に長時間しゃべらせることをしない。多くの人が、それぞれの現場から、それぞれの個性にあふれた訴えをする。報告は、良くできた朗読劇やコント仕立て。そしてメインは、高橋哲哉さんの20分の「今こそ教育に自由を」という講演。以下は私流の理解。

平和・平等というこれまでの公理的な価値が貶められようとしている。自由もである。教育は本質的に自由を伴う。学校は自由な場所でなくてはならない。その自由が危殆に瀕している。

スクールの語源は、ギリシャ語で「暇」を意味するスコーレーに由来する。自分の頭でものを考えるということは、本質的に何ものにも束縛されない自由な市民の特権であった。この市民が、古代の民主制を支えた。その人たちが集うところがスクールの起源である。

教育は、国家の束縛からも、産業社会の制約からも、自由でなくてはならない。個人が、自らの感性で自然や社会を相対化して見つめる余裕がなければならない。新自由主義のいう競争的「自由」は、実は欺瞞的な反自由でしかない。

教育の自由を圧殺した戦前の教育体制への反省から、教育基本法10条は行政の教育への不当な支配を禁止した。ところが、今、その教育基本法が改悪の寸前ある。自・公の連立与党改悪案では、「教育『行政』は不当な支配に服することなく…」と改めるという。これは、市民の行政批判を封じることではないか。

自分の子どもをフランスの小学校に通わしたことがある。入学式も、卒業式もない。みんなを集めて国歌を歌わせるという発想がそもそもない。日本は、中央集権国家体制を形成する過程で、がんじがらめの儀式を重視した。憲法が変わっても、儀式重視は生き残り、今再び戦前どおりに復活しようとしている。

いま、その局面で苦難を強いられながらも頑張っている、あるいは迷っている、教師・保護者の皆さんに、内村鑑三の言葉を借りて連帯のメッセージを送りたい。1891年彼が不敬事件としての攻撃を受け、失意の中で米国の友人に宛てた書簡の一節。かれは、次のように自分を励ましている。
「僕は信ずる。政治的自由と信教の自由とは、かかる試練なくしては購われざることを。…いざ、われらをして、たたかいに行かしめんことを」

高橋さんはよい人だ。「法と民主主義」10月号を買ってくれた。進呈しようかと一瞬弱気になったが、ちゃんと1000円支払ってくれた。こういう人とは、仲良くしたい。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月11日 00:33 | コメント (0) | トラックバック (0)
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中山成彬文科相に聞く 教育基本法改正 学習の動機はぐくむ

産経新聞東京(01/09)

 ■生命・先祖へ感謝大切 授業時間の削減は問題
 義務教育費の負担をめぐる三位一体改革での議論や、児童生徒を巻き込んだ凶悪犯罪が目立った昨年が終わり、平成十七年は教育基本法改正や義務教育の制度改革など日本の教育をめぐる大きな転機が控えている。新年にあたり、「国家百年の計」である教育のかじを取る中山成彬文部科学相に聞いた。(豊川雄之、田中万紀)
 --教育行政の今年の課題は
 中山 教育基本法改正、学力向上、教員の質の向上、現場主義を二年間で仕上げることを目標にした。特に義務教育改革は大きな課題だ。
 国際調査で子供の学力が低下傾向にあるとの結果が出たことは、率直に認めなければならない。「ゆとり教育」は間違っていなかったが、本来の趣旨や目的が実現していない。要は子供が勉強しなくなったということ。なぜ勉強しなければならないのかという動機がない。「学校を出たら仕事を持って社会に貢献する」という意識づけを行う教育にしたい。
 (こうした問題点は)文部科学省も認めたがらなかった面もある。義務教育はくるくる変えるものでもないが、時代の流れは非常に早く、守るところは守り、変えるところは変えるべきだ。
 --昨秋、義務教育改革私案「甦(よみがえ)れ! 日本」で、学力テストの実施や教員の免許更新制などを打ち出したが
 中山 学力テストが先にありきではない。どういう子供が育っているかチェックする観点から必要と思う。
 これから子供に一番求められるのは、夢と希望を持って時代を切り開くチャレンジ精神だ。学校が地域の伝統や歴史を踏まえ、その地域ならではの教育をしてほしい。独特のカラーを持つ子供を育てることが日本の発展のカギだと思う。
 そのためには、何より先生が大切。教員免許更新制、(教員養成の)大学院構想の目的もそこにある。先生について悪い話題ばかりが注目を浴びるが、ほとんどの先生は一生懸命やっておられる。まだまだ日本の先生だ大丈夫だと思っているが、現状に甘んじてはいけない。
 --学習指導要領の見直しは
 中山 しょっちゅう変えてはいけないが、随時見直す必要はある。
 (教育内容が三割減の)指導要領は本来、先生の創意工夫が生かされるようになっているが、「ゆとり教育」の趣旨が履き違えられ「指導要領の内容を教えればいい」となってしまっている。むしろ授業時間は確保して、個人に対応して繰り返し教えたり、念入りな指導をするということでなければいけなかった。教科内容削減と同時に、授業時間まで削減したのが問題だ。
 --子供の心のあり方にかかわる教育基本法の改正で「愛国心」の表現が議論になっている
 中山 改正法案の提出は、できるだけ早くしてもらいたい。「愛国心」の表現は、与党で協議してもらっているが「国を愛する心」でなぜいけないのかと思う。この世に生を受けてありがたいと思う気持ちが、家庭を愛し、故郷を、国を愛する気持ちにつながる。「国を愛する心」でまとめていただきたい。
 祖先を十代さかのぼると、遠い祖父母は千人を超える。その一人でも欠ければ今の自分はいない。命の流れが自分にきて、自分がある。だからこそ自分の命と同時に、他人の命を大事にしなければならない。教育基本法でも命の大切さをうたうのが基本。自分が生まれたこと、先祖が豊かな日本を作ってくれたことに感謝する心を養うことだ。
 --そうした教育のため、学校や家庭に望むことは
 中山 学校には「これぞ自分たちが育てた子供だ」と胸を張って世の中に送り出していただきたい。
 義務教育には二つの側面がある。国の形成者として社会に貢献できる子供を育てる面と、子供が一生を有意義に生きるための土台づくりだ。校長先生はじめ先生方には使命感をもって取り組み、創意工夫して子供を育ててもらいたい。
 家庭・地域も大事だ。「甦れ! 日本」でも「ほめよう、しかろう、励まそう」と標語を掲げた。世界に生きていく子供たちにとっては国際競争の時代。近隣諸国に負けない子供を育てるよう、励ます家庭であってほしい。
 地域に望むのは「他人の子供は自分の子供」ということ。子供は社会の宝であり国の宝。みんなで育てる気持ちを持ってほしい。
 --子供たちにメッセージを
 中山 日本に生まれたありがたさを感じ、「日本に貢献する自分になるんだ」と毎日の勉強をして、「将来何になるんだ」という夢を持ってほしい。夢を持てば、がんばろうという気になる。
 とりわけ、本や新聞を読んでほしい。私は小学生のころから、分からないことも含め隅から隅まで新聞を読んでいた。活字を通じていろんな生き方や考え方に触れられ、世の中のことも理解できる。私の家も豊かじゃなかったけれど、本だけは最大限の努力をして買ってくれた。ありがたかったと思っている。
 今は努力すれば何でもできる時代。持って生まれた可能性を十分花開かせる努力をして、一日一日が勝負だと思いながら生活してほしい。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年01月11日 00:27 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年01月08日

教育基本法改正問題、広がる「愛国心なし」決議から見える可能性

教科書情報資料センター
 ∟●広がる「愛国心なし」決議から見える可能性

広がる「愛国心なし」決議から見える可能性
--「改悪反対等」決議はついに400を突破!

  「改悪」推進決議も都道府県段階中心に「倍増」

 教育基本法の改悪決議が、9月・12月議会で、どの程度増えるか注目されていました。前回9月末の集計と比較すると、今回は141増えて280となりました。なんと倍増です。彼らも追い上げています。これに対して改正反対ないし慎重審議を求める決議も、前回より37増えて415に達しました。

 今回の改悪推進決議の特徴として、都道府県議会の決議が多いことです。そのため、単純に数だけで比較することに意味ないのでは、という疑問が起こるかもしれません。しかし、地方議会の選挙制度を考えてみるとよくわかりますが、市町村議会決議の方が「民意の反映」という点で都道府県議員より忠実であることを知っておくことが大切でしょう。
 
 ご承知のように、市町村議会の選挙は、一部の大都市をのぞき、大選挙区制をとっています。つまり、一つの選挙区の中で、得票数の多い順に定員の数だけ当選する仕組みになっているのです。こうすると、いわゆる「死に票」の数は、落選した候補者に入れられたわずかの票に限られます。地方議会に市民派議員が多数いる背景は、このようなところにあります。

 ところが、都道府県議会の選挙は、一人から数人を選ぶ小選挙区ないし中選挙区になっています。つまり、現在の国会議員選挙に近い形なのです。そのため、「死に票」が半数近くなる場合もしばしばです。民意が切り捨てられ、反映しにくい構造なのです。

 改悪推進派は、また彼らの戦略として、都道府県でまず決議をかちとり、その勢いで市町村決議へ、という方針を現在とっています。今回の決議にはそれが反映している面もあります。そうした方法を彼らがとる理由としては、自民党中央の意向が届きやすく、民意が反映しにくい都道府県議会のほうが、改悪決議をかちとることがより簡単だからです。また、自民党が過半数を握っている議会も多いことがあります。その意味では今後、攻防が市町村段階へ移っていくことが予測されます。2005年の3~6月議会は、それが大きな焦点になるでしょう。

  近づきつつある右派決議の限界点

 今回の決議の特徴は、公明や民主に妥協した決議が増えていることです。これは、自民系が議会の単独過半数を失っているような場合、起こりがちですから、これまで決議に失敗してきたところで、これから増えていくことが予想されます。

 その結果、今回、二つの変化が決議の内容に起こりつつあります。第一は、これまで「教育基本法を早期に改正をされるよう強く要望する」(千葉県議会)など、「早期改正要求」が主流でした。ところが今回、「国民的な議論を尽くしながら改正が行われるよう強く要望」(北海道議会)とか、「教育基本法改正について徹底議論されることを要望する」(広島県議会)、または「教育基本法への国民的議論がおこなわれるよう」(大阪市議会)と「早期改正」はおろか「改正」の言葉さえない決議まで出現しました。はては「慎重に審議し・・徹底的な議論のもと教育基本法を改正」と、いったい「慎重審議要求」なのか「改正促進」なのかわかららないような決議さえ生まれました。

 第二は、これまで「国を愛する心」(<和歌山県><千葉県><岡山県><鳥取県>議会など)が意見書に盛り込まれていたのですが、公明党が2004年6月の与党中間報告で主張した立場が反映し、「(祖)国を大切に」(<北海道><摂津市>議会)という表現さえ盛り込んだ決議が登場しました。あるいは「愛国心抜き」決議(<大阪市><島根県><広島県><福岡県>議会)が広がっています。

 これらの決議も改悪決議への流れを作るものとして、私たちは阻止の運動を進めていかねばならないことはもちろんですが、全国の決議内容を逐一分析するとき、右派の改悪決議運動は、その推進力のみならず内容においても、限界点に近付きつつあるといえます。これからは、すべての決議内容を厳密に分析して、いったい何が国民世論であるか解明することが必要になるでしょう。
 
 中央で行き詰まりの好機

 右派の行き詰まりは、中央でも顕著です。「三位一体改革」にともなう「義務教育費国庫負担制度」の廃止をめぐって、これまで教基法の改悪を推進してきた勢力が分裂しているからです。この改革は、子どもたちの教育を保障する観点から見ると問題が多くありますが、右派からみても教育の国家主義的な統制を弱めるものと見なされています。たとえば教基法改悪運動の中心を担ってきた高橋史朗・民間教育臨調運営委員長は、この改革に反対し、「義務教育に対する国の責任は明確にするべき」「教育基本法改正論議を大幅に遅らせる」(『日本の息吹』04/12号)と批判していますし、彼らの理論的な支柱になってきた小堀桂一郎・東大名誉教授も「教育が地方分権の原則の下に運営された場合、それぞれの地方の個性が掲げる教育原理よりも(国の教育が)下位の次元に貶(おとし)められ」(産経11/22)る、と反対しています。

 ところが、同改革を推進するのは総務省です。その中心は麻生太郎大臣で、彼は教基法改悪運動の中心=日本会議による「日本会議国会議員懇談会」の会長でもあります。やはり教基法改悪を推進してきた森喜朗前総理などは、教基法の改悪にとって「改革」は許せないと、麻生・小泉両氏を激しく批判しています。自公で推進してきた「教育基本法改正に関する検討会」の保利耕輔座長も、この「改革」で教基法「改正案の議論は振り出しに戻らねばならない」(共同12/4)と主張しています。すると、森氏がその翌日、教基法改正案を2005年の「通常国会に出したい」(産経12/5)と応じるありさま。教基法の改悪を推進することで、むしろ三位一体「改革」を阻止できるとしています。

 ただ、この様子だと、2005年の秋に中央教育審議会で上記「改革」について義務教育費の結論が出されるまで、法案上程延期の可能性が少し出てきました。そうした事態を阻止するためにも、右派は地方議会で、内容無視の、あせった決議運動を推進しているのです。私たちは、ここに生じた時間的余裕を生かし、今、急ぎ国会と地方議会への働きかけを強めれば、教基法改悪阻止の可能性も大きく開かれることでしょう。


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2005年01月07日

年内に教育基本法改正 靖国参拝の必要性明記 自民党運動方針案

北海道新聞(01/06)

 自民党が18日の党大会で採択する2005年運動方針案の全容が6日明らかになった。教育基本法の今年中の改正実現を明記するとともに、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に対し中国が強く反発している中で、党として参拝の必要性を訴えているのが特徴だ。

 一方、首相が推進する郵政民営化については、「郵政改革」との表現を使い、今後の政府との協議を通じ「最終的な判断を行う」との考えを示すにとどまり、党内の民営化反対派に配慮する形となった。

 同方針案は、外交・安全保障分野で、北朝鮮による拉致問題について「速やかに事態の改善がない場合は、厳しい制裁措置の発動を推進する」と強調。北方領土問題については「政権政党の威信をかけて解決を目指す」と表明、国民世論を喚起するため今年3月、北海道で「北方領土研修会」を開催することを提起した。


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2004年12月20日

法改正、教科書問題から平和憲法の役割考え 左京で市民集会

京都新聞(12/19)

 憲法、教育基本法の改正や教科書をめぐる問題について考える市民集会「つくる会教科書NO!京都府民の会」が19日、京都市左京区の京大会館で開かれ、参加者は意見発表や講演を通して平和と人権について考えた。

 来年度が中学校の教科書の採択年にあたることから、外交問題にもなった「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書(扶桑社発行)の問題点を指摘し、真の国際理解と平和憲法の役割を考えようと、教職員の組合や在日コリアンの団体などが企画した。

 集会には約120人が参加した。同教科書をめぐる動きが報告された後、市民代表が意見発表。東アジアの若者と交流した高校生は「アジアの平和と友好のためには、歴史事実を知ることが大切」と主張した。

 講演した小森陽一東京大教授は「今、米国の権益を守る戦争が日本に『外注』されつつある。この戦争で、お国のために死ねる子どもをつくるのが教科書の狙いだ」と厳しく批判した。


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2004年12月02日

教育基本法早期改正を 文科相

産経新聞(11/30)

 誇りある国づくりをめざし国民運動を展開する日本会議や「日本の教育改革」有識者懇談会などが主催する「教育基本法改正を求める中央国民集会」が二十九日、東京・日比谷公会堂で約二千三百人が参加して開かれた。

 中山成彬文部科学相は「できることなら、来年の通常国会にも改正法案を提出したい」とあいさつ。「義務教育費のあり方は、教育基本法にも影響する。法案提出ができてこそ、来秋までに中教審で義務教育国庫負担の問題を取りまとめることができる」とも述べ、政府の三位一体改革を推進するためにも教育基本法の早期改正をめざす意気込みを示した。


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2004年11月29日

日本私大教連、第17回定期大会特別決議「日本国憲法、教育基本法の改悪に反対し、日本の平和と民主主義を守ろう」

日本私大教連

日本国憲法、教育基本法の改悪に反対し、日本の平和と民主主義を守ろう

2004年11月21日
日本私大教連第17回定期大会

いま、戦後日本の平和と民主主義の礎を築いてきた日本国憲法と教育基本法を改悪しようとする動きが急速に強まっています。

日本国憲法は、戦前日本がアジアを侵略し、2000万人にものぼる犠牲者を出してしまったことへの反省の上に立って、戦争の違法化、人間の尊厳、基本的人権の擁護を掲げて制定されました。特に憲法9条は、戦争放棄、戦力の不保持、国の交戦権の否認を明文化して、「政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないやうに決意」しました。

ところが、日本政府は、日本国憲法の平和と民主主義の枠組みをはずして、大幅な改悪を進めようとしています。11月16日、自民党憲法調査会は、憲法改正草案大綱の原案を明らかにしました。その中では、「個別的、集団的自衛権の行使をするための自衛軍の設置」や「国際貢献活動のための武力行使の容認」を定めるとともに、天皇を「日本国の元首とする」と明記するなど、現行憲法が掲げる平和と民主主義を、真っ向から否定する改正条文を提案しています。こうした憲法改悪の動きは、日本国憲法の存在がアジアにおける戦後の日本の立場と発展を支えてきた事実を否定することはもとより、日本とアジアの痛ましい歴史を何ら省みることのない愚行です。

 日本国憲法改悪の動きと並行して、教育基本法改悪の動きも進んでいます。今年6月、自民党と公明党の与党で構成する「与党教育基本法改正に関する検討会」が、中間報告をまとめました。報告では、検討の前提として「一部改正ではなく、全面改正を目指す」ことを明確な目的にしています。その上で、教育の目標に「国を愛し」「国を大切に」するという愛国心の精神を掲げています。さらに、戦後の民主教育の根幹である「教育の機会均等」、経済的地位による教育上の差別の禁止から、大きく後退する考えを示しています。しかし、「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」教育基本法の理念こそが、これまでの、そして、これからの21世紀社会の発展とそれを支える人材を育成する上で必要不可欠なのです。

 いま大切なことは、日本国憲法と教育基本法を正面から掲げて、平和主義の精神を日本から世界に向かって発信することです。憲法9条に示された内容は、国際的にも高い評価を受け、国連もミレニアム宣言で、憲法前文にある「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏を免れ、平和のうちに生存する権利」の理念を、各国が採用することを求めています。国内では、知識人・文化人の呼びかけによる「憲法9条の会」が発足し、全国各地で活動を展開するなど、平和と民主主義を守ろうとする人々の自発的な活動が大きなうねりになりつつあります。

 私たちは、日本国憲法を改悪して、海外での軍事行動をおこなういかなる体制づくりも許すわけにはいきません。私たちは、教育の現場で働く教職員が先頭に立って、平和と民主主義の日本国憲法と教育基本法を守る全国民的な運動に参加することを強く呼びかけます。

同定期大会特別決議「イラクからの自衛隊撤退を要求する決議」(2004年11月21日)

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2004年11月07日

教育基本法「改悪」と反対 東京で5千人全国集会

朝日新聞(11/06)

 政府・与党が法改正の手続きを進めている教育基本法をめぐり、教職員組合や市民団体が「改悪をとめよう!全国集会」を6日、東京の日比谷公園大音楽堂で開いた。5000人以上が集まり、「憲法9条の改悪に直結するもので、全力で阻止する」とのアピールを採択。閉会後に東京駅周辺をデモ行進した。

 集会では、卒業式での君が代斉唱時に起立せずに東京都教委から処分を受けた教職員や、宗教関係者、学生、広島の被爆者らが、それぞれの立場から現状を報告した。

 あいさつに立った福島瑞穂・社民党党首が「教育は国家のためにあるのではない。なんとしても改悪の法案上程を阻止する」と述べると大きな拍手がわいた。小森陽一・東京大大学院教授は「お国のために命を投げ出そうとする人間に仕立て上げることが教育基本法を変える狙いだ」と訴えた。


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