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 カテゴリー 任期制

2004年09月03日

北九州市立大、第6回法人設立準備委員会 教員再任用制度(案)

北九州市立大学法人設立準備委員会HP
 ●第6回審議資料
 ●第6回会議要旨

4 任期と再任(ひとつの例)
現行の昇任基準、他大学の状況等から、本学の任期と再任回数を次のように設定する。

          再任用制度(案)   区分
             任期     再任
テニュア型教授
(上級教授)       一     一
教授           5年   1〜2回
助教授          5年   2回まで
講師           3年   1回まで
助手           3年   1回まで


第6回北九州市立大学法人設立準備委員会議事録

1 教員再任用制度(案)

……

○教育研究の高度化のためにはクリエイティブなものが求められ、その担い手である教員がどう動くかが全体の活力に大きく左右してくるところである。クリエイティブな職務できちんとした成果を出すには、自由度の他に緊張感や競争が必要であり、その意味で、大学運営にとって、教員評価や再任用制は非常に重要なポイントになってくると思う。
 学内では、再任用制が辞めてもらうための道具として受け止められているようであるので、ポジティブな仕組みが制度的にしっかり確立された上で、大学全体として方向性と目的を持って運用されることが大切である。
 また、成果主義を採り入れながら、どういったインセンティブを持たせるのかということも非常に大事である。教員の流動化や教育研究の活性化は、再任用制だけで実現されるものではなく、評価制度とリンクさせながらうまく機能させるべきであると考える。


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2004年09月01日

北九州市立大、「再任用制度」を導入へ 法人設立準備委会合で方針

 北九州市立大学法人設立準備委員会は,8月26日第6回会合を開き,「再任用制度」を導入する方針を示した。下記の新聞記事によれば,この「再任用制度」は「期間を区切り一人ひとりと雇用契約を結ぶ」と表現されている。教授と助教授は5年ごと,講師と助手は3年ごとに雇用契約を結ぶもののようだ。

北九州市立大、「再任用制度」を導入へ 法人設立準備委会合で方針

西部読売新聞(2004/08/27)

 北九州市立大学法人設立準備委員会は二十六日、小倉北区のホテルで会合を開き、教授らの任用について、期間を区切り一人ひとりと雇用契約を結ぶ「再任用制度」を導入する方針を示した。
 同大の五学部のうち、国際環境工学部は、助教授と講師、助手をそれぞれ五年間の任期付きで採用しているが、他の学部には任期制度はなく、定年まで勤務できるようになっている。
 市が示した再任用制度案は、教授らが緊張感を持って研究や指導に取り組むようにするのが目的。事務局の市が、教授と助教授が五年、講師と助手が三年ごとに雇用契約を結ぶように定めている。来年度から文系の大学院に試行的に導入した後、〇七年度から全学部に広げるという。

第6回北九州市立大学法人設立準備委員会[会議のお知らせ]

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2004年08月26日

長崎県公立大学法人設立準備委員会、第2回委員会 中期目標と全員対象の5年任期制

長崎県における公立大学法人設立準備委員会
 ●長崎県公立大学法人設立準備委員会、第2回委員会(平成16年7月29日)
  ●配付資料3(PDF)
  ●別添2(PDF)

長崎県における公立大学法人の中期目標(素案)のポイント

(中略)

V 教育及び研究並びに組織及び運営の状況に係る情報の提供に関する目標

・教育研究の活性化と教員の資質向上の観点に立った教員評価の実施、運用体制の整備及び全般的な評価結果の公表。

※教員評価については、平成17年4月から実施。
評価結果の反映は、段階的に行う。
(神17年度の評価結果から教育研究費の配分に反映
∧神20年度の評価結果から教育研究費の配分に加え、給与、昇任、再任の可否に反映。
(平成17年度〜平成19年度に制度の検証)

別添2

長崎県における公立大学法人の教員の任期制について

項目・制度(案)
‘各の目的 多様な知識又は経験を有する教員相互の学問交流が行われる状況を創出し、多様な人材の受け入れを図ることによって教育研究の活性化を促す。
導入の時期 平成17年4月1日
B仂櫃箸覆覿軌 全教員[適用者]・平成17年4月1日以降の新規採用教員・承継教員で任期制への移行に同意する教員
ぢ仂櫃箸覆覿軌藐Φ譱反 大学に置くすべての教育研究組織(全学部、全学科、全附置機関)
ヂ仂櫃箸覆訖Π漫,垢戮討凌Π(教授、助教授、講師及び助手)
ηご 5年※ただし、特段の事情がある場合を除き、現行制度における定年年齢(教授、助教授及び講師については65歳、助手については60歳)を超えて任期を定めることはできない。
Ш毒い硫槌檗再任回数
・教授再任可(回数制限なし)
・助教授・講師・助手再任可(1回まで)→同一職位に最大10年間
任期途中の昇任 任期途中の昇任も可能※任期途中で昇任した場合、昇任前の職位としての残任期間にかかわらず、昇任後の職位としての任期が新たに始まるものとする。
再任の可否の判断
 <時期>任期最終年度の4〜5月頃までに判断
 <基準>勤務実績が著しく不良である場合、又は教員としての適格性を著しく欠く場合を除き再任する。」とし、具体的には別途構築する教員評価制度の評価結果を用いて判断する。※教員評価結果の反映については、平成20年度の評価結果から反映させる。
再任評価結果に対する異議申立 異議申立の制度を構築
給与 当面、現行制度による。
その他 
・任期制適用者には、教育・研究休暇(休職)制度を導入する。
・任期満了による退職の場合、任期制適用者は退職手当受給率において優遇となる。

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2004年08月25日

北九州市立大法人設立準備委員会、全教員任期制を検討 「本当に生まれ変わるかどうかの一番シンボリックなポイント」

北九州市立大学法人設立準備委員会
 ●第5回北九州市立大学法人設立準備委員会議事録 会議要旨(2004年7月26日)

1一(2)任期制(案)

(組織運営分科会長から、追加資料「組織運営分科会での議論任期制について」の説明)
○大学が積極的に導入をしようとする限り、任期法の文言については、前向きにどのようにでも解釈できるものと言えないか。任期法制定当初は慎重論もあったが、それから時間も経過し、任期制導入の大学も増えている。北九大の場合、大学のビジョンが固まれば、十分これに該当するものとして導入できると思う。
○教員の雇用形態として選択肢が広がる制度と理解してよいのか。例えば、地域性の面から、北九大で導入した場合、優秀な教員が集まりやすくなれば良いし、逆に他大学へ流出してしまう恐れがあっては困るし、そのあたりをどのように考えるのか。
○教員の流動化は、インセンティブと大きく絡んでくるものと考えている。北九大に、任期制を上回るインセンティブが十分あるかどうかに係ってくるものと思う。
○例えば、任期中に成果を上げることができなかった場合、途中で雇用関係を打ち切ることになるのか。
○任期が5年の場合、再任審査のための評価は、5年後に急に実施する訳ではなく、それまでの過程においても評価制度をうまく活用し、教員をエンカレッジしていきながら全員が良い評価となる
ことを目指して運用されるものと考えている。
○任期制には、教員評価システムとの連動が当然前提にあって、評価が良いのに再任しないことは決してない。現実に、任期到来によって全教員が入れ替わることは考えられないことであるし、また、立派な教員ばかりであれば、全員、再任される。
○任期制を導入する場合、雇用が短期的になることから処遇を良くしていくことは考えているのか。
○その点では、サバティカル制を取り入れることが処遇として魅力的であると思う。
【委員長】今までのような雇用形態を望む人には、サバティカルは適用されない。そういう点も踏まえて、任期制について先生方にしっかりと考えていただきたい。全体の方向性として、前向きな制度として導入しようとの考え方を持っている。サバティカルは、5年に1回の割合で行っていくのか。
○10%の原資があれば、5年に1回・半年間、全教員に行き渡るものと想定しているが、どういった形で実現できるかは、これからの検討課題である。
【委員長】その場合、財政的な配慮をしてもらう必要があると思うがどうだろうか。
○評価など、新たな取組のために、予算も必要になるものと考えられるが、一つ一つの案件について、財政事情を理由に良い悪いを現段階で言うことはできない。ただし、トータルの議論の中で、法人化後の大学の予算を決めていくため、自ずと出来るものと出来ないものもあるとの意見がある。
○北九大の場合、他大学が導入しているからという理由からではなく、法の趣旨を踏まえ、文系を含めた大学の活性化になるという見通しをしっかりと立てた上で導入していけば良いのではないだろうか。また、再任回数に制限を設けることについては、助教授以下の場合、任期の過程で昇任していくことによりクリアされることが想定されるが、教授の場合は昇任がなく、任期と共に期間満了となってしまうので、慎重に議論していく必要はないか。
○テニュアの観点から見ても、教授への任期制導入に問題があるのか。
○テニュア型ということであれば、解決できる問題かもしれない。
○平成17年4月に一斉導入の方向で検討を進めているが、無理かもしれない。
○北九大の大学改革は、先生方の意識改革なくしてできないものである。先生方に一番身近で、かなり前向きに取組める制度が意識の改革に役立つとの思いから、この際、任期制は導入すべきだと思うし、教授の再任回数は別に考えるとして、全教員を対象にしなければ、大学全体に引き締まった機運を醸成できないのではなかろうか。先程の分科会報告の中で、ソフトランディングの意見もあったが、学部毎に吟味をしっかり行いながら、最終的には、全学に導入していくべきであろう。
○「在り方検討委員会」において、平成17年からの導入がガイドラインとして示されているのは、要するに、法人化して、北九大が本当に生まれ変わるかどうかの一番シンボリックなポイントが任期制だからである。他の法人化を目指している公立大学でも、新たな大学としてどうやって個性を発揮するのかのビジョンを持って取組んでいると聞いている。北九大は、アジアに関係した、これからの時代を先取りできる位置にある大学であり、様々な課題があっても、任期制や評価制度を実施し、新しい大学として生まれ変わるべきである。その意味でも、是非、来年度からの任期制導入を検討いただきたい。
○できれば、平成17年4月には、理想型は無理でも、導入すれば、北九大の改革を大きくアピールするニュースにもなると思う。
○世の中は大きく転換しており、大学もその中に存在している。卒業生として、大学が変革を拒むようではその将来はない気がする。任期制は、教授は別というのではなく、全教員平等に導入する制度とする方が良いと思う。時代背景をもう少し先生方も理解いただいて、大学が発展するような姿を求めるべきではないか。
○前向きな面を運用制度に取り込んで行う任期制は、組織の緊張感を生み、活性化に繋がるものと思われる。導入対象は、全教員一律とし、教授については、最初は再任審査を一度受け、例外的なテニュア型制は、その後に導入することでも良いのではないか。
○分科会でも、一度は教授もチェックがあった方が良いとの意見があった。テニュアとして、組織のコアとなっていく人材の育成のためにもその方が良い。また、是非来ていただきたい優れた教授がいれば、そのための特別待遇の制度も考えるなど、多様な制度によって、今後の流動化が良い方向に動いていくことが望ましいとの意見もあった。
【委員長】今まで出された意見を総合して考えれば、任期制を導入することで進めたいがよろしいか。【委員全員】(異議なし)
【委員長】組織運営分科会で、制度の細部についての検討を進めてもらいたい。


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北見工業大、学生による授業評価と表彰制度 全教員任期制にも反映

学生が選ぶ優秀な教員に7人 北見工大が受賞者発表

東京読売新聞(8/24)

 ◆工夫凝らした教員・グループ3件

 北見工大(常本秀幸学長)は二十三日、学生による授業評価で優秀な教員に贈られる「ベストティーチング賞」と、授業形態や教材などの工夫で、教育改善に効果があった教員やグループに贈られる「エクセレントプログラム賞」の受賞者を発表した。
 同大は二〇〇一年度から、優秀な教員に対し、教育優秀者賞を設けていたが、大学法人化に伴い、ベストティーチング賞に名称を変更、エクセレントプログラム賞は新設された。
 ベストティーチング賞は教員約百二十人を対象にし、学生約千七百人にアンケートを実施。教員の熱意や意欲、黒板の見やすさ、声の聞きやすさなど十二項目について、五段階で評価し、計七人が受賞した。結果は、全教員に実施している任期制にも反映させ、評価が一定以下の場合、改善勧告をするという。
 エクセレントプログラム賞は三件。学内構内情報通信網(LAN)を使い、個人パソコンから授業の復習ができる「e―Learning」の構築や、もの作り教育創造支援などが受賞した。


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2004年08月16日

筑波大、基礎医学系 問題抱えた任期制 同一専攻で待遇に格差

筑波大学新聞
 ●「基礎医学系 問題抱えた任期制 同一専攻で待遇に格差」(2004年6月7日)

 研究の活性化を目的に、全学に先駆けて02年度から任期制を導入した基礎医学系で任期制の問題が再燃している。法人化に伴う研究組織が再編される中で問題は生じた。
 従来、学系に属していた人事や予算などの権限が法人化後、博士課程研究科に移されたため、学系の任期制が、問題を抱える状態になった。後藤勝年・人間総合科学研究科長(基礎医学系教授)は「早急に対応策を考えたい」と話す。
 問題が明らかになったのは2月。同学系では、教授7年、助教授6年、講師5年の任期を定めていたが、法人化で教員の身分は国家公務員から法人職員に変わった。これを受けて、民法で定める上限の5年を任期として、新たに労働契約を結んだ。5年後、再任するかどうかは、再任評価委員会が各自の自己目標を判断して決める。現在、自己目標と判断基準の見直しが進んでいる。
 3月になって、各教員に同意書の再提出を求めたが、68人中8人の教員が提出に応じなかった。太田敏子同学系長(人間総合・教授)は「性急な話だったため、理解が得られなかったのではないか」という。
 この問題について、民間病院で勤務した経験を持ち、任期制の起草委員も務めた大前比呂思講師(同)は「期間の定めのある労働契約は、人員削減のための更新拒否を適法とする判例がある」と身分上の不安定性を指摘する。同学系の教員は人間総合科学研究科の各専攻に分かれ、他学系の教員とともに研究している。大前講師は、各専攻で教員を削減することになると、任期制の教員が不利な扱いを受けるのでは、と懸念を示している。
 そうした懸念に配慮するため、後藤研究科長は「人間総合では、学系機能を残す」と述べ、太田学系長も「医学の3学系はそれぞれ役割分担してきたので、改組後も、人事について専攻長と連絡を密にとってゆく」と説明する。だが、組織的に文書を取り交わすなど、正式なシステム作りは今後の検討課題だと話す。
 中期計画でも「教員定員の一部については任期制とし、その拡大を図る」と明記されており、任期制の問題は、今後も難しい問題として議論を呼びそうだ。

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2004年08月12日

新潟大職員組合、教員の「任期制の導入」をインセンティブ経費(総額5千万円)の評価項目とすることは不見識である

新潟大職員組合ホームページ
 ●新大職組新聞「速報版No.54」(2004年7月26日)

教員の「任期制の導入」をインセンティブ経費(総額5千万円)の評価項目とすることは不見識である

 本年度「学長裁量経費」のうち、5000万円が「インセンティブ経費」にあてられています。各部局での実質的研究教育費が減らされている中、この経費も各部局の研究・教青等の充実に資するよう公正・適切に配分されることが求められます。
 本年度の5000万円は表のように、「教育」に1500万円、「研究」に3000万円、「管理運営」に500万円となっています。このうち、特に問題なのは「管理運営」において、教員の任期制制度導入や、任期制在職者割合を評価項目に加えていることです。そもそも「任期制」は「大学の教員等の任期に関する法律」にもとづいて、限定的に遭用されるものであって、部局の性格などによってもその適用性が異なるものです。まして任期制教員の割合が高いからといって経費配分においていたずらに評価されるぺきものではありません。むレろ雇用の安定性や研究・教育の継続性から考えて、全員が任期制教員である方が心配です。さらに今回の配分では入試などと直接関係のない社会連携推進機構(8万8千円,総額のO.18%)、学術情報基盤機構(2万3千円、同O.06%)教育学生支援センター群(9万3干円,同0.19%)、研究支援センター群(6万2千円,同0.12%)と極めて低額の配分で、とても公正な配分方式とはいえません。ちなみに総額の5000万円を仮に教員当たりに換算すると1人当たり約4万円となります。また部局に配分されたインセンティブ経費が有効に使用されるよう,議論をつくすことも重要であると考えます。


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2004年08月03日

山梨大学長吉田洋二氏、「教員の任期制 全員に適用するのは難しいと思う!」

吉田洋二さん(ウイークリーインタビュー 会う聞く記す)/山梨

朝日新聞(2004/07/27)

 国立大の法人化
 これからの大学、どう変化させていきますか

   *
 ――国立大学の法人化からまもなく4カ月。今後6年間の運営指針となる中期計画では外部資金や自己収入の増加に触れています。
 「国から配分される運営費交付金が、来年度から1%ずつ削減される。大学の規模は変わらず、予算は減る。削減分をどうするか考えていかないと。外部資金の調達方法としては、まず国の研究費。産学・産官学連携を進め、大学の知的資源により獲得する方法もある。授業料や受験料といった自己収入もあります」
 ――授業料の値上げは考えていますか。
 「今のところは考えていない。多くの学生に受験してもらい、学生が良いところに就職し、知名度を上げてもらう。継続して多くの学生にやってきてもらえるように、全国的に優秀な学生を集め、ブランド力を上げていくことが必要です。大都会と地方では格差があり、その地域格差を超えて大学が人を集めるには魅力を作っていかないといけない。授業料を上げるのは相当な理由がないと……」
 「学生生活の満足度を上げる、今はその努力の時だ。学生支援組織の立ち上げも考えている。教員も加わり、進路指導や大学への不満だけでなく、経済的や精神的なトラブルにも対応します」
 「教育の産学連携も進める。インターンシップなどで、社会がどう動いているか、現場では何が重要視されているか、知ることは学習意欲を増加させるし、職業選択の上でも必要です」
 ――教育の中身も変わっていきますか。
 「学生は『××になりたい』と思い入学して来ますが、考えが変わることもありうる。これまでは学部間移動はやりにくかったが、入学後の専攻変更が自由にできるようにしたい」
 「外国のように二つの専攻を持てるダブルメジャーや、主・副専攻も考えています。例えば医学部なら、がんや不妊の治療に進む人もいるでしょう。がん治療ができても、患者の精神的な問題についてはどうか。不妊治療についても、思いをめぐらせて取り組み、その治療で幸せになるかどうかを深く考えてもらわないといけない」
 ――中期計画では教員の任期制にも触れています。 
「あるプロジェクトに力を入れる場合などに任期制が適当ではないかと思う。だが全員に適用するのは難しいと思う。短期間では教育の成果は出ない。また教授の経験や知識が優れていて、大学として、いて欲しい場合は終身雇用でもいいのではないか」
 ――今後の大学像は。
 「一に教育、二に研究。教員には研究を一に上げる人もいるけど、これからは教育です。両方をバランス良くすることが必要です」(聞き手・平松ゆう子)
   *
 よしだ・ようじ 山梨大学長(71歳) 群馬県出身。群馬大医学部卒業。80年に旧山梨医科大教授、98年から同大学長。02年10月から統合した山梨大の学長。大学の統合、法人化と変動の時期にトップを務めた。学長の任期は今年9月まで。「レールは引けなくても、路盤工事はできたか」と振り返る。

山梨大学教員の任期に関する規則(平成12年4月1日)

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大学教員の任期制、「短い年限で実績を過大に評価するのは問題が大きい」

持論時論<斉藤秀幸(地方公務員)=36歳・名取市>/国公立大の独法化

河北新報(2004/07/29)

目先の業績評価に疑問

 4月に全国の国立大学が、独立行政法人に移行しました。公立大学も、多くが数年以内に移行するようです。この独立行政法人化(以下、独法化)の是非については、さまざまな考え方があるでしょう。しかし個人的には、問題の大きい制度ではないかと考えます。
 確かに、独法化によって研究費が増える分野はあると思います。逆に研究費が削られ、存続が難しくなってくる分野も出てくるでしょう。多くの識者が指摘しているように、学問全体の健全な発展を図るためには、独法化はあまりにも拙速だったのではないか、と思います。
 独法化に伴って、教員任期制が導入されます。これにも、大きな問題があります。5年から10年程度ごとに教員の研究業績を評価して、その教員を再任するかどうか判断しようというもので、一見すると非常に理にかなった制度のように見えます。ただ研究活動は、言うならば未知の分野への挑戦ですから、ハプニングや行き詰まりもあると思います。新発見や新たな理論を構築したとしても、学会などで認められるまでには、多くの困難が伴うことも予想されます。
 このような困難の克服に、5年から10年掛かってしまう、ということもあり得ます。その困難の性格や程度は、研究テーマによって、さまざまだからです。研究活動のこのような側面を軽視して、短い年限での実績を過大に評価するのは、問題が大きいと考えます。
 教員任期制がもたらす弊害として、教員の中には困難が少なく、業績の上がりやすい研究テーマに変更する者も出てくるのではないか、ということが考えられます。これは長期的に見ると、日本の大学のポテンシャル低下につながると思います。
 次に考えられるのは、大学の教員もいわば生身の人間、不運にして家族の介護の問題や自らの健康問題などで、数年間は研究業績が十分に上がらない場合もあり得るということです。しかし、こうした問題が解決した後で、優れた研究業績を上げた人も少なくないと思います。
 優れた研究業績とは一体どのようなものであるのか、あるいは優れた大学の教員像とはいかなるものであるのか、ということは大変難しいテーマです。
 ガリレオやメンデルが評価されたのは死後です。ノーベル賞を受賞した田中耕一氏の研究成果が、予想外のミスから生まれたものであることを考えると、教員任期制には、いささか弾力性のなさを感じます。研究費の合理的な配分や教員の待遇の格差については、独法化や教員任期制にまで踏み込まなくても、十分可能ではないかと考えます。(投稿)


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大学教員の任期制、螺旋的悪循環の連鎖−横浜市大 永岑三千輝氏最新日誌

大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌 2004年8月2日(2)

 「全国国公私立大学の事件情報」(8月2日)によれば、長崎県立の二つの大学においても、全員任期制が検討されているという(新首都圏ネットワークにも関連記事あり)。恐るべきムード的な事態[1]が全国化しつつあるといわなければならない。こうしてみると、多くの国立大学で熟慮しないままでたくさん部局に導入された任期制(どれだけの人がそのポストに移っているかはわからないが)が、東京都の「任期制」「年俸制」導入宣言に飛び火し、さらに本学に関する「ありかた懇」答申に伝染し、さらに悪いことに、センセーショナルに新聞報道された「大学像」において「全員任期制」の言葉が「はじめて」打ち出されるというふうに、この螺旋的悪循環の日本全国の大学と社会に与えたマイナスの影響ははかりしれないものがある。

 大学を活性化するための任期法は、いまやいたるところで悪用され、誤用されようとしている。国公立大学は、法人化を契機に、競って自分で自分の首を締め、優秀な教員をテニュアを付与した私学に追いやっている、優秀な教員を追い出すことに狂奔している、というべきではないか。法人化は、大学の独立性・自立性を高めるものから、逆に任期制による大学教員の奴隷化の推進手段になってはいないか?

 その行き着く先は、乱暴な私学経営の跋扈ということではないか。私学の経営がいかにひどいものであっても、経営陣は、任期制の不安定雇用におびえる教員を抱える国公私立大学との競争では、有利に経営できるということではないか。私学内部の多くの教員も、いずれ国公立以上の不安定雇用によって、ひどい状態に陥れられることになるのではないか。それは、わが国の大学の研究教育の自由で創造的な発展の筋道とは逆行するものであろう。「地獄への道は善意で敷き詰められている」。

 本学でも、内外からの幾多の批判を受けて、中間案においてテニュア制度(定年までの終身在職権)が明確に打ち出されたが(その不十分さ・不明確さに関しては教員組合の批判がある[2])、それがまだ最終的に確たるものとして提示されないために、本学の検討の到達点はいまだ全国では知られていないようである。常に模範とされ追随されるアメリカにおいて、テニュア制度が確立し、しかも、準教授で80%以上、教授では90%以上がテニュア取得(テニュア付与)であることの実態と意味は、周知のものとなっていないようであり、熟慮されてはいないようである。

 長崎県立の公立大学法人化の議論で、「各委員からは「優遇措置がなければ、任期制に移行する教員は数%ではないか」などの意見が出た」という。もっともな意見である。

 しかし、いったいいかなる優遇措置が、「首切り」を超えるほどの優遇措置だろうか? 任期制は、いずれにしろ、任期がくれば雇用は終了する、という制度であり、「首切り」合法化である。新たに採用される場合、新規採用と同じである。とすれば、そうした決定的な不利益・不安定雇用条件を超えるような魅力ある優遇制度とは何か?

 いくつかの国立大学で任期制が導入された場合、定年5年前での任期制ポスト(5年任期)への移行、ということがあるようである。これなら、すくなくとも実質的にはマイナス措置とはならないだろう。いやむしろプラスにすることが可能であろう。その場合に、任期制は名誉に値するものとして(最先端の仕事をしている、総合的な仕事をしているなどの審査とその基準クリア)、ワンランク上の給与条件などを与えるものとすれば、任期制に選ばれた教員は、それだけプラス評価されたことになろう。これならば不利益ではないだろう。それならば、競争化・活性化にも、ある程度(審査が公明正大で、透明性をもち社会的説明責任を果たすものならば)、役立つことにもなろう。

 あるいは、定年数年前に割愛願いが出る(た)ような有名教授をひきとめておくために、定年を数年間延長するような任期制教員として採用する対抗措置をとる(引き抜き防止措置)なども考えられるであろう。これも、それだけの実績と社会的説明責任の力のあるものならば、プラスの効果をもつであろう[3]。

 他方、「数年後」に任期終了とともに首切りが当然となっていても、当面なんとか就職できればいい、という無職の若手研究者の場合なら、「無職よりはいい」と、任期制でも応募することになろう。無職で苦労するよりは、任期制(数年後の問答無用の首切り)でもいいから助手ポストをたくさん増やしてほしい、という博士課程・オーバードクター・ポストドクターの若い人々は多いだろう。「余剰博士」はいまや大変な社会問題になりつつある。彼らも、もちろん、任期制でない安定したポストにも応募しつつ、「任期制ポスト」にも、余儀ない選択肢として応募するであろう。

 任期法によって「助手」ポストを任期制にすることは法律的に可能となった。これこそは、任期法制定のもっとも重要な背景(理由)なのではないか。それはそれとして(すなわち任期法による限定的なものとして)、積極的に活用すべきではないか。


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2004年08月02日

長崎県立大・県立長崎シーボルト大、全教員対象の5年任期制へ 設立準備委員会中期目標素案

長崎県/全教員に任期、評価制導入 法人設立準備委で素案 2県立大/ながさきWIDE

西日本新聞(2004/07/30)

 長崎県立大(佐世保市)と県立長崎シーボルト大(長与町)を運営する公立大学法人の設立準備委員会(委員長・木村道夫前県教育長)の会合が二十九日、長崎市内のホテルで開かれた。同委員会は、二大学の全教員を対象に、五年間の任期制や教員評価制度を導入することなどを盛り込んだ中期目標の素案に合意した。
 中期目標の期間は二〇〇五年度から六年間。素案では、〇五年度以降の新規採用教員と、現教員で任期制に同意する人に同制を適用する。助教授、講師、助手の場合、再任は一回まで。教員としての適格性を著しく欠いて再任されなかったり、十年間で昇任できない教員は、退職しなければならない。
 教員評価制度は、教育、研究や地域貢献度などの項目で判断するが、具体的な評価基準は本年度中に決定。来年度の評価結果から教育研究費の配分に反映させ、〇八年度からは任期制の再任や昇任、給与にも反映される。
 各委員からは「優遇措置がなければ、任期制に移行する教員は数%ではないか」などの意見が出た。素案を基に、今後設置される法人評価委員会の意見などを踏まえた最終案が県議会に提案される予定。


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2004年07月31日

九州大教職員組合、声明「改めて任期制の廃止を求める」

九州大学教職員組合ホームページ
 ●「改めて任期制の廃止を求める」(九大教職組執行委員会声明、2004.7.20付)(7月28日掲載)より転載

改めて任期制の廃止を求める

九州大学教職員組合執行委員会 2004年7月20日

任期制は危険な制度です

 九州大学では法人化直前に、工学研究院、農学研究院、医系研究院等に全職種全教員任期制が導入されました。導入の際には各部局において研究院長等から「ほとんどの教員は再任されるから心配しなくてよい」という説明が行われ、同意書がかき集められました。しかし、このような口約束で安心するわけにはいきません。任期制とは期限を定めて(たとえば5年間で)自動的に職員を失職させる制度なのです。任期制においてはその趣旨から言って基本的に再任は前提とされていません。仮に再任された場合でも、いったん失職したのち新規採用という扱いになります。失職によって開いたポストに新規採用する手続きが必要になるのです。
 新規採用は採用者が任意に行う事ができ、いかに業績や能力のある人でも採用されるとは限りません。一般には、任期付の職に就業する職員が再任をめざしてどんなに業績をあげても、法人がその職員を失職させたければ自由に失職させることが可能なのです。京都大学再任拒否事件の地裁判決にみるように、再任を拒否された側が任期中の業績に基づいて法的な救済措置を求めるのはきわめて困難なのです。
 九州大学はこのように危険な任期制を必要な議論もつくさず安易に導入し、さらに導入部局の拡大をはかろうとしています。任期制の安易な拡大をやめ、導入した任期制を廃止することも視野に入れた再検討を開始する事が今必要とされています。

「ほとんどが再任」の保証はない

 九州大学で導入した任期制では再任が可能だとされています。任期制導入部局における導入時の説明をそのまま信じて、「よほどのことがない限り再任される」と考える教員も多いかもしれません。しかし「再任」と「任期制」いうのはそもそもそぐわないもので、その結びつきは非常にもろいのです。
 任期制を導入した九州大学の各部局研究院長は口頭でrほとんどの教官が再任される」ことを約束しました。しかし将来的にそれが守られる保証はありません。公的文書しても残っていません。たとえそのような文書があったとしても、「ほとんどの場合に再任される任期制」などというものは社会的に説得力がなく、批判されれば維持することは困難です。
 九州大学で導入された任期制はきわめてずさんなものです。実際、任期制が導入された部局のなかにはいまだに具体的な再任基準を設けていないところもあります。また再任基準を決めたところでも、その基準はきわめて抽象的で、恣意的な審査が行われる余地が十分あります。
 任期制の導入は、教員の雇用条件を著しく不安定化しました。職員の雇用条件を改善し、安心して働ける職場を目指すため、何のメリットもない任期制の廃止を真剣に検討すべきです。また当面、任期付ポジションから任期のつかないポジションヘの移行を可能にするような制度を検討するべきです。さらに、再任審査が公平に行われるように客観的な再任基準を明らかにし、公正な審査機関と不服申し立て機関を設置することが必要です。

全部局全職種への任期制適用は違法

 全職種への任期制導入は任期制の趣旨に反します。任期制法では任期制の適用範囲を先端的、境界的な研究分野に制限しています。これは大学教育・研究の中枢を担う職全般に不安定雇用が適用される弊害をみこしたものだと言えます。したがって九州大学医系研究院、工学研究院、農学研究院等において導入された全部局全職種任期制は違法です。「九州大学における教育研究はすべて先端的学際的総合的だから」(将来計画委員会資料)という説明は外部では通用しないものです。法律的な問題以前に、全部局全職種の教員職を任期職という不安定雇用に変えようという九州大学の方針は、継続的で安定した研究教育の体制を自ら放棄する無責任なものと言えるでしよう。

導入の外圧に抗しきれないというけれど

 九州大学における任期制導入の際の決まり文句は「任期制を求める社会的な要請(外圧)がある」でした。しかしそのような要請の具体的な内容や、その是非について議論した形跡はありません。外圧があるから議論もせずに導入するという態度は理解しがたいものです。それとも外圧をタテに任期制の導入を正当化しようとしたのでしょうか。「任期制を導入しないと運営交付金を減らされる恐れがある」などという声もよく聞きます。しかし、これこそ任期制法の国会付帯決議が「いやしくも大学に対して、任期制の導入を当該大学の教育研究支援の条件とする等の誘導や干渉はいっさい行わないこと」と戒めていることであり、そのような圧力が実際にあったとしたら大問題です。
 一方、九州大学では任期制導入に対するあからさまな内圧があります。任期制を導入していない部局に対して1%の予算削減をしているのです。組合の抗議に対する九州大学当局の回答は「学内での判断だから国会付帯決議とは無関係」というものでした。しかしこれは国会付帯決議がどのような理由で何を目的にしてなされたものかを考えれば、一般には通用しません。明らかな付帯決議違反です。

任期制と業績審査とは別

 九州大学の全教官任期制導入の目的は、再任時の業績審査で成績の悪い教官を切ることであると説明されてきました。しかし業績審査は業績審査で、任期制とは別にやれることで、実際、任期制を導入していない部局でも厳しい業績審査が行われている事はご存知のとおりです。その是非はともかく、就職、昇格、外部資金獲得などにおいて、研究者の世界では業績評価にもとづく競争原理はすでに縦横無尽に作動しており、このうえさらに任期制導入をして競争をあおる必要性があるかというと大いに疑問です。むしろ、職員の業績水準を上げるためには、短期不安定雇用によって職員が研究や教育に集中できない環境を作るよりも、業績を挙げた職員に報償を与えるなど他の方法を考えるべきです。

任期制で教員の流動性はあがらない

 任期制の導入のもうひとつの目的は研究ポストの流動性を高めることだといいます。しかし、「ほとんどが再任」だとすると流動性に対する効果がないのは明らかです。かといって、九州大学に再任不可の任期制を導入したところで、他大学・研究機関との間の「双方向の」流動性が増加することは期待できません。九州大学のポストが任期付という不安定職になることで、優秀な研究者の九州大学への流入が減り、九州大学からの流出が増えるだけです。流動性を高めるには異動の際の研究機材移転の補助、研究室立ち上げの補助などの方がよっぼど効果があるという指摘があります。このような九州大学のなかでも対応できる流動性を高めるための即効性のある措置の導入こそが必要なのではないでしょうか。

任期制の導入で九州大学の魅力はガタ落ち

 任期制を導入した部局では、ポストの魅力が薄れるため、任期制を導入していない大学や研究機関との研究者獲得競争できわめて不利な立場に立つことが予想されます。雇用の不安定性を高い賃金で補うなど、大学法人として経営戦略を考えるなら任期制導入と同時に当然考慮しなければならない制度も検討されていません。任期制の導入は九州大学や部局のポストの魅力を削ぎ、九州大学の衰退をもたらします。九州大学という大きな大学に大規模な任期制を導入することの影響はそれだけにはとどまりません。任期制という不安定雇用が広範囲の大学に広がれば、研究職そのものの魅力の減少にもつながります。それによって若者の研究者離れが起これば、日本のアカデミズムは長期にわたって回復の困難な打撃を被ることになります。

任期制とキャンパス移転の危険な関係

 いくら考えても何も利点が見当たらない九州大学の任期制導入。導入推進派の本当の狙いはどこにあったのでしょうか?それが目的だったどうかはともかく、ひとつ考えられる重大な懸念があります。大規模な部局再編とリストラのために任期制が使われる危険性です。
 独立行政法人化にキャンパス移転の資金不足が加わり、これから九州大学の経営は非常に厳しくなることが予想されます。部局の再編の動きも出てくる可能性があります。そのとき任期制を導入した部局では「採算性が低い」と判断された部門を丸ごとカットすることも可能になってしまいます。大量解雇をしなくても、全員の再任を許さないという「正当な手続き」を行うだけで、ひとつの部局をまるまる消滅させるなどという乱暴な再編策も、任期制があれば不可能ではなくなります。

任期制を導入してしまった部局…次の一手は?

 ずばり任期制を止める事です。徳島大学では、いったん導入した教官全員への任期制の矛盾に気づき、独立行政法人化に際してこれを廃止して業績審査制に切り換えました。九州大学の任期制導入の趣旨説明は、任期制よりも業績審査制に近い考え方だったのですから、任期制を廃止して困る事は何もありません。
 「ほとんどの人が再任される」などという何の保証もない虚偽の説明を受けて同意書を提出してしまった人は、その事実を証明できれば、同意書の撤回を求めることができます。当局が撤回に応じなければ契約無効の訴えを起こすこともできます。
 明示的で客観的な評価にもとづく再任審査基準を定め、公表すること、再任審査への不服申し立て手続きや機関を設置する事も重要です。これは研究者の雇用条件を不安定化させる任期制を導入した部局が被雇用者に対して払うべき最低限の責任と言えるでしょう。また、任期つき職から任期のつかない職への移行について検討すべきです。任期が切れて失業する職員に対して就職支援等の最大限の援助を行う事が求められます。

任期制に対する組合の要求項目

●任期制法の趣旨に反する全部局全職種への任期制導入をこれ以上行わないこと。
●すでに医系研究院、農学研究院、工学研究院、応用力学研究所等に導入されている任期制の必要性と妥当性について、法人化後の事情や法的な面も考慮し、その廃止も含めた再検討を開始すること。
●任期制法の付帯決議に反する任期制非導入部局への予算削減措置を直ちにやめること。
●教員が任期つきのポジションから任期のないポジションに移行する手続きを整備すること。
●教員の選考、再任の審査については、関連分野の審査員の意向を最大限に尊重すること。再任における不服申し立ての手続きと機関を設け、公正な審査ができるような体制を整えること。
●任期つきのポジションにいる教員について、病気、出産などによってやむを得ず教育、研究の場を離れざるをえない場合に不利が生じないように、制度上の配慮を行うこと。


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2004年07月30日

札幌市立大の5年任期制、まさに全教員もれなく適用する任期制です!(続報)

 7月29日付本サイト記事「札幌市立大、人事・給与制度 全教員5年の任期制」について,横浜市立大の永岑先生がHPで下記のようなコメントを掲載されておられます。任期制の法律とその運用の趣旨に照らしてもっともな主張です。
 私は,「札幌市立大学ホームページ」にある情報と新聞情報しか持ち合わせていなかったため,本日「札幌市企画調整局大学設置準備室」に電話をかけ,「当該任期制が文字通り教員全員に適用する任期制なのか,あるいは特定の教員のみに適用する任期制なのか」を担当職員に聞きました。その結果,当該任期制は,昨日のサイト記事見出しに書いたように,文字通り「全教員」であることがわかりました。
 札幌市立大は,札幌市立高専と札幌市立高等看護学院の教員が母体になり,さらに新規に外部から教員を採用して設立されます。設置準備委員会で決定した当該任期制は,高専・高看から移動する教員も,また新規採用の教員も「分け隔てることなく」全員が5年の任期制に適用されるということです。そして,「大学の教員等の任期に関する法律」との関係で言えば,当該任期制は,同法第4条の「一 先端的、学際的又は総合的な教育研究であることその他の当該教育研究組織で行われる教育研究の分野又は方法の特性にかんがみ、多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織の職に就けるとき」に適用させて運用するとのことでした。
 北海道内では,すでに北見工業大学も全教員任期制を決めていますが,法律との関係で言えば,同様の取り扱いであろうと思われます。同法第4条1が全教員適用の任期制を認めるものであるか否かは,永岑先生が述べるように,大いに問題があるところです。その意味で,下記の永岑先生の指摘は非常に重要な指摘であると同時に,この点,これまでも懸念されてきた問題であろうと思います。ただし,設置準備委員会内部でも,また高専・高看の教員サイドのところでも問題点を指摘されてこなかったことが,こうした解釈と結果を許すことにつながっているものと推測されます(ホームページ管理人)。

大学改革日誌(永岑三千輝教授)−最新日誌(2004年7月29日)

 「全国国公私立大学の事件情報」(本日付)によれば、高等専門学校と高等看護学校から新たに新設される札幌市立大学において、「5年の任期制」が導入されるという。新設だということ、高専・高看から大学への格上げだという二つの基本的な制度上の違いから、行政当局主導の「5年任期制」が打ち出されたようである。

 しかし、すくなくとも、「全員」という文句は、市当局が発表している「基本的枠組」の文書にはない。

 全階層(すなわち、助手から教授にいたるまで)において、任期制が導入されるということ、そしてどの場合も5年だということは明確になっている。それが、教員全員に適用されるものであるかどうかは、明文的な規定とはなっていないように思われるがどうであろうか。

 商学部教授会などが任期制導入に反対した決議において明確にしたように、大学教員への任期制導入を「任期法」にもとづいて行おうとする場合、立法の趣旨からして、問答無用のはじめからの全員ではありえない。任期法の前文とそれにもとづく限定的な条項に従い、合法的に任期が付されるのはいくつかの特例的な条件に基づくものである。そうした条件が、札幌市の「基本的枠組」には提示されていない。法のどの条項なのかが明らかでない。法のどの条項で、どのようなポストに適用されるのかは明らかになっていないと思われる。検討抜き問答無用の全員任期、というのは任期法の想定外であろう。法の審議段階における文部省高官の答弁も、一つ一つのポストについて任期を付することが妥当かどうか検討し、その結果として任期を導入することが可能となる場合もありうるという抽象的一般的な可能性だけをのべていたが、法文の限定からすれば、そうした検討を踏まえても全員というのはあまりにも極端で、詭弁に近いものであることはいうまでもない。

 商学部教授会などが任期制導入に反対した決議において明確にしたように、大学教員への任期制導入を「任期法」にもとづいて行おうとする場合、立法の趣旨からして、問答無用のはじめからの全員ではありえない。任期法の前文とそれにもとづく限定的な条項に従い、合法的に任期が付されるのはいくつかの特例的な条件に基づくものである。そうした条件が、札幌市の「基本的枠組」には提示されていない。法のどの条項なのかが明らかでない。法のどの条項で、どのようなポストに適用されるのかは明らかになっていないと思われる。検討抜き問答無用の全員任期、というのは任期法の想定外であろう。法の審議段階における文部省高官の答弁も、一つ一つのポストについて任期を付することが妥当かどうか検討し、その結果として任期を導入することが可能となる場合もありうるという抽象的一般的な可能性だけをのべていたが、法文の限定からすれば、そうした検討を踏まえても全員というのはあまりにも極端で、詭弁に近いものであることはいうまでもない。

 本学に関しては、市当局(大学改革推進本部)は、そうした「任期法」の立法の趣旨などから、「全員任期制」の違法論や反対が強いため(「中間案」説明会の意味合いに関する教員組合見解(04-06-21):「教育・研究評価検討プロジェクト部会(中間案)」に対する教員組合委員長の見解04-06-18)、また大学の研究教育の中核的部分の安定的確保というもっともな理由から、さらには国立大学やアメリカの大学などに関する制度調査も踏まえて(と思われるが)、先ごろの「中間案」においてテニュア制度(定年までの終身在職権)を明確に打ち出した。この点は、当然のこととはいえ、中間案に携わった人びとの英断であり、その柔軟性には敬意を表している。

 しかし、中間案作成者たちは、他方で、任期制の導入という「あり方懇」、「大学像」の文言を完全に捨て去ることはできず、そこで10月末の「大学像」のときには制定されていなかった労働基準法改正(今年一月)条項に基づいて何とか「全員」に適用しようとしているのである。これが果たして適用可能なのかに関しては、これまた大問題であるが、ともあれ、以上のような経過から考えても、「任期法」と任期制の「全員」への杓子定規な適用とは、合致しないものであろう。

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2004年07月29日

札幌市立大、人事・給与制度 全教員5年の任期制

「(仮称) 札幌市立大学のホームページ」
 ●「(仮称)札幌市立大学基本計画」(平成16年7月27日)  
 ●第5回設置準備委員会配布資料 制度専門部会報告「(仮称)札幌市立大学教員の人事・給与制度(基本的枠組)」

(仮称)札幌市立大学教員の人事・給与制度(基本的枠組)

1 任期制
多様な知識・経験を有する人材の確保を図るとともに,教員の研究および教育能力の向上を図るために「大学の教員等の任期に関する法律」に基づき,任期制を導入する。

職位    任期年数  再任方法    再任後の任期年数  再任回数
教授    5年  総合的教員評価による  5年     制限なし
助教授   5年  総合的教員評価による  5年     制限なし
講師    5年  総合的教員評価による  5年     2回(最長15年)
助手    5年  総合的教員評価による  5年     1回(最長10年)
助手    5年  総合的教員評価による  5年     2回(最長15年)

2 定年制
新陳代謝を計画的に行い組織の活力を確保し,士気の沈滞を防止することができるなどの理由から,定年制を導入する。
なお,継続雇用制度等の導入について,別途,検討を進める。定年年齢は,65歳とする。
開学時の定年の特例として,開学後4年以内に定年を迎える者には,5年問の定年の特例期問を設ける。

3 給与
「地方独立行政法人法」の規定に基づき,給与は,教職員の勤務成績,法人の業務実績を考慮し,社会一般の情勢に適合しなければならない。公平性・信頼性・客観性・納得性を確保した業績評価を行い,その結果を反映し教員のインセンティブを高める給与制度とする。
・給与水準は,国公立大学教員に準ずるものとし,職務と業績等に関する評価により支給額を増減する給与制度とする。

4 研究費
研究活動の活性化を図るために,定額研究費に加えて,研究に対するインセンティブを高める特別配分研究費を導入する。


 札幌市立大の母体となる札幌市立高専と札幌市立高等看護学院の教員は,新設大学への移行の際,必ずしも全員が採用されるわけではなさそうである。したがって,実質上のリストラ問題が発生することも可能性としてある。この問題を論じた新聞記事を以下に掲載する。

札幌市立大教員採用 「修士以上」で公募 設置準備委が基準示す

北海道新聞(7/24)

 札幌市が二○○六年四月の開学を目指す札幌市立大学(仮称)の第五回設置準備委(委員長・内田和男北大大学院教授)が二十三日、中央区の京王プラザホテル札幌で開かれ、席上、教員の採用基準が示された。募集は公募で行い、教授、助教授、講師は「修士以上」が原則、給与は業績評価により増減させることなどが了承された。
 募集人員はデザイン学部四十八人、看護学部三十八人の計八十六人。十月をめどに公募を開始し、市立高専と市立高等看護学院の教員についてはこれに先立ち選考を行う。
 選考基準に当てはめると、大学教員になれない高専と高看の教員が少なからずいると見られている。これについて、新学長への就任が決まっている特別委員の川崎和夫・名古屋市立大大学院教授は「教員としての力がないとの意味ではないが、文部科学省の審査を控えている以上、(審査に通る)合理的な教員選考をすることになる」と述べた。
 また、デザイン学部は百二十四単位、看護学部は百二十八単位とするカリキュラム案も示されたが、委員から「デザインと看護の具体的な横の連携が見えにくい」などの意見が出され、専門部会でさらに審議することが確認された。
 次回は十一月に行われる予定。

<追う迫る>06年開学の札幌市立大学 教員採用で認識に差 高専教員「優先的に身分移行」/準備委「学位や資質を審査」

北海道新聞(7/14)

 札幌市が二○○六年四月の開学を目指す市立大学(仮称)の教員採用をめぐり、設置準備委と大学の母体の一つとなる札幌市立高専の教員との間で、認識の差が露呈してきている。教員数はデザイン系と看護系の二学部合わせて八十−九十人規模。インダストリアルデザイン学科のみの高専の教員らは「基本的に大学に行けるものと考えている」と楽観視するが、設置準備委は「それなりのレベルが求められる」と話す。十月にも教員選考が始まる予定だが、先行きは不透明だ。(池田静哉)
 「(高専の教員を)できるだけ新大学の教員にする、というのが市の公式見解。当然そうなると信じてますよ」
 自分が新大学に迎えられるかについて、高専のある教員はこう話す。高専には三十五人の教員がいるが、その多くが採用されると楽観視しているという。高専は将来、大学になることを想定して設立され、教員もまた大学の教員になることを前提に迎えられた経緯があるからだ。
 また、高専教員の立場は市職員。公務員法上、恣意(しい)的な解雇はできない。かといって市の一般事務職への配置も難しく、「大学以外、選択肢は残されていない」(教員の一人)というわけだ。
 ただ、準備委の見解は厳しい。
 大学を開設するためには、文部科学省による教員の資格審査があり、博士号などの学位の有無や、過去の論文などの研究実績、教育者としての資質などが調べられる。
 市は来年の四月にも文科省に大学の開設認可を申請する予定だが、大学の三割、短大の六割が定員割れという現状があり、新しい大学を設立する場合、審査は厳しくなる傾向があるという。
 一方、高専教員三十五人中、博士号を持つのは十人。新大学のカリキュラムは九月にも概要が固まるが、現教員の持つ博士号がカリキュラムに必要とされる分野なのかどうかも不透明だ。
 もう一つの母体となる市立高等看護学院については、新大学への移行を前提に設立されておらず、教育体制も高看と大学とでは根本的に変わるため、高専とは事情は異なるとみられる。
 札幌市の大学設置準備室の橋本道政室長は「魅力ある大学を作るには教員の質が勝負。市民論議の経過から見ても、今いる教員をまず優先、という話にはなりにくい」と話す。
 設置準備委もこうした意見を反映しなければならず、今後の動向が注目される。



[関連ニュース]
教員を今秋に一般から公募 札幌市立大(毎日新聞北海道版7/24)

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2004年07月22日

札幌市立大基本計画案、やはり任期制導入 実績に応じた給与体系

札幌市立大学基本計画案−運営主体は公立大法人 議会委に市が報告 08年にも「大学院」

北海道新聞(7/21)

 札幌市は二○○六年四月開学を目指す札幌市立大学(仮称)の基本計画案を、二十日の市議会総務委員会に報告した。運営主体を公立大学法人としたほか、昨年九月の基本構想段階では設置自体を「検討する」としていた大学院の整備について、デザイン学部が○八年四月、看護学部が一○年四月を目指すとした。
 また、障害者を積極的に大学に受け入れる方針を明らかにし、受験の際には事前相談を受けた上で、点字や拡大文字による問題用紙の採用、障害を理由に解答に時間がかかる受験生については、別室試験も取り入れる考えを示した。
 入学定員はデザイン、看護両学部とも八十人だが、高専や短大、専修学校の卒業生を対象に三年次編入学枠を、デザイン学部に二十人、看護学部に十人設ける。
 また、仕事を持つ社会人が通学しやすいよう、都心部にある市の施設などを活用したサテライト施設を開学時から設置するほか、デザイン学部については二○一○年四月をめどに、「社会人夜間主コース」(定員二十人)の導入することも検討する方針を示した。
 十月にも全国から公募する教員は、質を高めるため、採用期間に期限を設ける任期制を導入。教員の実績に応じた給与体系も取り入れるとした。


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2004年07月09日

任期付き研究員等の制度は今後どうなる?−「第22回国立試験研究機関全国交流集会」(6月9日)報告

国立環境研究所労働組合ニュース(2004/6/21より)
 ●「第22回国立試験研究機関全国交流集会」参加報告その1−他の国立試験研究機関の動向は?−
 ●「第22回国立試験研究機関全国交流集会」参加報告その2−任期付き研究員等の制度は今後どうなる?−


分科会で議論された中から代表的なコメントや各独法の情況報告を列挙いたします。
 この制度(任期制)は入口があって出口がない。制度を厳格に守ろうとすればするほど職員の研究生活は危うくなるだけである。そもそも、政府が唱えている人材の「流動化」と研究の「活性化」は両立しうるのだろうか。なぜ、人が流動化すると研究が活性化するのかということ自体、よく議論されていないように思える。
 総合科学技術会議では若手研究者の自立化や予算配分枠の増大を謳い文句にしつつも、現状は任期をかけ、自己の発言が満足にできないような立場の枠だけを増やし続けている。そもそも任期制の発端は何だったのか、科学技術基本計画に盛り込まれている任期制とは何を目的としているのか?研究者をめざす若者にとって任期は避けて通れなくなるのか?このように就職に困る科学技術の分野に次の世代が身を投じようなどと志すであろうか。
 産総研では任期付職員で希望する人の9割以上がパーマネント移行できている。終了前年の3月ごろに評価を始め、翌秋ごろまでにパーマネントへ移行できるかどうかを決定する。すなわち、4年間の実績で評価するのである。この時の形式は、選考採用である。ただおそらく、政府側はこのような任期→パーマネント移行型はそもそも想定してはいなかっただろう。もちろん、任期→クビなど到底受け入れられない。したがって、産総研の任期→パーマネント移行型はいわば妥協の産物ともいえる。さもなければ、9割以上がパーマネントへ移行出来るようなしくみならば、そもそも最初からパーマネントで良いはずである。産総研は科学技術の持つ変化の早さや大きさに対応できる組織であらねばならないという表向きの基本姿勢があるため、改組や人の移動が多い。任期制という点で考えれば、いずれプロジェクト型任期雇用の比率が増えていく可能性がある。
 農林系では正確な任期付職員数を調査し切れなかったが全国で数十人程度と思われる。任期付職員に対する進路については産総研とはやや異なっている。任期満了する(場合によっては任期途中の)任期付職員に対しては、あらためてパーマネント職の公募枠へ応募させるという形式をとらせている。つまり、任期終了時に次への進路のための評価もなければ、任期満了後の研究者の希望は産総研のように配慮されない。任期満了に伴い空いたポストをどう埋めるかという一義的な理由で人事が進む。また、農林系には通常転勤があるが、政府側からみればこれは流動化には該当しないようである。
 交通研は2001年より任期制を導入しているが、2001年度採用の任期付職員は公募枠を利用してパーマネント枠へ移行した。物材研では報告のあった中でかなり劣悪な事例ともいえる。想像しがたいことだが、採用された研究者本人も、また事務担当者も、4月の採用時に初めて任期付であることを認識した例がかなりあったという。全通信では、2001年より3名採用し、1名は外へ、2名は独法内部のパーマネント化へ移行したが、2002年は当局が採用後の費用シミュレーションを充分にせず、13名もの任期付職員を採用してしまったため、パーマネント化や再就職のことで現在大きな問題となっている。
 政府から押し付けられた制度を独法独自で良く精査する余裕もなく、ある意味厳格に制度のみを追行してしまっている様なケースが一部みうけられる。多くの独法では任期付を導入することに対する正当な意義付けが当局側から提示されていないことも混乱を招く要因になっていると見られる。また、非特定独法などへ移行するようなことになれば、給与面で独法間に差異が生じることも考えられる。就職の際の雇用条件や離職時の保障などをもっと明確に提示させる情況を積極的に作っていく必要もあるだろう。
 独法、研究者、組合はこのような実態をもっと公の場に公表していく努力が必要であり、実態が見えなければ世論は動かない。難しい問題だが、当事者(任期付職員)がもっと意見を出せるようにもするべきだろう。また、民間との違い、国としてやるべき事業とは何かをわれわれ自身が訴えていく説明責任がある。また、多様化する雇用形態に対応できる組合活動とは何かということを考えなければならない。その上で、より力のある組合活動にしていくために様々な雇用形態の職員が加入しうる組合にしていかなければならない。

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2004年07月08日

熊本大、外国人教師退職後のポスト 労働基準法第14条・同大「職員雇用規則」第7条適用(3年任期)による有期化問題 教職員組合厳しく当局を追求・批判

熊本大学教職員組合ホームページ
 ●「赤煉瓦」No.2(2004.6.25)より以下部分転載

労基法第14条適用の根拠について
熊大当局は回答不能!!―外国人教師処遇問題をめぐって(4)―

 我われ熊本大学教職員組合は,昨年末に浮上した法人化後の外国人教師の処遇問題――法人化後は外国人教師を任期付き教員に切り替えようとする問題――の経緯と問題点をお伝えしてきました(2003年度『赤煉瓦』364244)。現職5名の外国人教師を任期付き教員に切り替える問題は,2005年度から任期の定めのない常勤教員(助教授)とすることで解決をみました(2004年2月26日評議会)。しかし,現職の外国人教師が退職した後のポストを労働基本法第14条・「国立大学法人熊本大学職員雇用規則」第7条に基づく3年任期の有期雇用契約の教員(助教授または講師。再任は2回に限り可)とする問題は,依然として残されたままです。
 現職外国人教師の退職後のポストを任期付きとするために,「大学の教員等の任期に関する法律」・「雇用規則」第8条ではなく,労基法第14条・「雇用規則」第7条を適用する根拠として熊大当局が挙げるのは,“「大学教員任期制法」第4条第1項1号に基づく任期制導入は,多様な人材の確保が特に求められる教育研究組織を単位に行なうものであり,特定の職=ポストごとに行なうことはできない。「大学教員任期制法」・「雇用規則」第8条を適用できないために,労基法第14条・「雇用規則」第7条を適用する。これは文部科学省・厚生労働省にも確認済みである”というものでした。この熊大当局の見解が「大学教員任期制法」を曲解・誤解したものであり(文部科学省の本来の法解釈とも異なり,かつての熊大当局の法解釈とも異なる),「大学教員任期制法」第4条第1項1号に基づく任期制導入とは教育研究組織全体を単位とするものではなく,大小様々な教育研究組織(学部・研究科・学科・専攻・講座・研究部門)で多様な人材の確保が特に求められる職=ポストを指定して行なうものであることは,2003年度『赤煉瓦』42で詳述した通りです。
 我われ熊本大学教職員組合は,3月29日に開催された2003年度学長交渉の場でも,この「大学教員任期制法」の解釈について追及しましたので,その内容とその後の経過をお知らせします。

……
以下,省略。上記「赤煉瓦」をご参照下さい。

[参考]労働基準法第14条
(契約期間等)
第14条 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。
 1.専門的な知識、技術又は経験(以下この号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
 2.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

2 厚生労働大臣は、期間の定めのある労働契約の締結時及び当該労働契約の期間の満了時において労働者と使用者との間に紛争が生ずることを未然に防止するため、使用者が講ずべき労働契約の期間の満了に係る通知に関する事項その他必要な事項についての基準を定めることができる。

3 行政官庁は、前項の基準に関し、期間の定めのある労働契約を締結する使用者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。


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2004年07月07日

長野大石原剛志氏、「大学教員の任期制を考える引用集」

教育福祉研究サイト
 ●大学教員の任期制を考える引用集

 作成者より/大学教員任期制の問題が活発に論じられたのは、大学教員任期制法案が審議された時期においてであった。あれから、5年ほどが経過して、いまやその論議は全国的には下火にさえなってきている。しかし、任期制をめぐる問題は、全国多くの私立大学における経営危機が現実のものとなっている「今」こそ、本格的に検討される必要がある。
 同法の審議がされていた当時から、私立大学における恣意的運用の危険性については多くの論者が指摘しており、また、その点については同法に関する付帯決議が特別の配慮を求めている。こうした議論を整理しながら、5年前に予測された以上の勢いで進んでいる私学危機をふまえて再論することが求められている。
 当初、筆者は、その準備作業の一環としてノートを作成しはじめたが、問題の性格からしても協力しあいながら検討していく事が必要と思われたので、これをオープンにすることとした。(2003年6月22日)
石原剛志(長野大学教員)

学問の自由と任期制

 ……大学の自治は、学問の自[p.22]由を研究教育の主要な場としての大学において実質的に保障するという制度的な概念である。したがって学問の自由=大学の自治の意義は、大学等の外的管理権力(公権力・設置者・教員の使用者)のゆえに大学等の内部で発揮しえないところの市民的自由をその内部に貫徹させ、教員・研究者にこれを回復せしめる点にある。
 このような自由=自治には、指揮監督からの自由、懲戒権からの自由とならんで身分保障が不可欠となる。なぜなら、大学教員の研究教育の自由は、設置者・使用者がかれらの研究教育に対する価値判断権者として臨み、これを否定的に評価した場合には教員の地位を奪いうる権能をもつことによって最大限に脅かされるからである。逆に、大学教員の研究教育の自由は、この脅威を取り除くことによって最も強く保障されることになる〔原文注4 高柳信一・高浜敬吉「学問の自由」(有倉遼吉・小林孝輔編『基本法コンメンタール・憲法(第三版)』日本評論社、1986年)所収、98〜104頁〕。
 大学教員の身分保障法理は、このような学問の自由保障のための適法手続き(公正手続き)、すなわちアカデミック・デュー・プロセスによらなければ免職・解雇されることがないという制度を確立した〔原文注5 注4に同じ〕。また、一年とか三年・五年という短期雇用契約の制度を変更させ、定年まで教員としての地位を保持しうる終身的な雇用制度(公務員法)や在職権(テニュア)の制度を確立した。高柳信一は、この雇用制度こそは「アカデミック・フリーダムの最も重要な法的内容」〔原文注6 高柳信一「学問の自由と教育」(『日本教育法学会年報第一号』1972年)所収、36〜37頁〕であり、学問の自由保障の「核心」であると断じている。雇用と身分の「安固さ」こそ学問の自由と独立性を支える基盤である。それらの保障は、過度の特権ではなく、教育研究という専門職能が専門職能として存立しうるための「最低不可欠の必要条件」〔原文注7 注4に同じ〕であり、教員人事権の確保は大学自治の核心であると確認されてきた。[p.23]」(新村洋史「大学教員任期制は何を定めたか」、高等教育3研究所編『大学ビックバンと教員任期制』大月書店、1998年より。太字強調は引用者による)

……以下,省略。上記サイトをご参照下さい。


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2004年07月05日

長野大、任期制導入に関する新たな新聞報道

任期5年、実績で再任 長野大が全教員対象に新制度

信濃毎日新聞(7/03)

 長野大学(上田市)は本年度、全教員の任期を五年とする「任期制」を導入した。教員の資質や流動性を高め、教育研究を活性化、より優れた学生を輩出する狙いだ。学長、学部長らで構成する「評価委員会」が業績を評価し、基準を満たした教員は原則五年、再任する。四月一日以降の新規採用教員には、既に制度を適用。その前から在籍している教員には三年の猶予期間を経て二〇〇七年四月から適用する。

 今月中旬に検討小委員会を発足させ、今年中に業績評価の基準を決める予定だ。基準案によると、評価するのは(1)授業やゼミの教育実績(2)論文、著書など研究実績(3)大学運営への貢献(4)地域活動、社会貢献―の四分野。

 従来の業績評価では軽視されがちだった教育実績を重視、学生にとってよりよい教育を提供する教員が高い評価を受けるよう改めるという。

 教員が提出する書類や学生の授業評価に基づき、任期満了の一年前、過去四年分について評価し、教員に通知する。教員は評価結果に不満があれば異議申し立てができる。

 再任は、講師と助教授はそれぞれの職位で二期十年まで、教授は任満了時の審査で優秀と認められた場合は六十五歳の定年まで在任できる。

 全教員の任期制は珍しく、ある教授によると、検討過程では不安を感じる教員もいたという。身分が不安定になるほか、教育の場に任期制はなじまないのではといった懸念も背景にあるとみられるが、個性ある大学づくりを目指し、昨年から検討を続けた結果、今年二月の理事会で決定した。

 現在、学長を除く教員は四十九人。このうち任期制が既に適用されているのは助教授一人と講師三人。

 井出嘉憲学長は任期制を説明する書面で、「首切りの制度というイメージがあるかもしれないが、再任の機会もあり、教育の質を高める手段だ。公正に評価し、良質な人材の確保に努めたい」としている。


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2004年06月06日

九州大学教職員組合・大橋支部、声明「芸術工学研究院に大規模な任期制を導入することに反対します。」( 5月19日)

Academia e-Network Letter No 121 (2004.06.04 Fri)より

声明「芸術工学研究院に大規模な任期制を導入することに反対します。」( 2004年5月19日)

大橋支部は、芸術工学研究院に大規模な任期制を導入することに反対します。

1. 任期制とはきわめて強力な制度である

 任期制とは、失職させることを目的とする制度です。5年任期のポストに就くということは、5年後に自動的に失職することを法的に承認することを意味します。任期を定めて雇用された者はいかなる状況においても任期満了後には自動的に失職します。再任とは、失職によって空席となったポストに対して、あらためて新規採用を行う手続きを意味します。したがって再任において大学がとる手続きは、新規採用と法的には同等の手続きとなります。

 新規採用は、採用する側の都合で任意に行うことができます。新規採用においては、いかに能力・実績がある人といえども、採用されるとはかぎりません。したがって、再任を拒否された側が任期中の業績にもとづいて法的な救済措置を求めることはきわめて困難です。このことは京都大学の再任拒否事件に対する地裁判決で明確に指摘されています。裁判所は、再任を期待して業績を上げたとしてもそれはたんなる期待にすぎず、それに応えて再任する義務は大学にないと判決しています。任期制とは、雇用継続にかんする完全なフリーハンドを使用者に与える制度です。まずは以上のような任期制の法的本質を理解することが重要です。

2. 大規模な任期制の導入は違法の疑いがある

 任期制法は、こうした任期制の本質に鑑みて、任期制の導入を特殊な研究領域や研究形態に制限しています。任期制法は、任期付きのポストを意図して制限することにより、その全面的な適用を法的に回避しています。ところが九州大学の一部においては、研究院のすべてのポストに一律に任期をつけるような導入がなされています。こうした全面的な導入は、任期制法に関する文部次官通達や国会における議事録を読む限り、任期制法が意図したものではなく、むしろ回避しようとしたものです。

 研究組織の全構成員が労働権利上、防衛権を実質的に剥奪されるような組織形態は、きわめて異様です。違法の疑いのある任期制の運用によって、研究院はきわめて不安定で流動的な状態におかれることが予想されます。

3. 任期制は芸術工学を崩壊させるおそれがある

 芸術工学研究院以外の九州大学の基本的な組織は、講座制により、学問分野がそれぞれ独立していることにより成立しています。それゆえに任期制がその分野そのものの処分に直結することは一応避けられます。これに対して芸術工学研究院においては、各専門分野は、インターディシプリナリティの理念によって、はじめから固定化を避けるかたちで設計されています。

 かつての九州芸術工科大学は、その不安定さを教員の身分保障で補うことにより、相互に異質な学問文化が共存し、協力することを可能としてきました。教員は、同僚の異質さにときにはとまどい、ときには耐えながら、新しい学問と技術を生みだすことを課せられてきたのです。九州芸術工科大学は、各分野の相互協力をデザインの理念の中核に位置づけることで、全国にも例のない教育組織と研究組織を作りだし、類例のない学風を築いてきました。こうした利点を評価されて、われわれは伝統ある九州大学の一員として迎えられたのではないでしょうか。

 任期制により教員の身分保障が失われれば、芸工大の伝統は破壊されるでしょう。学問分野の存立が保証されないということは、再任拒否が教員の努力と全く無関係に行われる可能性を高めます。ある専門分野の中で教員がどれほど教育・研究に励んだところで、その分野自体が、その時々の研究院の執行部の戦略上(もしくは九大本部や文科省の戦略上)不要ということになれば、その研究分野は教員ともども廃止されるでしょう。そもそも任期制とは、そうした自由な処分を実現するためにつくられた、きわめて強力な法制度なのです。

 任期制の下で教員は、自分の努力とは全く無関係に、その時々の状況の中で自分の学問がいつ除外されるかもしれないという恐怖におびえながら、ひたすら再任という僥倖にすがるという精神状態を強いられるでしょう。そうしたいわば恐慌状態におかれたとき、おそらく研究院は、分野再編のヘゲモニーを奪い合う、生死を賭けた闘争状態に陥るかもしれません。こうした精神状態は、各学問分野の疑心暗鬼を招き、相互協力を難しくし、優秀な教員の離脱を招き、芸術工学の発展の障害になりかねません。

 九州大学の中期目標は、「学問分野の特質に応じて」任期制を導入することを定めています。芸術工学研究院は、その自らの特性を十分に考慮する必要があります。

4. 運用による任期制の形骸化は困難である

 現在の九州大学の一部に導入されている大規模な任期制は、再任を原則としており、著しい不適格者のみを除外するという運用がなされると伝えられています。またそうした条件で任期制が導入されたとも聞いております。芸術工学研究院においても、こうした運用を条件として大規模な任期制が導入される可能性があります。しかしながらこうした運用は、教員を定期的に失職させるという任期制の趣旨に矛盾しています。矛盾した制度の運用は、かならず、外部からの批判を浴びます。

 たとえば任期制において再任率が百パーセント近くであったとします。それは当然、任期制の形骸化として世論の批判を浴びるでしょう。そうした場合に、たとえば中期目標に再任率を数値目標として掲げるということになりかねません。そうなれば、誰でもいいから誰かを切らねばならないという状況すら生じるかもしれません。そのときに個々の教員にとりうる防衛手段はほとんどありません。

5. 任期制は自傷行為である

 教員のポストは大学の資産価値の中核を形成しています。九州大学全体の予算が一定である以上、任期制への移行により給与や待遇が大幅に向上することは考えにくいと思われます。待遇が同等のままポストに任期を付ければ、そのポストに対する評価は下がります。大規模な任期制への移行は、教員の労働条件だけでなく、大学の資産価値にとっても不利益変更となるのです。

 現在、任期制の大規模な導入は、決して国立大学全体の趨勢とはなっていません。九州大学は、全国の大学の趨勢に反して、自分の保有するポストの価値を一方的におとしめているのです。ポストの魅力が減少すれば、当然そこにリクルートできる人材の水準は低下し、学内の有能な教員はより価値の高い学外のポストに移動します。任期制は、人材の入り口に枠をはめ、有能な人材を選んで流出させる機能を果たします。

 九州大学は大学院大学です。大学院大学では、すぐれた教員による一貫した指導が必要です。教育の一貫性が保たれない大学に優秀な学生が入学するとは思えません。優秀な院生を獲得できるかどうかは、大学院大学としての評価にとって決定的です。人材の流動化が進めば進むほど、九州大学の教育機関としての評価は大きく損なわれます。今の時点で任期制を大規模に導入することは、大学間競争において、おそらく十数年のうちに、取り返しのつかない研究・教育水準の低下を引き起こす可能性があります。

6. 任期制は人と人とがつながる原理を変えてしまう

 旧芸工大から芸術工学研究院が引き継いだのは、異なった分野の教員が自分の専門に立脚しつつ、その枠を超えて自由に活動する伝統です。そうした伝統は、一人一人を尊重し、その人格を尊敬し、創意を引き出すいくつもの小さなチームによって支えられてきました。そうしたチームの中では、温かく励まし合う雰囲気の中で、今まで知ることのなかった同僚の新しい可能性を実感したり、自分の新しい可能性を見出すことが目指されてきました。事務員をも含む、そうした生き生きしたチームワークこそ、組織の活力の源となってきたのです。COE、科研費による研究、リサーチ・コア、FD、公開講座などの活動はすべて、こうしたチームワークを基礎としています。

 失職という脅しによって業績や労働を強制することは、陰鬱かつ陰惨な雰囲気を作りだします。というのもそうした手法は、魅力によってではなく、脅しによって、他者の行動を左右しようとするものだからです。失職という脅しが生みだすのは、創意や愛や喜びに裏打ちされたのびやかな活動ではなく、人間の主体性への不信であり、その自由への侮蔑であり、恐怖に支配された業績でしかありません。恐怖によって人を動かすことに慣れた組織は、教員だけでなく、事務員をも、いずれさらに弱い立場に追い込むことになるでしょう。

 非常勤職員、事務職員、技術職員、教員、そしてもっとも大切にすべき学生それぞれが、自由な発意と自己の良心にもとづいて活動することが最も重要であり、大学はその自由な状態を作りだし、擁護するための制度であるべきだと、九大教職組・大橋支部は考えます。そのためには、大学を構成するすべての人々の生活が、学問活動以外の利害によって左右されることがあってはならないと考えます。真理以外の価値に屈しないこと、人間の自由を信じること、自由のうちに人間の可能性を見いだそうと努力すること、そこにこそ、大学の価値があると考えます。

 九大教職組・大橋支部は、教職員のみなさんに、任期制への反対を訴えます。旧芸工大のように、大学を心を込めて育ててゆくために、人間を信じるみなさんの心に訴えます。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年06月06日 00:16 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年06月01日

再任審査、明確な基準を、未熟さ残る大学教員任期制

日本経済新聞地方版(5/31)より

 欧米に倣い、大学教員の流動性を高めて優秀な人材の受け入れを促すため、「任期制」の導入をうたった法律が施行されて七年になる。大学の再編・法人化と歩調を合わせるように浸透しつつあるが、「制度的に未成熟なのでは」と考えさせられる訴訟の判決が今春、京都地裁であった。
 原告は京都大の研究所の元教授。任期満了で再任を申請し、業績を検討した外部の専門家による評価委員会から「再任可」とされたのに、教授会に当たる協議員会が再任を認めなかったのは恣意(しい)的――として、大学側などに処分の取り消しを求めていた。
 判決は「法律上、任期制教員に再任してもらう権利はない」として訴えを退けた。「協議員会の審査は適正だった」とした大学側に軍配を上げたが、「協議員会が評価委員会の決定を全面的に覆したのは極めて異例」とも言及しており、再任を認めなかった理由をつまびらかにしない大学側の姿勢に、裁判所が苦言を呈した感は否めない。
 元教授は判決を不服として控訴しており、大阪高裁で双方の論争が続くが、協議員会が本人にきちんと説明していれば、法的手段に訴えなくてもすんだのではないか。
 大学の教員はいったんポストに就くと、研究や教育に熱心でなくても定年まで職を奪われる心配がない。その割を食って、優秀な若手研究者がなかなかポストに就けない。任期制は、そんな問題を解消する狙いもある。二〇〇二年十月時点で国立大学の七割弱の六十五校が導入済みだ。
 「再任は可」としている部局が多いが、客観的な審査の基準を巡って頭を痛めているようだ。
 例えば、研究、教育、地域、貢献などのカテゴリーに分けたうえ、研究だと学術誌に掲載された論文や特許発明などの項目を細かく設定してその年間の件数を点数化させ、一定ラインをクリアしていれば、「再任」を認める――など方法はいくらでもあるだろう。ところが、基準の解釈が難しいのか、「一年以上協議しているものの、甘くするか厳しくするかで議論がまとまらない」(九州大学医学研究院)といった声も聞かれる。
 その九州大では四月の国立大学の独立法人化にあたり、教員の任期に関する規則の中に「再任の可否にかかわる教授会の審査結果に不服がある者は、教育研究評議会に申し立てを行うことができる」とする条項を盛り込んだ。大学としても恣意(しい)的な審査を排除していこうという新しい試みについて「別の運用上の問題が生じる恐れもあるが、大きな進歩」と法律関係者は評価する。
 任期制の教員から再任審査があった場合に、公正かつ適正な評価がなされなければ、学問の自由や大学の自治に関する趣旨が根底から損なわれかねない。大学側は待ったなしの対応が迫られている。


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2004年04月23日

大阪大学における任期制(資料整理)

[任期制規程]
■国立大学法人大阪大学における任期に関する規程(2004年4月1日施行)
http://www.osaka-u.ac.jp/jp/saishin/ninki.pdf

[同大学・任期制に関する新聞記事]

教官に任期制=阪大

時事通信(2004/04/16)より

 大阪大は16日、独立法人化に伴う教職員人事適正化策の一環として、現在は終身雇用となっている教官の雇用制度について任期制を導入する計画を明らかにした。大学院工学研究科では2004年度から、新規採用する教官(助手、講師、助教授)全員について5年間の任期制を導入、今後採用される教官の雇用期間は最長で2期10年までに限定される。

阪大大学院工学研究科長・馬越佑吉氏へインタビュー、「個人評価、賞与に反映」

日刊工業新聞(2004/03/29)

大阪大学大学院工学研究科は4月の国立大学法人化に合わせ組織運営・体制改革を実施する。法人化後、理事・副学長に就任する馬越佑吉工学研究科長に、組織、任期制導入、個人評価についての狙いなどを聞いた。
―研究科の体制が大幅に変わります
「研究科長と専攻を代表する代議員で構成する代議員会で研究科運営の重要事項を決める。研究科の最高決定機関だった教授会の権限は大幅に縮小する。研究科役員会ではビジョンなどを決め研究科長、副研究科長などで構成する。アドバイザーリーボードを設けて外部人材を活用する」
―4月以降に採用する助教授・講師・助手を対象に任期制を導入します。
「任期は5年間で、再任は可能。例えば採用後に研究室に合わなかったり、成果が出なかったりすることもある。本人は懸命に研究をしており、転身の話を切り出しにくい。5年という区切りがあれば、別の大学や研究機関、企業など進路を考えるきっかけになるし、話もしやすい。企業側も仮に欲しい人材がいても声をかけにくい。もともと大学で採用した優秀な人材なので、転身するなら年齢的にも若い方がいい」
―教授への任期制導入は考えていますか。
「そういう声もあるが、教授は長期的な視野を持って研究科の運営にかかわる必要があり、ふさわしくない。教員個人の評価は研究科に新設する評価室と専攻長で評価し、報酬面に反映する。評価を厳しくすることで対応する。米国を見ても教授には任期はなく、教授になるために必死に努力している」「4月から工学研究科は24専攻になるが、05年度には10専攻に再編・統合する予定。従来は事実上、各専攻で教授を決めていたが、今後は外部を含めて公募するし、専攻の再編・統合により専攻内での競争が厳しくなり、教授になること自体が難しくなる」
―個人評価は報酬に反映させますか。
「個人評価は賞与に反映していく。個人ごとに環境が異なり、研究、教育、組織運営と等しく仕事はできないので、可能な部分を伸ばしてほしい。現状では外部資金を多く獲得しても報酬には反映されないが、将来的には反映させるべきだと考えている。何のインセンティブもない滅私奉公的な仕組みでは、若い人もついてこないし、人材流出を招く。ただ個人の業績に応じて報酬を増やすことは以前から可能で、運用の仕方に問題があった。今回、仕組みはつくったが、機能するかは別の話。新しい研究科長のリーダーシップが求められる」
【記者の目/組織の運営で他大のモデルに】
大学は研究だけでなく教育の使命があり、失敗はできず、継続制は欠かせない。法人化と今回の組織運営改革により長期的展望を持ちつつ、時代の要請にこたえる意思決定の速さ、機動性、柔軟性を持つことができる。現状の運営体制に限界を感じている他大学が改革を行う際の参考になるのではないか。


阪大院工学研究科、教授会の権限を縮小−重要事項は代議員会で

日刊工業新聞(2004/03/25)

大阪大学大学院工学研究科は4月から、組織・運営体制を変更する。従来、研究科の最高決定機関だった教授会の権限を縮小し、研究科長と専攻代表8人で構成する代議員会で重要事項を決める。また専攻の評価、教員個人評価、助教授以下の教員の任期制を導入し、教員間に競争原理を取り入れる。05年度には24専攻を10専攻に再編・統合する計画。専攻間の壁を低くし、複数分野にまたがる研究領域をカバー、新規分野、学問創出につなげる狙いだ。

研究科には研究科役員会、代議員会、教授会を置く。また教育学務室、運営企画室、財務室、評価室、社会連携室など7室を設置する。04年度は03年度の博士後期課程の定員充足率を元に各専攻を3段階で評価し、専攻への分配金に差をつける。また04年度に教官の論文数、外部資金獲得額、担当授業数、研究科運営への貢献などの項目に点数を付け評価のもとになるデータをとる。専攻長、評価室による評価を実施し、05年度から賞与に反映させる。04年4月以降に採用する助教授・講師・助手については5年の任期制を導入する。再任可能。

法人化後には、教授ポストを増やすことも可能なため、優秀な人材の登用につなげる。従来、教授選出は事実上、各専攻で決めていた。今後は専攻の統合再編によって異なる分野の教員がいる専攻から複数の候補者を挙げるほか、外部人材を含めて公募する。そして研究科や専攻のビジョンなどの視点からその分野の必要性、教育、研究の方向性を決め代議員会で選出する。
教授の任期はないが選考を厳しくする。

Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年04月23日 03:19 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年04月20日

北見工大の教員任期制、続新聞報道

北海道新聞(4/19)より

 四月からの国立大法人化を機に北見工大(常本秀幸学長)が全国に先駆け、教員任期制に踏み切った。大学の先生といえども、学内等査で再任が認められなければ、爛譽奪疋ード″を突きつけられ除籍となる。道内の他の国立大からは「優秀な教官が逃げてゆく」と新制度に懐疑的な声も聞こえるが、ぜひ成功させ、地方の国立大が競争の時代を勝ち抜く先例をつくってほしい。

 この制度は「辞めさせるのが趣旨ではなく、緊張感を高め変革を図る」(常本学長)狙いで焦点は〇査の公正さ∪度の趣旨に対する教員たちの理解−の二つ。とりわけ△砲弔い討蓮⊆荳爐靴慎者自身も驚いた事実がある。
 「大学の教員等の任期に関する法律」によると、新制度を現職に適用する際は本人の同意が必要だが、新制度が正式決定した四月一日から現在までに、百五十七人の同大教員(助手、講師含む)のうち、ほぼ半数が自ら志願して審査対象に登録されたからだ。制度が狙った「緊張感」が早くも芽生えたのである。
 では、公平で透明性の高い審査体制はどう確立するか。
 審査が五年ごとの教授・助教授に対し、助手、講師は最初の任期切れが三年後。学内で作成中の評価基準は「複数の教員」(同大)が特命で担当しているが、最終事審査は学長、副学長、理事の計六人で構成する役員会の専管事項となる見込みだ。このため、「権力の集中とその強大化」を懸念する声も少なくない。昨年度から一部学部で任期制を導入した九州大も「評価教官の不安を除く必要がある」という。北見工大は客観的に審査を検証する「外部のオブザーバー」導入を真剣に検討すべきだろう。
 北見工大の常本学長は北大工学部を卒業後、一九六四年からいすヾ自動車でレースカーエンジンの開発に携わり、七四年に同大助教授に招かれた。「行き過ぎた保護は大学を弱体化させる」が持論。新制度も、法人化移行に伴い教育、研究実績が国からの予算配分額に直結する動きに敏感に反応した結果といえる。
 北大のある救援は「安定した立場でじっくり研究に取り組むことで、成果も生まれる」と批判的だが、地方の国立大は個性や特色がなければ衰退しかねない。その懸念は大都市の大学より、ずっと深刻だ。工学部の単科大である北見工大が、マンモス大学の北大以上の「フロンティアスピリット」を求められる理由もここにある。
北見工大は戦後、地元が「産業発展に寄与する人材育成の拠点をオホーツクの地に」として、「大蔵省に夜討ち朝駆けの陳情」(北見市史)を展開。六〇年に北見工業短期大学として関学した。現在は、オホーツク海に眠る地下資源研究や太陽熱の実用化などの分野で実績を上げている。
 「地道な基礎研究分野でも教員が真剣に打ち込んでいれば評価できる」(常本学長)という試み。任期制によって大学は新たな活気が満ち、その結果、除籍される教員は一人も出ない−。そんな理想を目指してほしい。

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2004年04月10日

『04/3/28任期制・年俸制シンポジウム』の報告から

学問の自由と大学の自治の危機問題(佐藤教授)サイトより

『04/3/28任期制・年俸制シンポジウム』の報告から

総合理学研究科 佐藤真彦

『任期制・年俸制シンポジウム報告集04-3-28』

 http://satou-labo.sci.yokohama-cu.ac.jp/040328houkoku.htm 参照

【抜粋】
 このように,大学にとっても市民にとっても,百害あって一利もない“改革”であることが明白であるにもかかわらず,横浜市や東京都が「任期制・年俸制」を,執拗かつ強引に導入しようとしている“背景と真のねらい”は何だろうか?中田市長や石原知事の個性によるところも大きいと思われるが,つまり,彼らの“パフォーマンス好き”や“大学人・大学界”に対する強い反感等もあると思われるが,おそらく,縮小統合に伴う人員削減と人件費抑制,および,人事と予算に関連した権限の完全掌握による官僚統制強化であり,首長およびその官僚たちの思い通りに大学を管理することを狙っていることは確かだろう.これでは,彼らが主張する“大学間競争に勝ち残る”どころか,横浜市大や都立大ですでに始まっている“教員の大量逃散”や“優秀教員の募集難”で“大学間競争に敗北する”ことは必至である.…

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2004年04月06日

北見工大、全教員任期制の北海道内私大への影響についての懸念

 北見工大は、4月1日開催された「教育研究評議会」において任期制の導入を正式決定した。この任期制は,新たに採用・昇任する教員全員が適用されるという「極めて異例」な制度であり,私立では長野大学が同じような制度を決めたが,国立大法人では他に例はない。もちろん道内初でもある。
 この任期制の詳細については,手元に資料がなく以下で掲載する新聞報道によらねばならないが,その目的は「大学間の生き残り競争が激化しており、より魅力ある大学に変ぼうするための足掛かり」,「少子化などを背景に、大学が優れた研究成果を挙げ、生き残るためには不可欠」,「地方大学を存続させ、優秀な人材を確保する」等々が唱われている。要するに,任期制導入は「学内の緊張感を高め」一定期間内で必ず研究成果を出させることによって「魅力ある大学」に変え,また「優秀な人材の確保」にもつながるとの判断のようだ。
 この北見の全教員任期制は,大学教員任期制法との関係でいえば,おそらく一般的・包括的な対象規程である「先端的・学際的研究など多様な人材が特に必要な教育研究組織の教員とする場合」を適用したのであろう(そうした適用について学内で問題にならなかったのだろうか)。また新聞報道を見る限り,「教員評価の公平性をどう保つかなど懸念の声」もあるようだから,評価方法に少なからず課題を抱えているのかもしれない。いずれにしても,同大学は大々的に銘打って全教員任期制を導入した。しかも,それは教授会の承認の上で決定されたのである。
 こうした北見工大のやり方は,様々波紋を投げかけた。全国的にもそうであるが,少なくとも道内私立大学に勤務するわれわれ教職員や組合にとっては,迷惑この上ない改革と受けとめざるを得ない。
 今,道内中小私大の多くは入学者の定員割れ(あるいはその寸前)といった経営の岐路に立たされている。各大学とも定員の縮小をも視野に入れた改革を余儀なくされつつある。その中で,教職員の雇用の不安定化は着実に進んでおり,既に一部大学では整理解雇問題も発生している。私学経営サイドは,これまでもそうであるが,学部・学科改変を前提に雇用の柔軟性を確保するため一般非常勤とは異なる有期「契約教員」,「契約特任制」等の導入を模索してきた。こうした状況にあって,北見工大の全教員任期制は,今後の道内他大学における有期雇用等類似制度の導入にきっかけを与え,また確実にそれに拍車をかけたといわざるを得ない(何につけ国立右習え思考の根強い北海道私大ではなおさらだ)。新聞報道によれば,北見工大内部では「制度導入で教員が実際に職場を追われる可能性はそれほど高くはない」とか、常本秀幸学長自身も「運用上の懸念を否定した」というが,もし当該教授会がこうした判断に基づいて導入を決定したとするならば,それ自体他大学への影響を無視した全く一人よがりの決定である(学内では,2004年以降の採用と昇任に適用するのだから既存の教授はこの任期制とは無縁だと考えているのかもしれない)。
 過疎地域も含め広い北海道における均衡ある高等教育機会の保障と魅力ある大学づくりは,いまや市場原理にもとづく個別大学間の競争(それは中小私大の崩壊に導く競争)を促進することで達成されるとは考えられない。北海道高等教育界が問題として抱える進学率の長期低迷や大学生の大規模な道外流出,あるいは郡部大学の危機をどうやって解決すべきか。少なくとも大学間の教育面での相互補完や連携・共同を進め(ある場合には各大学間の学部定員調整への模索も含めて),道内全体の大学教職員の血のにじむような努力の下,多様な学生サービスと教育内容,および提供する教育水準を総体として高め進学率を上げていく以外に活路はないと考える。そしてそれは当然ながら各大学で働く教職員の身分や安定した雇用条件の保障になしには,実現されないのである。その意味で,今回の北見工大の全教員任期制導入は,今後の北海道高等教育の再生と教職員の安定的雇用の確保において,マイナスの方向を決定づけたと評価するものである。
 これまで全国的にもそうであるが,こうした問題について全大教と私大教連が本格的に共同して取り組むことなかったと言ってよい。この点は運動する側の決定的な弱点でもあった。したがって,この際「全大教北海道」と「北海道私大教連」は早急に協議し,取り組みの強化を図るべきである。
(文責 ホームページ運営・管理者)

以下,北見工大の任期制についての新聞報道(小学生向け新聞にも掲載されている実態を見よ!)

教員の任期制導入を承認 法人に移行の北見工大

北海道新聞朝刊(2004/04/02)

 四月に国立大学法人に移行した北見工大で一日、就業規則や予算枠などを検討する各運営組織会議や、役員への辞令交付式が行われた。
 常本秀幸学長と同大教授の計二十四人で構成する教育研究評議会では、本年度から採用する全教員の任期を五年間とする「任期制」の導入を正式に承認した。
 また、学長と学外理事一人を含む計六人の理事で組織する最高決定機関「役員会」や、経営面から予算を検討する「経営協議会」など四つの運営組織の会議が相次いで開かれた。
 国立大学法人は行政機構の一部だった国立大を法人とすることで、各大学の予算や人事面での裁量を大きく広げ、大学間の競争を促す狙いがある。常本学長は「法人化を好機ととらえて組織改革を進め、大学の発展に結び付けたい」と強調した。

国立大法人化 期待と不安 1日から 文科省 研究が活性化/学長 経費減に悲鳴

北海道新聞夕刊(2004/03/29)

 …リストラは人事面にも及ぶ。北見工業大は、○四年度以降採用・昇任する全教員に、五年間の「任期制」を導入する。一定期間内に成果を求めることで「より魅力ある大学に変ぼうするための足がかりとしたい」と常本秀幸学長。
 北大も大学院文学研究科が○四年度から、新たに採用する助手をすべて任期制とし、さらに、全学的にも検討を進める方針だ。…

北見工大が教員に任期制 成績悪ければ退職に

北海道新聞夕刊<道新小学生新聞水ようフムフム なぜなに こどもニュース>(2004/03/24)

 北見工業大学(きたみこうぎょうだいがく)は十七日、四月から採用(さいよう)されたり、昇任(しょうにん)したりする全教員に任期制(にんきせい)を導入(どうにゅう)することを決めました。定年まで職場(しょくば)にいることができた国立大学の先生たちの身分が見直されるのです。全教員の任期制は全国でも異例(いれい)のことです。
 大学の先生には教授(きょうじゅ)、助教授、講師(こうし)、助手がいます。北見工大では、これらの先生の最初(さいしょ)の任期を五年とします。その後、教授と助教授は五年ごとに審査(しんさ)を受け、研究の成果が上がらなければ、退職(たいしょく)となります。講師や助手も一定期間に昇任しなければ退職です。成績(せいせき)が悪ければクビになるわけです。
 国立大学は四月から国立大学法人(ほうじん)になります。国から独立し、個性(こせい)を出せるのです。任期制は時代を先取りしていますが、先生の間では「地味な研究がおろそかにされないか」という不安(ふあん)の声も出ています。

全教員に任期制 北見工大が導入 来月から 教授と助教授5年ごと再任審査 「生き残りに不可欠」 助手・講師は再任制限

北海道新聞朝刊(2004/03/18)

 北見工大(常本秀幸学長)は十七日、二○○四年度以降に採用・昇任する全教員に対し、実績を重視する任期制を導入する方針を決めた。最初の任期は五年間とし、国立大学法人に移行する四月一日の経営協議会で就業規則として正式決定する。講師・助手は再任回数に制限を設ける厳しい内容。少子化などを背景に、大学が優れた研究成果を挙げ、生き残るためには不可欠な措置と判断した。(解説3面に)
 文部科学省によると、九州大学の一部学部などで任期制を導入しているが、全教員対象の制度導入は「極めて異例」という。
 北見工大によると、採用・昇任後の最初の任期は全教員一律五年とし、その後、教授・助教授は五年ごとに再任審査を実施する。再任されなければ自動的に退職となる。
 一方、講師・助手は再任回数に制限を設け、在任期間中に助教授などに昇任できなければ退職となる。
 評価は、学長と三人の理事などで構成する大学の最高意思決定機関・役員会と、内部評価委員会が、論文数などの業績を基に審査した上で決定する。任期制導入については、すでに教授会で承認された。
 北見工大は、国公立大の法人化論議が進む中、○三年秋から任期制の検討に着手。地方大学を存続させ、優秀な人材を確保するうえで導入は不可欠と判断した。
 常本学長は「大学間の生き残り競争が激化しており、より魅力ある大学に変ぼうするための足掛かりにしたい」と話している。
 同大は工学部の単科大学で、機械システム、電気電子、情報システムなど六学科。学生は千六百四十人で、現在百五十二人の教員の内訳は教授六十二人、助教授五十七人、講師一人、助手三十二人。
 文科省によると、九州大では全十一学部のうち、医学、薬学、工学、農学の四学部で○一年度から任期制を導入。東京都立大が来年四月、首都大学東京と名称を変更するのに合わせて導入を検討している。

北見工大が任期制導入へ−競争時代 緊張感高める 評価公平性に不安の声

北海道新聞朝刊(2004/03/18)

 〈解説〉北見工大の任期制導入は、国立大学が四月から一斉に独立行政法人に移行し、生き残りをかけた競争時代に突入するのを踏まえ、学内の緊張感を高めるのが大きな狙いだ。
 同大関係者は「制度導入で教員が実際に職場を追われる可能性はそれほど高くはない。制度はある意味で改革のシンボル」との見方もある一方、地味な基礎研究が軽視される懸念や、教員評価の公平性をどう保つかなど懸念の声も少なくない。
 同大は、交通の便の悪さなどから、存続への危機感が強く、二年前の「道内単科六大学の合併協議」でも熱心な旗振り役を務めた。結局、合併は実現せず、単独での存続が最重要課題となり、先進的な任期制導入につながった。
 常本秀幸学長は「目立つ研究でなくても、五年あれば何らかの成果は出せる」と運用上の懸念を否定するが、北大のある教授は「学者の仕事の評価方法が確立されていない状態での導入は危険」と指摘する。
 企業の成果主義に否定的な高橋伸夫・東大大学院経済学研究科教授は「将来を考える若く優秀な研究者は、じっくりと仕事をできる終身雇用の大学を選ぶ傾向が強く、任期制でむしろ人材確保が難しくなるのではないか」と疑問を呈し、北見工大の試みが奏功するかは不透明だ。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年04月06日 00:07 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年03月26日

3月28日講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか 」、「開催趣旨」

大学改革日誌(永岑教授)−最新日誌 2004年3月25日(5)より引用

 講演とシンポジウム「任期制・年俸制導入と評価制度は大学と教育をどう変えるか 」(04-03-28:横浜)の「開催趣旨」を頂戴した。「知的生産」の場としての「大学の論理」の強調、「大学の論理」(科学文化の研究と教育の独自の論理=自由の論理・科学的批判の論理=精神的な発見創造の論理)に基づく改革の必要性を訴えている点に、特に共感をおぼえる。


「講演とシンポジウム」開催趣旨(ダウンロード用ファイル)

「講演とシンポジウム」開催趣旨

 学問研究の自由を主張する根拠は「研究という行為が既存のものを疑い批判することによって初めて成り立つという特性をもつ」点にある。したがって、研究の自由や言論の自由は、研究が成立するための必要不可欠な条件であり、大学の自治は、この学問研究の自由を保障する制度として歴史の彫琢を経て承認されてきた。私たちが、今行われている市大と都立大の改革に反対し批判しているのは、教授会や学生等大学の構成員の意見を無視して強権的に進められる改革は、研究の自由や言論の自由に違背し、大学の自治を侵害すると考えるからに他ならない。…

Posted by 管理者 : 掲載日時 2004年03月26日 00:04 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2004年03月19日

北見工大、全教員に任期制導入へ 全国でも「極めて異例」

 北見工業大学が,全教員を対象とする任期制導入の方針を決定した。この記事は北海道新聞朝刊の一面トップニュースを飾った。私が所属する大学でも大きな話題となった。
 道新によれば,「地方大学を存続させ、優秀な人材を確保するうえで導入は不可欠と判断した」という。しかし,優秀な教員が好きこのんで五年ごと再任審査(パスしなければ解雇となる)がある大学の,しかも道東の北見まで行くだろうか?。極めて疑問である。
 

北海道新聞(3/18付朝刊一面トップニュースでした)より部分引用

 北見工大(常本秀幸学長)は十七 日、二〇〇四年度以降に採用・昇任する全教員に対し、実績を重視する任期制を導入する方針を決めた。最初の任期は五年間とし、独立行政法人に移行する四月一日の経営協議会で就業規則として正式決定する。講師・助手は再任回数に制限を設ける厳しい内容。少子化などを背景に、大学が優れた研究成果を挙げ、生き残るためには不可欠な措置と判断した。…

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2004年03月15日

長野大、新年度より5年間の任期制導入 全教員への適用は全国初

長野大学は,新年度より,54人全教員を対象に、5年間の任期制を導入する。以下,それを伝える朝日の記事。

asahi.com (3/14)より部分引用

 長野県上田市の長野大学(井出嘉憲学長)は新年度から、教授、助教授、専任講師の計54人全教員を対象に、5年間の任期制を導入する。少子化で競争が激化する私大の生き残り策の一つ。文部科学省によると、任期制を全教員に適用した例は聞かないという。
 長野大学によると、任期は5年で、助教授、講師は同一職位で1度再任用できる。教授の再任用も原則1度だが、特に業績優秀なら、5年ごとに評価したうえで65歳の定年まで在籍を認める。再任用されなかった教員は、任期終了時点で退職しなければならない。…

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2004年01月07日

北九州大学、任期制導入など「改革プラン」まとめる

「北九州市立大学の今後のあり方検討委員会」(座長・中嶋嶺雄中央教育審議会委員)は、全教員に5年の任期制導入などを盛り込んだ「改革プラン」をまとめた。市と同大は1月に法人設立準備委員会を設置し、05年4月の独立行政法人化を目指して具体的な準備作業に入る。

Mainichi interactive 2003/12/31

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2003年12月28日

教員任期制 大学研究の活性化は疑問

【私の視点】 神戸大学大学院法学研究科教授 阿部 泰隆氏(朝日新聞 03/12/22)

大学教員任期法が制定されて6年になる。国公私立すべての大学において、教授を含めた大学教員に任期制を導入して、教員の入れ替えを進め、大学などへの多様な人材の受け入れを図るものである。立法者はこれによって、相互の学問的交流が不断に行われ、教育研究が活性化することを期待した。

 そうした効果には疑問が多く、大学ごとの選択制であるため、これまではあまり活用されてこなかった。しかし、来年4月の国立大学法人化を控え、大学改革の一環として導入の動きが強まっている。……

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2003年12月18日

琉球大学医学部における全教員任期制化について(見解)

日本科学者会議琉球大学分会(2003年12月1日)

 「医学部教授及び助教授の任期制検討委員会」(石田肇委員長)は、「新規採用者・在職者(全員)」を対象として、「教授10年、助教授5年、講師5年、助手3年」(それぞれ再任を妨げない)の任期制を導入する方針で審議を進めており(10月22日開催の委員会)、11月26日の医学部教授会にも報告している。
 この方針が実行されるならば、任期制法に照らしても極めて重大な諸問題を含んでいる。

1.学部の全教官への任期制導入はできない
2. 各職階の任期や再任の条件に無理がある
3. 全学の教育・研究、大学運営への影響

Posted by 管理者 : 掲載日時 2003年12月18日 00:04 | トラックバック (0)
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