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 カテゴリー 学長選挙

2007年03月26日

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件、第7回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース404より転載

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第7回口頭弁論記録

2007年3月20日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟

2 第5回口頭弁論 2007年3月8日(木) 13:13―13:16、第1法廷開廷

3 担当  民事第2部 山崎まさよ(裁判長)、外山勝浩、西村真人・裁判官(合議)

4 原告  7名出席

5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
           鯰越溢弘・弁護士

6 被告 新潟大学

7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)

8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 50名前後(ほぼ満員)

9 公判状況
(1) 最初に、マスコミ用の写真撮影が2分間ありました。
(2) その後、ただちに、裁判長より、「本件訴えを却下する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との主文申し渡しがあり、ただちに閉廷されました。もちろん、理由の朗読、あるいは、説明は、ありませんでした。

10 まったく私的な感想
(1) 後に入手しました判決文によれば、「裁判所の判断」は、以下の通りです。
① まず「学長選考会議には、学長候補者を選考決定するに際して広範な裁量が認められていると解すべきであり。法は、大学内で研究・教育に携わる者らの意向については、学内委員を通じて間接的に学長選考会議に反映させることを予定しているといえる。」と述べています。
② その上で、学長選考規則14条1項の「学長選考会議は、第二次意向投票の結果を参考とし、学長候補者を選考の上、決定する。」という条項を、「学長選考会議が、学長候補者の選考決定をするにあたって、学内の意見を聴取し、その結果(第二次意向投票の結果。単に1位の者が誰かということだけではなく2位、3位の得票数等を含めた投票全体に関するあらゆる結果を含む。)を選考判断の参考資料として用いるべきことを規定したものと解するのが相当である。」とします。
③ 以上の立論にもとづいて、「したがって、本件決定当時、学長選考会議の構成員ではなく、第二次学長候補適任者でもなかった原告らは、本件決定について法律上の利害関係を有しているとはいえないから、本件決定の無効を求める訴えの原告適格を有しないというべきである。」と結論づけています。
(2) 裁判所の判断は、上記のように、予想外の結論になりました。ここでは、学長選考会議の裁量性のみが強調され、私どもの主張した以下の点について、まったく触れるところがありません。
① 鈴木佳秀教授の辞退の意思を、学長選考会議が無視したこと、および、同会議の冒頭では、同教授の辞退の意思を無視して、学長候補者選考の議論の対象にしておきながら、同じ会議の最後においては、同教授を無視して、残り2名についてのみ議決・投票を行っていることという、2重の手続き違反については、まったく触れるところがありません。
② また、いかに学長選考会議に学長候補者選考について裁量性があるとはいえ、今回のように、その審議過程、すなわち、第二次意向投票の結果と異なる結論にいたる過程について、「混乱が生じるから、一切説明しない」と発言した学長選考会議の議長の説明責任の放棄による違法性についても、いささかも触れていません。いかに、第二次意向投票の投票権者に、「権利性」がないとはいえ、法に定められる投票を行った以上、その結果について知る権利は保障されるはずです。それすらもないとすれば、何のための投票だと、裁判所はお考えなのでしょうか。このような私どもの主張にも、本判決は、まったく触れていません。
(3) 今回も、多くの方々に傍聴に参加していただき、まことに心強いことでした。しかし、結果は、最悪のものとなりました。これでは、今回の学長候補者選考過程の内容は、まったく藪の中となり、しかも、判決で「裁量性」を強調することにより、学長選考会議が、決めれば、何でもありという結論になります。これでは、まさにわが国の大学の自治などは、どこかに飛び散ってしまいます。私どもは、当然のこととして、ただちに、控訴し、私どもの主張について、いま一度裁判所の判断を求めたいと思います。
(4) 第一、このような木で鼻を括ったような、形式的な判決をだすために、なぜ、9月段階で、それまでの単独審理を、合議審理に切り替えたのでしょうか。判決内容は、ただ、被告側の主張を、もっとも単純になぞるものに過ぎず、この程度のものでお茶を濁すだけなら、単独審理で十分なはずです。思い切り悪意に勘ぐれば、裁判所が時間稼ぎをしたとしか思えませんが。あるいは、まさに時間稼ぎのために、このような木で鼻を括ったような判決を出せば、原告側は必ず控訴するであろうから、東京高等裁判所でゆっくりと審理を行い、2008年1月の現在の学長の任期切れ(訴訟対象の消滅)という期限の到来による訴えの却下でも狙っているのでしょうか。
素人である私からしても、このような単純な「裁量性」の強調のみによる門前払い判決が、これまで、2005年の小田急電鉄事件最高判などに象徴されるように、訴えの利益を広げ、できるだけ門前払いを避けて、内容の審議に入って,もし、必要であれば、棄却の判断を行うという、最近の判例の傾向に、大きく外れるような気がします。とりわけ裁判員制度などを通じて、「市民に分かりやすい裁判を」と努力されている、最近の最高裁判所の傾向とも大きくズレるように思われます。
(5) 私どもは、2007年3月16日付けで東京高等裁判所に、本件について控訴しました。訴訟は、なお継続します。みなさまのご支援を、これまで通りに宜しくお願いいたします。なお、私が、定年直前の雑務のため、および、判決直後から北京大学に研究会のため出張しており、ために今回の報告が遅くなったことをお詫びいたします。
以上


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2007年02月26日

下関市立大、学長選考 主張対立のまま幕引きへ

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/02/20070223ddlk35040407000c.html

 下関市立大の独立行政法人化準備委員会が22日あり、学長選考小委員会は、新学長から漏れて選考方法に異議を唱えていた堀内隆治・現学長に回答を示した。学長も出席して意見を述べたが、双方の主張は平行線のまま。準備委は同日で最後となり、学長もこれ以上争わないとみられるため、問題は幕が引かれる見通しになった。……

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2007年02月16日

琉大教授、学長選考の中止 求めて申し立て

■琉球新報(2007/02/15)

 琉球大学(森田孟進学長)の学長候補者選考は反民主的だとして、同大工学部の永井實教授は十四日までに学長選考の中止を求める仮処分申請を那覇地裁に申し立てた。十五日には両者の意見を聞く審尋が行われる。
 琉大の学長選考は二〇〇五年に投票で決する選挙方式を廃止。投票で教職員の意向を調査し、学外委員を含む「学長選考会議」が最終決定する方法が採用されている。投票の候補者になるためには三十人以上の推薦が必要となる。
 現在、琉大では任期満了に伴う学長選考が行われ、同大理事の岩政輝男氏(六四)、法文学部長の仲地博氏(六一)の二人が候補者として公示されている。投票を十九日に実施する。

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2007年02月08日

広大学長選で学内意向投票へ

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200702080014.html

 広島大の学長選考を左右する学内の意向投票が、8日から始まる。国立大学法人化や少子化で大学間競争が激化する中、教育の充実や組織運営の在り方を争点に接戦も。……

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2007年02月01日

下関市立大、学長選、現学長が質問書

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/01/20070131ddlk35040630000c.html

 下関市立大の独立行政法人化後最初の学長が教授会の意向投票結果と違う坂本紘二教授に内定したことに対し、選考を争った同大の堀内隆治・現学長は法人化準備委員会に質問書を提出した。「過半数が投票しており、投票の結果には全員が従うのが通念ではないか」としている。……

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2007年01月26日

広島大教職員組合、「学長候補者に抱負を問うアンケート」

広島大教職員組合
 ∟●「学長候補者に抱負を問うアンケート」

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2007年01月18日

下関市立大、学長選考に異議 市民団体が要望書

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/01/20070117ddlk35040422000c.html

 下関市立大の独立行政法人化後最初の学長が、教授会の意向投票で少数だった坂本紘二教授に内定したことに対し、市民団体が16日、学長選考のやり直しを求める要望書を江島潔市長と法人化準備委員会委員長の山村重彰副市長あてに提出した。

 選考に異議を訴えたのは、市民約15人で数日前に結成した「下関市立大学学長の選考を考える会」。教授会の意向投票で堀内隆治・現学長が26票、坂本教授が24票だったが、選考小委員会の審査で坂本教授が選ばれた。このため、占部弘代表(68)は「極めて明確に投票結果が覆されており、恣意(しい)的に審査された気がする」と述べた。


(これまでの関連記事)
下関市立大、学長選考 「教授会の意向無視」と異議

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2007年01月16日

広島大学長選、7人を公示

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200701160029.html

 広島大は15日、牟田泰三学長の任期満了(5月20日)に伴う学長選の投票対象者7人を公示した。2月8日と14日に計2回の学内投票を実施し、同16日の学長選考会議で決める。……

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2007年01月15日

下関市立大、学長選考 「教授会の意向無視」と異議

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2007/01/20070113ddlk35040202000c.html

 下関市立大の独立行政法人化後最初の学長が坂本紘二教授に内定した。しかし、この人事が教授会の意向投票と違ったため教授会内でも異論が出ている。11日には同大教授が市役所で会見し、選考方法に異議を訴えた。

 会見したのは国際商学科の山本興治教授(62)。教授会の意向投票は、堀内隆治・現学長(26票)が坂本教授を2票上回った。しかし、選考小委員会の審査で逆転。山本教授は「教授会の意思を無視しており、大学の自治が侵されることにつながらないか。同意見の教員もいる」と述べた。……


[関連ニュース]
下関市立大:初代理事長、水道局長の松藤氏に /山口
下関市立大学長に坂本氏
下関市立大 法人化へ改革に意欲 初代理事長に松藤氏

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2006年11月24日

北大職組、総長選挙組合声明

北大職組
 ∟●総長選挙組合声明(2006/11/22)

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2006年10月30日

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件、第6回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース364より

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第6回口頭弁論記録

2006年10月26日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟
2 第5回口頭弁論 2006年10月26日(木) 13:13―13:19、第1法廷開廷
3 担当  民事第2部 山崎まさよ(裁判長)、外山勝浩、西村真人・裁判官(合議)
4 原告  6名出席
5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
           鯰越溢弘・弁護士
6 被告 新潟大学
7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)

8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 50名前後(ほぼ満員)

9 公判状況
(1) 冒頭、裁判長より、原告適格問題について、これまでの提出書類以上の発言があるかと尋ねられ、原告側・被告側いずれも、提出書面以上の発言を求めず。
(2) 鯰越弁護士より、訴訟の進行状況について申し上げたいとして、「すみやかに実体の審理を行い、事態を明らかにしていただきたい」と発言。
(3) 裁判長より、「次回3月8日の公判において、原告適格問題について、裁判所としての判断を明らかにする」と申し渡される。
(4) この裁判長の発言を受けて、鯰越弁護士より、「3月8日というのは、あまりに先の日程ではないか、刑事事件ほどとは言わないが、裁判の迅速化に関する法律の趣旨からも如何なものか」と発言。しかし、この発言に対して、裁判長は、何も答えず、日程を再確認して、閉廷。

10 まったく私的な感想
(1) 前回の裁判長の発言で、いよいよ形式審理の最後のまとめとして、期待されるところもあり、今回の審理には、いつも以上に多くの傍聴人に支援にために参加していただき、まことに心強いことでした。ただ、結果は、上記のように、予想外の進行になりました。
(2) この3月までの5ケ月の休みが、一体、何を意味するのか、私には、まったく分かりませんが、いずれにせよ、次回で、入り口論の議論、あるいは、この訴訟そのものが、終わりになります。もちろん、私どもは、依然として、中間判決が出て、次々回以降、実質審議に入ると確信しており、先週、証拠申請(証人喚問の申請)をしたところです。
(3)現在、原告側が提出している5部の準備書面、被告側が提出している3部の準備書面、および、それらに付随する30点程度の証拠甲乙証を検討して、私どもの原告適格を判断するのが、それほどの期間を必要とするほどに困難な問題とは思えません。これは、素人の、まったくの当て推量にすぎませんが、3人の裁判官の内の、どなたかが来年4月に異動されることが予想され、それで、実質審理(いずれにしても、半年や1年近くかかるでしょうから)を4月以降にされたということでもあるのでしょうか。これは、言うまでもなく、3月に「中間判決」が出るという希望的観測の上での当て推量ですが。もちろん、「終局判決」が出て、そこで決着をつけるという、まったく単純な予測も、ありうると思います。ただ、そのためには、単独審理を合議審理に切り替えるという面倒な手間までかけて、3月に一気に終わるというのも、なかなかに考えにくいかと思います。いずれにせよ、裁判所までが、08年1月の、現学長の任期切れ(訴訟対象の消滅)を待っているのでなければ、幸いです。かくして、この訴訟は、次回3月8日まで、長い休みに入ります。
草々


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2006年10月17日

筑波大学、岩崎学長を再任

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061016ic21.htm

 筑波大学は16日、岩崎洋一学長(65)の再任を発表した。13日の学長選考会議で決定した。任期は2009年3月31日まで。……

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2006年10月16日

立命館の次期総長に川口氏を選出 大学長を兼務

http://www.asahi.com/life/update/1015/007.html

 学校法人立命館は15日、総長候補者選考委員会を開き、次期総長に立命館大政策科学部長の川口清史教授(61)=経済学=を選出した。……

立命館大学の総長選挙とは実はこんなもの。
下記は,立命館大学学友会HP

2006年10月13日

総長選任検討委員会
委員長 大月英雄

2006年度立命館学園総長選任に向けて

はじめに
 10月4日、学友会中央常任委員会は、2日に総長候補者3名が推薦されたことを受けて、公開質問状を各候補者宛てに提出した。併せて公開質問状に対する回答を直接本人の口から語ってもらうため、12日の公開討論会への出席を依頼した。しかし結果として、3名の候補者とも公開討論会への出席を辞退し、公開質問状への回答さえない有様であった。総長選任検討委員会は、今回の総長選任が民主的に実施されるのか大きな懸念を抱き、15日の投票行動に向けて、総長選任をめぐる情勢を整理しておくことにした。……

[同ニュース]
立命館総長に川口清史氏を選出

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URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/10/post_2131.html

2006年10月12日

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件、第5回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース360より

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第5回口頭弁論記録

2006年10月10日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟
2 第5回口頭弁論 2006年9月7日(木) 16:30―16:45、第1法廷開廷
3 担当  民事第2部 山崎まさよ(裁判長)、外山勝浩、西村真人・裁判官(合議)
4 原告  5名出席
5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
6 被告 新潟大学
7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)
8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 40名前後
9 公判状況
(1)冒頭、裁判長より、これまでの単独審理から、合議体審理に移行するについての裁判手続きの更新の告知がありました。
(2)裁判官が、交代したことに伴い、山下より、私どもの請求の趣旨について、10分ばかり説明しました(第1回口頭弁論時に展開・私の陳述書を、より短縮したもの)。
(3)裁判長より、次回口頭弁論において、被告側提出の第3準備書面、原告側提出の第1-第4、および、第5準備書面を中心に、原告適格の問題を審理し、その次の口頭弁論において、この問題に決着をつける、すなわち、終局判決(いわゆる「門前払い」)か、中間判決(本案審理に入る)を明示すると告知されました。
(4)次回は、10月26日(木)13:10開廷。

10 次回公判 10月26日(木)13:10開廷。
   
11 感想
(1)今回も、多くの教員や学生、社会人が、傍聴に参加してくださり、まことに心強いことでした。
(2)次回で、入り口論の議論を終わりにするということです。それを前提に、次々回(11月か、12月の法廷)で、裁判所の判断が示され、決着がつけられます。現在では、終局判決がでるか、中間判決がでるかは、まったく、予断を許しません。もちろん、私どもは、中間判決が出ると確信していますし、そうでなければ、本件を、わざわざ合議審理に移したが意味がないと信じていますが。……


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2006年08月29日

稲田前経法大学長に聞く、告訴に至る裏側の実態

http://www13.plala.or.jp/news21/shimen/0825_top.html

 秋田経済法科大学の稲田俊信前理事長・学長退任問題を巡る仮処分申立てについて秋田地裁は八月七日、申し立て却下を決定した。稲田氏は直ちに仙台高裁秋田支部に対し即時抗告の手続きをとった。これで大学問題の訴訟は第一ラウンドは大学側の勝訴となり、後は抗告に対する再決定と九月二十二日に予定されている本訴判決を待つことになる。 ……

Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年08月29日 00:22 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/08/post_1924.html

2006年08月03日

東北大次期総長決まる、法人化後の大学の自治とは

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2270221/detail

……

 総長選考会議による総長決定は、国内初の試みとしてマスコミにも取り上げられたが、東北大学職員組合が「大学の自治を侵すもの」として強く反対し、教育研究評議会でも反対意見が多く出されるなど、学内でも異論が出ていた。しかし、ふたを開けてみれば、従来どおりの「選挙」であった。

 候補者が井上副学長のみであったことについて、総長選考会議の小田滋議長(元国際司法裁判所裁判官)が、「個人的には決して望ましいことではない」とする異例の談話を発表したが、そもそも、総長選考会議の設置は吉本総長の総長決裁で制定(東北大学役員会懇談会は原案のまま了承)されたものであり、選考会議の設置過程そのものに問題があるとする意見が絶えない。……


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URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/08/post_1845.html

2006年07月24日

新潟大学、学長選考会議選考無効裁判勝利・大学の民主的運営を求める7.25討論集会

新潟大学職員組合
 ∟●学長選考会議選考無効裁判勝利・大学の民主的運営を求める7.25討論集会

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2006年07月03日

早稲田総長選、白井・現総長が再選

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060630ic21.htm

 任期満了に伴う早稲田大学の総長選が30日行われ、現総長の白井克彦・理工学部教授(66)が、渡辺重範・教育学部教授(63)を破り、再選された。任期は11月5日からの4年間。……

[同ニュース]
早大総長に白井氏再選

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URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/07/post_1710.html

2006年06月30日

長崎大、学長選、斎藤寛氏が再選

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/06/20060629ddlk42040291000c.html

 任期満了に伴う長崎大の学長選が28日あり、斎藤寛学長(69)が再選された。法人化に伴い学長任期は従来の4年間から2年に短縮されており、斎藤氏の次の任期は10月11日から2年間。……

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URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/06/post_1704.html

2006年06月29日

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件、第4回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース350より

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第4回口頭弁論記録

2006年6月26日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟
2 第3回口頭弁論 2006年6月26日(月) 11時―11時07分、第1法廷開廷
3 担当  外山勝浩・裁判官(単独)
4 原告  6名出席

5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
  鯰越溢弘・弁護士(新潟大学大学院実務法学研究科教授)

6 被告 新潟大学
7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)
8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 40名前後
9 公判状況

(1) 定刻開始直後に、今回より、新たに訴訟代理人として加わった鯰越弁護士から、被告側提出の第2準備書面の不備を厳しく指摘する原告側の第4準備書面を提出したこと、および、大学の自治における教員の地位について、教育法学の権威である成嶋隆・新潟大学大学院字t無法学研究科教授の意見書を提出したことの説明がありました。

(2) その弁論の中心は、被告側の第2準備書面が、ただただ「原告は、従業員であるが故に、原告適格がない」という議論に終始していることが、いかに的外れの議論であるかを証明するところにありました。添付した原告側の第4準備書面に詳しく論じられているように、私ども原告が、国立大学時代であれ、現在の国立大学法人時代であれ、あるいは、たとえ私立大学の教員であったとしても、それらが、すべて「従業員」であることは、自明の理です。したがって、従来の大学の自治は、そのような従業員性を認めたうえで、成嶋教授のことばを使えば、「従業員性があるからこそ」、大学の自治として、その運営に、教員が(さらには、学生、職員とともに)参画することを中心に構成されてきました。とりわけ、そこでは、人事の自治性が中心で、確立されてきました。このことをまったく理解しない、今回の被告側の第2準備書面は、大学という集団の特殊性をまったく理解しないものとして、従来の最高裁判所判例、学説にまったく反するものであり、検討にも値しないレベルのものです。

(3) そのような議論をへて、鯰越弁護士より、このような準備書面を提出するようでは、相手側の態度は訴訟遅延を狙っているとしか思えないので、裁判所としては、できるだけ速やかに本案の審理に入っていただきたいと申し上げました。

(4) これに対して、裁判官より、次回から、本審理を、単独から合議体制に移したいという発言がありました。

(5) 次回口頭弁論の日程は、裁判所から、近い内に提示されます。閉廷。

10 次回公判 日時不明(近日中に、裁判所より通知され、分かり次第、みなさんにお知らせします。)、内容は、裁判の更新手続きになります。
   
11 感想
(1) 今回も、多くの教員や学生、社会人が、傍聴に参加してくださり、まことに心強いことでした。
(2) 今回の第4準備書面(添付します)も、6月21日に行われた検討会、その他の多くの方々、とくに成嶋 隆・教授の英智をお借りして作成しました。この書面が対象にした被告側の第2準備書面は、その過半を制度の説明にあて、私どもの原告適格を否定するのは、ただ、「従業員である」という一点に求めたものでした。これは、大学に生きる者として、考えもつかないような、粗雑な議論です。今回ここに添付しておきました私どもの第4準備書面の最後に、法律論を離れて書いておきましたが、このような「従業員」論とも言うべき、貧しい議論を、相手側の学長以下の大学関係者が、目にされたのか、了承された上で、提出されたのか、本当に疑うようなものでした。
 また、いかに訴訟戦術上、自己の不利なことには触れないのが当然といいながらも、私どもが、この訴訟において当初から問題としている論点、例えば、今回の学長選考会議における「第二次意向投票の参考」の扱い方、あるいは、鈴木教授の辞退をめぐっての、その学長選考会議の構成の違法性も問題などには、まったく触れないという、まことにお粗末なものでした。
 このような準備書面に直面して、これに対する私どもの回答書に、また1ケ月の時間を費やすことは無駄ですので、今回、6月19日に提出されたこの被告側の第2準備書面に、ただちに反駁の私どもの第4準備書面を、川村先生、鯰越先生の御尽力で、6月23日には、裁判所に提出していただきました。このような事情を背景に、これ以上、形式審理(いわゆる「入り口」論)に時間を費やすのは、訴訟遅延行為であるとして、すみやかに本案の審理に入るように、口頭説明でも、鯰越先生が主張されました。
(3) 裁判所において、本件を「単独審理から合議による審理に移される」ということは、私どもにとっては、大きな前進です。もちろん、諸般の事情から、単独裁判官が判断されずに、合議の審理において却下(いわゆる「門前払い」)の判断をされるということは、可能性としてはありえます。しかし、通常の判断からすれば、「合議の審理に移行する」ということは、「もう、そろそろ『入り口』論から、内容の審理に入りますよ」という、裁判所の合図であろうと思われます。私どもも、そう考えて、これから、証拠調べの準備、とくに証人尋問の準備に入りたいと思っております。もし、私どもの予想する通りであれば、いよいよこれからが、本当の勝負です。これからも、宜しく。

以上


同 第4準備書面

平成18年(ワ)第32号
原  告  山 下 威 士 外6名
被  告  国立大学法人 新潟大学

新潟地方裁判所第2民事部2係御中

第 4 準 備 書 面

平成18年6月23日

原告訴訟代理人 川 村 正 敏

第1 学問の自由と大学の自治―大学の特殊性―について

 本件の争点は、学長候補者選考会議の学長選考が適法かつ適切に行われたか、否かについての確認を求めるものである。
 然るに、被告は、その点に関しては一切触れずに原告適格を問題とし、審理を空転させている。原告に原告適格がないとする被告の主張は、基本的には、「原告である教員たちは、大学の『従業員』であるが故に、原告適格なし」という主張に依拠している。
 このような主張は、大学という組織の特殊性を、まったく無視したものであり、国立大学法人法の趣旨とも全く異なるものであって、仮に国立大学法人法が被告の主張通りであれば、国立大学法人法が憲法に違反し、無効であることになる。
 被告の特異な見解について、以下、反論する。

(1)大学の特殊性について
 大学の存立目的は、自由で、創造性溢れた教育と研究の場であるということであり、そのために、大学の自治の保障、民主性の保持、説明責任の義務が、その運営の基礎におかれてきた(2006年3月10日提出の原告側の陳述書)。
 このことは、国立・私立を問わず、また、そこにおける教員が、公務員であろうと独立行政法人という団体職員であろうと民間従業員であろうと一切関わらず、いずこにあっても変わらない不変の大原則である。すなわち、2004年4月の新潟大学の国立大学から国立大学法人への転化にもかかわらず、まったく変更することのない大原則である。もし、この目的が失われれば、大学としての存在意義もないというほどの大原則である。
 この点で、被告側の第2準備書面が、公務員であれ、団体職員であれ、民間従業員であれ、当たり前というべき「従業員」性(就業規則にもとづいて、原告たちが、新潟大学の「従業員」であることは、自明のことである。)を、ことさらに強調して、その他のすべての論点を無視し、あるいは、見放して(ことばを換えれば、圧殺して)原告らには原告適格がないと主張するのは、大学の特性をまったく理解しないものである。

(2) 大学の自治について
 大学の自治は、既に「京大事件」「天皇機関説事件」等を通じて、戦前から強調され、戦後は、それらの先学の貴重な歴史的経験をふまえて、憲法上、23条(および、26条)において、明確に規定されている。この「学問の自由」は、ドイツでは「大学の自由」そのものを意味すらした。その主要な内容は、大学を、「学問研究と教育の任務にあたる教師と、みずから学問研究をし、かつ学問研究の先輩である教師の指導(教育)を受ける学生と、大学において学問研究と教育が行われる条件整備を責務とする職員との三者によって構成されるものであり、大学の自治は、その三者の連帯によって維持されていかなければならない」(永井憲一「大学の自治」『演習憲法』青林書院281頁、根森健『条解・日本国憲法』三省堂199頁)自治的組織として把握するところにある。
 その根幹が、具体的には、(1)学長・教授その他の研究者の人事の自治、(2)大学の施設管理の自治、(3)学生の管理の自治にあることは、現在では、学説・判例ともに、まったくの異論のないところである。とりわけ、(1)については、判例ですらも、「大学の自治は、とくに大学の教授その他の人事に関して認められ、大学の学長、教授その他の研究者が大学の自主的判断にもとづいて選任される。また、大学の施設と学生の管理についてもある程度で認められ、これについてある程度で大学に自主的な秩序維持の権能が認められる」(最大判昭和38年5月22日刑集17-4-370、いわゆる「ポポロ事件上告審」)(参照、種谷春洋「学問の自由」『大学双書 憲法II人権(1)』有斐閣)と認めている。
 このことは、一見、国立大学の経営性を強調したかに見える国立大学法人法(甲第1号証)においてすら自覚されているところであり、そのことは、衆議院および参議院の文教科学委員会における同法への付帯決議(甲第13号、14号証として提出済)において、「憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ」と明確に表現されている。この点で、被告側の第2準備書面は、これまで確立されてきた大学の自治の法原則を踏みにじるものであり、さらには、このように明確に表現された国立大学法人法の立法者の制定趣旨を無視するものである。
 更に、教授会の議を経ない学長選任の効力について判断を示した、京都地裁昭和48年9月21日決定(判例タイムズ301号235頁)は、大学学長の選任に関する直接の規定が存在しない事例であったにもかかわらず、学校教育法59条などの教育関係法令を総合的に勘案した上で「大学が学問研究と教育の府であり、教授は学問の研究、学生の教育と研究の指導にあたるもので、学長はそのような大学の校務を掌り、教授ら大学職員を統括する重要な地位にあることにかんがみると、・・・学長を選任するについては、まずその候補者が学長たるの適格を有するかどうか等について、教授らをもって構成する教授会に十分審議させ、その自主的な判断の結果をできるだけ尊重すべきものであって、・・・教授会の審議を経、その結果を尊重することが、学問の自由、大学の自治にもかなう極めて重要な事柄であることを考慮すると、右に違反する選任決議は無効である。」と判示している。更に、本件との関係で重要な点は、前記訴訟において、「教授会構成員」すなわち教授が大学の自治の担い手であるということだけで、原告としての当事者適格は当然に認められるとしていることである。
 被告に主張は、学問の自由・大学の自治に関する判例・学説を無視した暴論であって、理由がなく、単に訴訟遅延のみを目的とした主張であると強く非難せざるをえない。

第2 理事長と学長との区別、原告の第二次意向投票権の権利性の再確認

 本件において問題とされているのは、経営の長である「理事長の選任」ではなく、教学の長である「学長の選任」である。経営の観点が強調される私立大学においてすらも、教学の長である学長の選任が、教員の意向によることは、現在では必須の前提である。少なくとも、新潟大学程度の規模をもつ総合大学を念頭におく限り、学長の選任に教員の意向が反映されない学長選考の方法をとるところは、私立大学いえどもほとんどない。というよりも、学長選考については、大学の歴史から確立してきた原則として、実質的に、教員による選出以外の学長選考の方法を知らないというべきであろう。
 そのような歴史と大学の特殊性を理解するからこそ、新潟大学の学長選考においても、教員の「第二次意向投票の結果」が、学長選考におけるもっとも重要な要素として規定されたのである(学長選考規則14条)。このことからも、既に原告の主張するように、「第二次意向投票の結果」のもつ法規的拘束性が導きだされるのである(既にこのことは、説明した。参照、第3準備書面3頁(2))。

第3 「第二次意向投票の結果を参考にする」との規定の意義
 
 今回の被告側の第2準備書面においては、原告が確認を求めている点、すなわち、今回の学長選考が「第二次意向投票の結果を参考にして」(学長選考規則14条)という規定に違反するという論点について、原告側の立論を引用した13頁以外に、まったく触れるところがない。自己に不利な点には触れないのが訴訟戦術的とはいえ、あまりに主張としての体をなしていない。原告が、かねがね主張するように「参考」という文言をいかように理解するにせよ、学長候補者選考会議において「第二次意向投票の結果」を「参考」にすることは、そして、それのみを「参考」にすることが、同会議のみずから定めた法的義務である。もし、仮に、同会議が、「第二次意向投票の結果」をまったく「参考」にしていなければ、法規定に違反することになる。既に原告の第1準備書面4頁(3)、第3準備書面3頁、6において述べたように、原告の「第二次意向投票権者」たちには、自己の投じた「第二次意向投票」が、適法な学長候補者選考会議において、適切に「参考」にされるように求める権利がある。
 とすれば、本件の学長選考過程において、学外委員をも含めて学長候補者選考会議が、適法に構成されたのか、その議事が適切に遂行されたのか、「第二次意向投票の結果」が、質的・量的観点において、どのように「参考」にされたのかを明らかにすることは、本件についての核心的な論点である。まさに、その点について原告たちは、重大な疑義を、すなわち、「参考」のされ方について重大な問題性を主張し、また、選考会議の委員の構成について、鈴木佳秀教授の辞退をめぐっての重大な手続き的欠陥を主張しているのである(訴状8頁②)。もはや、このような被告側の準備書面で、ことを済ませようとする限り、裁判所としては、一刻も早く本案の審理に入り、上記の論点を明らかにする訴訟指揮をしていただきたい。

第4 被告の第2準備書面に対する反論

(1)鈴木教授の行動および処遇について問題性(8頁 オ)
 第二次意向投票に際して、「鈴木ら3名の氏名、略歴・主要業績、所信を公示した」とあるが、鈴木佳秀氏は、同投票からの辞退の意思を表明したものであり、その扱いについての被告論述は、曲解か少なくとも誤解を招く書き方である。この点ひとつとりあげても、本案審理において、鈴木教授の行動、および、大学側の扱いについて明らかにすることが緊急に必要である。

(2)学長候補者選考会議の構成、および、審議過程の問題性(9頁 カ)
「長谷川彰を次期学長候補者として選考の上決定した」とあるが、どのような選考過程をへたのか、これでは不明である。とくに、原告は、その選考会議の構成に疑義を呈し、その会議の選考過程に重大な疑義を呈しているのであり、これでは、まったく答えになっていない。そしてこの点は、同会議の議事録を通じて明らかにすることが、本件の問題解決にとって不可欠である。被告は早急に議事録を提出すべきである。

(3)選考経過の説明責任の不十分さ(上掲)
「本件選考終了後記者会見において、また被告は同議長の了解をえたうえで、・・・総務部長名で文書を配布、・・・それぞれ公表し説明した」とするが、既に原告の述べるように、同記者会見においては、同議長は、「混乱を避けるために一切説明しない」という「説明」を行っただけであり(甲第7号1証、および、読売新聞・平成17年12月7日、33面、朝日新聞・平成17年12月7日、31面)、また、上記総務部長名の文書には、「同議長の了解」などは、まったく表現されていない(甲第8号証)。原告のように今回の学長選考の経過について注目している者にとっても、「同議長の了解をえた」ということは、はじめて耳にしたことである。とすれば、この点について、同議長を招いて事態を明らかにすることが、緊急に必要である。

(4)引用判決の解釈の誤り
  原告たちに「第二次意向投票権」者として原告適格のあることは、既に第1準備書面、第3準備書面で繰り返し述べたところである。この点について、被告の今回の第2準備書面が、原告の「従業員」性を述べるだけで、原告適格を否定することの不当性は既に述べた。
 さらに、今回、14頁において、いわゆる「真宗大谷派の宗議会決議無効確認請求事件(最一判昭和62年3月12日金融・商事判例769号41頁)を引用して「人的構成要素である」ということが、訴えの利益を認めることにはならないと述べる。しかし、本件原告たちは、「人的構成要素」であることはもちろん、それに止まらず、「第二次意向投票権」者であり、さらに「参考」請求権者である。そのことからする限り、本判決の適用されるところではなく、逆に、本判決によっても、原告適格の承認されるべき事例となろう。とすれば、第2準備書面10頁 イ に述べる「収拾がつかなくなる」などの論は、まったく無用のものである。

(5)無効確認で、終局的解決にいたりうる
 第2準備書面15頁において、原告の請求する学長候補者選考会議の決議の無効確認では、「事案の終局的な解決にならない」とする点は基本的に誤りである。すなわち、同準備書面16頁は、無効確認の決定では、新たな学長選考が開始されることはないとして、学長(候補者)選考の行われうる場合を4つの場合に限定する。
 しかし、そのような4つの事例を挙げる以前に、そもそも法解釈の常識として、選考規定違反で実施された学長(候補者)選考によって、適法な学長(候補者)が選出されることはありえない。したがって、今回の学長(候補者)選考が、原告の主張するように規定違反の事例となれば、そもそも適法な学長(候補者)は、不存在とならざるをえない。したがって、新たな学長(候補者)選考が開始されるべきことは、当然の事理である。
 第二に、既に第1準備書面4頁(4)において、原告が主張したように、選考会議の決定が無効と確認されれば、それを前提にして構成された「大学の申出」も無効となり、文部科学大臣の任命の前提が存在しなくなる。したがって、ここでは、被告側の第2準備書面の述べる第3の可能性の「学長の欠員」が生じる。さらに、第三の可能性として、大学の学長は、国立大学法人法17条により、「人格高潔で、識見に富む者」である。とすれば、裁判所という公正な第三者による、選出行為の無効という判断が出された場合、当然、「人格識見に富む」学長ならば、みずから進退を判断でき、被告側の第2準備書面のいう「学長の辞任」という第2の可能性も生じる。これは、かねて原告の主張する大学の自浄能力の発現される場面である。具体的に、大学教員として長谷川学長を念頭においた場合にも、この自浄能力の発揮は、十分に期待できるし、裁判所によって原告勝訴の判決が下されたにもかかわらず、学長が、居座り続けるということになれば、解任手続を発動する根拠となる。付言するならば、被告も学長候補者選考決議の無効が確認されれば、それが当事者間で効力を持つことは認めているのであるから、学長が法的効果に即した行動をとることは、当然の前提にしているものと思われる。
 以上のいずれの可能性から考えても、原告の求める学長候補者選考会議の決議の無効確認で、本件においては、十分、終局的な解決にいたりうる。

第5 結論

 被告の第2準備書面は、今回の学長候補者選考に関して、「学長」と「理事長」との区別すら無視し、さらには、ただただ「原告たち教員が、従業員である」という側面からのみ即断するものであり、憲法上保障された大学の特殊性や歴史的経験をまったく無視している。しかも、加えて、本件におけるもっとも重大な論点である「第二次意向投票の結果を参考にする」という論点にまったく触れず、さらには、今回の学長候補者選考会議の不法な構成の論点(訴状8頁②)についてもまったく触れていない点からして、不当な引き延しを図ったといわざるをえない。
 このような準備書面が提出される限り、訴訟が遅延することは明らかである。よって、裁判所におかれては、すみやかに、適切に論点を明らかにするために、少なくとも、第二次意向投票における学長候補者辞退者で本来の学長候補者選考会議構成員の鈴木佳秀教授、学長選考の事務手続きを担当し、とくに鈴木教授の辞退を処理した菅原秀章・事務総括担当理事、選考の責任者であり、記者会見において「説明をしない」という「説明」をされた小林俊一・学長候補者選考会議議長等を、本法廷に召問して事態を明らかにすることが必要であると考える。

第6 付論

 被告第2準備書面は、被告側の大学関係者ですら認め難い主張に依拠した議論である。冒頭述べたように、この第2準備書面は、要するに、「原告たる教員たちは、大学の『従業員』にすぎないが故に、大学の構成や運営に関与しうる立場にない」という点に尽きる。原告らとしてはこれを、到底、看過できない。けだし、この第2準備書面で表明された見解が被告大学法人および長谷川学長の公式見解であるならば、あまりにも従来の新潟大学の慣行及び長谷川学長の考えと相違するからである。この書面が公開されれば、日本中の大学関係者は、驚愕するであろう。なぜなら、ここで述べられている大学教員「従業員」論は、従業員という当然の規定を、まったく異なるデメンジョンにまで押し及ぼすことにより、わが国の大学関係者の従来の常識、慣行、慣例を全面否定するからである。少なくとも、2002年1月までの長谷川学長の見解とも、真っ向から対立する。そのことは、昨年12月17日の評議会の席上において、原告のひとりが、直接に公式の場所において質問したことである。そこでは、長谷川学長は、大学が、教員、学生、職員からなる三者共同体であり、自治を根幹にすえる組織であるという信念については、従来と「まったく変わらない」という内容であった。ところが、この第2準備書面は、単純「従業員」論ですべてを押し切り、すべてを圧殺している。大学の特殊性をまったく理解しないこのような文書を、長谷川学長をはじめとするわが大学関係者が承認されたとは信じがたいし、もし、長谷川学長が承認されたとすれば、新たに同学長の責任問題が発生することになる。

以上


Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年06月29日 00:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2006年06月01日

新潟大学職員組合、学長選考会議問題に関する公開質問状・申し入れ書提出

新潟大学職員組合
 ∟●学長選考会議問題に関する公開質問状・申し入れ書提出

Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年06月01日 00:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2006年05月26日

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件、第3回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース344より

新潟大学学長選考会議選考無効確認等請求事件・第3回口頭弁論記録

 第3回口頭弁論は、5月22日に行われました。
 次回は6月26日です。

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第3回口頭弁論記録

2006年5月22日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟
2 第3回口頭弁論 2006年5月22日(月) 11時30分―11時40分、第1法廷開廷
3 担当  外山勝浩・裁判官(単独)
4 原告  5名出席
5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
6 被告 新潟大学
7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)
8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 40名前後(法科大学院学生を含む)
9 公判状況
(1) 定刻開始直後に、山下より、原告を代表して、第3準備書面の主旨について陳述を行いました。3分。中心は、①私どもに、原告適格と訴えの利益の存在することは、既に第1準備書面で十分に説明したこと、②鈴木教授の学長候補者辞退の取り扱いをめぐって、権限のない理事によって学長選考規則違反の取り扱いがあり、その結果として、学長選考会議の構成に重大な違法行為が存在したことからも、本件について、できるだけ早急に裁判所の審理を開始してほしいこと、および、③今回の第3準備書面の最終部分で強調したことで、私どもが本件を行政訴訟にしないのは、そもそも今回の争いは、大学当局による不当な学長候補者の選任手続きにあるのであり、私ども原告と文部科学大臣との間に、まったく紛争が存在しないためであることを説明しました。したがって、陳述書は、ありません。
(2) 裁判官より、次回は、被告側から、これらの準備書面に回答するように求められました。
(3) 次回口頭弁論の日程調整のうえ、閉廷。

10 次回公判 6月26日(月)11時 第1法廷
  被告側答弁書の提出期限 6月19日
   
11 感想
(1) 今回も、多くの教員や学生が、参加してくださり、傍聴席も、ほぼ埋まり、まことに心強いことでした。
(2) 今回の第3準備書面(添付します)は、川村先生の手になり、しかも、5月8日に行われた検討会での多くの方々の英知を集めたもので、まことによくできたものです。この書面には、前回、裁判長によって釈明を求められた事項は、過不足なく含まれており、これをもって、形式審理を終えることの可能なものです。
その点からも、今回は、いよいよ典型的な民事訴訟審理になるものと思っておりました。すなわち、お互いの書面の確認と、次回口頭弁論期日の調整とで、合計5分間の審理であろうと。しかし、川村先生の、とくに、この忙しい時に私どもの支援のために、法廷に傍聴に来ていただいた方々への説明としても、今回の準備書面の重点部分を口頭説明するように、その場でご指示いただき、私が、上記の通りに、5分間近く説明をいたしました。それでも、全体で10分もかかっていません。

(3) かねてより、組合を通じて要求していました「2006年12月7日の学長選考会議の議事録」が、大学本部により開示されました。その議事録には、当該会議当初にあっては、「鈴木教授の学長候補者としての辞退を認めない」と確認しておきながら、会議終了時には、学長候補者決定のための投票を、「山本教授と長谷川学長のみについて」行っています。その途中には、鈴木教授の扱い、例えば、改めて辞退を認める(その場合には、鈴木教授は、学長選考会議の構成員の資格を回復することになります)などということがらは、まったく出てきません。鈴木教授の学長候補者としての辞退の扱いについて不当なことがあったのはいうまでもありませんが、それを置いておいても、この会議録からしても、当該会議自体の当初の態度と投票時の態度が、まったく平仄が合いません。
 これほどに明白な手続き違反について、5月17日に、五十嵐組合委員長を中心に、県庁記者クラブにおいて、記者会見を行って公開いたしました。翌日の新潟日報、読売新聞、さらには、もっと詳しくは、三条新聞に関係記事が掲載されました。
以上


第3準備書面(要約)

 原告が被告に対し、選考無効確認の訴えを求めうる原告らの権利・その内容・法律上の根拠について、
 上記については、既に第1準備書面でも述べているが、なお、本書で体系的に論述する。

1、大学の自治
 憲法23条は学問の自由を保障しているが、大学においては、学問の自由は、教授、研究者の研究・発表・教授の自由とこれらを保障するための自治を意味するーポポロ座事件(最大判昭38,8,22刑集17-4-370)。
 そして、大学自治の内容としては、①教員・学長の人事の自治②施設管理における自治③学生管理における自治がある。さらに④研究教育の内容及び方法の自主決定権⑤予算管理における自治を含めるのが多数見解である。
  なかでも①の教員・学長の人事の自治が重要であり、それが、大学自治の根幹をなすといってよい。

2、原告らの実質的学長選任権と公共性
 原告らは、教育職員として、第1、第2次の意向投票権(の行使)を通じて学長の選任に参加し、大学の自治の中核を担っている。学長の選任は、大学の自治の内容として公共の利益に関するものであるから、原告らの投票行為は公務であり、投票権は公共性をもつものである。
 さらにこの投票権は、第2次意向投票の結果を「参考」にせよと請求できる権利を甲4の14条で付与されている。
 これらのことからして、原告らが被告大学法人の学長の実質的選任権又は選任に参加する権利をもつことは疑いないところである。
 投票権は、学長選任という公共の利益に関するものとして認められたものであり、そういう性質のものである以上、単に自己の1票を投ずれば足りるというものではなく、自己の投票が公正に評価されることを請求できるし、他者(会議など組織も含む)に対しても公正に学長が選任されるべきことを請求できる。そうでなければ大学の自治は守れない。
 これは投票権という権利の内容のひとつである。それゆえ、本件の選考会議で違法な行為があれば、原告らは上記の性質と内容をもつ投票権を根拠として違法行為の是正を求めることができる。(これらについては、さらに後述する)

3、学長の権限
 学長が大学内で強大な権限を有することはいうまでもない。その内容については、既に第1準備書面3ページの一で述べている。

4、選考会議の組織・権限
 選考会議は国立大学法人法に基づき設置されたものであり、同法12条によれば、
要旨、
(1)学長の任命は、同法人の申出に基づいて、文部科学大臣が行う。
(2)前項の申出は、「学長選考会議」の選考により行うものとする。
(3)学長選考会議の構成は、①経営協議会から選任された者、②教育研究評議会から選任された者、③学長選考会議の定めるところにより、加えられた学長又は理事である(12条)。
 上記法の規定を受けて制定された被告大学法人の「学長選考会議」規則によれば、「選考会議」は経営協議会から選出された者5人、教育研究法議会から選出された者5人、学長が理事のうちから選出された者3人、計13人から構成されており(甲2の3条)、その任務は学長の選考、任期及び解任に関する事項を行うことである。(同2条)

5、選考会議の義務
 「選考会議」は学長(候補者)を選考するが、自由な裁量権をもって選考できるのではない。それは、教育職員によって行われた第2次意向投票の結果を必ず「参考」にしなければならず、しかもそれは、後記のとおり、法規範的拘束力をもつものである。それは、大学が教授・研究の場であり、それゆえに大学の自治が教育職員を中心に行われるべきことからくる当然の帰結である。

6、第2次意向投票と「参考」が大学の自治において有する意義
(1)上記のとおり、選考会議は第2次意向投票の結果を参考として学長候補者を選考の上、決定する。そして、原告らはいずれも大学の構成員であるだけでなく、教育職員であり、第2次意向投票権者である。
  それでは、何ゆえに原告らがほぼ独占的に第2次意向投票権者となるのであろうか。これこそ、学長人事における自治の中核を教育職員に委ねたからにほかならない。それは、教育職員による学長人事の自治を具現したものである。それゆえに、学長人事、ひいては大学の自治は、第2次意向投票権者(その数は9人の役員(甲2の7条)を除けば、およそ900人近くの圧倒的多数の教育職員)の意思によって担われているといっても過言ではない。そして、それは当然のことである。なぜなら、上記のとおり、憲法で保障された学問の自由は、研究者の研究・発表・教授の自由を保障するものであり、大学の自治はこれらを制度的に保障するものであるから、まず研究者である教育職員の意思によって運営されねばならず、なかでも、自治の根幹をなす学長人事は、教育職員の意思によって決められなければならないからである。
 そして、原告らは、その教育職員として、被告大学法人の抱える問題を理解し、学長候補者の所信をきいたうえで、いずれが適任者であるかを判断し、第2次意向投票を行った。

(2)上記のことからすれば、本件における第2次意向投票の結果の「参考」は、すぐれて法規範的な意味をもつものというべきである。それは、単なる事実行為ではなく、学問の自由、大学の自治、学長人事の自治、その自治のなかに占める教育職員の地位の重要性、その具現として教育職員に第2次意向投票権をほぼ独占させていることなどから帰納的に定立される法規範的な拘束力をもつものであり、単に、事実行為として選考委員の考えの「たしにする」といった世間的な意味に解されるべきではないのである。
(3)規定の体裁からみても、甲4の14条は、「第2次意向投票の結果を参考とし」と規定されており、例えば「第2次意向投票の結果、およびその他の事項を参考とし」と規定されているわけでもないし、「第2次意向投票の結果などを参考とし」と規定しているわけでもない。すなわち、第2次意向投票の結果以外のものを参考にしてもよいことを窺わせる文言はない。

 以上〔1〕〔2〕〔3〕のことからしても、選考には、第2次意向投票の結果以外のものを「参考」にしてはならないのである。そして、原告らは第2次意向投票の投票権者として、その投票結果を上記法規範的拘束力の意味での「参考」にすべきことを選考会議に請求する権利がある。この権利は甲4の14条で認められた権利である。それが個別具体的権利であることはいうまでもない。

7、原告らに対する14条権利の侵害
 そもそも投票制度においては、1位の者が当選することは民主主義の鉄則である。2位の者を当選者とする場合には、特段の事情がなければならない。
 ところで、第2次意向投票の結果は、以下のとおりであった。
1 投票資格者数  1,165人
2 投票者数    843人
3 投票率  72.4%
4 投票総数   843票
5 有効投票者数   825票
6 無効投票者数    18票(うち無記載のもの 12票)
7 有効投票内訳(五十音順)
   鈴木佳秀   22票
   長谷川彰  360票
   山本正治  443票
 上記のとおり、山本は有効投票数825票のうち、443票を獲得した。これは有効投票数の53.69%であり、半数を超えるものである。これに対して、長谷川は有効投票数の43.63%で半数に満たないのである。
 上来の理からすれば、当然、山本が学長候補者に選考されるべきであった。にも拘わらず、特段の事情もなく、選考会議は2位の長谷川を選考した。
 述べたとおり、選考会議は、第2次意向投票の結果を必ず「参考」にしなければならず、しかもそれは「考えのたし」にするといったたぐいのものではなく、大学自治のなかで法規範的拘束力となっており、それからすれば1位の山本以外には学長候補者でありえないのである。
 にも拘らず、長谷川彰を選考したことは、選考会議は、第2次意向投票の結果を「参考」にしたとは、到底、いいえない。すなわち、甲4の14条で認められた原告らの「参考」にすべきことを請求する権利は侵害されたのである。
 そして、この権利の侵害は、第2次意向投票の投票権ひいては実質的学長選任権又は選任に参加する権利の侵害である。なぜなら、上記のとおり、原告らは学長選考において、第2次意向投票権を有し、その投票の結果を選考会議に「参考」にさせる権利を有して学長の選任に参加するし、「参考」を義務づけることで選考会議を拘束する。投票の結果、1位の者が候補者に選考されれば「参考」の法規範的拘束力が生かされ、「参考」が正しく履行されたことになる。しかし、2位の者が候補者に選考された場合は「参考」が履行されたことにならず、それは14条規則違反である。そして、その違反は、原告らの投票権ひいては実質的学長選任権又は選任に参加する権利を侵したことになる。

 以上を要約すれば、原告が無効確認を求めうる権利は、第2次意向投票の結果を「参考」にすべきことを請求する権利であり、ひいては投票権であり、さらには実質的学長選任権又は選任に参加する権利である。それが侵害されたものとして、これら権利を根拠に選考会議の選考の無効を求めているものである。これに確認の利益があるこというまでもない。

8、鈴木佳秀の辞退に関する規則違反と原告らの無効確認を求めうる権利
(1)訴状8ページ②以下の経緯で、鈴木佳秀が学長候補者を辞退した。辞退した場合は、学長選考規則(甲4)の第14条2項の適用除外となり、学長選考会議の委員としての資格があり、学長選考会議における票決権を有する。そして、鈴木の票決権の行使次第では、長谷川彰が選考会議の議決に必要な3分の2を獲得できない可能性があるのであるから、この辞退は学長選考結果に重大な影響を与える。したがって、鈴木からの辞退表明があった以上、選考会議は「疑義ある場合は、会議が決定」する旨定めた学長選考規則第15条に従い、その取扱いについて審議すべきであった。然るに、その審議もせずに鈴木を委員から除外して票決権を与えなかった。これは、学長候補者の選任を左右する重大な手続違反である。

(2)この場合、鈴木が、辞退を認められるべきこと、したがって、票決権を有したことを主張して選考会議の選考無効を主張することに訴の利益があることは当然であり、この鈴木の権利は個人的権利ではなく、公共の権利である。それゆえ、鈴木と同じ公共の権利である学長の実質的選任権又はその選任に参加する権利、その具現である第2次意向投票権を有する原告らも、ひとしく選考会議の選考無効を主張することができるといわなければならない。
 くり返すが、投票権は、第1準備書面5ペ-ジ「投票権の権利内容;侵害される利益・権利」及び本書面で述べてきたとおり、すぐれて公共的なものであり、単に自己の一票を投じるだけで足れりとされるのではなく、選考そのものの重要な構成要素として選考全体への「監視役」としての性質をもつものである。選考が公正に行なわれたかどうか監視し、公正に行なわれなかったときは、それを是正する権利をその内容として含むものである。原告らの投票行為は、直接、学長を選任するものではない点で公職選挙法とは異なるが、第2次意向投票権の公共性・内容・そしてその意向投票が学長候補者選考において必須の要件であり、「参考」も必須の要件であることからする意向投票の重要性、などにてらせば、原告らが意向投票権を根拠にして、鈴木辞退に関する手続違反につき、選考(決議)の無効確認を求めうるのは当然であり、訴えの利益がある。

9、説明責任(説明請求権)の根拠
(1)第2次意向投票の結果が正しく「参考」とされる限り、特段の事情がない限り、1位の者が学長候補者に選考されるべきである。しかし、本件では2位の者が選考された。これでは、正しく「参考」が履行されたことにはならない。ここに選考会議の説明責任が生ずる。何ゆえに2位の者が選考されたのか、「第2次意向投票の結果を参考とし」とあるだけで、他に記載されていない事柄は何か、その事柄は第2次意向投票の結果より質的に重大なものでなければならないが、果たして重大なのか、なぜ重大なのか、それらが責任ある選考会議(議長)の名で説明されなければならない。それは、2位の者を候補者に選考した選考会議の義務であり、原告らからみれば説明請求権である。
この説明請求権は、原告らが第2次意向投票権者であり、かつ、その投票結果を法規範的拘束として「参考」にすべきことを請求できる権利から出るものであり、その権利の内容として、2位の者を候補者に選考した理由の合理的説明を求めることができる。それゆえ、原告らが説明請求権をもつ根拠は、原告らが意向投票権、ひいてはその元となる実質的学長選任権又は学長の選任に参加する権利をもち、かつ、その結果を選考の参考にすべきことを請求する権利である。そして権利は、それが侵害されたときは、その回復を求めることができる。原告らは上記の点について合理的な説明がなされない限り、投票意思が正しく反映されないものとして、その選考の無効を求める権利がある。

(2)鈴木教授の辞退をめぐる重大違反についても何ら説明がなされていない。原告らは、(1)の権利に基づいて、これについても説明を求める権利がある。
(3)学長人事にはことのほか民主性と透明性が要請される。大学法人法35条では、独立法人法第3条を準用しているが、その第3条2項は「その業務の内容を公表すること等を通じて、その組織及び運営の状況を国民に明らかにするように努めなければならない」と規定している。これは努力目標に止まっているが、その趣旨はこの説明義務にも及ぼされるべきである。

10、なぜ、本件を行政訴訟にしないかー当該の紛争が存在しないからである。
(1)なぜ、原告らが、文部科学大臣に対する行政訴訟、例えば、学長任命行為の取消し請求などを問題にしないかといえば、
 ①そもそも本件は、学長人事の自治が、被告大学法人自身によって侵害されたという性質のものである。
 ②したがって、紛争は大学内部の問題であり、現状では、原告らと文部科学大臣との間には、いかなる紛争も存在していないのである。
 それ故、原告らが行政訴訟を提起する必要も、意味もない。詳述すれば以下のとおりである。
(2)文部科学大臣は、国立大学法人法12条により、「国立大学法人の申出に基づいて」学長を任命する。この際に、従来の慣行および国の解釈によれば、文部科学大臣には裁量の余地はなく、この「申出」に拘束される。このことは、最近では、滋賀医科大学事件における国側答弁書にも明らかである。
(3)その「国立大学法人の申出」は、被告大学法人においては、学長選考規則14条に基づいて、「第2次意向投票の結果を参考にし」た学長選考会議の「決定」に基づきなされる。この条文に違反して「第2次意向投票の結果」を参考にしていないこと、および鈴木佳秀教授の辞退の取扱いをめぐって、手続き的に重大な違法をおかした選考会議の選考を受けてなされた被告大学法人の「決定」の無効確認を原告らは求めている。すなわち、紛争は、この違法な「決定」を行なった学長選考会議およびその会議に体現される被告大学法人と原告らとの間にあり、したがって、この「決定」が無効と確認されれば、今回の紛争の終局的な解決になる。
(4)学長選考会議の「決定」が無効と確認されれば、被告大学法人は、学長選考規則により新たな学長候補者の「決定」を行い、その「決定」に基づいて、国立大学法人法12条により新たな「国立大学法人の申出」を行い、その「申出」に基づいて、文部科学大臣の、新たな学長の任命が行なわれることになる。
(5)上記(2)に記載のような慣行や現状からして、この無効確認がなされ、新たな「大学の申出」がなされたにも拘らず、文部科学大臣の、新たな学長の任命が行なわれないという事態が生じれば(そのようなことは考えられないが)、その時にはじめて、原告らおよび被告大学法人と文部科学大臣との間に紛争が生じることになり、原告らが、行政訴訟を提起すべきかどうかが問題にされることになろう。
(6)したがって、現状においては、原告らと文部科学大臣との間にはいかなる紛争も生じていず、したがって、行政訴訟を提起するか否かという問題が、そもそも生じていない。
11、請求の趣旨第2項(推薦の取消)は取り下げる。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年05月26日 00:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2006年05月17日

新潟大学、学長選考会議選考無効確認等請求事件 第2回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース341,342より

新潟大学・学長選考会議選考無効確認等請求事件・第2回口頭弁論記録

平成18年(ワ)第32号
原告  山下 威士 外6名
被告  国立大学法人新潟大学
第1準備書面
平成18年4月24日
新潟地方裁判所第2民事部2係 御中

原告代理人弁護士 川 村 正 敏

確認の利益と原告適格につい
上記に関し、以下のリーディング判例がある。

(判旨)
 「思うに、およそ確認の訴におけるいわゆる確認の利益は、判決をもって法律関係の存否を確定することが、その法律関係に関する法律上の紛争を解決し、当事者の法律上の地位の不安、危険を除去するために必要かつ適切である場合に認められる。このような法律関係の存否の確定は、右の目的のために最も直接的かつ効果的になされることを要し、通常は、紛争の直接の対象である現在の法律関係について個別にその確認を求めるのが適当であるとともに、それをもって足り、その前提となる法律関係、とくに過去の法律関係に遡ってその存否の確認をもとめることは、その利益を欠くものと解される。しかし、ある基本的な法律関係から生じた法律効果につき現在法律上の紛争が存在し、現在の権利または法律関係の個別的な確定が必ずしも紛争の抜本的解決をもたらさず、かえって、これらの権利または法律関係の基本となる法律関係を確定することが、紛争の直接かつ抜本的な解決のため最も適切かつ必要と認められる場合においては、右の基本的な法律関係の存否の確認を求める訴も、それが現在の法律関係であるか過去のそれであるかを問わず、確認の利益があるものと認めて、これを許容すべきものと解するのが相当である。

 ところで、法人の意思決定機関である会議体の決議は、法人の対内および対外関係における諾般の法律関係の基礎をなすものであるから、その決議の効力に関する疑義が前提となって、右決議から派生した各種の法律関係につき現在紛争が存在するときに、決議自体の効力を既判力をもって確定することが、紛争の解決のために最も有効適切な手段である場合がありうることは、否定しえないところと解される。商法252条は、株式会社における株主総会の決議の内容が法令または定款に違反する場合においては、その決議の無効の確認を請求する訴を提起することができ、決議を無効とする判決は、第三者に効力を及ぼす旨を規定しているが、これは、右のように、決議自体の効力を確定することが、決議を基礎とする諾般の法律関係について存する現在の法律上の紛争を抜本的に解決し、かつ、会社に関する法律関係を明確かつ画一的に決するための手段として、最も適切かつ必要であることに鑑み、かかる訴につき確認の利益を肯定したものと解される。そして、このような紛争の抜本的解決の必要性が株式会社のみに特有の現象であるとして、かかる訴がとくに例外的に認められたというものでないことは、他の若干の法人の意思決定機関の決議につき商法252条を準用する規定の存することによっても、窺い知ることができるのであるが、さらに、実定法上その旨の明文の規定が存在しない法人にあっても、同様の趣旨において、意思決定機関の決議がその本来の効力を生じたかどうかを確定することを求める訴を許容する実益の存する場合があることは否定しがたく、この点につき右の準用規定の存する法人と然らざるものとで截然と区別する実質的な理由は認められないのであって、明文の準用規定を設けていない法人についても、商法252条を類推適用することは必ずしも許されないことではないと解すべきである。

 本件におけるように、学校法人の理事会または評議員会の決議が、理事、理事長、監事の選任ないし互選、それらの者の辞任の承認等を内容とする場合に、右決議の効力に疑義が存するときは、右決議に基づくこれら役員の地位について争いを生じ、ひいては、その後の理事会等の成立、他の役員の資格、役員のした業務執行行為および代表行為の効力等派生する法律関係について連鎖的に種々の紛争が生じうるのであって、このような場合には、基本となる決議自体の効力を確定することが、紛争の抜本的解決のため適切かつ必要な手段であるというべきであり、私立学校法が商法252条を準用する規定を設けていないことを理由に、右決議の効力を争う訴につきその利益を否定することは、相当でないのである。

 したがって、学校法人の理事会または評議員会の決議の無効の確認を求める訴は、現に存する法律上の紛争の解決のため適切かつ必要と認められる場合には、許容されるものと解するのが相当である。これと異なり、前示のような見解のもとに、ただちに、本件各決議の無効確認の訴を不適法として却下した原審の判断は、違法たるを免れないものというべきである。」(最高裁昭和44年(オ)第719号同47年11月9日第1小法廷判決)。

 また以下の同旨判例がある。(最高裁平16(受)1939号、平17・11・8小法廷判決、判例時報1915号19頁)。「確認の利益は、判決をもって法律関係を確定することが、その法律関係に関する法律上の紛争を解決し、当事者の法律上の地位ないし利益が害される危険を除去するために必要かつ適切である場合に認められるものである(引用判例として冒頭判例のほか最高裁平成14年(受)第1244号同16年12月24日第2小法廷判決)。

 そこで、上記各判例に依拠して本件を考察する。


学長の権限
 学長は、学校教育法58条3項に規定する職務を行うとともに、国立大学法人を代表し、その業務を総理する。(甲1国立大学法人法11条、甲2新潟大学基本規則7条2)学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する(学校教育法58条3項)。さらに、学長は、役員会の議を経て文部科学大臣に対し、国大法30条3項に定める中期目標についての意見を述べ、年度計画に関する事項を決定し、予算の作成及び執行、並びに決算を決定し、新潟大学、学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止に関する事項を決定する。
 さらに学長は原告らに対する解雇権・懲戒権を有する(職員就業規則25条以下、47条、甲16)。
 以上の明文規定を列挙するまでもなく、学長が被告大学の長として強大な権限を有す
ることはいうに及ばない。

学長の選考と原告らの関係
(1)被告学長の選考は、学長選考会議で選考し、その選考に基づいて被告大学法人が文部科学大臣に任命の申出を行うことにより、大臣から任命されるが(甲1の12条1、2、甲2の8条、1、甲4の2条)、選考会議は、第2次意向投票の結果を参考とし、学長候補者を選考の上、決定するのである(甲4の14条)。そして、原告らがいずれも第2次意向投票の投票権者であることは、訴状記載のとおりである(もちろん第1次意向投票の投票権者でもある)。

(2)上記のとおりであるから、選考会議は必ず第2次意向投票の結果を参考にしなければならない。そして上記の文言が第2次意向投票の結果以外のものを参考資料として記載していないことは、第2次意向投票の結果以外のものを参考にしてはならないとの反対解釈に到達するのであり、百歩を譲って何らかの資料を参考にする余地が残されていても、その参考の程度は第2次意向投票の結果に比し格段に小さいといわねばならない。

 かくして、原告らが投票権をもつ第2次意向投票の結果は、選考会議の選考決定に決定的影響を及ぼすものであり、これを左右するものである。すなわち、被告大学の学長の選定は選考会議の選考という手続は経るものの、その実質は第2次投票権者が選定するのである。

(3)上記のとおり、被告大学の学長の選定は、その実質において第2次投票権者が行うのであり、原告らはその構成員である。しかも原告らはいずれも教育職員として、上記強大な権限を有する被告大学の学長の下にあるのであるから、学長の行為によって(最高裁判例のいう)その地位ないし利益が害される危険があり、学長が適正に選定されることについて法律上の利益がある。
 原告らと被告大学との間には、現在、形式上現学長に任命された長谷川彰が適法に選定された学長であるか否かが争われているが、その争いは、選考会議の決議に対する疑義から出ているものであり、同決議の効力を確定することが原告らの教育職員としての地位ないし利益が害される危険を除去するために必要かつ適切である。

(4)学長の任命は、被告大学(法人)の申出に基づいて文部科学大臣が行うこととされ(甲1の12条)、その申出は選考会議の選考(決議)に基づいて被告大学(法人)が文部科学大臣に行うものとされている(甲2の8条)。換言すれば、規約上は選考会議が学長候補者を選定することになり、その結果に基づいて申出を行い、その申出に基づいて任命が行なわれるのである。
  この手続のなかで、最も基本的な行為が選考(決議)であることはいうまでもない。すなわち、選考(決議)が申出や任命の基礎をなす。したがって、選考(決議)が無効であれば申出も無効となり、申出が無効であれば任命も無効となる。そうであってみれば、原告らが選考(決議)の無効確認をもとめることに確認の利益があることは当然である。

(5)本件での選考会議の選考結果は長谷川彰7票、山本正治3票であった。しかし、仮に鈴木佳秀が山本正治に1票を投じれば結果は7票対4票となり、長谷川彰は甲4の6条に定める、議決に必要な3分の2を獲得できなかったことになる(訴状8頁以下に詳述しているとおりである)。 原告らは上述の結果を度外視したとしても、後述のとおり、投票の結果が公平・適正になされたかを監視する権利と責任をもつものであるが、選考(決議)が上述の結果をもたらしたことを考えるならば、確認を求める利益は一層強いのである。

申出の取消しについて
 前記のとおり、任命に至る一連の行為のなかで、その基礎をなすものは選考(決議)である。しかし、選考(決議)の無効を確認しても申出行為は残る。申出行為は選考(決議)から派生するものではあるが、学長は「国立法人の申出に基づいて」大臣が任命することになっており、それを取消さないでもよいのかという疑義は残らないでもない。そこで請求の趣旨にその取消を求めた。

確認訴訟における訴えの利益と原告適格の相即不離
 確認・訴訟では確認の利益と当事者適格は表裏一体の関係にあり、確認の利益のある限り当事者適格もまた当然肯定されるという関係に立つ(例えば三ヶ月章「民事訴訟法」有斐閣65頁)。
 しかし、なお原告らが当事者適格をもつことについて詳述する。
投票権の権利内容:侵害される利益・権利
(1) 投票を行う者は、自己の投票が公正に評価されることを求める権利をもつ。これは、「投票」についての一般原則である。その一事からしても、原告たちが、本件の学長選考過程において、そのプロセスの公正さを確認する資格を有するというべきである。すなわち、原告には、原告の投票結果が、手続的に公正に、客観的に処理されることを期待する利益(期待権)が存在する。
 その意味で、本件学長選考会議における学長候補者選考決定は、(学長選考会議の裁量を仮に容認したとしても)、みずから定める選考規則に違反し、著しく不公正・恣意的であり、それ故に、同決定は裁量権の範囲を逸脱し、あるいは、裁量権を濫用するものであり、それによって、上記の原告らの利益・期待権を侵害している。
(2) 公職選挙法における選挙無効訴訟の提起権者は、「その選挙に直接利害関係のある、当該選挙区の選挙人または公職の候補者である」(204条)。これは、投票(選挙)についての一般法理を表現したとみるべき条文であり、本件学長選考手続にも当然類推適用できる。したがって、原告ら第二次意向投票権者に、本件の原告適格が認められる。

投票権者の選考過程全体への責任:公職選挙法の選挙無効の争訟の法理
 さらに、投票を行うということは、その投票行動を通じて、学長の選考の全過程を構成する一要素となることにより、選考そのものの公正さを維持すべき責務に任じる。その責務を履行するためにも、第二次意向投票権者に、本件の原告適格が認められる。
 公職選挙法は、202条以下205条において、選挙無効の争訟について規定する。ここで「選挙人」とは、205条4項に例をみるように「選挙の当日投票権を認められた者」のことである。この規定からもうかがわれるように、そもそも選挙(選考)においては、投票(選挙)権者は、ただ自己の一票を投じるだけで足れりとされるのではなく、選挙(選考)そのものの重要な構成要素として、選挙(選考)全体への「監視役」としての職務をもつものである。  (学説ではこれを「選挙争訟は選挙の告示から当選人の決定にいたる集合的行為たる選挙の効力を争うもの」(林田和博『選挙法』有斐閣・1958年・143頁)と表現している)。
 このことからしても、たとえ、今回の学長選考が「選挙」によるのではないにしても、学長選考規則で「第二次意向投票」を学長選考に際しての必須の要件とする限り、今回の投票行動に、この公職選挙法上の選挙無効の提訴権が投票権者に承認されているのと同じ理由で、今回の第二次意向投票の投票権者に学長選考の無効の提訴権が認められて然るべきである。

投票(選挙)行動の公務性
 そのような選考の過程における公正さを維持すべき責務の存在する根拠は、選挙において、選挙(投票)権が当該選挙(投票)者の個人的な権利であるとともに、選挙(投票)という公的任務を担う公務であるということである。
 最高判大判昭和30年2月9日刑集9巻2号217頁、「公職の選挙権が、国民の最も重要な基本的権利の一つであることは、所論のとおりであるが、それだけに選挙の公正は、あくまでの厳粛に保持されなければならない」は、選挙権について、権利性とともに、公務性を認めたものと解されている。
 学説においても、投票(選挙)権は個人の権利であるとともに、「国家機関を形成する権利」とか、「国家目的のための公務」、「公務に参加する基本権」と解されている(参照―辻村みよ子『「権利」としての選挙権』勁草書房・1989年、中村睦男「選挙権の性格」『憲法Ⅰ(注解法律学全集)』青林書院・1994年・334頁以下)。
 このような投票(選挙)の公務性からすれば、投票権者は、一票を投じるという自己の投票行動を終えればその任務を終了するというものではなく、当該選挙においてその目的を達成するまで、すなわち、当選人の確定までの全過程に関係する職務を有するものである。したがって、今回の学長選考において、たとえ表現上は、それが「選挙」ということばを用いていないにしても、今回の学長選考が、従来の学長選挙の延長線上に位置づけられていること、および、投票のもっている一般的な意味からして、上記の選挙についての考えが、そのまま本件学長選考における投票行動にも当てはまる。したがって、この点からも、原告らが学長選考過程の公正さについて裁判所の審理を求める権利を承認することができる。

取締役選任決定の無効の確認の訴えの法理
 会社法(旧商法271条、252条)は、取締役の選任を行う株式総会の決議の無効の確認の訴えを認めているが、大学には株主に該当する者が存在しない。しかし、会社のもっとも重要な役職について裁判所による判定を求める権利を認めた法の趣旨は、上記判例のいうとおり、大学においても適用されるべきものである。その場合、会社における株主に代る者を見出すとすれば、それは、まさに大学内の教育職員をおいて、他に見出しえない。

 投票権者である教育職員こそが、学長選考の公正さを保証する。 もし、第二次意向投票権者である原告らに学長選考の公正さを確認する責務を認めないとすると、そのような選考の公正さを問題にしうる者が、そもそもいないことになる。
 学長選考規則にもとづいて、学長選考会議が学長候補者を決定する。その際に、同選考会議が前提にする「第二次意向投票の結果」は、当然合法のものでなければならない。その合法・違法の判断は、おそらく学長選考会議が行うであろう。また、その学長選考会議の「決定」も、当然合法のものでなければならない。その合法・違法の判断は、誰が行うのであろうか。これほどの重要な決定について、審査機関が存在しないことは、ありえない。しかし学内においてそれが存在しない以上、裁判所が予定されているというほかはない。では、その裁判所に対して、誰が、この学長選考会議の決定の合法性の審査を要求するのであろうか。もちろん、学長選考会議自身ということはありえない。してみれば、大学という高度の自治を保障されている組織において、大学内の教育職員という構成員以外に、このような問題を適正に扱いうる者をみいだすことができないのである。それが、裁判を受ける権利の表現でもある。
 にもかかわらず、もし万が一、大学構成員で、しかも、今回の第二次意向投票の投票権者にすら選考の過程における違法性を問題にすることを許さないとすれば、その「決定」・選考の公正さを保証する者が不在ということになる。民主性と透明性とを根幹とする大学において、このように重大な決定の履行を確認するものが存在しないことなど、ありえない。
 さらに翻って、新潟大学の構成員は、就業規則によって、新潟大学の健全な運営と発展に責任を分担している。そのことは、同規則の職員の義務規定や懲戒規定に明らかであり、そこでは、大学構成員は、「大学の名誉を侵害するような行為を行わないこと」(甲16の35条)と義務づけられている。したがって、新潟大学、あるいは、大学構成員が、他に恥じるような行動を行っている場合、大学構成員として、それを訂正するよう行動する義務が有る。本件のように被告大学に違法の行為がある場合、それを公正な機関によって判定してもらうべく、大学教育職員が行動することは当然の権利である。

 以上の根拠から、大学構成員の内、教育・研究・さらには運営にも、もっとも大きな責任に任じるべき本件の第二次意向投票権者である教育職員が、学長選考という、大学にとってもっとも基本的な制度の公正さを維持するべき任務を引受けるべきことは、対社会的にも自明の理であり、原告らの原告適格を承認できる。


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2006年05月11日

新潟大学長選考会議選考無効確認等請求事件、第2回口頭弁論記録

■「意見広告の会」ニュース341より

学長選考会議選考無効確認等請求事件・第2回口頭弁論記録

2006年4月24日 山下威士

1 新潟地方裁判所 民事部 訴訟番号 平成18年(ワ)第32号・無効確認訴訟
2 第2回口頭弁論 2006年4月24日(月) 11時―11時15分、第1法廷開廷
3 担当  外山勝浩・裁判官(単独)
4 原告  5名出席
5 原告側訴訟代理人 川村正敏・弁護士
6 被告 新潟大学
7 被告側訴訟代理人 桜井英喜・弁護士
           小田将之・弁護士(新潟青山法律事務所)
8 傍聴人  第1号法廷 55人収容 40名前後
9 公判状況

(1) 定刻開始直後に、山下(本来は、関根先生にお願いする予定であったが、公務のため、私が行う。)より、原告を代表して、第一準備書面の主旨について陳述を行う。5分。中心は、原告適格と訴えの利益の存在することを、鈴木先生の辞退の取り扱いをめぐっての重大な違法行為の存在したことと絡めて述べたもの。陳述書は、なし。
(2) 裁判官より、訴えの利益についての法上の根拠を示せということが求められた。これについては、国立大学法人法と学長選考規則以外には、ないと思われ、既に示してあると思われるが、次回までに応答することになる。
(3) 裁判長より、今回の請求のように、無効確認で、本件紛争の最終的解決になるものか、なぜ、任命行為の取り消しを求めないのかという質問があった。これについても、既に示していることであり、不要と思われるが、次回までに確認することとなる。
(4) 日程調整のうえ、裁判官より、次回公判の論点整理。閉廷。

10 次回公判 5月22日(月)11時30分 第1法廷
  審議事項  求釈明1にかかわる、原告適格性、訴えの利益の存否 
  原告答弁書の提出期限 5月15日
   
11 感想
(1) 月曜日の午前というために、多くの教員や学生が、授業に該当し、諦めていたわりには、多くの支援者にきていただき、傍聴席も、ほぼ埋まり、まことに心強いことであった。
(2) 流石に、今回は、原告適格と訴えの利益論という専門的議論であり、私の出番はないと思っていましたが、当日の朝、川村先生より、提出した第一準備書面の大切なところについて読み上げてくださいといわれ、張り切りました。とはいえ、昨日まで4日間、扁桃腺を腫らして寝込んでいましたので、実に聞き苦しい声でありました。そういうわけで、原稿も、直前に、作成したものですので、考えの足りないところ、ことばの足りないところもあったかと思いますが、逆にその分、本来自分の言いたいことを直截に申し上げることができたかとも思います。添付の第一準備書面の「5」の部分を中心に、大学内の不正を正すのは、まずは、学生諸君に対して教育責任を有する私ども教職員の義務だと申し上げました。
(3) 滋賀医科大学事件を担当の弁護士先生と連絡ができました。今後は、共闘体制を組んで、ともに頑張りたいと思っています。

以上


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2006年04月28日

新潟大学、学長選考における票決には致命的欠陥があることが判明

新潟大学職員組合

学長選考における票決には致命的欠陥があることが判明
第11回学長選考会議(2005年12月6日)議事概要入手(4/27/'06)
学長選考問題特集ページへ

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2006年04月20日

新潟大学学長就任問題、民意に従わず権力にしかみつく長谷川彰氏の学長就任に抗議する

新潟大学職員組合
 ∟●民意に従わず,権力にしがみつく長谷川彰氏の学長就任に講義する!

民意に従わず、権力にしかみつく長谷川彰氏の学長就任に抗議する

 選考会議に入り込んだ「とりまき」の勧めで、「外部評価」で飾られた衣装をまとい再度学長に就任したあなたには、新潟大学の現実は何一つ見えていません。長谷川学長、あなたは「裸の王様」です。「お上」からの喝采を期待するあなたの耳には、私たち教職員の苦しみの叫びは決して届いていません。このままの状態が続けば、大学はますます荒廃します!

 2月1日、長谷川彰氏は新たに学長に就任しました。昨年12月6日の学長選考会議による密室決定以後、職員組合は、決定の正当性にかかわる数々の問題について、選考会議や理事に説明を求めてきました。この間、選考会議決定や長谷川氏の学長就任に抗議する教員の署名が437名にのぼり、教員全体のほぼ4割に達しました。評議会でも執行部批判が相次ぎましたが、選考会議と学長は、説明責任を一切果たしていません、1月末には7名の教員が「選考会議の決定の無効確認」を求めて大学を提訴するという事態も生まれています。……


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2006年03月20日

新潟大学学長選考問題、大学教職員の意向投票の結果を無視した学長選考の違法性

■「意見広告の会」ニュース334より
∟●新潟大学学長選考問題 前回続き・冒頭再掲

大学教職員の意向投票の結果を無視した学長選考の違法性

2005年12月20日・2006年1月15日 山下威士

1 はじめにー逆転また逆転の学長選考過程

 12月7日(26面)の新潟日報を開いて驚いた。「学長に長谷川氏再任 2次投票2位 選考会議で逆転」という大見出しが目に飛びこんできた。後の報道(新潟日報12月16日29面)と併せると、学長選考会議(以下、選考会議)10名の委員の投票において、教職員の行った第二次意向投票で第2位の長谷川彰・現学長が、7票を獲得し、第二次意向投票で、教職員の投票の53%をとって第一位となった山本正治・医学部長の3票を破って、まさに大逆転で、次期学長候補者に決定されたという。

  11月30日の第二次意向投票結果
有権者 1,140名 投票率 72% 1位 山本  443票(53%) 2位 長谷川 360票
  11月7日の第一次意向投票結果
有権者 1,632名 投票率 58% 1位 長谷川 516票(54%) 2位  山本 394票
(第一次と第二次の有権者の数の大きな違いは、職員を含むか否かによる。)

 この間、私は、大学院実務法学研究科長・評議員という立場にありながら、今回の選挙にまったく関係なく、投票に行くだけで、結果を見てビックリするという、大方の一般教職員と同じ状況にあった。ただ、毎回の意向投票の結果については、そういうこともあろうかと思うだけであったが、選考会議の結果は、まったく受け入れがたい。

2 選考規定の内容

(1) いずこの国立大学法人も、2004年4月以降、国立大学法人法12条によって、常置の学長選考会議をおくことになった。新潟大学学長選考会議規則(2004年4月1日議長裁定)では、この選考会議は、①経営評議会の学外委員から選出される5名の委員、②教育研究評議会(以下、評議会)より選出される5名の委員、③学長により理事の内から指名される3名の委員の、合計13名の委員より構成される(3条)。この選考会議が、「第二次意向投票の結果を参考にして学長候補者を決定する」(学長選考規則14条1項、2005年8月5日議長裁定)。

(2)<規定の不備> 私としては、あまりに遅ればせであったが、今回、このような事態が発生してから、この選考会議規則や、選考規則、同実施細則(2005年8月5日議長裁定)を精査して、驚く。よくこれほどに不備のもので、選挙を実行し、学長候補者を選考できたものである。現実に選挙を実行できたのも、おそらくは、従来の、長年にわたる大学の慣行において形成され、蓄積された経験と伝統にもとづいてのことであろう。以下、思いつく点だけをあげてみよう。

①<決め方―コンクラーベ方式> 学長候補者の決め方ひとつとっても、選考会議の「出席委員の3分の2の多数決で決定する」(選考規則6条2項)とあるのみで、それ以外の規定がまったくない。これでは、「法王選出流のコンクラーベ方式」となり、ヘタをすると、いつまでも決まらない可能性がある。3分の2の多数をとる候補者が居ない限り、無限にやるしかない。やっていけないということはないが、いつまでやるつもりであったのであろうか。翻って考えれば、このような規定は、「第二次意向投票の結果」を尊重するという前提があってはじめて運用可能な規定であることをも示している。通常の選挙規定なら、例えば、①3分の2の多数を求める投票を2,3回やって、②その次の投票は、過半数に要件を緩め、③さらに、それでもだめな場合には、その次の投票の要件を相対多数にし、④さらに同数の場合には、議長が決める、あるいは、くじで決める等の手続き的な補充規定があるはずである。

②<理事委員の存在> この選考会議には、上記のように、理事から選出される委員が3名参加する。国立大学法人法12条3項にもとづき、会議規則3条3号で定められたものである。現職が再選されるのに有利な構成であり、それ自体は、違法ではないが、これで、フエアーな、選考を期待できるのだろうか。

③<投票の有効な成立> 意向投票の有効な成立のための要件が、一切ない。「参考」ということばに引きずられて、どうでもいいと考えたためであろうか。ということは、わずかな数でも、投票は有効に成立するということである。通常は、あまりに低い投票率では、投票としての意味をなさず、有権者の意向とみなさないというのが常識的であるが、この点も見逃された。

④<学内委員の不補充> 上記のように、いわば学内代表として、評議会から5人の選考会議委員が選出される(選考規則12条2項、14条2項)。その委員が、学長候補者になった場合、当然、選考会議から外れるが、その補充規定がない。したがって、このような場合、選考会議の構成員の総数が、減少する。通常は、評議会で、順位をつけて当該委員の補充候補を推薦しておき、上記事由で委員を外れるのに応じて、委員を補充するものである。学長選考において、まさに普通に起こりうる事態を想定しないで、条文を作るのは、何かの魂胆があるとしか思えない。

<実際に起きたこと> 今回、実際に、このような事例が起きた。評議会選出委員の5人の内、実に4人が第一次意向投票の候補者になった。学内における最高の審議機関である評議会を構成する者は、各部局を代表して、大学全般の問題の審議にかかわる、それ相応の人物が一堂に会しているのであるから、これは、当然のことである。これ以外の候補者は、前学長と現学長であり、したがって、当初の第一次意向投票の候補者は、総数6名であった。このままだと、選考会議の構成員は、学外委員5人、理事委員3人、それに評議会選出委員の残り1名、合計で9名となりかねなかった。もし、こうなると、理事委員3名は、自己の反対する候補者の選出を阻止するためには、自分たち以外に、1名を説得できればいい。このような状況下では、理事委員の意向に反する候補者は、まず、選出されないであろう。
 実際には、評議会選出委員の内、2人が第一次意向投票の前に候補者たることの辞退を表明し、そのために委員から外れずに、そのまま選考会議に委員として残った。ところが、第二次意向投票の前に、候補者とされた、いま1人の評議会選出委員が、第二次意向投票からの辞退を表明した。にもかかわらず、なぜか、選考会議は、同人の辞退を認めず、第二次意向投票以後の審議においても、選考規則14条2項を適用して、選考会議委員から、そのまま同人を外して審議を行った。辞退の意思の表明は、第二次意向投票の事前であり、事務手続き上は、何ら問題はなかったにもかかわらず、辞退を認めなかったのである。しかし、組合の情報(所信表明)などを通じて、同人の辞退の意思は、大学構成員に知れ渡っており、同人の得票は、第一次意向投票に比べて、著しく減少した。にもかかわらず、辞退を表明した同人に投じられた票もあった(第一次意向投票108票―第二次意向投票22票)。この辞退を表明したにもかかわらず、同人に投じられた票が、いずれの候補者に有利になり,不利になったのかは、私は知らない。この結果、13名の選考会議委員中、2名が候補者となり、1名が病気欠席のために構成員から外されて、これらを除いて10名で、選考会議が運営された、その法定の3分の2の多数は、7名である。結果的には、まさに実際に、7対3で決まった(新潟日報12月16日)。ギリギリであり、「もし」という話であるが、この第二次意向投票の前に辞退の意を表明した上記の評議会選出委員が、候補者としての辞退を認められて、委員から外れずに、この選考会議に参加して、3名のものの支持した候補者に、自己の一票を加えていれば、このように簡単には決着がつかなかったかもしれない。上記の「コンクラーベ」状況の出現である。もちろん、同人が、7名の支持した方に、自己の票を加えたかもしれないから、これは、あくまでも、「もし」という話にすぎないが。これは、学長候補者の選挙からの辞退について、そのやり方、許容期間を定めるということを怠ったために生じたことである。このような規定の不備は、通常選挙であれば、明らかな選挙無効ともなりうる手続き違反にも匹敵するものである。


3 今回の選考の違法性

(1)<「参考」にされるべきもの>
 現行の学長選考規則14条1項は、「第二次意向投票の結果を参考にして、学長候補者を決定」するとしている。ということは、「投票」以外の「参考」されるべきものは、どこにも規定されていない。参考とされるものが、たったひとつしかないのであるから、規定上は、それで、決まるとしか考えられない。もちろん、条文のどこにも「等」などという便利なものも挿入されていない。

<参考にされたもの:総務部長文書>
 ところが、12月7日付けで全教職員に配布された総務部長文書は、「4 選考結果」として、次のように記載する。「学長選考会議における学長候補者の選考にあたっては、意向投票の結果および所信調書を参考にするとともに、中期目標・中期計画の進行状況等大学経営に関する様々な観点から、最適任者について慎重に審議のうえ、票決により長谷川彰氏を次期学長候補者として決定した。」
まったく同文が、新潟大学ホームページにも掲載されている。この方の文責は、広報委員会であろうか、理事(広報担当)であろうか、あるいは、学長か。下記のように、「混乱を招くから一切公表しない」と、今回の学長選考の最高責任者であるはずの選考会議議長によってされたにもかかわらず、「選考結果」という表題の下に、このような情報が、全教職員に、選考会議議長名でもなく、学長名でもなく、理事(事務担当、旧事務局長)でもなく、一事務官の名前で配布された。この文書が、いかなる命令系統の下で出されたのかは、まったく知るよしもないが、現状では、明らかな守秘義務違反であろう。
しかし、そのこと自体の責任もともかく、その内容が、問題である。ここでは、現行の学長選考規則にはない「中期計画・中期目標」などを参照して、学長候補者が選出されたと書かれている。明らかに規定違反である。この文章を書いた総務部長が、勝手にそう思ったのなら、それは、それだけのことであろう。しかし、かれがそう思うには、それなりの根拠があるとすれば、すなわち、あるいは、本当に、選考会議で、このようなことが考慮され、それが、公式に承認されたとなれば、明白な規定違反となろう。

<規定されるということの意味>
 再言するが、学長選考会議で「参考」されるべきものは、現行規定上、「第二次意向投票の結果」のみである。それ以外のものを「参考」にするのは、規定違反である。たとえ、百歩退いて、「第二次意向投票の結果」以外のものを「参考」にすることを認めるとしても、それらと、「第二次意向投票の結果」とを同列において「参考」にすることを、現行規定は許していない。
 たしかに、条文解釈において、その条文を支える社会的良識というものが、広く意識されるべきである。しかし、そのことによって、条文上明記された事項と、それを支える良識のような事項とは、同一の重さを持って判断されるべきとはならない。時として、挙証責任を転換させることがあるぐらいの、条文に明文をもって書かれるということの重みを考えるべきである。これは、法解釈のイロハでもある。

<「第二次意向投票の結果」を無視しうる場合>
 したがって、選考会議の決定が、「第二次意向投票の結果」と異なりうるのは、第二次意向投票が、形式的に、あるいは、実質的に、第二次意向投票の名前に値しない場合、すなわち、そのような「意向」の表明の体をなしていない場合のみである。
例えば、形式的には、投票権者を間違えたとか、間違えた投票所を指示したとかの手続き違反のあった場合であろう。第二次意向投票という名に値しない実質的の場合というのは、かなり考えにくいが、例えば、全有権者の10%以下の投票率であったというような、あまりに低い投票率で、実質的に大学構成員の第二次意向投票とみなしがたい場合などがあろう。
<今回の第二次意向投票> このように考えると、今回の第二次意向投票には、有権者の72%の投票率があり、手続き違反も報告されていず、投票は、実質的にも、形式的にも、まったく問題なく成立している。である以上、現行の規定にもとづいては、この「第二次意向投票の結果」を「参考」にする限り、それと異なる結論を会議が決定できるとする解釈を入れる余地はない。

(2)<説明責任の放棄>
 選考会議議長の小林俊一・東京農工大学幹事(元・理化学研究所理事長)氏は、「選考過程を公表した場合に起こる混乱の方が大きいと判断」(学長就任受諾の会見時の談話、新潟日報12月7日)してという理由から、選考会議の審議経過を一切公表せず、したがって、「第二次意向投票の結果」を無視した理由を、まったく述べていない。
これは、まったく良識に反する発言である。通常は,予測しうる混乱を避けるためにこそ、何事か説明をする必要がある。だからこそ、後に総務部長名の文書を全教職員に配布しなければならないと判断され、配布されたのであろう(もちろん、上記のように、それが、「誰の」判断かは、私には、不明だが)。これ自体、まったく「怪しい」ものであり、勘ぐれば、みずから「怪しい」決定と感じているからこその「公表せず」ではないかと邪推されるであろう。公開性と民主性とを根幹としている大学の運営について、あるまじき態度である。ましてや、大学構成員の明確に投票という形で表明された「意向」と異なる結論を出す以上、その説明責任が生じることは、自明である。そのような説明責任を果たさないという手続き上の違反は、あまりにも重大あり、本体の違反をも導きかねない。これは、現在では、(たとえ、国立大学法人に直接の適用がないとしても)行政手続法上の最低限度のルールである。いずれにせよ、以上のように、投票について、形式的・実質的に問題がない限り、この「第二次意向投票の結果」と異なる決定を下すことは、現行規定上、認められず、今回下された決定は、違法というしかない。

(3)<説明されるべきこと>
 上記の説明責任の問題を、いま少し丁寧に語ると、本来説明されるべきであったことは、以下のことがらである。
① 上記の学長選考規則14条1項の文言上では、「参考」にされるべきものは、「第二次意向投票の結果」のみである。とすれば、その「第二次意向投票の結果」以外のものを「参考」にするためには、「この条文には、『第二次意向投票の結果』以外のものを『参考』にしてもよいと書いてある」ということを読みこみ、説明する必要がある。例えば、「条文上、そのどこかに『等』という文句が読み込まれる」とか、「この『第二次意向投票の結果』という項目は、いわゆる例示的列挙であり、『その他のもの』も『参考』にできる」などという法解釈上の説明をする必要がある。もちろん、明確な条文があり、しかも、その条文が「第二次意向投票の結果」としか規定していない以上、いずれの説明も、非常に難しいことではあると思われるが。しかし、いかに困難であるにせよ、このような説明をしない限り,今回の学長選考会議の決定は、みずから定めた学長選考規則に違反する決定となる。
②  ①の説明をした後に、では、「第二次意向投票の結果」以外の、「等」とか、「その他」のものとして「参考」にされうるものは、どんなものがありうるかを説明する必要がある。これについては、上記の12月7日付けの総務部長名文書「次期学長候補者の決定について」に記載されたものが、参考になる。
「4 選考結果 学長選考会議における学長候補者の選考にあたって、意向投票の結果及び所信調書を参考にするとともに、中期目標・中期計画の進行状況等大学経営に関する様様の観点から、最適任者について慎重に審議のうえ(決定した。)」
もちろん、この文書自体の問題性(上記の「説明をしない」とした選考会議議長発言との整合性、あるいは、誰が、これを作ったか等)は、別にしての話である。
③ その上で、「第二次意向投票の結果」と、その「参考」にされた「等」や「その他」のもの(上記②例では、「中期目標・中期計画の進行状況等大学経営に関する様様の観点」)とを比較考量して、後者のものが、規定に明示されている前者のものよりも重いと判断された理由を説明する必要がある。
 このような説明責任を欠いた行為は、その重大な手続き違反の故に、現在の行政手続法の精神から言えば、無効と判断されかねない。

(4)<立法趣旨の立法者による無視:トーナメント制>
 教職員組合系の有志によって説明を求めるのに答えた(答えない?)発言に関連して、小林選考会議議長は、「意向投票は、トーナメント制ではなく、学長を選ぶあらゆる情報の一つとして尊重した」と新聞記者に語っている(新潟日報12月17日)。しかし、これは、上述のように、「第二次意向投票の結果」が、唯一の「参考」にされるべきものであるのに、それを他のものと並べて「一つ」のものに貶めたことによって、逆に言えば、この「第二次意向投票の結果」と「同列に参考にされるべきではない」ものを、同列に考慮したことをうかがわせるものとして、今回の決定の違法性をうかがわせる発言である。
 しかし、それとともに、この発言は、立法者としての意図を、故意に混乱させるものである。なぜなら、この意向投票制度は、明らかに「トーナメント制」を前提に作成されているからである。その理由の第一には、第二次意向投票の有権者は、すべて第一次意向投票の有権者である(70%が重複する)。もちろん、候補者は、別々になるわけではない。ということは、同じ候補者に対して、二度意思を表明するということの意味が、トーナメント制でなくて、何であろうか。理由の第二に、第二次意向投票で、学長候補者の決定のために、いとも簡単に「3分の2の多数」を要求していることである。まさか、4,5人の候補者を前にして、「3分の2の多数」が、容易に成立すると、立法時に、立法者が考えることはありえない。明らかに、ここでは、第二次意向投票の対象者は、2名、多くとも3名を前提にしている。ということは、トーナメント制で選抜されてくることを予想している。第三の理由に、このような意向投票を含む今回の学長選考制度自体が、トーナメント制であった従来の学長選考制度を大幅に前提にしている。だからこそ、このような粗放な条文で、今回の選挙も、まったく問題なく実行できたのである。そう理解すれば、この意向投票制度も、従来の選挙と同様にトーナメント制を前提にするものと考えざるをえない。
 客観的に見る限り、立法者意思は、今回の選挙制度を、トーナメント制としている。上記の選考会議議長の発言は、「大学の学長という研究者の長を選ぶのだから、トーナメント制などという低次元のものではなく、広い視野から選んだ」と言いたいのであろう。しかし、その発言自体が、明らかに、自己の作成した規定の立法趣旨を無視するものとなっている。その意味では、上記発言は、明らかに「ためにする発言」であり、何はともあれ、「私が、ルールだ。私が語ることが、正しい」とする、すなわち、「私が神だ」と語るにも等しく、みずからの立法趣旨を誤解させるものといわざるを得ない。

4 おわりにーどこでも起こりうること

 このような異常な事態は、今後、ひとり新潟大学に止まらないであろう。
<滋賀医科大学の事例>
 すでに、滋賀医科大学で同様の事例が生じており、そこでは訴訟にまでなっている(毎日新聞・滋賀版 2005年4月2日付「学長選考「任命は違法」と提訴 野田教授ら、取り消しなどを求める」)。新潟大学とまったく同じ例で、前の学長が、教職員の投票で2位となりながらも、学長選考会議の決定で、学長候補者に推薦されたものである。訴訟は、教職員の投票で1位になった教授が、起こしたものである。

<とりうる訴訟形態>
 ただし、ここで、当該教授が、「地位保全の訴え」を提起したことには、疑問がある、簡単には、同教授は、未だ保全すべき学長の地位についていないからである。同教授は、ここでは、「選考会議の決定の無効確認訴訟」を選ぶべきであったろう。もちろん、同教授の「慰謝料請求」には、問題ない。さらに、これが学長の再任以後であれば、「文部科学大臣の学長任命行為という行政処分の取り消し訴訟」を起こすべきであろう。さらに、進んで、「同教授の学長職への任命の義務づけ訴訟」まで起こすと、面白い。

<岡山大学の事例>
 岡山大学でも、まったく同じ事例が、2005年3月に起きた。詳しくは、岡山大学の『組合だより』第86号(2005年5月31日)に譲るが、新潟大学と同じように、教育職員の「意向投票」の結果、第2位となった副学長が、学長選考会議の決定で、第1位になった候補者を退けて次期学長候補者に推薦されたと言うものである。『組合だより』における反応は、それを拝見した限りでの私の印象では、「今回の「意向投票」において過半数をえた者がいなかったから、このような決定もやむを得ない、ただ、経過について説明不足の感があるのも否なめない、今後は、よりよい制度設計をしてゆきたい」というもののようである。

<どこでも起こりうること>
 この滋賀医科大学、岡山大学や新潟大学の事例をみれば明らかなように、このような事例は、国立大学法人法の下では、どこでも起こりうることである。
このような規定の運用は、「社員が社長を選ぶ会社がどこにある」という俗説を、大学に強引に当てはめるとするところから生じたものであろう。これは、「大学は、会社ではない」という団体の存立目的ひとつ理解しようとしない俗説である。たとえ、そのような俗説を当てはめるにしても、それでも、会社の場合には、役員会が社長を任意に選出しても、そこには、「株主」、「株主総会」という歯止めがある。しかし、大学には、そのようなものがない以上、会社以上に、コンプライアンスとか、みずからの良識への厳しい自律、最低限でも、自己の作った法令を遵守するという程度の意識を必要とする。おそらく、戦後60年がたち、それを根底から支えた日本国憲法が改正に直面しているのに象徴的に表現されているように、大学そのものも、いま歴史の大きな曲がり角にあるであろう。しかし、私は、せめてその車輪を、私たちのところで、止めたい、せめて回転を遅らせたいと思う。

<風通しのいい組織のために>
 独立行政法人化の前であろうと、後であろうと、大学の存立理由が、自由で創造性溢れた教育と研究とを行うための仕組みであることには、まったく変わりはない。その自由で創造性溢れた組織であるための基礎的な条件は、何よりもその組織が、風通しのよい組織であることである。その風通しのよい組織であるための前提は、その組織が、民主性と透明性の確保された組織であることにある。今回の新潟大学の学長選考過程では、その民主性と透明性とのふたつんながらに無視されたのである。しかも、このような行動は、滋賀医科大学、岡山大学の事例にも見られるように、ひとり新潟大学に特有のものではない。まさに、今回の事例は、わが国の大学制度一般に通じる問題性をはらむものである。

<学内の努力>
 制度的には、今回の大学教職員の意向を無視する決定の撤回を求め、個人的には、現学長の次期学長候補者への推薦受諾を撤回することを求めて、教員組合系有志(12月13日)、法科大学院系有志(12月15日)、現代社会文化研究科系有志(12月16日)のアッピール、さらには、教育人間科学部教授会(12月12日)や人文社会・教育科学系教授会議(12月21日)の教授会決議などの多くの方面から、教職員のアッピールが出されている。私自身も、評議会(12月17日)において、学長の大学への良識を信じて、候補者推薦の辞退を迫ってみた。

<京大事件の教訓>
 さらには、何人かの評議員である部局長とともに、このような各方面からの教員や私どもの要望に反して、この学長候補者への推薦を辞退されない学長への抗議の意思をしめすために、連袂して辞任を行った(2006年1月13日)。かの1933年の京大事件の佐々木惣一、末川博、恒藤恭などの大先達の行動には及ぶべくもないが、かれら大先達の守り通してきた大学の自治のためにも、できるだけのことは行いたいと思う。私には、大学の自治をめぐる歴史の歯車が、かの事件以来70年をへて、いままたひとつ方向を転じようとしているように思われる。

以上


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2006年03月16日

新潟大学学長選考問題、私たちの提訴の概要

■「意見広告の会」ニュース333より

私たちの提訴の概要

   
2006年1月26日 文責 山下威士

1 提訴の型
(1) 2005年12月6日の新潟大学選考会議の次期学長候補者の決定の無効確認を求める訴え。
(2) 2006年2月1日以降、長谷川彰氏による新潟大学長としての職務執行を停止させることを求める仮処分の訴え。

2 原告
(1) 山下 威士 やました・たけし
新潟大学大学院実務法学研究科長・教授、評議員
 以下6名
  新潟大学大学院現代社会文化研究科教授
  新潟大学大学院実務法学研究科教授
  新潟大学工学部教授
  新潟大学教育人間科学部教授
  新潟大学理学部教授
  新潟大学大学院医歯学総合研究科教授

3 原告訴訟代理人
弁護士  川 村 正 敏 かわむら・まさとし(新潟県弁護士会)

4 被告
新潟大学  学長  長谷川 彰 はせがわ・あきら
学長選考会議・議長 小林俊一 こばやし・しゅんいち

5 次期学長候補者選考の経過
(1)<学長選考>
 新潟大学は、学長選考規則にもとづき、この度、学長選考のために、教育職員およびその他の職員を投票資格者とする第一次意向投票、第二次意向投票、および、学長選考会議の審議を行った。第二次意向投票の実施前に、学長選考会議委員(常設の機関)である鈴木佳秀氏は、学長候補者から辞退することを伝えた。しかし、この辞退届は、学長選考会議(あるいは、学長選考会議議長)の議を経ないまま、何ら権限のない菅原秀章・理事(事務総括担当)によって握り潰され、鈴木氏は、第二次意向投票の候補者とされ、したがって、以後の学長選考会議の審議から外された。

(2)<第二次意向投票と学長選考会議の決定のズレ>
 2005年11月30日に、第二次意向投票が行われ、山本正治氏が443票(総投票数の53%を獲得)、長谷川彰氏が360票、鈴木佳秀氏が22票という結果であった。この第二次意向投票の結果を受けて、2005年12月6日に学長選考会議が開催された。委員13名中、病気欠席1名の他、山本、鈴木両氏が学長候補者であることを理由に委員から外され、合計10名の委員で、学長選考会議が構成された。審議の結果、学長選考会議は、3分の2の多数ギリギリの委員7名の賛成によって(学長選考会議規則6条2項)、第二次意向投票で2位であった長谷川氏を、次期学長候補者とすることを決定した。

(3)<説明責任の放棄>
 第二次意向投票で2位であった長谷川氏を学長候補者とすることについては、下記のように多くの点で違法であり、問題点も多いにもかかわらず、小林俊一・学長選考会議議長は、「選考会議の経緯を説明することは、学内に混乱を避けるために公表しない」と述べて(2005年12月6日記者会見)、まったく説明していない。ただし、後に、「選考の経過」という文章を持つ「次期学長候補者の決定について」という文書(2005年12月7日)が、まったく権限のない新潟大学総務部長名で、全教員に配布された。

6 学長選考会議の決定が、違法であり、無効と判断される理由
(1)<今回の決定は、学長選考規則14条1項に違反し、無効である。
 学長選考規則14条1項は、「学長選考会議は、第二次意向投票の結果を参考とし、学長候補者を選考の上、決定する」と定めている。したがって、その「参考」ということばをいかように解釈するにせよ、学長選考会議が学長候補者の決定を行うに際して考慮すべきものは、規定による限り、「第二次意向投票の結果」のみである。したがって、「第二次意向投票の結果」と異なる決定を行った本決定は、学長選考規則に違反し、無効である。

(2)<今回の決定を下すことについての学長および学長選考会議議長の説明責任の履行がまったくなく、国立大学法人法35条および独立行政法人通則法3条に違反し、無効である。国立大学法人法35条によって準用する独立行政法人通則法3条は、「業務の公共性、透明性、および、自主性」について定める。とくに、その2項において、国立大学法人(および独立行政法人)の行為について「透明性」、すなわち、「説明責任を果たすこと」を、法の原則として規定している。にもかかわらず、今回の決定について、学長および学長選考会議議長は、まったくその説明責任を果たしていず、今回の決定は、法の要求する透明性をまったく持っていない。このような理由から、本決定は、国立大学法人法および独立行政法人通則法に違反し、無効である。

 なお、今回、上記透明性(説明責任の履行)という観点から説明されるべきであったことは、最低限、以下のことがらであったろう。
① 「学長選考規則14条1項の明文にもかかわらず、そこには書いてないが、『第二次意向投票の結果』以外のものを『参考』にしてもよい」という学長選考規則の解釈を示す必要がある。
② その上で、では、そのような「第二次意向投票の結果」以外の参考にされるものとは、「何か」を示す必要がある。
③ その上で、そのようにして「学長選考会議が②で考えたもの」と、明文の規定で定められている「第二次意向投票の結果」とを比較考量して、「なぜ、前者が重いと判断されたのか」を示す必要がある。
 この内、②についてのみ、その文書の性格について不明の点も多いが、上記総務部長名文書に「中期目標・中期計画の進捗状況等大学運営に関する様々の観点」というものがあるが、それのみに止まり、著しく不足している。

(3)<鈴木佳秀氏が第二次意向投票から辞退の意思を表明したにもかかわらず、その取扱いについて不備があり、そのために、今回の選考の結果に大きな影響をもたらすほどの学長選考会議の構成について重大な欠陥を生じており、これらが、学長選考会議規則6条、16条、学長選考規則14条2項に違反しており、このようにして構成された学長選考会議の決定は、無効である。>
学長選考規則14条2項は、「学長選考会議の委員が第二次学長候補適任者となった場合は、前項の選考(学長候補者選考)に加わることができない」とし、学長選考会議規則6条2項は、「出席した委員の3分の2以上の多数をもって決する」と規定している。もともと学長選考会議の委員であった鈴木氏は、第二次意向投票の前に、学長候補者より辞退する意思を表明した。このような場合、扱いについて疑義がある限り、学長選考規則15条により、学長選考会議(緊急の場合なら、学長選考会議議長)が、その取り扱いについて議事を開き、決定すべきであった。しかし、その処理を行ったのは、いかなる権限をも持たない菅原秀章・理事(事務総括担当)であり、その判断により、鈴木氏を第二次意向投票の候補者から外す手続きを、まったくしなかった。鈴木氏は、学長選考の候補者からの辞退を表明したのであるから、本来なら、学長選考会議の構成員としての資格を取り戻し、以後の会議に招請されるべきであった。このようにして、鈴木氏は、事務総括理事によって、学長選考会議規則および学長選考規則に違反して、学長選考会議から排除される結果となった。
このようにして構成された選考会議は、重大な欠陥を有するものであり、鈴木氏の会議への参加によって、結論に重大な齟齬が生じる可能性のある限り、そのような欠陥を有する会議の決定は、学長選考会議規則および学長選考規則に違法し、無効である。

7 本訴訟の意義
(1) 本件は、新潟大学の次期学長候補者の選考の無効の確認を求めるものである。
そこには、みずから定めた規定を、みずからが守らないという、コンプライアンス(法令順守)をめぐる、きわめて初歩的な欠陥がある。基本的に大学としての体をなしていない姿勢であり、その点を、この訴訟を通じて問題提起し、注意を喚起したい。

(2) しかし、そのような新潟大学特有のものを超えて、今回の事例は、2004年4月以降、ほぼ同様の学長選考規定を有する旧国立大学に共通する問題性をもち、その先例としての影響、わが国の大学システムに対する影響は、計り知れない。とりわけ、研究の根幹を保証するものとしての公共性と透明性(説明責任)とを重視するわが国の大学一般にとって、今回の新潟大学の経緯は、悪しき先例として、その将来の死命を制するかもしれないほどの大きな(マイナスの)意義をもつ。この訴訟を通じて、この点を明確にし、わが国の健全な大学の発展に寄与したい。

以上

大学教職員の意向投票の結果を無視した学長選考の違法性

2005年12月20日・2006年1月15日 山下威士

1 はじめにー逆転また逆転の学長選考過程

 12月7日(26面)の新潟日報を開いて驚いた。「学長に長谷川氏再任 2次投票2位 選考会議で逆転」という大見出しが目に飛びこんできた。後の報道(新潟日報12月16日29面)と併せると、学長選考会議(以下、選考会議)10名の委員の投票において、教職員の行った第二次意向投票で第2位の長谷川彰・現学長が、7票を獲得し、第二次意向投票で、教職員の投票の53%をとって第一位となった山本正治・医学部長の3票を破って、まさに大逆転で、次期学長候補者に決定されたという。  
  11月30日の第二次意向投票結果
有権者 1,140名 投票率 72% 1位 山本  443票(53%) 2位 長谷川 360票
  11月7日の第一次意向投票結果
有権者 1,632名 投票率 58% 1位 長谷川 516票(54%) 2位  山本 394票
(第一次と第二次の有権者の数の大きな違いは、職員を含むか否かによる。)

 この間、私は、大学院実務法学研究科長・評議員という立場にありながら、今回の選挙にまったく関係なく、投票に行くだけで、結果を見てビックリするという、大方の一般教職員と同じ状況にあった。ただ、毎回の意向投票の結果については、そういうこともあろうかと思うだけであったが、選考会議の結果は、まったく受け入れがたい。

以下、連載


Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年03月16日 00:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
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東北大学長選、最終選考に井上氏 教育研究評が推薦決定

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060315-00000007-khk-toh

 東北大の教育研究評議会は14日、任期満了(11月5日)に伴う学長選考の候補者に井上明久副学長(58)=金属材料研究所長=を選び、最終決定する選考会議への推薦を決めた。……

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2006年03月13日

新潟大学、学長候補推薦決定無効確認訴訟 第1回口頭弁論

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2006031030885

新大学長選挙の無効で訴え

 新潟大の学長選考会議が、教職員による第2次意向投票の結果と異なる決定を行ったのは違法として、7人の教授が同大を相手取り、長谷川彰学長を次期学長候補とした決定の無効確認を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、新潟地裁で開かれた。同大側は提訴の却下、または請求棄却を求める答弁書を提出、争う構えを見せた。
 訴状によると、同大の学長選考会議は昨年12月、山本正治医学部長=当時=が1位、長谷川学長が2位となった同年11月の教職員による第2次投票の結果を覆し、長谷川学長を文部科学相に次期学長候補者として推薦。原告側は「第2次投票の結果を参考」とする定めに異なる決定をしたなどと主張している。

学長選無効求める裁判 新潟大側が訴えの却下求め答弁書=新潟(東京読売新聞2006/03/11)

…… 被告の大学側は「原告が訴える権利や法的根拠が明確でない」「意向調査の結果を無視した事実はない」などとし、訴えの却下や請求棄却を求める答弁書を提出した。
 口頭弁論を終えて大学側は「今回の学長選考は、法にのっとって適正に行われており、問題はない」とコメントを出した。


[同ニュース]
新潟大・学長選訴訟:大学側、争う構え--初弁論

新潟大学、学長候補推薦決定無効確認訴訟 原告を迎えて学習・意見交換会

Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年03月13日 00:01 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2006年03月06日

新潟大学、学長候補推薦決定無効確認訴訟 原告を迎えて学習・意見交換会

■「意見広告の会」ニュース329より

新潟大学学長選挙についての学習・意見交換会
  提訴原告、山下威士、新潟大教授をお迎えして

 ご承知の方もおられると思いますが、昨年12月6日、新潟大学学長選考会議は学内の教職員その他の職員を投票資格者とする第二次意向投票で2位であった長谷川彰氏を次期学長候補者とすることを決定しました。しかし、この決定について学内では疑義と抗議の声が起こっています。そして、2005年12月6日、学内7名の教授は学長選考会議による次期学長候補推薦決定の無効確認を求める提訴を新潟地裁に起こしました。また、学長選考会議決定の撤回を求めるアピールには、2月28日現在で学内教員1,145名中451名(39.4%)が署名しています。
 このような提訴・抗議の声が起こった詳しい理由は別紙資料をご覧いただくことにして、かいつまんで言いますと、次の2点です。

1.学内教職員による第二次意向投票と学長選考会議の決定にズレがあるにもかかわらず「学内の混乱を避けるため」と称して、その理由がまったく説明されていないこと。

2.上記の学長選考会議決定は総委員10名の3分の2をかろうじて超える7名の賛成によるものであるが、その中には、第二次意向投票の時点で学長候補辞退の意思を表明した鈴木佳秀氏の意思が無視され、学長候補は学長選考会議委員からはずれるという規定によって、鈴木氏が学長選考会議委員から排除された。かりに鈴木氏が選考会議委員に加わっていれば、長谷川氏を学長候補とするという決定には至らなかった可能性がある。

 新潟大学でのこうした事態はほぼ同様の学長選考規定を持つ他の旧国立大学にも共通する問題であり、今後、他大学でも、これと同様に学内教職員の意思が学長選考機関によって覆されるという事態が起こることが懸念されます。
 そこで、このたび、東京大学職員組合のご協力を得て、学長候補決定の無効確認の訴訟を起こされた原告の中心メンバーである山下威士氏(新潟大学大学院法科研究科長、同大学評議員)をお招きし、別紙のとおり、東京大学本郷キャンパス(経済学研究科棟12階第3共同研究室)で、今回の学長選考の経過、提訴の目的等をお伺いする機会を設けました。
 東京大学内外の方々のご参加を呼びかけます。

○日時:2006年3月13日(月) 午後1時30分~4時30分
○場所:東京大学大学院経済学研究科棟12階 第3共同研究室
 TEL(共同研直通): 03-5841-5574
 地図(赤色の建物の12階です。エレベ-タ-を降りてガラスのドアを入ってすぐ手前の部屋です。)
 http://www.e.u-tokyo.ac.jp/fservice/address/map.j.htm

○プログラム:
学長選の経過と問題点、提訴の意義(仮題)
山下威士氏(新潟大学大学院法学研究科長、同大学評議員)
 山下教授のプロフィール
http://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/public/YAMASHITATakeshi_b.html
新潟大学における学長選考の詳しい経過は同大学職員組合のHPに掲載されています。
http://www.ne.jp/asahi/niigata-u/union/>http://www.ne.jp/asahi/niigata-u/union/
質疑・参加者間の意見交換

**お願い**
ご参加には事前連絡が必要です。

 このニュースをご覧になって参加を希望される方は、本ニュースへ、3月11日までにメールでご連絡下さい。また、今後の当ニュースにもご注意下さい。
 3月13日は東大後期日程入学試験日です。入構証は不要ですが、経済学研究科棟への入館には許可が必要ですので、必ず以上のご連絡をお願い致します。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年03月06日 00:23 | コメント (0) | トラックバック (0)
URL : http://university.main.jp/blog3/archives/2006/03/post_1159.html

東北大学、総長候補適任者アンケート回答

東北大学職員組合
 ∟●総長候補適任者アンケート回答

総長候補適任者アンケート回答

 現在、今年11月からの東北大学総長を選考する一環として、教育研究評議会が推薦する総長候補適任者についての選考が行われており、3/9には意向投票が行われます。総長候補適任者の「所信表明書」および「履歴書」は、すでに本学のホームページにて学内閲覧が可能になっています。組合は、意向投票を前に労働組合としての立場から公開された所信に加えて各総長候補適任者の見解を聞くためにアンケートを実施しました。以下に質問項目および回答全文を掲載します。……

以下,省略 上記URLをご覧下さい。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2006年03月06日 00:06 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2006年02月27日

サマーズの教訓、強力なリーダーとは非凡な聞き上手のことである

埼玉大学ウォッチ
 ∟●サマーズの教訓

サマーズの教訓

ローレンス・サマーズ氏のハーバード大学長退任をめぐる記事を、ハーバードの学部学生が発行する日刊紙Harvard Crimsonや、ボストンの地元紙Boston Globeのオンライン版で読んでいて、気がついたことがある。

グローブ紙によると、教授会から不信任をつきつけられた学長の例はサマーズ氏だけでなく、他にもあるそうだ。ボストン大学では1976年にシルバー学長が教授会から辞任要求を突きつけられたが、それをものともせず、シルバー氏はその後20年間も学長としてとどまった。エマーソン・カレッジのリーバーゴット学長は2004年以降2度にわたって教授会から不信任を突きつけられたが、同大学理事会リーバーゴット氏を擁護している。

サマーズ氏の場合はなぜ、辞任に至ったのか。サマーズ学長の大学運営にあたっての衝突も辞さない戦闘的なリーダーシップと、既得の権限を守ろうとするハーバードの伝統学部Faculty of Arts and Sciences(FAS)が正面衝突したすえ、教授会が勝ち、サマーズ学長が敗北したのだという見方が一般的なようだ。

サマーズ学長は就任後、FASのアフリカン・アメリカン・スタディーズのコーネル・ウェスト教授と対立した。ウェスト教授は「私は自由で自尊心を持つ黒人だ。あのような態度は我慢ならない」と言ってハーバードを去り、プリンストンへ移ったそうである。また、サマーズ学長は、Graduate School of Arts and SciencesのPhDプログラムの権限を、FASから大学本部の教務担当副学長の手に移そうとした。この計画は中止されたが、このことで大学院の研究科長は辞任した。さらには学部の赤字経営と学部カリキュラムの改定作業の遅れを理由に、FASの学部長を辞任に追い込んだ。

FASはハーバードの教授陣の半数が育った学部である。独自にfundraisingする権限を持ち、大学本部の干渉や支配を嫌う誇り高い学部の伝統がある。サマーズ氏の退任後、暫定的に学長を務める予定の元学長のデレク・ボク氏が学長だった1980年代、FASのヘンリー・ロソフスキー学部長が学長室の窓を指さして「うちの間借り人だよ」と言ったというエピソードさえある。学長室はFASの建物であるマサチューセッツ・ホールにあった。

そういうわけで、ワシントン仕込みの辣腕行政家サマーズ学長とFASは、いわゆるcollision courseにのってしまった。FASに有利に作用したのが、サマーズ学長の女性の能力に関する失言であった。FAS以外の学部ではサマーズ学長の大学運営に対して支持者が多かったそうだが、危機にあたって体をはってサマーズ擁護に立ち上がってくれる人は少なかった。最後には、大学理事会もサマーズ退任やむなしとの態度をとったようである。

さて、ハーバード大学はこれから新しい学長探しをはじめる。学長探しにあたって、同大学の認識論・教育学のハワード・ガードナー教授がHarvard Crimsonによせた “Leaders Who Listen” というエッセイがなかなか示唆に富んでいる。そのさわりの一部を紹介すると、

大学の良きリーダーは拳骨や命令や憤怒や恐怖で支配するのではなく、相手の言うことを聞き、コンセンサスをつくり、大学の繁栄に結びつくような環境をつくる。権威主義体制やヒエラルキー構造の組織ではリーダーは他者の信念や感情を無視して迅速にことを処理する。場合によってはそうした高飛車なやり方が不可欠なこともある。しかし、今日の合衆国の大学におけるリーダーシップは、そのようなものとはまったく異なる。リーダーの腕の見せどころは、教員、学生、職員を説得し鼓舞することにある。強力なリーダーとは、非凡な聞き上手のことである。(全文はこちら)……


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2006年02月22日

東北大学職員組合、総長候補適任者アンケート テニュア・トラックなど

東北大学職員組合
 ∟●総長候補適任者アンケート

総長候補適任者アンケート

 組合では,総長選考方法について,2004年12月13日,総長選考会議から提示された「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程(案)」において,構成員の意向を問う過程が全く示されていないことをはじめとする大きな問題点について意見と要望を表明してきました.
 東北大学総長選考会議による「国立大学法人東北大学における総長候補者の選考及び総長解任の申出に関する規程(案)」(2004年12月13日)に関する要望
 その後,「教育研究評議会が推薦する総長候補者の選考方法に関する申合せ」によって,教育研究評議会から推薦される候補者については,候補適任者に対する構成員による意向投票が行なわれ,教育研究評議会ではその結果を尊重して総長選考会議に対して推薦を行なうこととなりました.
 この度,教育研究評議会から6人の総長候補適任者が示され,意向投票が行なわれるにあたって,組合では候補適任者の方々に以下のようなアンケートをお願いしました.回答が寄せられ次第,ウェブにも掲載していきますので,意向投票の参考にして頂きたいと考えます.

-------------------------------------------------
……

Q6 リーダーシップと構成員自治のあり方、総長選考規程について
 私たちは、リーダーシップには構成員と社会に対する説明責任が伴い、またリーダーシップのあり方は、社会による批判と構成員の自治によって常に検証されるべきものと考えています。法人化によって強化された総長の権限と大学構成員による自治との関係について、どうお考えでしょうか。また、法人化後新たに制定された総長選考規程自体には広範な大学構成員による「意向投票」が全く盛り込まれていません。今回の意向投票は教育研究評議会の見識によって実現したものであって、候補者全員を対象とするには至っていません。現行総長選考規程についてのご意見をお聞かせください。

Q7 教授会審議の形骸化等について
 法人化後「トップダウン」の傾向が強まり、一部の教授会や全学委員会、さらには教育研究評議会までもが形骸化して実質的な審議があまり行われていないという不満が学内にあるようです。また、構成員の大多数が部局の意思決定に参与できない部局も発生しています。この点についていかが思われますか。

Q8 社会に開かれた大学のあり方について
 昨年発行された『広報マニュアル』(V.1.0)では大学や部局の「組織情報」は、スポークスマン以外の者は一切外部に開示してはならないとされるなど、東北大学が「社会に開かれた大学」とは正反対の方向に進んでいるように思われます。私たちは、批判精神と自由な言論は、学問の府である大学になくてはならないものだと考えますが、これについてのお考えをお聞かせください。

Q9 テニュア・トラックについて
 学校教育法改正による助教、准教授職の新設に伴って、現在テニュア・トラックの導入が具体的に検討されています。最近示された案では、助教は全ポストノンテニュア任期制、准教授の一部も同様であり、さらに現在非任期制の助手・助教授にまでテニュア・トラックを適用する可能性があることが示唆されています。このことについてどうお考えでしょうか。


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2006年02月07日

新潟大学職員組合、「民意に従わず民意を覆す決定に従った長谷川彰氏の学長就任を糾弾する」

新潟大学職員組合

申し入れ・公開質問状

○ 学長選考問題に関する公開質問状。(1/19/'06)
学長選考問題に関する公開質問状(研究担当理事宛)
鈴木学系長の学長候補適任者辞退の申し出に関する公開質問状(総務担当理事宛)
○ 学長選考問題に関する公開質問状など。(1/16/'06)
学長選考問題に関する公開質問状(学長選考会議議長宛)
学長選考での役員会の対応に関する懇談の申し入れ(学長宛)
○ 教育研究評議会委員宛に学長選考問題に関する要望書を提出。(1/16/'06)


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2006年02月02日

新潟大学、学長就任問題で職員組合,教員有志ら60人が抗議集会

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2006020130330

新大の学長就任で抗議集会

 新潟大の長谷川彰学長が2期目の任期に入った1日、同大職員組合と教員有志ら60人余りが、長谷川学長再任に抗議する緊急集会を、新潟市の同大五十嵐キャンパスで開いた。
 集会では、原告のうち医学部の岡田正彦教授が「大学は正義と自由、真理を探究するところ。それが侵された」と主張。同じ原告で大学院実務法学研究科の山下威士教授は「大学の根幹である民主性と透明性が破られ、恥ずかしくて学会にも行けない」と訴えた。


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2006年01月31日

新大学長選考、説明責任をどう考える

http://www.shutoken-net.jp/2006/01/060131_5niigata.html

新大学長選考 説明責任をどう考える

 独立法人化後初めて行われた新潟大学の学長選をめぐる混乱は、とうとう裁判に持ち込まれることになった。

 ここまでこじれた責任は、十分な説明責任を果たしていない大学当局と学長選考会議にあるといわざるを得ない。……


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2006年01月27日

学長選の無効求め、教授ら7人が新潟大を提訴

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060126i215.htm

 新潟大学で昨年12月に行われた学長選で、現職の長谷川彰氏(68)が次期学長候補に選ばれたことに対し、同大大学院実務法学研究科の山下威士科長ら同大教授7人が26日、同大を相手取り、候補者決定の無効確認と文部科学大臣への候補者推薦の取り消しを求め、新潟地裁に提訴した。

 学長選には長谷川氏ら3人が立候補。教職員らによる第2次意向投票で長谷川氏は次点だったが、学長選考会議は長谷川氏を次期候補に決めた。

 山下科長らは訴状で「学長選考会議は第2次意向投票の結果を参考とし、学長候補者を選考の上、決定すると定めており、学長選考規則に違反している」と主張。同会議が選考過程を明らかにしない点についても「業務の透明性を求める国立大学法人法に違反する」としている。

 大学側は「学長選考は国立大学法人法にのっとって適正に行われており、問題はないと考えている」とする文書を出した。

学長再任めぐり新大教授提訴

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2006012630249

 新潟大の学長選考会議が、教職員による第2次意向投票の結果と異なる決定を行ったのは違法だとして、7人の教授が26日、大学を相手取り、決定の無効確認を求める訴訟を新潟地裁に起こした。新大の長谷川彰学長再任をめぐる混乱は、新任期が始まる2月1日を前に法廷での争いに発展した。原告は大学院実務法学研究科長の山下威士教授のほか、中村哲也、根森健、関根征士、小林昭三、渡辺勇一、岡田正彦の6教授。
 訴えによると、昨年11月に行われた教職員による第2次投票で山本正治医学部長が1位、長谷川学長は2位となった。だが、選考会議は12月に長谷川学長を次期学長候補者と決めた。これに対し山下教授らは(1)学長選考規則の「第二次意向投票の結果を参考」とする定めに、異なる決定をした(2)国立大学法人法などが求める説明責任を果たしていない―などとして、決定の無効確認と、文部科学相への学長候補者推薦取り消しを求めた。


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2006年01月16日

新潟大、「学長選考は不透明」 3教授が抗議の辞任

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060113i313.htm

「学長選考は不透明」新潟大で、3教授が抗議の辞任

 新潟大学の学長選で長谷川彰学長(68)が再任(任期2年)されたことに抗議し、学長選で敗れた2人を含む教授3人が13日、役職を辞任することを明らかにした。

 役職を辞任するのは、山本正治・医歯学系長(62)、鈴木佳秀・人文社会教育科学系長(61)、山下威士・大学院実務法学研究科長(64)の3教授。……


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2006年01月10日

新潟大、学長選に抗議して学系長ら役職辞任

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2006010629921

新大学長選に抗議で役職辞任

 新潟大の3人の教授が、長谷川彰学長の再任が決まったことに抗議して、学系長や研究科長の学内ポストを辞任することが5日までに分かった。……


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2005年12月29日

新潟大学、学長選挙 組合からの公開質問状に対する回答

新潟大学職員組合

学長選考会議議長および選考会議委員へ12月15日付で送付した公開質問状に対する回答が寄せられました。(12/26/'05)
職員組合からの申し入れに関して(学長選考会議議長)
学長選考会議委員の一人として (学長選考会議委員)
鈴木佳秀候補者からの辞退申し入れについて(事務総括担当理事)

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2005年12月20日

新潟大学職員組合、第11回学長選考会議の決定に関する公開質問状

新潟大学職員組合
 ∟●第11回学長選考会議の決定に関する公開質問状
 ∟●第11回学長選考会議に係わる新潟大学総務部長名文書に関する公開質問状
 ∟●第11回学長選考会議の決定経過に関する学内説明会の開催要求について

新潟大学学長選考会議議長ならびに選考会議委員各位

第11回学長選考会議の決定に関する公開質問状

 さる12月6日に行われた第11回国立大学法人新潟大学学長選考会議は、長谷川彰氏を次期学長候補者として決定しました。
 私ども新潟大学職員組合は、学長選考会議への12月5日付けの申し入れ書のなかで「学長選考会議が第2次意向投票で山本正治候補が有効投票数825票(投票総数843票)の過半数を獲得したことを尊重して学長候補の選考にあたること」を強く要請しました。これは、選考会議議長が裁定した学長選考規則の第14条(学長候補者の決定)「学長選考会議は、第2次意向投票の結果を参考とし、学長候補者を選考の上、決定する」の遵守を求めるものでした。旧規程である新潟大学学長選考規則(平成9年7月18日改定)の第15条でも、「評議会は、選挙の結果を参考として学長候補者を決定する」と定められており、「参考」が事実上の「尊重」であることは、現行規則制定過程において、教育研究評議会でも確認されていたと聞いています。
 第11回選考会議の決定は、こうした学内の合意を無視した不当なものです。

 今回の選考過程において、特に、第2次意向投票公示前日に鈴木佳秀氏が候補辞退を申し出たにもかかわらず、これが受理されず、その結果12月6日の選考会議で鈴木氏が本来持っていた票決権を行使できなかったことは重大です。職員組合は第2次意向投票公示日の11月22日に鈴木氏を候補者から外すよう学長選考会議議長に文書で申し入れましたが、無視されました。選考会議での票決数によっては、鈴木氏の権利を不当に制限したことが、学長選考規則(H16年4月1日議長裁定)第6条で規定された議決の成立要件(「出席委員の2/3以上の多数」)とのかかわりでも、重大な意味を持つことになります。
 こうした経緯は、票決自体の公平性に疑念をもたらすものです。

 私ども新潟大学職員組合は、学長選考会議構成メンバーの皆さんに第11回選考会議の決定に関する所信を文書にて2005年12月26日までに回答するよう求めます。これを公表したいと考えます。

2005年12月15日
新潟大学職員組合
中央執行委員長 五十嵐尤二

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2005年12月15日

小樽商大学長選、秋山学長1票及ばず “決選投票”延長戦に

http://www.webotaru.jp/news/2005/12/1213-4.htm

 国立大学法人小樽商科大学(緑3・秋山義昭学長)の次期学長選考を巡る決選投票が、12月13日(火)同大第2会議室で行われた。……

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2005年12月14日

新潟大学、学長候補者決定受諾の撤回を求めるアピール

新潟大学職員組合
 ∟●学長候補者決定受諾の撤回を求めるアピール

 さる12月6日の学長選考会議の決定に対し、下記のような趣旨のアピール文の署名運動が各部局で進められています。職員組合が取り組んでいる署名ではありませんが、参考資料として掲載します。
========================
学長候補者決定受諾の撤回を求めるアピール

 平成17 年12 月6 日に開催された第11 回国立大学法人新潟大学学長選考会議において、長谷川彰氏が次期学長候補者として決定され、同氏はその決定を受諾されました。
 この選考会議における決定は、第二次意向投票の結果を覆すものです。私達は、第二次意向投票でどの候補者を支持したかということには関係なく、今回の選考会議の決定に大きな疑問を持ちます。それは、学長選考規程上の決定権の所在という問題としてではなく、新潟大学の将来を考えた場合、このような決定が行われることには大学のあり方として大きな問題を含むと考えるからです。候補者ともなりうる学長が直接任命する委員からなる選考会議の制度が今後混乱なく機能するためには、これまで培われてきた大学人としてのモラルを維持することが不可欠です。
 現行規程を導入する過程においても、実質的には従来の方式を大きく変えるものではなく、大学内の意思を尊重する旨が評議会等において述べられました。従来の部局長選考においても学長選考においても、規程上はともかく実質的には研究・教育に携わる有権者による投票結果が尊重されてきました。法人化後も研究・教育が大学の任務の中心であることには変わりありません。法人化後は経営という新たな視点がそれに加わりましたが、各投票権者はその点も考慮したうえで投票するのであり、現行規程導入時の説明もそれを前提としたものであった筈です。意向投票制度の運用については今後改善の余地があるとしても大学構成員の意思を示す制度として今後も大きな意味をもつべきものです。今回の決定はこの制度の空洞化を招くものです。
 今回の決定において学内委員の意見が大きな役割を果たしたことは選考会議の構成からいって容易に推測できます。学内委員が規程導入過程での前言を翻し学内の意向を無視した決定を行ったことは、新潟大学の将来に大きな禍根を残すものです。付け加えれば、今回は第二次意向投票前に辞退した候補者の取扱いに関しても問題を残すものとなっています。
以上のことから、長谷川彰氏におかれましては、すみやかに今回の決定の受諾を撤回されることを求めます。

2005 年12 月 日

新大学長選考で意向投票結果を無視した決定(新首都圏ネットワークより)

新大学長選考で意向投票結果を無視した決定

新潟大学では12月6日、学長選考会議が行われ、来年2月からの学長に現学長の再任を決定しました。
 しかし、この選考会議の決定は、それに先んじて行われた教員による第2次意向投票結果を無視したものであり、学内では13日に「選考会議に決定経過の説明を求める緊急学内集会」が開催されます。

 職員の一部を含む第1次意向投票では、長谷川現学長が3人の候補の内、もっとも多数の票を得ましたが、教員だけによる第2次意向投票では山本正治現医学部長が過半数を制しました。
 そこには山本氏が五十嵐キャンパス(人文・社会系、自然科学系学部)にも出向いて、教職員との懇談に応じて、学内運営や財政問題について現状を話し合い、今後もこうした学内構成員との対話を重んじる姿勢を示したことが大きく影響していたと思われます。
 一方、現学長は有志による呼びかけにもかかわらず、こうした懇談に参加することを拒否しました。

 選考会議は13名の委員からなりますが、そのうち2名は学長候補として除外され、学外委員1名が欠席。10名(理事3名、ほか学内委員3名、学外委員4名)で審議され、第2次意向投票結果を覆し、7:3で現学長の再選を決定しました。決定後開催された記者会見では、選考会議議長は「票決の数字や議論の内容は混乱をさけるため公表しない」とのべ、新聞でも「不透明」と指摘される始末です。
 また、選考会議の構成員の内、学長候補となった一人は公示前に辞退を申し入れたにもかかわらず、その辞退を認められず、選考会議での表決権を奪われてしまったのです。

 こうした極めて問題のある選考会議の決定に対して、「説明」を求める緊急学内集会が組合主催で13日、開催されます。また、一方で、現学長の辞任を求める学内署名の取り組みが有志によって始まりました。

(文責:新大職組書記次長 立石雅昭)
  
新大職組
℡  025-262-6096
FAX 025-263-2041
union@coop.niigata-u.ac.jp http://www.ne.jp./asahi/niigata-u/union/


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2005年12月12日

新潟大学職員組合、学長選 再選決定過程の説明を要求する

新潟大学職員組合

緊急学内集会 開催!

 12月6日の学長選考会議決定はまさに今,新潟大学において民主主義が決定的な危機に陥っていることを示しています.第2次意向投票で過半数の支持を得た候補がいたにもかかわらず,2位となった現長谷川学長を再選したことは,大学における民主的運営のあり方を根底から覆すものといえます.その審議過程を明らかにしない選考会議の姿勢は新聞報道でも[不透明]と指摘されています.社会的にその説明責任を果たすよう指弾されるのは当然です.
 私たちはます,学内において,すべての構成員に対し,審議経緯を説明するよう,選考会議に強く要求します.緊急学内集会に多くに教職員の皆さんが参加されるよう,呼びかけます.

新潟大学職員組合

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2005年12月09日

福島大学長選 2人の決選投票へ

http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2005/12/20051208t63016.htm

 任期満了に伴う福島大の学長選考会議が7日、同大で開かれ、3人が立候補した学内投票が接戦だったことを受け、上位2人による決選投票(再投票)を21日に実施することを決めた。……

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2005年12月07日

新潟大学、学長に長谷川彰氏が再任 職員組合から反発の声

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/index.asp?id=2005120629489

新大学長に長谷川彰氏が再任

 新潟大学の学長選考会議が6日、新潟市で開かれ、現職の長谷川彰氏(68)の再任が決まった。任期は来年2月1日から2年間。従来の教員による投票形式ではなく、同会議が二度の意向投票を参考に決定する方式での選出。2次投票で最多得票の山本正治医学部長を〝逆転〟しての再任で、同大職員組合からは反発の声が上がっている。……


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2005年12月01日

新潟大学職員組合、何か変 学長意向投票をめぐる非常識の数々

新潟大学職員組合
 ∟●かわら版

何か変 学長意向投票をめぐる非常識の数々

 11月30日に実施される学長選考第2次投票を前にして現職理事の異常な言動が目立っています。意向投票について公正であるべき,学長選考会議メンバーの現職理事が一部教員にメールで現学長支持を訴えていることが明らかになりました。……


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2005年11月02日

遠藤正彦学長が再任へ、弘前大学

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2005/1101/nto1101_13.asp

 弘前大学学長選考会議(議長・兼子直医学部長)は一日、次期学長候補者に現職の遠藤正彦学長を選出した。……

 ……従来は投票のみだったが、今回は新たな規定に基づき、二度にわたる教職員の投票結果を参考に、学長選考会議が審議した。


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2005年10月27日

山口大、学長選 2候補を公示

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20051026ddlk35040341000c.html

 山口大は25日、加藤紘学長(65)の任期満了(来年5月15日)に伴う学長選の候補を公示した。審査の結果、加藤学長と丸本卓哉副学長(63)の2人を候補者として選んだ。……

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2005年10月11日

小樽商科大学長選、全教職員が投票 運営意識高める狙い

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20051007&j=0046&k=200510074111

 小樽商大(秋山義昭学長)は十三日公示の学長選挙で、これまで教授と助教授に限られていた投票権を常勤の教職員全員に拡大する。……

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2005年09月20日

新「富大」、副学長4氏決まる 学長特別補佐も、戦略室で改革担当

http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20050918003.htm

 新「富大」の学長に着任する西頭德三高岡短大学長は十七日、大学改革を専門的に担当する副学長四氏と学長特別補佐の顔触れを明らかにした。……

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2005年08月19日

九州大学教職員組合、総長選考結果に対する見解と総長選考会議への抗議声明

九州大学教職員組合
 ∟●総長選考結果に対する見解と総長選考会議への抗議声明

総長選考結果に対する見解と総長選考会議への抗議声明

九州大学教職員組合
中央執行委員会

 総長選考会議は8月10日、次期総長候補者として現梶山総長を決定した。

 九州大学教職員組合は法人化後初めて実施された今回の総長選考において、非民主的な選考方法の改善を申し入れ、私たちが望む総長像を声明として発表し、公開討論会を開催した。様々な困難を抱える法人の運営には全構成員が知恵を出し合いながら参加・協力していく体制が必要であり、学内で望ましい総長像の議論や意見交換が行われ、多くの課題に全教職員とともに取り組む資質と見識を有する総長が選考されることを期待したからである。

 意向投票の結果は、投票総数1144票のうち3候補者が得た得票率は梶山候補者50.8%、小田垣候補者38.6%、竹下候補者10.6%であった。小田垣候補者と竹下候補者が現執行部の運営に反対する所信表明を掲げていたことから、現執行部の運営はほぼ半数の投票者から支持されなかったことになる。次期執行部はこの結果を厳粛に受けとめ、小田垣候補者と竹下候補者が表明された政策や組合が要望した政策を取り入れて欲しい。硬直した政策の継続に固執するのではなく、多面的・総合的視点から分析・評価し、次善策をも持ち合わせた運営を要望する。とりわけ、九州大学の将来を左右する移転事業の見直しと学内合意に基づく法人運営を要求する。

 ところで、今回の総長選考実施に関して、総長選考会議の委員が特定候補者の推薦人になっていたことが判明した。総長候補者を最終的に選定する委員が特定候補者の推薦人になり、そのことが大学のホームページで公表されている。しかも、6月17日開催の教育研究評議会で「総長選考会議の委員については、候補者の推薦に関して制限を課す必要があるのではないか」という意見が出され、総長選考会議にその検討が委ねられていたとのことである。公平・中立であるべき総長選考会議としての常識と見識を疑わざるを得ない。さらに、総長選考会議が発表した最終総長候補者の選考理由にはほとんど理由らしきものがなく、「総合的な視点から合議を行い、判断した」ということだけしか述べられていない。選考理由とは「総合的な視点」の中身を具体的に述べることである。不誠実な対応に終始する総長選考会議に対して強く抗議する。

 九州大学教職員組合は法人の運営には積極的に政策提案をすると同時に協力もしていく方針である。次期総長とその執行部は今回の選挙結果を真摯に受けとめ、説明責任を果たしながら構成員の合意形成を図り、より民主的な運営に努められることを要望する。


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2005年08月12日

国立大学法人九州大学次期総長候補者の決定について

九州大学

国立大学法人九州大学次期総長候補者の決定について

平成17年8月10日
九州大学総長選考会議

 本日、九州大学総長選考会議(議長:鎌田迪貞九州電力(株)会長)において、本年11月6日をもって任期満了となる梶山千里総長の後任の総長候補者を下記のとおり決定しました。


1.総長候補者 梶 山 千 里(現職:九州大学総長)
2.任    期 平成17年11月7日~平成20年9月30日(再任不可)
3.選考理由等
① 選考経緯
 総長選考会議は、総長候補者の最終選考に当たり、学内意向投票の結果、最終選考候補者となった3名に対しヒアリングを実施し、各候補者から九州大学の将来構想、教育・研究・社会貢献・国際貢献、大学運営等についての考えを聴取しました。 最終選考候補者の3名については、いずれも、国立大学法人法第12条第7項に規定する総長の資格「人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者」であることを確認の上、選考を行った結果、梶山千里現総長を総長候補者として決定しました。
 ② 選考理由
 九州大学は、国立大学法人化後、厳しい財政状況の中、様々な取り組みを行っています。また、伊都キャンパスへの移転という大きな課題も抱えています。今後とも、大学が飛躍・発展していくためには、新総長の強力なリーダーシップの下で、様々な改革を進めていかなければなりません。総長選考会議では、このような、大学が置かれている現状を踏まえ、最終選考候補者それぞれの将来構想等に関する考え、経歴、学内意向投票等を基に総合的な視点から合議を行い、梶山現総長に、これまでの実績を基に、引き続き改革に取り組んで頂くことが適切であると判断しました。
以上

[同ニュース]
九大学長に梶山氏再選
九州大学学長に梶山氏を選出 2期目

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2005年08月05日

宇大次期学長候補に菅野氏 12月から就任

http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/050804/news_8.html

 十一月末の任期満了に向けた宇都宮大学長選考会議(加藤貞二議長)が三日、宇都宮市峰町の同大で開かれ、次期学長候補に農学部の菅野長右ェ門教授(64)を選考した。……

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2005年07月26日

宇大学長選、候補者3人が初めての公開所信表明

http://www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/050722/news_4.html

 宇都宮大は二十一日、宇都宮市峰町の同大大学会館で、学内から推薦された大学学長選考対象者三人による公開所信表明を行った。独立行政法人化後、最初の学長選考で、公開所信表明が初めて行われた。……

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2005年07月13日

室蘭工業大、次期学長に松岡健一氏

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/20050712wm01.htm

 室蘭工業大学の学長選考会議が11日行われ、松岡健一理事(65)(土木工学、弾性学)が次期学長候補に決まった。文科相の発令を受けて、2006年2月に学長に就任する。任期は3年2か月。 ……

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2005年07月12日

香川大、学長選考に見る情報公開意識

公立大学という病 横浜市大時代最後の経験 更新雑記05/7/9
学問の自由と大学の自治の危機問題

05/7/9 今週、私の現在所属する大学で新学長の選出が行われた。法人化後、学長は学外者を含めた学長選考会議で決定されるため、従来の学長選挙は意向聴取投票に格下げされた。しかも香川大学では、その投票結果さえ発表しないという申し合せがなされていた。噂では企業出身の理事たちが主導して決められたとのことであった。大学自治とは無縁の世界で生きてきた人たちが、密室でキングメーカーという蜜を思う存分吸おうとしたのであろうか。前任校での最後の頃を思い出さされた。
 学内からは批判の声もあがったが、そうした批判も無視されて、学長選考はその申し合せ通りに実施された。幸いにも、意向聴取投票でトップだったと噂された候補が次期学長に指名されていたが、その候補の得票数や、次点の候補との差はどうだったのかは明らかにされなかった。まさに密室で決められた形となった。
 ところが、翌日マスコミから手厳しい批判記事を書かれ、あわてて方針転換をしたようだ。世間からの指弾を受け、まだ軌道修正を行う程度の判断能力が残っていたとみるべきか、それともただただマスコミによる批判が恐いだけだったのか。いずれにしても、マスコミに批判されて、ヒステリックな反批判で答えたり、「嘘」をついてきたどこぞのトップよりも、まだましであることだけは確かなのだが、しかし民主主義も随分と心もとないものとなってきたものである。

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山口大が学長を公募

http://www.ubenippo.co.jp/one.php?no=1694

 山口大(加藤紘学長、本部・山口市)は、独立行政法人化後に初めて実施する学長選で候補者を学内外から公募する。広い見識と経営感覚を持った学長を選び、地方大学としての特色を打ち出すのが狙い。 ……

Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年07月12日 00:00 | コメント (0) | トラックバック (0)
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2005年07月11日

香川大学、新学長決まる

■西日本放送
http://www.rnc.co.jp/news/news.asp?nwnbr=2005070712

任期満了に伴う香川大学の学長選で今日一井眞比古農学部長が新しい学長に決まりました。……

[同ニュース]
香川大学長に一井氏
「密室選考」色濃く-香川大学長選
地域と連携し貢献を-香川大新学長

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2005年07月08日

九大学長選 HP公開で所信表明導入

http://mytown.asahi.com/fukuoka/news02.asp?kiji=8492

 九州大(本部・福岡市、梶山千里学長)は8月にかけての学長選で、候補者に大学運営などに関する所信を表明してもらうことを決めた。より分かりやすい選挙制度にする試みで、学内のホームページで公開して各候補者の所信を比べられるようにし、投票の判断材料にしてもらう。 ……

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2005年06月22日

岡山大学職員組合、今回の学長選挙に関する見解

岡山大学職員組合
 ∟●組合だより、第86号(2005年5月31日)(6/22UP)より

今回の学長選挙にかんする岡山大学職員組合執行委員会の見解

 2005年3 月、岡山大学は法人化後初めての学長選挙を行った。この選考過程については従前に議論され規則等も制定されていたところであるが、岡山大学の教職員にとって納得がいかなかったり、分かりにくかった部分も多々見受けられた。
 この際、執行委員会として、今回の学長選を振り返りながら、問題点の摘出に努めることが必要であると判断した。以下は、執行委員会による経緯のまとめ、問題点の指摘、提言である。皆さんの意見をお寄せいただきたい。

……以下,略。上記URLを参照して下さい。


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岡山大学 千葉喬三新学長就任式

西日本放送(6/20)

岡山大学の新しい学長に千葉喬三さんが就任し、きょう就任式が行われました。
千葉喬三新学長は、岡山大学農学部長を経て平成13年からは副学長を務めていました。
きょうの就任式では、教職員200人を前に「法人化2年目を迎え岡大が潜在的にもつ力を発揮しレベルアップしていきたい」と意欲をみせました。
その上で、「今後は基盤となる財源確保と効率的な運営が必要だ」と厳しい考えも示しました。
また、千葉学長は、少子化による「大学全入時代」を控え人材確保と育成に力を入れたいと強調しました。
千葉学長の任期は、平成20年3月までの3年間です。


Posted by 管理者 : 掲載日時 2005年06月22日 02:16 | コメント (0) | トラックバック (0)
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