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2014年07月11日

久喜キャンパス全面撤退、理科大理事会が決定

東京新聞(2014年7月10日)

 東京理科大(本部・東京)は九日の理事会で、二〇一六年三月末に久喜キャンパス(久喜市下清久)から全面撤退することを決めた。約十三万七千平方メートルの跡地利用については「売却を含め、市の意向を尊重しながら検討したい」としている。田中暄二・久喜市長は「誠に遺憾。キャンパスの利活用を含む将来計画を早期に示すよう理科大に強く求めていく」とコメントした。
 久喜キャンパスは一九九三年四月に開校。経営学部と大学院に学生約千百人が在籍する。市は用地取得や校舎建設費などで計三十億円を補助し、道路や下水道など周辺整備に約十億円を支出した。
 市や大学によると、一一年に大学側が全面移転の意向を市に伝え、存続を求める市と協議し、一六年四月から二年生以上を神楽坂キャンパス(東京都新宿区)に移すことで合意。だが今年六月、大学は常務理事会で全面移転を決定。中根滋理事長は田中市長に「想定した学生数の確保が困難。一年生だけ残すのは教育上も学校経営上からも厳しい」と説明した。市と市議会は「約束を一方的に破棄する行為」と反発し、撤回を求める決議文などを提出していた。

「大学から説明ない」 学生らに不満 部活や生活費の心配も

東京新聞(2014年7月10日)

 久喜キャンパスに通う学生は、二〇一六年春の一部移転が決まっていただけに冷静だったが「部活動はどうなるのか」「大学から詳しい説明がない」などの不満も漏れた。
 三年生の古谷祐磨(ゆうま)さん(20)は「各キャンパスで別だった部活動はどうなるのか。統合が必要だろうが、大学から説明も話し合いもない。後輩がかわいそうだ」と心配する。
 宮城県出身で一年生の及川章也(ふみや)さん(18)は「生活費が増えそう。アパートの賃貸でも、久喜市内と都内では違うだろうし、親に負担をかける」と話す。
 一方で歓迎する意見も。男子二年生(20)は「久喜での生活は伸び伸びしていいが、他大学との交流はあまりない。多くの学生が集まる場所の方が刺激にもなる」と話した。