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2018年02月21日

常葉大学不当解雇事件、最高裁「懲戒解雇処分の不当性」を認める

■静岡大学の職組ニュース,第5号(2018年新年号)

「懲戒解雇処分の不当性」
最高裁判所の判断にて勝ち取りました

 例えば、ある役職で補助金の不正取得の書類作成を強いられた時、皆さんはどうしますか?そして協力を拒否した後に、陰湿な脅し等のパワハラを受けるようになったらどうしますか?決して他人ごとではない誰もが経験するかもしれないケ スですが、教育研究にかかわるものとしてそういう現実と折り合って行くのは簡単なことでしょうか? 常葉学園のM先生は、補助金の不正行為に目をつぶることができず、そしてパワハラ等が内部告発阻止のために組織的に行われていると認識し大学側を訴えました。それは異常な行動でしょうか?常葉学園は大学を訴えたことをもってM先生が「学園の秩序を乱し、学園の名誉又は信用を害したとき」として懲戒解雇処分を行いましたが、それは大学の組織運営における当然の権利なのでしょうか?

 本年1月19日に最高裁判所は 、M先生に対する常葉学園の懲戒解雇処分が「解雇権の濫用であり無効である」との静岡地裁から東京高裁へと引き継がれた判決を維持する決定を下しましだ。2015年3月末の懲戒解雇処分以来、2016年1月の静岡地裁での地位保全を認める勝訴、2017年7月での静岡地裁判決を維持する東京高裁決定に続き、最高裁においても懲戒解雇は不当であるとの判断が下されたことでM先生の労働契約上の地位は最終的に確定することになりました。2015年12月にM先生から支援の訴えが私たち静岡大学教職員組合に寄せられたことをきっかけに、静岡県立大学と静岡英和学院大学の各教職員組合が国立 ・公立・私立の枠を超えて共同での支援が行われて来ましたが、ここに勝訴が最終的に確定したことに安堵し喜ぶとともに、皆様方の支援協力により感謝申し上げる次第です。

 今回の裁判の発舗は、常葉学園の補朗金不正取得に対するM先生の良心に基づく行動でした。公益通報に至るM先生の行動に対して様々な脅迫まがいの言動やパワハラが行われました。その行為に対して常葉学園を強要罪で訴えた訳ですが、脅迫・パワハラ行為が公益通報阻止を目的として行われたという証拠が不十分として不起訴となりました。これ が根拠の乏しい訴えで学園の名誉を傷つけたとして懲戒解雇事由とされたわけですが、裁判では 「本件懲戒解雇は、懲戒権の濫用であり、本件刑事告訴をその理由とするも、実質的には公益通報に対する報復措置である可能性がT否定できない」 と認めています。なぜならM先生の懲戒処分の検討は、刑事告訴の後ではなく、公益通報の直後に始まり、そのために必要な懲戒規定も事後的に作成されたからです。

 もちろん裁判においてそれぞれの主張があり、その主張が認められる揚合もあればそうでない場合もあります。そういう経緯はともかく最高裁という司法の最終的判断が下された揚合は、それを真摯に実行するのは最低限の責務と言えます。しかし今回の最高裁決定が下された後ち、常葉学園側はM先生の職場復帰に向けた行動を伺ら起こしていません。教育研究者として不正行為への協力を拒否し゛、良心に基づいて訴えたことを持って,組織への裏切り者の熔印を押して罰し続ける学園側の行動は異常であり、最高裁の決定も無視し続ける姿勢は教育機関の資格がないと言わざるを得ませ ん。
 

 1月29日に県庁記者クラブで弁護団西ヶ谷弁護士と支援教職員組合で共同記者会見を開催し、M先生の教育研究者としての職場復帰の速やかな実行を訴えました。地位保全は当然M先生の教育条件の回復を伴ったものでなければなりません。折しも、常葉大学も草薙キャンパスオープンで新たなスタートを切ろうとしていますが,常葉大学も本年4月以降M先生の教育研究者としての権利保証の具体的措置を取ることで過去の負の遺産を清算することが求められていると思います。良心と信念を貫いたM先生こそ教育者として大学の財産となるのではないでしょうか。最終的な解決まで皆様のご協力支援を引き続き心から訴えさせて頂きます。

(過半数代表者:前教職員組合委員長 鳥畑与一)


2018年02月04日

常葉大学短大部元准教授「解雇無効」確定

■読売新聞(2018年1月30日)

祝 勝訴!

常葉大学短大部元准教授「解雇無効」確定
上告棄却 常葉 未払い給与等支払いも

常葉大学短大部の准教授だった男性(44)が、運営する常葉学園の理事長や職員らを刑事告訴したのち、懲戒処分を受けたのは不当だとして学園側に地位の確認と損害賠償を求めた訴訟で、最高裁判所は双方の上告を棄却した。解雇の無効を認め、未払い賃金約1400万円の支払いを命じた東京高裁の判決が確定した。決定は19日付。

判決などによると、男性は2012年8月、常葉学園が補助金を不正受給していると告発するのをやめるよう強要されたとして、理事長ら3名を静岡地検に告訴した。地検は13年1月に3人を不起訴処分とし、男性はその後15年2月常葉学園から懲戒解雇処分された。

 男性は29日「判決は確定したが、学園側から連絡はなく、未払い給与もまだ支払われていない。早く短大に復職し研究を続けたい」と話した。

 常葉大学側は、読売新聞の取材に対し「解雇処分が認められなかったのは「極めて残念」。判決に従って適切に対処していく」とコメントした。

常葉学園の教員 解雇無効が確定 
最高裁上告不受理

■朝日新聞(2018年1月30日)

 補助金の不正受給を内部告発し学校法人常葉学園に解雇されたとして、同学園の男性教員が職員としての地位保全を求めた訴訟で、最高裁判所は双方の上告を不受理とする決定を出した。19日付。29日に会見した男性の弁護士らが明らかにした。

 懲戒解雇は無効とする高裁判決が確定した。男性は2012年、学園の補助金不正受給について内部調査していた際、学園から通報しないように強要被害を受けたとして理事長らを静岡地検に刑事告訴、理事長らは不起訴処分になった。その後男性は、不正受給を内部告発。問題が報道されるなどした直後の15年、懲戒解雇が通知され、男性は無効を求めて提訴した。昨年7月、東京高裁は解雇は無効とする静岡地裁の1審判決を維持。原告と被告の双方が上告したが最高裁は不受理を決定した。

 学校法人常葉大学は「判決を前提に今後適切に対応していく」と述べた。


2017年08月10日

常葉学園短大不当解雇事件、解雇無効「5度目」の判決

県評しずおか・復刊第100号)2017年8月10日

解雇無効「5度目」の判決

 速やかに職場復帰を常葉学園短期大学の補助金不正受給を内部告発した准教授が、懲戒解雇されたのは不当だとして、学校法人常葉大学を訴えた裁判が7月13日東京高裁であり、高裁は学園側の控訴を棄却しました。地位保全の仮処分裁判も含めると5度目となる解雇無効の判決となりました。
 准教授は、学園の補助金不正受給を上司に指摘すると、「人間のクズ」などと叱責されパワハラを受けたため理事長に助けを求めたところ、学園の危機管理職員が、暴力団との交際をほのめかし、不祥事を表ざたにしないよう働きかけてきました。
 准教授は、不正受給を公益通報し、理事長らを脅しなどで刑事告訴したところ、学園内の秩序を乱したとして、懲戒解雇処分されました。この懲戒解雇は不当だとして、地位の確認と慰謝料を求め、裁判を起こしました。
 東京高裁は13日、懲戒解雇・普通解雇は、懲戒権と解雇権の濫用であり無効として学校法人常葉大学に解雇後の給与および遅延損害金の支払いを命じました。
 常葉大学は、補助金不正にかかわった関係者を処分せず、暴力団との関係を発言した危機管理担当者に至っては昇格させています。
 「学園は、一日も早く准教授を職場復職させ、風通しの良い学園にすることを求めます」。
 東京高裁は「懲戒解雇が内部告発に対する報復であることは否定できない。解雇は相当でない」と指摘しています。常葉大学はこの命令を真摯に受け止めるべきです。しかし、常葉大学は最高裁判所への上告をしました。


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2017年07月31日

常葉大短大部不当解雇事件、東京高裁判決 懲戒解雇無効 2審も支持

中日新聞(2017年7月20日)

懲戒解雇無効 2審も支持
東京高裁判決 常葉学園准教授訴訟

 刑事告訴したことを理由に懲戒解雇されたのは不当解雇だとして常葉大学短大(静岡市)の男性准教授が、運営する学校法人常葉大学に対し、解雇無効などを求めた訴訟の控訴審判決が東京高裁であって。大段亨裁判長は解雇の無効と解雇後の給与の支払いを認めた1審判決を支持し、原告、被告双方の控訴を棄却した。判決は13日付。
 准教授は2012年、学園内の補助金不正受給問題を調査していたところ、学園側からパワハラを受けたとして、学園理事長らを強要罪で静岡地検に刑事告訴し、不正受給を内部告発した。その後理事長らは不起訴処分になり、学園は2015年に、信用を損ねたとして男性准教授を懲戒解雇した。
 今年1月の1審、静岡地裁判決は「刑事告訴は、就業規則の懲戒解雇事由に該当しない」と判断していた。控訴審判決で大段裁判長は「懲戒解雇が内部告発に対する報復であることは否定できない。解雇は相当ではない」と指摘した。解雇による精神的苦痛に対する慰謝料請求は認めなかった。
 准教授は本誌の取材に対して「学園側の反省はない。組織性を問う内部告発が委縮する」と述べた。常葉学園の担当者は「判決は非常に遺憾だ。上告するかどうか検討したい」と語った。


常葉大学パワハラ被害訴訟、学園「上告の方針」

■静岡新聞(2017年7月20日)

常葉大学パワハラ被害訴訟
学園、「上告の方針」

 パワハラ被害の告訴をしたことで懲戒解雇されたのは不当だとして、常葉大学短期大学部の40代の男性が常葉学園(静岡市葵区)を相手取り、処分の無効確認などを求めた訴訟で、同学園は19日、原告と被告双方からの控訴を棄却し、懲戒解雇の無効を認めた1審静岡地裁判決を維持した東京高裁判決を不服と判断し、最高裁に上告をする方針を固めた。学園の関係者が明らかにした。
 同学園の幹部は「判決は著しく不当なので納得できない。裁判所には「再度審理」をしてもらいたい」と話した。控訴審判決では告訴自体は懲戒の理由にはなりえると認めた一方で、解雇は重きに失するなどと判断していた。


2017年07月17日

常葉大短大部不当解雇事件控訴裁判・勝訴、労働組合法人全国大学人ユニオン「声明」

声明「静岡地裁に続いて東京高裁でも「不当解雇」が認定された学校法人常葉学園は、巻口勇一郎先生をただちに職場に復帰させるとともに、学園の民主的運営を図れ」

静岡地裁に続いて東京高裁でも「不当解雇」が認定された学校法人常葉学園は、
巻口勇一郎先生をただちに職場に復帰させるとともに、学園の民主的運営を図れ

2017年7月16日 大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
労働組合法人全国大学人ユニオン執行委員会
      

 東京高等裁判所は2017年7月13日、常葉大学短期大学部・巻口勇一郎准教授が学校法人常葉学園(以下、当局)に対し、「労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」などとする判決を出した。巻口先生と当局の控訴はいずれも棄却されたが、静岡地裁で認められた巻口先生の基本的な主張は維持されている。

 当局は昨年10月に巻口先生を「普通解雇」するという不当な行為を行い、賃金と研究費の支払いを停止しているが、高裁判決にしたがって巻口先生をただちに職場に復帰させるとともに、学園と設置する学校の運営を民主化するよう求める。言うまでもなく大学、そして学校法人は極めて高い公共性を有している。法令順守は当然のこと、倫理性においても高い見識が求められるからである。

 当局は「不当解雇」を行ったうえ、裁判費用を学園財政から支出することは二重の意味において許されない。私立大学の財政は学生の学費に依存するだけでなく、国庫助成(私学助成)も投入されている。本来、自らの非を認めさえすれば簡単に済む話であった。地裁、高裁の裁判に多額の費用を支出したことは、決して社会的な支持を得られることはないであろう。

 巻口先生の支援の輪は静岡県内の大学や労働組合などにも広がっている。それは、当局の対応がいかに不当であるかの証左である。当局が今後も不当なことを繰り返すのであれば、社会的な信頼をさらにいっそう失ってしまうことを懸念する。

 巻口先生の裁判は、表面上では一人の大学教員の身分(雇用)を争うものであるが、本質的には大学の公共性を厳しく問うものである。この点を最後に指摘するとともに、われわれは、学校法人常葉学園の経営を今後も厳しく問うていく決意を表明する。


2017年03月07日

公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

大学オンブズマン
∟●公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

 大学から幼稚園まで14校を運営。約1万1000人が学び年15億円の利益をあげる静岡最大の学校法人常葉学園(とこはがくえん・木宮健二理事長)が、補助金不正の内部通報者解雇で揺れている。
 解雇されたのは、常葉大学短期大学部で社会学を教えていた准教授のMさん(43)だ。
 Mさんは、学園が、実際には講義をしていないK教授が講義したことにして、私学助成金の補助金を不正受給していることに気づいた。「私が問題を指摘し、不正受給のための書類は作れないと言ったら、パワハラを受けたのです」とMさん。
 「パワハラ」した、一人は、不正受給の張本人のK教授だ。「多数の教職員の面前で、『お前はクズ』などとの叱責を受け、うつ病になってしまいました。そこでハラスメント対策委員会に助けを求めたのです」(Mさん)。
 Mさんは、研究室の前に、県警の連絡先を記したハラスメント防止啓発ポスターを貼り出し、学園側にも掲示を依頼する。すると、危機管理担当者のO総務課長補佐が研究室にやってきた。
 暴力団対策などを担当し、学園に天下った県警OBのO氏は「暴力団と政治家、公務員を専門にやってきただもんで、顔は利く」「親分たちがみんな電話してくる」と暴力団との付き合いを明言。 Mさんが静岡労働局に行った際も同行し、自分が勤める学園を告発すれば「組織を全体に敵に回しますよ」などと述べた。

【県警OBが「圧力」】
 告発をつぶすための脅しではないか。そう感じたMさんは、O課長補佐とともに、O氏を差し向けた責任者として木宮理事長らを「強要罪」の疑いで告訴する。静岡地検は告訴を受理するが、不起訴処分となった。常葉学園は「(補助金不正問題を)もみ消すという意図は全くない」(木宮岳志常務理事、静岡朝日テレビ2月2日放送)と説明する。
 Mさんの通報を受け、学園は補助金不正を認めたが、告訴が「学園の秩序を乱した」とされ、Mさんは12年8月、懲戒解雇。暴力団との関係を公言したO氏は、逆に「昇格」した。
 ある学園関係者は、「不祥事対応に当たるOさんは、暴力団との関係もよく口にしてましたね」。O氏自身、裁判所に出した陳述書で、「ヤクザの話をすることにはあまり抵抗がなく……」と認めている。
 Mさんが起こした裁判で、静岡地裁は1月20日、Mさんの准教授としての地位を認める判決を言い渡した。関口剛弘裁判長は判決で、懲戒解雇は補助金不正の公益通報に対する報復とまではいえないが、その「問題が大きくなるのを防ぐために性急に行った」とした。
dogli学園側は控訴するとともに、Mさんに新たに普通解雇を言い渡し、争いは長期化の様相を見せている。

【Mさんへの支援の輪】
 「圧力をかけられるほど、屈するわけにはいかないという気持ちが強くなる」と話すMさんへの支援は、静岡県内外に広がりつつある。
 県警OBを使って「危機管理」する学園。特異な体質の源をたどると、2代目理事長・木宮和彦(故人)に行きつく。
 「木宮氏は自民党参議院議員も務め、学園職員も「選挙に動員」されたものです。許認可や自治体からの土地所得で、政治力は学園経営にも大いに役立った」と事情に詳しい学園関係者は振り返る。
 木宮氏の葬儀には、中曽根康弘元首相や安倍首相の供花もあり、政界人脈の広さをうかがわせた。
 常葉学園の名は「万葉集」に収められた歌に因み、霜雪に耐えて青い葉を茂らせる橘(たちばな)のように、困難に克ち高みを目指す人間の育成が建学の精神だ。
 政治家や暴力団との関係を振りかざして「真実の声」をつぶそうとする学園に、創立者は草葉の影で泣いている。(ジャーナリスト・北健一)
 メモ:公益通報者・・労働者が勤務先などの違法や不正を、勤務先や監督官庁、マスコミなどに知らせること。現在でも通報者への解雇や不利益取り扱いは禁止されているが、公益通報者への報復は跡を絶たない。通報者の権利がより守られる方向での改革が急務だ。


2017年02月08日

常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道

大学オンブズマン 
 ∟●常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道

2017年2月7日火曜日

常葉大学短大部公益通報者解雇事件、静岡朝日テレビ報道抜粋
リンク:ANN系列静岡朝日テレビ報道抜粋(17年1月31日放映)

先月、朝日テレビで報道された内容です。


2017年02月01日

パワハラ訴訟で常葉学園側控訴

■静岡新聞2017年1月31日

 パワハラ被害の告訴で懲戒解雇されたのは不当だとして、常葉大学短大部の准教授の40台男性が常葉学園(静岡市葵区)などを相手取り、処分の無効確認を求めた訴訟で、
 学園側は30日、懲戒解雇の無効を認めた静岡地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。学園幹部の一人は「詳しい主張は今後、控訴理由所で明らかにしたい」と述べ、同日地裁に控訴場を提出したことを明らかにした。
 一方、男性の代理人弁護士は31日に正式に控訴を行うか決めたいと話していた。

2017年01月23日

常葉大学教員の解雇は無効 「報道後に懲戒規定を制定。地裁判決」

朝日新聞(2017年1月21日)

常葉大学教員の解雇は無効 「報道後に懲戒規定を制定」 地裁判決

 補助金の不正受給を内部告発し、学校法人常葉学園に解雇されたとして、同学園の男性教員(43歳)が職員としての地位保全を求めた訴訟で、静岡地裁(関口剛弘裁判長)は20日、「補助金の需給が課題であったことが報道された後に学園は懲戒規定を制定し、懲戒解雇をした」などと認定し、男性教員の懲戒解雇は無効とする判決を言い渡した。
 判決などによると、男性は2012年、同学園の補助金過大受給の内容を捜査機関などに通報しないように強要されたなどとして、当時の短大学長らを強要罪で静岡地検に刑事告訴。同年12月学長らは不起訴処分となった。一方で、常葉学園は01~04年度に常葉大学短期大学部(旧常葉学園短大)の授業を教授の身代わりに助手が担当し、補助金を過大に受給していたことを認めた。学園は、男性の刑事告訴が「学園の名誉または信用を害した」という就業規則の懲戒解雇条件に当たるとして15年2月に男性の懲戒解雇を決定。男性は懲戒解雇の無効と未払い賃金の支払いなどを求めて学園を提訴していた。
 関口裁判長は男性は告訴を外部に公表したわけではなく、「学園の名誉や信用が害されたと認めるには至らない」と指摘。「(*補助金不正受給公益通報の)問題が大きくなるのを防ぐために(懲戒解雇を)性急に行った」と認定した。一方で虚偽の事実に基づいて懲戒解雇の判断がされたなどとする原告側の主張は退けた。
 常葉学園は判決を受けて「原告の地位確認が認められたことは極めて残念」とするコメントを発表した。(宮廻潤子)


2017年01月21日

常葉学園告訴で懲戒解雇、准教授の地位認める 地裁判決

毎日新聞(2017年1月21日地方版)

 補助金の不正受給を内部告発した常葉大短期大学部の男性准教授(43)が、別の理由で懲戒解雇されたのは不当だとして、運営する学校法人常葉学園(静岡市葵区)を相手取り、地位確認と慰謝料300万円などを求めた訴訟で、静岡地裁(関口剛弘裁判長)は20日、准教授の地位を認め、同学園に未払い賃金約900万円の支払いを命じた。ただ慰謝料の請求は退けた。

 准教授は2012年12月、短大部が補助金を過大受給していると内部通報した。一方で准教授は、実態を調べていた同学園側から脅迫を受けたとして、学園理事らを静岡地検に刑事告訴したが、13年に不起訴処分になった。同学園は15年2月、告訴により名誉を傷つけられたとして、准教授を懲戒解雇した。不正受給については、同学園は14年2月、480万円を過大受給していたと発表している。

 関口裁判長は判決理由で「解雇処分は内部通報の報復とまではいえないが、刑事告訴はマスコミなど外部に公表しておらず、就業規則に定める懲戒解雇理由には該当せず無効」と指摘。一方「違法な解雇」として慰謝料を求めた点は「不法行為は成立しない」として認めなかった。

 判決後に記者会見した准教授は「主張の7割が認められた」と話した。常葉学園の木宮岳志常務理事は「原告の地位が認められたことは残念。弁護士と相談し今後の対応を決める」とコメントした。


常葉大の懲戒解雇は無効の判決

静岡放送(2017年1月20日)

静岡市にある常葉大学短期大学部の補助金不正受給問題を内部告発し、大学側から懲戒解雇処分を受けた男性准教授が、処分は不当だとして大学側を訴えていた裁判で、静岡地方裁判所は「懲戒解雇の事由に該当しない」として大学側に対し、解雇処分の無効と未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
常葉大学短期大学部の43歳の男性准教授は学内の補助金不正受給問題を調査していた平成24年、「大学関係者から脅迫された」などとして3人を刑事告訴しましたがいずれも不起訴となりました。
その後、男性は不正受給問題を内部告発しましたが、おとしし、「大学の秩序を乱し、名誉を害した」などとして大学側から懲戒解雇処分を受けたため、解雇は不当だとして処分の取り消しなどを求める訴えを起こしていました。
20日の裁判で静岡地方裁判所の関口剛弘裁判長は、「准教授の行為が大学の名誉を害したとは認められず、懲戒解雇の事由に該当しない」などとして大学側に対し、解雇処分の無効と未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡しました。
判決のあと、男性准教授は会見を開き、「解雇の無効が認められるたことは評価している。内部告発した人間をいきなり解雇して、生活の基盤が奪われたことに憤りを感じている」などと話していました。
一方、大学を運営する常葉学園は「原告の地位確認が認められたことは極めて残念に思います。判決文を熟読して弁護士と相談した上で今後の対応を検討します」とするコメントを出しました。

2016年10月20日

常葉学園の教員 地位保全が確定、東京高裁が常葉学園の抗告を棄却

■朝日新聞(2016年10月19日朝刊)

 学校法人常葉学園に解雇された男性教員(43)が職員としての地位保全を求めた仮
処分の申し立てをめぐり、仮処分を認めた静岡地裁の決定に対する学園側の抗告を、
東京高裁が棄却した。男性と支援する教職員組合が、18日に記者会見を開き、明ら
かにした。

 男性らによると、棄却決定は9月7日。「(学園側が)上訴せず地位保全の決定は
確定した。」と説明した。

男性は2012年、旧常葉学園短大(*現・常葉大学短大部)で補助金の過大受給が
あったことを内部通報。学園から過大受給の調査内容を捜査機関などに通報しないよ
うに強要されたとして理事長らを刑事告訴したが、不起訴処分となった。

 学園は「学園の名誉または信用を害したとき」という就業規則の懲戒解雇条件に当
たるとして昨年の2月に懲戒解雇処分を決めたという。

 男性は昨年3月、「告訴を理由に解雇をするのは不当だ」として地位保全の仮処分
を静岡地裁に申し立てていた。


2016年06月04日

常葉大教授を逮捕、公務執行妨害疑いで

■静岡新聞(2016年5月13日30面)

常葉大教授を逮捕、公務執行妨害疑いで

 浜松中央署は12日、公務執行妨害の容疑で、浜松市中区、常葉大教授(50代)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は同日午後4時55分頃、浜松市中区役所内で、手続きに対応した男性職員(45)の首掛け式の名刺をひき外し、制止しようとした男性非常勤職員(61)の右肩を突くなどの暴行を加え、職務を妨害した疑い。

 同署によると、容疑者は窓口の手続きで提出した書類の不備を指摘されトラブルになったとみられる。やっていないと容疑を否認しているという。


2016年02月19日

内部告発准教授、職場復帰を要求 3大学教職員組合

■毎日新聞(2016年2月18日)

 学校法人常葉学園(静岡市葵区)が運営する常葉大短期大学部の補助金過大受給を内部告発した男性准教授(42)が懲戒解雇処分を受けた問題で、静岡大、静岡県立大、静岡英和学院大=いずれも同市=の教職員組合が17日、准教授の職場復帰を求める共同声明を出した。
 准教授を巡っては静岡地裁が1月25日に処分無効を認める地位保全の仮処分を認可したが、同学園は不服とし東京高裁へ控訴している。記者会見した静岡大の鳥畑与一教授は「常葉学園は地裁の決定を尊重し、准教授の研究や学会活動への復帰をすみやかに認めるべきだ」。
 静岡英和学院大短期大学部の児玉和人准教授は「地方私大は教員の職場環境が厳しく、解雇権の乱用は許し難い」と語った。

准教授の復職求め声明、静大など 教職員組合、常葉大側に

■中日新聞(2月18日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の補助金不正受給を内部告発した男性准教授が大学を運営する常葉学園から懲戒解雇され復職を求め静岡地裁に提訴した問題で、静岡大など3つの教職員組合は17日、男性の研究者としての権利保護を求める共同声明文を常葉大学と常葉学園に郵送した。
 ほかの組合は、静岡県公立大と静岡英和学院大の教職員組合。声明文では昨年7月と今年1月の2回、静岡地裁が男性の地位保全を認める仮処分決定を出したにもかかわらず常葉大は男性の職場復帰を認めていないと指摘。「司法の重ねての判断を尊重し、教育研究者としての権利と活動を保証することを求める」としている。
 男性は常葉学園による国の補助金の不正受給をもみ消すよう脅されたとして2012年8月に理事長や面談に当たった職員ら3人を強要罪で静岡地検に刑事告訴したが、3人は不起訴となった。
 学園側は名誉を傷つけられたとして昨年3月に男性を懲戒解雇。男性は同年5月に復職などを求める裁判を静岡地裁に起こし、係争中。

准教授の地位保全を、3大学教職員組合 常葉学園に声明文

■静岡新聞(2016年2月18日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の補助金不正受給を内部告発し、常葉学園から懲戒処分を受けた40代男性准教授について、県内の3大学教職員組合は17日、学園側に、静岡地裁が処分無効と地位保全を認めた仮処分決定を尊重し、教育研究者としての男性の権利を守るよう求める声明を発表した。
 同日、代表者らが県庁で記者会見し、声明文を同学園に送付した。発表したのは、静岡大学と県公立大学、静岡英和学院大学の各教職員組合。声明文は、「異議申し立てが却下された重みを真摯(しんし)に受け止めて対応することが高等教育機関の義務」としている。
 男性は、補助金過大受給を調査していた2010年に学園の危機管理担当者から脅迫されたとして担当者らを強要罪で告訴。いずれも不起訴になり、男性は「秩序を乱した」として処分を受けた。15年7月、地裁は告訴に一定の相当性を認め、処分無効と地位保全を認める仮処分を決定。
 学園側の異議申し立ても退けた。学園側は東京高裁に抗告した。会見に同席した男性によると仮処分決定を受けて職場復帰したが授業をもてず、所属学会の人事にも影響があると言う。


2016年02月18日

常葉大短大部不当解雇事件、静岡県内3大学教職員組合の合同声明「巻口勇一先生の教育研究者としての権利を守るため速やかなる職場復帰を行うことを求めます」

静岡県内3大学組合合同声明(2016年年2月16日)

巻口勇一先生の教育研究者としての権利を守るため
速やかなる職場復帰を行うことを求めます。

 本年1月25日に静岡地方裁判所は、昨年7月3日の巻口先生の地位保全を認めた仮処分決定の有効性を再度確認しました。これは、常葉大学による解雇措置にもかかわらず、巻口先生が「労働契約上の権利を有する地位にあること」を繰り返し認めたものです。解雇措置を巡る裁判が進行中とは言え、それが確定するまでは、巻口先生の労働者としての権利は労働契約法に基づいて厳格に保護されるべきものです。私たち三大学の教職員組合は、常葉大学が司法の重ねての判断を尊重して、巻口先生の速やかなる職場復帰を行い、その教育研究者としての権利と活動を保証することを求めるものです。
 静岡地方裁判所の判決は、常葉大学の巻口先生に対する解雇措置が、巻口先生の常葉大学に対する内部告発に端を発したものであるとの認識に立ちつつ、常葉大学側が、巻口先生が常葉大学の「脅迫行為」を強要罪として告発したことを、「学園の秩序を乱し、学園の名誉又は信用を害した」として懲戒解雇処分としたことに対して、「本件懲戒解雇は処分として、重きに過ぎるものと言わざるを得ない」として「本件懲戒解雇は無効であると一応認められると」認定したものです。
 この判断のもと、仮処分判決は、巻口先生の「教育・研究活動は、単なる労働契約上の労務の提供に止まらない。准教授の地位に基づくがゆえになし得る研究や学会活動などがあり、これらは、・・・仮の地位の保全を認めなければ」、巻口先生に「回復しがたい著しい損害が生じるというべきである」と地位保全の必要性と緊急性について特別に強調をしています。
 昨年7月の仮処分決定に対して、常葉大学がその取消しを申し立ててきたことによって、巻口先生の回復しがたい著しい損害は一層深刻なものになってきたと言えます。今回、この異議申し立てが却下されたことの重みを、常葉大学は真摯に受け止めて対応することが、高等教育機関としての義務であると考えるものです。私たち三大学の教職員組合は、内部告発者の権利は「公益通報者保護法」等に基づき最大限尊重されるべきであり、かつ教育研究者の労働契約法上の権利は厳格に擁護されるべきものと考えるものであり、重ねて静岡地方裁判所の決定の尊重を常葉大学に求めるものです。

2016年年2月16日
              
静岡大学教職員組合  執行委員長 藤井道彦
静岡県公立大学教職員組合 執行委員長 佐々木隆志
静岡英和学院大学教職員組合 執行委員長 児玉和人

2016年02月14日

准教授の地位保全を、3大学教職員組合 常葉学園に声明文

■静岡新聞(2016年2月18日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の補助金不正受給を内部告発し、常葉学園から懲戒処分を受けた40代男性准教授について、県内の3大学教職員組合は17日、学園側に、静岡地裁が処分無効と地位保全を認めた仮処分決定を尊重し、教育研究者としての男性の権利を守るよう求める声明を発表した。
 同日、代表者らが県庁で記者会見し、声明文を同学園に送付した。発表したのは、静岡大学と県公立大学、静岡英和学院大学の各教職員組合。声明文は、「異議申し立てが却下された重みを真摯(しんし)に受け止めて対応することが高等教育機関の義務」としている。
 男性は、補助金過大受給を調査していた2010年に学園の危機管理担当者から脅迫されたとして担当者らを強要罪で告訴。いずれも不起訴になり、男性は「秩序を乱した」として処分を受けた。15年7月、地裁は告訴に一定の相当性を認め、処分無効と地位保全を認める仮処分を決定。
 学園側の異議申し立ても退けた。学園側は東京高裁に抗告した。会見に同席した男性によると仮処分決定を受けて職場復帰したが授業をもてず、所属学会の人事にも影響があると言う。

2016年02月08日

准教授懲戒処分無効 異議申し立て退ける

■読売新聞(2016年1月26日)

 常葉学園の補助金の不正受給を内部告発し、懲戒処分を受けた男性准教授(42)を巡り、処分の無効と地位確認を命じた静岡地裁の仮処分決定に対し、学園側が異議を申し立てた保全異議審で、同地裁(小松美穂子裁判官)は25日、仮処分決定を支持し、異議を退ける決定を出した。

 小松裁判官は決定のなかで、学園の担当者が准教授に対し、暴力団員の話を引き合いに出したとされる点について、「問題を解決する力があることを示すために暴力団に関する話をする必要がない」と指摘。「他に隠された意図があるのではないかとの疑いを抱くのも無理からぬこと」などと認定した。

 県庁で記者会見した准教授によると、昨年7月の仮処分決定で職場には復帰したが、授業は担当できていないといい、「授業を休むとスキルが落ちるので、早く復帰したい」と訴えた。

 決定について学園の担当者は「主張が認められず残念。弁護士と相談して今後の対応を決めたい」と話している。

 准教授は復職や慰謝料300万円の支払いを求める訴訟を静岡地裁に起こしており現在、係争中だ。

常葉大不当解雇事件、仮処分異議申立 静岡地裁決定全文

静岡地裁決定全文(2016年1月25日)

常葉大准教授への仮処分再び認める 静岡地裁

■中日新聞(2016年1月26日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)を懲戒解雇された男性准教授の地位保全の仮処分が静岡地裁に認められた問題で、同地裁は15日、常葉大学を運営する常葉学園から出されていた異議申し立てを退け、あらためて仮処分を認める決定をした。男性は、常葉学園による国の補助金の不正受給をもみ消すよう脅されたとして2012年8月に理事長や面談に当たった職員ら3人を強要罪で静岡地検に刑事告訴したが、3人は不起訴となった。学園側は名誉を傷つけられたとして、昨年3月に男性を懲戒解雇した。男性は静岡地裁に地位保全の仮処分を申し立て、同地裁は昨年7月地位保全の仮処分を認めた。

 小松美穂子裁判官は、異議申し立てを退けた判断に伴い、学園職員が暴力団との関係をほのめかすなどして恐怖心を抱かせ、不正受給のもみ消しを求めたとする事実関係を認定。地位保全を認めなければ、研究や学会活動に著しい損害が生ずるとした。男性は復職を求める訴えを静岡地裁に起こし係争中。

 西ヶ谷知成弁護士は、「学園はブラック企業と評価されても致し方ない対応だ。引き続き経営責任を追及していく」と述べた。


2016年02月07日

常葉学園の補助金過大受給、解雇の短大部准教授、地位保全の仮処分 静岡地裁認可

毎日新聞(2016年1月26日地方版)

 学校法人常葉学園(静岡市葵区)が運営する常葉大短期大学部が2001年度から4年間、補助金を過大受給していた問題で、過大受給を内部告発した短大部の男性准教授(42)が25日記者会見し、同学園から受けた懲戒解雇処分の無効を求める地位保全の仮処分決定を、静岡地裁が認可したと明らかにした。

 准教授や代理人弁護士によると、准教授は12年12月に短大部の過大受給を内部告発。同学園は外部識者による調査委員会を発足させ、14年2月に同学園は少なくとも480万円の過大受給をしていたと発表した。ところが同学園は15年3月、内部告発により名誉を傷つけられたとして、准教授を懲戒解雇処分した。

 同学園の木宮岳志・常務理事は「裁判所の決定は残念。弁護士と相談し東京高裁への控訴も検討する」と述べた。准教授は同学園に対し損害賠償や復職などを求める訴えも同地裁に起こし、現在も争っている。【早川夏穂】

2015年12月01日

浜岡原発住民アンケート、大学教授に抗議文

中日新聞(2015年11月28日)

◆市民団体「再稼働賛成の立場に偏重」

 常葉大経営学部の山本隆三教授(環境経済学)が中部電力浜岡原発(御前崎市)の周辺四市で実施している住民アンケートの内容が浜岡原発の再稼働賛成の立場に偏重しているとして、市民団体「浜岡原発はいらない・命を守る菊川市民の会」は二十七日、山本教授に抗議文を郵送した。

 山本教授によると、「日本のエネルギー・原子力政策」と題したアンケート。御前崎、牧之原、菊川、掛川の四市の全三万世帯に今月郵送した。福島第一原発の事故を受けて完全停止した浜岡原発の再稼働の是非を問う内容で、十二月十日までに匿名で回答を返送するよう求めている。

 市民の会は、このアンケートが「原発停止で火力発電の稼働が増加し、電気料金が上昇」や「再生可能エネルギーは高価」という趣旨の主張を掲げた上で「あなたは、この事実についてご存知(ぞんじ)でしたか」という質問が続くことを問題視。事務局の落合明夫さん(67)は「原発事故の多額の処理費などにふれておらず、住民を再稼働賛成に誘導する内容」と憤っている。

 山本教授は「エネルギー問題に関心がある人の意識を調べている。私は原発推進の立場だが、アンケートは中立的に聞いた」と反論している。


2015年08月09日

「教員が退学強要」 常葉学園を提訴 元大学院生

■静岡新聞(2015年7月9日)

 常葉大大学院に2014年9月まで在籍していた静岡市の男性(25)が8日までに,複数の教職員から虚偽の事実によって自主退学を強要されたとして,大学院を運営する常葉学園に対して地位確認と慰謝料など550万円を請求する訴訟を静岡地裁に起こした。
 訴状によると,男性は12年4月に旧浜松大大学院(現・常葉大大学院)に入学し,運動部に所属。14年9月,父親と共に複数の教員から大学院に呼び出され「複数の部員から(学生)が部費を指摘に流用し,借金を強要するなどパワーハラスメントをしているとの訴えがあった」などと自主退学を迫られたという。男性はその場で「事実ではない」と否定したが,教員から「懲罰委員会で除籍処分になったら経歴に傷が付く」と脅され,自主退学せざるを得なかったと主張している。
 常葉学園法人本部は「訴状の内容と把握しているが,主張は法廷で行って行く」と話した。

2015年07月19日

常葉大学短大部解雇事件、准教授の地位保全で大学側に命令

■NHK静岡放送局(2015年07月17日)

准教授の地位保全で大学側に命令

常葉大学短期大学部の准教授だった男性が大学側から「学園の秩序を乱し名誉を害した」などとして解雇されたことは不当だとして地位の保全を求めた仮処分を申し立てましたが,静岡地方裁判所は大学側の懲戒解雇は無効と認め,地位を保全するよう命じました。
仮処分を申し立てていたのは,静岡市にある常葉大学短期大学部の准教授だった40代の男性です。
男性は,大学が補助金を不正受給した問題について,大学の職員から不正を表沙汰にしないよう暴力団との関係をほのめかされて脅迫されたとして,理事長やこの職員を強要の罪で刑事告訴しました。
しかし,理事長と職員は不起訴となりました。
これを受けて大学は「学園の秩序と信用を害した」として男性を懲戒解雇しました。これに対して,男性は大学の処分は不当だとして,静岡地方裁判所に地位の保全を求める仮処分を申し立てていました。
静岡地方裁判所は,大学職員の発言は男性が脅迫と受け取ったとしても無理はなかったと認めた上,懲戒解雇は処分として重すぎるとして,男性の申し立てを認め,解雇処分の無効と准教授の地位を保全するよう命じました。会見のなかで,男性は「大学に戻って自由な対話ができるように雰囲気をただしたい」と話していました。

当初,この記事を掲載した際,准教授だった男性が「暴力団との関係をほのめかして脅迫し,学園の秩序を乱して解雇された」とお伝えしましたが,准教授が暴力団と交際しこれを用いて脅迫を行った事実は存在せず,事実関係に誤りがありました。准教授だった男性が「暴力団との関係をほのめかされて脅迫されたとして」が正しい表現でした。関係者のみなさまに深くお詫びします。

NHK静岡放送局
2015年07月17日 17時04分

2015年07月06日

大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会、声明

■大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
 ∟●声明「学校法人常葉学園は静岡地方裁判所の決定を受け、巻口勇一郎先生をただちに職場に復帰させ、教育・研究活動に従事させることを求める」

学校法人常葉学園は静岡地方裁判所の決定を受け、巻口勇一郎先生を
ただちに職場に復帰させ、教育・研究活動に従事させることを求める

2015年7月4日 大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会

 静岡地方裁判所は2015年7月3日、常葉大学短期大学部准教授・巻口勇一郎先生が起こした地位保全仮処分命令申立に関し、債権者(巻口勇一郎)が、債務者(学校法人常葉学園)に対し、「労働契約上の権利を有する地位にあることを仮に定める」「申立費用は債務者の負担とする」との決定を行った。

 大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会は、不当な懲戒解雇処分を行い、巻口先生の名誉を傷つけるとともに、教育・研究者としての地位を奪った学校法人常葉学園に対し、ただちに巻口先生を職場に復帰させ、教育・研究活動に従事させることを求める。あわせて巻口先生に謝罪することを求める。

 仮処分決定では、「債務者には、補助金の過大受給を積極的に解明する意向は存せず、むしろ、その事実が債務者の組織の外に表れないようにすることが債務者の幹部職員の言動の動機となり得る状況であったことがうかがえる」としたうえで、法人事務職員が巻口先生に対して行った「不正受給について捜査機関へ刑事告発もしくは、監督官庁へ情報提供するなど同学園の不正を表ざたにすることを断念させた」強要行為について、次のように述べる。法人事務職員の「発言が、暴力団員を介して債権者に対して何らかの危害を加えることができる旨を告知する脅迫であると信じたとしても、無理からぬものであったと一応認められ、これを真実と信じるに足りる理由があったと認められる」。

 また、法人事務職員と法人理事長らとの共謀について、法人事務職員は「債権者と職務として面談したと認めるのが相当であり、理事長らとの何らの調整なく、債権者と面談したとは考えがたいものの……」と述べたうえで、「強要にかかる理事者らの共謀を告訴事実の内容としたことは、慎重さに欠けていたものとみられるが、……、強要については、課長補佐(当時)の強要を信じたとしても、無理からぬものであり、債権者の本件告訴は、その全てが信じるに足りる根拠なくなされたものということはできない」とする。

 そして、「債務者において、本件告訴による学園の秩序紊乱、名誉・信用失墜についての具体的事実を明らかにしていないから、本件告訴について就業規則58条1項2号の該当性を認めるに足りない」と述べる。「懲戒委員会では懲戒事由として本件告訴のみが審査の対象とされており、……本件懲戒解雇は処分として、重きに過ぎるものと言わざるを得ない」としたうえで、「本件懲戒解雇は無効である」とした。

 以上を踏まえ、保全の必要性が明らかにされる。そこでは、「債権者は、准教授であり、その教育・研究活動は、単なる労働契約上の労働の提供に止まらない。准教授の地位に基づくがゆえになし得る研究や学会活動などがあり、これらは債務者が保障するべき労働契約上の利益に該当するから、仮の地位の保全を認めなければ、債権者に回復しがたい著しい損害が生じるというべきである」と述べている。

 以上の通り、静岡地裁の仮処分決定は、巻口先生の訴えの正当性と学校法人常葉学園の行った懲戒解雇処分の不当性を明らかにしている。大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会は、学校法人常葉学園に対し下記の3点を要求する。

1.ただちに懲戒解雇処分を撤回し、巻口先生が職場に復帰し教育・研究活動に従事できるようにすること。
2.不当な懲戒解雇処分を行ったうえ、事実無根の虚偽告訴が理由で懲戒解雇したと学内に公表し、巻口先生の名誉を著しく傷つけたことについて本人に謝罪するとともに、学校法人内の全ての学校に謝罪文を掲示し、関係者に事実を明らかにすること。
3.あってはならない重大な人権侵害を長期にわたって学校法人内で生じさせ続けた道義的法的責任を理事長は直ちに辞任することで明確に内外に示すとともに、学校法人常葉学園はそうした理事長の行為を防止できなかった理事・監事の全面的刷新をはかること。

以上

2015年07月05日

地位保全仮処分を決定、静岡地裁 常葉大解雇の准教授

■中日新聞(2015年7月4日)

地位保全仮処分を決定
静岡地裁 常葉大解雇の准教授

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の補助金不正受給を内部告発した問題に絡み、大学を運営する常葉学園から受けた懲戒解雇処分は無効だとして、男性准教授(四二)が地位保全を求めて仮処分を申し立てた問題で静岡地裁ほ三日、申し立てを認める決定を出した。

 推教授は不正受給をもみ消すよう脅されたとして、二〇一二年八月に理事長や面談に当たっ職員らを強要罪で静岡地検に刑事告訴したが、不起訴となった。学園は名誉を害されたとして、一五年二月に懲戒解雇した。

 槐智子裁判官は、職員が暴力団との関係をほのめかして不正受給のもみ消しを求めたと認定。懲戒解雇は重すぎ、地位保全を認めなければ研究や学会活動に差し障りがあると指摘した。

 准教授は復職などを求める訴えを静岡地裁に起こし係争中。西ケ谷知成弁護士は「判決も良い結果になることを期待している」とした。


2015年07月04日

常葉大短大部不当解雇事件、静岡地裁仮処分決定 原告の勝訴

■静岡新聞(2015年7月4日)

祝 勝訴!

常葉学園懲戒解雇への仮処分申請
男性の地位保全命じる 静岡地裁

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)を運営する常葉学園から3月末付で懲戒解雇処分を受けた当時准教授の40代男性が,処分の無効と地位保全を求めた仮処分申請で,静岡地裁は3日,処分の無効と地位保全を命じる決定をした。

 決定書などによると男性は同学部の補助金過大受給を調査していた2010年,学園の危機管理担当者から脅迫されたとして担当者ら3人を強要罪で静岡地検に刑事告訴,いずれも不起訴になり,男性は「秩序を乱した」などと処分を受けた。槐智子裁判官は決定で告訴に一定の相当性を認め,学園は「秩序を乱した」などとする「具体的事実を明らかにしていない」と指摘した。原告側代理人の西ケ谷知成弁護士は「学園には体質の改善を求めたい」と話した。

 男性が学園に処分の無効確認と未払い賃金,慰謝料の支払いを求めた訴訟が現在,同地裁で係争中。学園法人本部は「あくまでも仮処分であり,今後(本訴の)法廷で争っていく」と話した。


2015年06月17日

大学オンブズマン・常葉大学巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会、第3回会合のご案内

■大学オンブズマン・常葉大学巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
 ∟●第3回会合のご案内

大学オンブズマン・常葉大学
巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
第3回会合のご案内

 常葉大学短期大学部准教授 巻口勇一郎先生は2015年3月31日付で、学校法人常葉学園から懲戒解雇処分を受けました。その理由は、就業規則における「学園の秩序を乱し、学園の名誉または信用を害したとき。」に該当するというものです。具体的な行為(事実)としてあげられているのは、巻口先生が法人本部職員、法人理事長、法人副理事長兼短期大学学長を強要罪にあたるとして静岡地方検察庁に告訴(結果は不起訴)したことです。
 わたしたちはすでに巻口先生の告訴は市民的な権利を正当に行使したものであること、巻口先生が告訴の際に示した内容は事実にもとづいており、検察も巻口先生からの告訴を「受理」したこと、さらに懲戒処分は巻口先生によって公表された私学助成の不正取得に対する報復措置であることを指摘してきました。
 巻口先生は3月に地位保全の仮処分裁判を起こされ、間もなく静岡地方裁判所の決定が出される予定です。巻口先生へのこれからの支援に向けて、この機会に第3回会合を開催いたします。多くの方々のご参加をお待ちしております。

・日時:2015年7月4日(土)13:30~
・場所:静岡産業経済会館3階第3会議室(静岡市葵区追手町 44-1)
  ※静岡駅から徒歩10分程度、静岡赤十字病院の西側。
・内容:仮処分決定の内容について(弁護団に要請中)
    本訴の取り組みについて(  〃  )
    支援の取り組みについて(意見交流)
    その他

主 催:大学オンブズマン・常葉大学巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
共 催:労働組合法人全国大学人ユニオン
連絡先:075(645)8634(細川)

2015年03月20日

常葉学園職員が地位保全求める、告訴理由の解雇「不当」

■朝日新聞(2015年3月14日)

常葉学園職員が地位保全求める
告訴理由の解雇「不当」

 学校法人常葉学園に不当解雇を決められたととして,男性教員(42)が職員としての地位保全の仮処分を求めて13日,静岡地裁に申し立てた。
 男性教員は過去,旧常葉学園短大での補助金の過大受給の疑いを内部告発したことがある。この日記者会見した男性教員によると,過大受給についての調査内容を捜査機関などに通報しないよう強要されたなどとして同学園の理事長や総務課長補佐(当時),短大学長(同)を,2012年8月に強要罪で静岡地検に刑事告訴。同年,12月には不起訴処分となった。
 学園は告訴が事実と信じるに足りる相当な理由もなく,「学園の名誉または信用を害したとき」という就業規則の懲戒解雇条件にあたるとして今年2月27日,男性教員の今月31日付の懲戒解雇を決めたという。
 男性教員は「告訴は公益通報の一つであり,強要された際の録音などの証拠もあるとして,懲戒解雇は公益通報保護法に違反する」などと主張している。
 常葉学園は「内容を確認していないのでコメントできない」と話している。


2015年03月18日

常葉大不当解雇事件、不正告発し解雇処分の准教授が仮処分申請

■中日新聞(2015年3月14日)

地位保全 地裁に申し立て
常葉大不正告発 解雇処分の准教授

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の補助金不正受給を内部告発した問題に絡み,大学を運営する常葉学園から懲戒解雇処分を受けたとして,男性准教授(42)が十三日,静岡地裁に地位の保全を求める仮処分を申し立てた。
 申立書などによると,学園は十四年二月に不正受給を認め,謝罪した。准教授は不正受給をもみ消すよう脅されたとして,十二年八月に理事長らを強要罪で刑事告訴したが,不起訴となった。学園は名誉を害されたとして今年二月,准教授を三月三十一日付で懲戒解雇とすると決定した。
 県庁で会見した准教授は「告発をやめるよう学園側に脅されたのは事実で,解職は納得できない」と述べた。学園の木宮岳志事務局長は取材に「内容を確認できていないのでコメントできないが,現時点で処分を取り下げることはない」と話した。
 不正受給問題は,同学部が常葉学園短期大だった二〇〇二~〇四年に国の補助金を不正受給した疑いがあるとして,准教授が一二年十二月に内部告発して発覚。学園は昨年九月,過大受給が確認された百七十二万円五千円を国に返還した。


2015年03月15日

常葉大、公益通報者(内部通報者)の教員を解雇 地位保全の申し立て 

■静岡新聞(2015年3月14日)

常葉学園男性教員 地位保全申し立て

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)の40代の男性教員が学校法人側から「内部告発に対する報復目的の懲戒解雇を受けた」として13日,処分の無効と地位保全を求める仮処分を静岡地裁に申し立てた。
 弁護団によると,教員は同学部の補助金過大受給を調査していた2010年,大学を運営する常葉学園の危機管理担当者から「(私は)警察や暴力団関係者と交際がある。内部告発などすれば(あなたが)逆に逮捕される」との旨を伝えられた。
 教員は同担当者を含む学園関係者3人を強要罪で静岡地検に刑事告訴したが,いずれも不起訴になった。学園側は「秩序を乱した」などとして2月,教員の懲戒解雇処分(3月31日付)を決定した。弁護団は「見せしめ解雇で,公益通報者保護法に該当する」と主張する。過大受給については,男性教員が刑事告訴後に内部通報。学園側は過大受給を認め昨年9月,補助金の支給団体に172万5千円を返還した。
 弁護団は3月中にも同地裁に本訴を起こし,教員が精神的苦痛を受けたとして損害賠償も求める方針。学園法人本部は「申し立てを把握していないのでコメントできない」としている。


2014年10月01日

常葉学園、補助金過大受給 172万円返還

■静岡新聞(平成26年9月4日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区瀬名)で,教授が実際には行っていない授業を担当したと申請し,国の補助金を過大受給した問題で,同大を運営する常葉学園は3日,172万円5千円を支給団体の日本私立学校振興・共済事業団(東京都)に返還した,と発表した。
 返還したのは,2004年度文の一部で,同事業団から届いた「私立大経常費補助金返還命令書」などに基いて対応した。
 常葉学園は01~04年度にかけて計480万円を過大受給した,と文部科学省に報告している。担当者は「他年度分も返還命令があれば從う」としている。

2014年05月26日

大学オンブズマン申し入れ、常葉大学当局は公益通報者(内部告発者)を懲戒処分するな!

大学オンブズマン
 ∟●学校法人常葉学園理事長あての「申し入れ」(2014年5月24日)

学校法人常葉学園理事長あての「申し入れ」

大学オンブズマン理事会は、2014年5月24日付で以下のような「申し入れを」を行った。
なお、本書面の公表(ウェブサイトへのアップ)に際して、プライバシー保護のため一部、記述を変更している。

2014年5月24日

学校法人 常葉学園
理事長 木宮 健二 殿
大学オンブズマン 理事会

学校法人常葉学園が設置した懲戒委員会に関して(申し入れ)

 2014年5月9日付で、常葉学園本部常葉学園懲戒委員会は委員長名で、巻口勇一郎氏宛てに「常葉学園懲戒委員会による審査について(通知)」なる書面を送付してきた。それによると同年4月23日付で懲戒委員会が設置され、懲戒委員会による審査を開始するとのことである。委員会が審査の対象とするのは、巻口氏が「……静岡地方検察庁に告訴(結果は不起訴処分)した行為」とされている。
 当オンブズマンとしては、以下の点で懲戒委員会には重大な問題点があると考える。貴法人が適切な是正措置を取ることを強く求める。

1.書面を見る限りでは「告訴」そのものを処分の対象としているとしか理解できない。そもそも告訴は結果として「不起訴処分」となったとしても市民的権利の正当な行使であり、告訴の行為そのものを処分の対象とすることは明らかな人権侵害である。したがって、何が懲戒処分の審査の対象とされているのかが明確にされる必要がある。

2.貴法人が制定したとする「教職員の懲戒処分の手続きに関する規程」によれば、第3条において「調査」について規定している。しかし、巻口氏に対する「調査」はいっさい行われないまま「審査」が行われようとしている。また、「調査」結果の内容はいっさい開示されていない。このように極めてずさんな手続きは巻口氏の人権を著しく侵害している。「調査」内容の開示を求める。

3.静岡地方検察庁による不起訴処分は事実であるが、現時点で巻口氏を懲戒の審査の対象とすること自体、「常葉学園短大における私学経常費補助金の不正受給」を内部告発した同氏に対する報復であると見做さざるを得ない。巻口氏の内部告発(告訴)は公益通報者保護制度によって保護されるべきものである。

4.懲戒を目的としたこのような委員会の場に、「審査」と称して、合法的な公益通報者である巻口氏の出席を強要しているこの事態は、学校法人常葉学園本部の社会に対する背信行為であり極めて重大である。それは教育・研究機関としての大学の自殺行為であり、「大学の社会的責任」(USR)の放棄と言わざるをえない。

付記:学校法人常葉学園(木宮健二 理事長)は、巻口氏が告訴・告発した内容に対して一片の反省も示さないばかりか、今回、このような内部告発者(公益通報者)への報復的な措置を行おうとしている。全く常軌を逸していると言わざるを得ない。懲戒されるべきは理事長はじめとした学園本部役員である。大学オンブズマンは、こうした事態を広く社会および世論に訴えていく活動を一層進めていく。

以上

<連絡先>
大学オンブズマン 事務所
〒600-8458 京都市下京区油小路通り松原下る樋口町308 京都社会文化センター内
電話:075(741)6051
e-mail:uniomb@yahoo.co.jp


2014年04月04日

常葉学園、いじめ訴訟

スポニチ(2014年3月25日)

野球部のいじめ訴訟 常葉学園と少年が和解

 常葉学園菊川高校(静岡県菊川市)硬式野球部の元部員の少年(19)が、当時の先輩部員からいじめを受けて不登校になったとして、経営する学校法人常葉学園と先輩らを相手取って慰謝料など計約2900万円の損害賠償を求めた訴訟は25日までに、横浜地裁で和解が成立した。24日付。

 少年側の弁護士によると和解内容は非公表。常葉学園は「和解内容で定められており、コメントできない」としている。

 訴状によると、少年は野球の特待生として2010年に入学したが、先輩4人から殴られるなどの暴行を受け、寮を追い出されて不登校になったとしていた。

 4人は暴行容疑で書類送検され、静岡地検浜松支部が11年9月、家裁送致。静岡家裁浜松支部は審判不開始とした。日本高校野球連盟は同校野球部を注意した。


2014年02月28日

常葉学園、身代わり授業 補助金過大受給認める

■朝日新聞(2014年2月27日)

常葉学園、身代わり授業 補助金過大受給認める

 常葉大学短期大学部(旧常葉学園短大、静岡市葵区)の授業を教授の代わりに助手が担当していたと内部告発があった問題で、学校法人常葉学園は26日、2001~04年度にこの事実を認め「補助金の過大受給があった」と発表した。内部調査により、身代わり授業は短大だけでなく、傘下の大学でも判明したが、学校と国側で過大受給が書類上確認できたのは1年度分172万5千円にとどまる。

04年度172万円 残る3年確認不能

 内部告発は12年12日。短大部の巻口勇一郎准教授(40)が「情報処理の授業を実質的にに助手がしていた。助手は授業を受け持てないのに、授業をしない教授の分の補助金を受けるのはおかしい」と訴えていた。
 常葉学園は公益通報調査委員会を設けて調査。過大受給を確認できたのは、01~04年度、常葉学園短大の情報処理の授業で男性教授=12年3月に退職=が助手に授業を担当させていたという告発のあったケースだけだった。文部科学省によると、教授が授業したとして04年度に172万5千円の補助金を受け取っていたが、助手の授業では補助要件を満たしておらず、過大受給とされた。ほかの年度も年120万円程度の補助金は受け取っていたとみられるが、確認できる書類がないという。
 このほか短大の教授ら7人と浜松大学(現常葉大学浜松キャンバス)の教授ら17人も授業の一部を助手に担当させていたが、週6時間以上の授業をするという補助金の要件を満たしていたため返還の必要はないという。
 文部科学省私学助成課は「書類でで確認できた04年度分は返還を求める。ほかの年度分は資料でで確認できなければ返還は難しい」と話している。

内部告発等充者 「助手が授業、黙認」

 内部告発した巻口准教授は朝日新聞のの耽材に、「元教授が助手に4年間も授業をさせていたことは、学園幹部をはじめ、多くの教職員が知ってした。それを黙認し、誰も指摘できなかった同族経営の組織体質に問題がある」と主張、「不正受給したお金を国に返すだけでは、問題の解決にはならない」と話した。

常葉短大、補助金不正受給

読売新聞(2014年2月27日 )

 常葉学園は26日、常葉大学短期大学部(静岡市葵区)で2001~04年度に国の補助金480万円を不正に受給していた可能性があると発表した。コンピューター関係の授業で、実際には助手が講義をしていたにもかかわらず、男性教授が行っていたように文部科学省に申請し、02~04年度の3年間で、少なくとも360万円を受給していたとの内部告発があり、調査していた。不正に受給した補助金は、文科省の指示に従って返還する。男性教授は12年3月に定年退職しており、処分は見送る方針。

 発表によると、常葉学園は男性教授が教べんを執り始めた01年度から内部告発で指摘された04年度まで調査した。その結果、すべての期間で不正受給が確認できたため、25日に文科省に報告した。

 文科省私学助成課は「01年度から03年度の3年分は、資料の保存期間が過ぎており、該当する教授が補助金を受け取っていたかどうかを確認できない。資料がある04年度の172万5000円について返還を求める」としている。

 同学園の木宮岳志・事務局長は26日、県庁で記者会見し、「学校側が授業の内容を把握していなかったことが原因。再発防止に努めたい」と話した。


2014年02月27日

旧常葉短大元教授が不正受給=480万円、授業を助手任せに

時事通信(2014/02/26)

 学校法人常葉学園(静岡市葵区)は26日、旧常葉学園短大(現常葉大短大部)の元男性教授が担当の授業を助手任せにし、文部科学省から補助金約480万円を不正受給していたと発表した。同学園は今後、補助金を返還する。
 同学園によると、元教授は2001~04年度、旧常葉学園短大で情報処理の授業を担当。ほとんどを助手に任せ、授業に週6時間以上立ち会うなどの補助金受給の要件を満たさなかった。理由について元教授は、事務系の職務を兼務して多忙だったことを挙げ、「補助金をもらえると誤信していた」などと話しているという。
 元教授は05年度、学生の授業を担当しない部署に異動になり、12年3月に定年退職した。
 同学園の木宮岳志常務理事らは同日、記者会見し謝罪。教育の質は確保されたとして、学生の単位などは変更しないという。

常葉学園、助手が「身代わり」授業 短大などで31科目

朝日新聞(2014年2月26日)

  静岡県で大学などを運営する学校法人常葉(とこは)学園(静岡市)は26日、常葉大学の短期大学部(同)と浜松キャンパス(浜松市)で2000~12年度、教授や准教授、非常勤講師ら25人が計31科目について、授業計画で担当教員として挙げていない助手らに授業を担当させるなどしていた、と発表した。同学園は関わった教員の処分も検討している。

 この問題は12年に短期大学部の男性准教授が内部通報して発覚。学園が公益通報調査委員会を設置して調べたところ、短期大学部(当時は常葉学園短大)では00~06年度に計10科目について、8人の教授・非常勤講師らが助手に授業をさせるなどしていた。教授の1人は調査に「授業計画を作り単位認定すれば問題ないと思った」と話したという。

 浜松キャンパス(当時は浜松大学)では08~12年度、17人の教授・非常勤講師らが21科目について助手に授業を担当させていた。「身代わり」授業は1回から大半のケースもあり、教員が交代で授業を担当したこともあったという。

 26日に記者会見した常葉学園の木宮岳志事務局長は「不適切だった」と認めた上で、「助手は授業を担当する能力があり、教授らが単位を認定しており卒業生に追加措置は必要ない」として25日に文部科学省へ経緯とともに報告したという。

 文部科学省大学振興課によると、助手に授業計画作りから全て任せているわけではないため学校教育法違反にはあたらないとみているが、同課は「大学の教育にふさわしいのか自ら襟をただしてほしい」と話している。


常葉学園、国の補助金を過大受給 授業担当偽り480万円

毎日新聞(2014年2月27日)

 学校法人常葉学園(静岡市葵区)は26日、運営していた常葉学園短大が2001年度から4年間、補助金を少なくとも480万円過大受給していたと発表した。一部の授業で実際は助手が担当していたのに、教授と偽って申請していた。

 同学園によると、01~04年度の各年度の補助金受給申請で、情報処理科目の授業を助手が担当していたのに、教授が担当教員としていた。補助金算定基準では、同科目の週14時間中、6時間は教授本人の授業が必要だった。

 教授は情報処理が専門で01年度から担当教員。05年度以降は別部署に異動、12年3月に定年退職したという。

 12年に短大の教員から「不正受給が行われている」と内部告発があり、外部識者からなる調査委員会が発足していた。

 26日に記者会見を開いた木宮岳志・同学園常務理事は「教授は他の事務との兼務で多忙となり、助手に任せられると思ったようだ。不適切な受給で大変申し訳ない。申請時のチェック体制を見直し、再発防止に努める」と謝罪した。文部科学省は、学園の調査報告書に基づいて再度調査し、補助金返還などを求めるか決めるという。【荒木涼子】


2014年02月22日

常葉学園、補助金不正受給を認める

■中日新聞(2014年2月20日)

補助金不正受給 常葉学園認める

26日、事実関係公表へ

 常葉大短期大学部(静岡市薬区)が国の補助金を不正受給したとして同学部の男性准教授が内部告発した問題で、大学を運営する常葉学園本部は十九日、中日新聞の取材に不正受給を認めた。二十六日に静岡県庁で会見し、事実関係を公表する。
 担当者は「シラバス(授業計画)に記載されたのとは違う人が授業していた。内部告発の事実はあった。会見で再発防止策などを発表する」と話した。
 告発によると、同学部は常葉学園短大だった二〇〇二~〇四年、週七回のコンピューター関連の授業をしたのは助手だったのに元教授がしたと偽って文部科学省に申請。三年間で少なくと三百六十万円の補助金を受け取ったとされる。
 学園本部は外部識者らからなる調査委員会を設け、事案関係をまとめた報告書を昨年五月に理事長に提出した。調査委で元教授は授業していないことを認めたが、助手から報告を受けていたので問題ないとの認識を示していた。


2013年11月09日

大学オンブズマン・常葉大学短大部巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会、常葉学園理事会に是正と不当処分を行わないよう求める

.私たちは,不正受給の原因・背景を明らかにし,同族経営の歪みを是正し,内部告発者への不当処分を行わないよう学校法人常葉学園に求める。

大学オンブズマン・常葉大学短大部巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会

<連絡先>大学オンブズマン事務所
〒 600-8458
京都市下京区油小路通り松原下る樋口町308
京都社会文化センター内
電話 075 (741) 6051

2013年08月04日

常葉学園を准教授が告発へ

中日新聞(2013年8月3日)

常葉学園を准教授が告発へ

◆「懲戒新規程手続き違法」

 教職員の同意を得ずに懲戒処分規程などを制定したのは労働基準法に違反するとして、常葉大短期大学部(静岡市葵区)の男性准教授(40)が近く、大学を運営する常葉学園(同)を静岡労働基準監督署に告発する。准教授と市民団体が二日、県庁で記者会見を開き明らかにした。
 准教授や市民団体「大学オンブズマン」(京都市)によると、学園は新たな懲戒処分の運用規程や労使協定を制定する際、過半数の教職員から信任される代表者を選出して意見を聞かなければならなかったのに、一部の教職員のみの信任で手続きを行ったとされる。
 新規程は七月三日に制定され、処分の際には理事長の下に懲戒委員会を設置し、委員は理事長が任命するとした。施行は今月三日。
 准教授は今年四月、同学部が常葉学園短大だった二〇〇二~〇四年に、国の補助金を不正受給した疑いがあるとして内部告発した。会見で准教授は「理事長主導で委員の人選が行われるため、告発した自分に不利益な処分がなされる可能性がある」と話した。


2013年08月02日

常葉学園、懲戒処分規定制定 「労基法違反」准教授らが告発へ

■静岡新聞(2013年8月02日)

 学校法人常葉学園が教職員の意見を十分に聞かず懲戒処分の運用規定を設けたとして、常葉大短期大学部(静岡市葵区)の准教授と市民団体「大学オンブズマン」(京郡市)が2日、県庁で記者会し、同法人の木宮健二理事長らを労働基準法違反の疑いで静岡労働基準監督署に同日付で告発することを明らかにした。

 会見したのは同学部日本語日本文学科の巻口勇一郎准教授(40)。今年4月、常葉学園短期大だった2002~04年度に当時50代の男性教授=定年退職=が授業を助手に任せていたにもかかわらず、大学は教授が授業を担当していたと文部科学省に申請し、補助金を不正に受けていたと内部告発した。

 巻口准教授らは、規定の制定が「自分への処分を意図して設けられた疑いが強い」とし、規定施行の3日前に会見を開いた。

 巻口准教授らは、規定の制定が就業規則などの作成にあたって「労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない」とする労働基準法に違反していると主張している。


2013年07月29日

常葉学園、不正受給を認める 今月中文科省に正式報告へ

■東京新聞(2013年7月29日)

 常葉大短期大学部(静岡市葵区)が国の補助金を不正受給したとして同学部の男性准教授が内部告発した問題で、大学を運営する常葉学園本部が文部科学省に不正受給を認めたことが、文科省などへの取材で分かった。学園本部は七月中にも、事実関係や再発防止策を公表する。
 告発によると、同学部は常葉学園短大だった二〇〇二~〇四年、週七回のコンピュータ一関連の授業をしたのは助手だったのに元教授が行っていたと偽って文科省に申請。三年間で少なくとも三百六十万円の補助金を受け取ったとされる。学園本部は今年二月に外部識者らで構成する調査委員会を設け、五月十七日に事実関係をまとめた報告書を理事長に提出した。
 文科省や大学関係者によると、報告書の提出後、学園本部の担当者が同省を訪れ「教授は授業をやっていなかった。補助金の不正受給があった」と認めた。ただ正式な文書での報告はしていないため、学園本部は今月中告するとみられる。
 助手は二月の調査委で、元教授は初回の授業に顔を出しただけで自らが授業を担当したと説明。元教授も授業をしていないことを認めたが、助手から報告を受けていたので問題とないとの認識を示していた。
 学園本部の担当者は本紙に「記者会見で事実関係をすべてお話しする」と話している。

2013年05月25日

補助金不正疑惑「助手が授業代行」、常葉学園調査

■中日新聞(2013年5月25日)

補助金不正疑惑「助手が授業代行」 常葉学園調査

◆元教授が認める
 常葉大短期大学部(静岡市葵区)が国の補助金を不正受給したとして同学部の男性准教授が内部告発した問題で、授業をしていなかった疑いのある元教授が常葉学園本部の調査委員会で、助手に授業を担当させていたと認める証言をした。委員会関係者への取材で分かった。助手も同様の発言をした。常葉大は調査委の報告を受け、事実関係や再発防止策を近く公表する。
 告発によると、同学部は常葉学園短大だった二〇〇二~〇四年、週七回のコンピューター関連の授業をしたのは助手だったのに、元教授が行っていたと偽って文部科学省に申請し、三年間で少なくとも三百六十万円の補助金を受け取ったとされる。学校教育法の規定では、助手は単独では授業をできない。
 関係者によると、助手は調査委で、元教授は初回の授業をしただけで、以降は自らが担当したと説明した。元教授は授業していないことを認め、助手から報告を受けていたので問題ないとの認識を示したという。
 告発を受けて、学園本部はことし二月、弁護士や会社経営者ら五人で委員会を設けて調査。調査委は今月十七日に事実関係をまとめた報告書を理事長に提出した。
 大学は国への補助金返還や関係者の処分を含めて対応を検討している。元教授は昨年退職し、処分対象外とみられる。学園の担当者は「間違って受給した分があれば返還する」と話している。


2013年04月23日

常葉短大の補助金不正、内部告発の准教授会見

■静岡新聞(2013年4月20日)

常葉短大の補助金不正
内部告発の准教授会見

 常葉大短期大学部(静岡市葵区瀬名)が、教授が行っていない授業を担当していたとして申請し、文部科学省の補助金を不正に受けていたとして、内部告発した40代の男性准教授か19日、県庁で会見した。

 男性、常葉学園短期大だった2002年度から04年度まで、当時50代の男性教授=定年退職=がピューター関連の授業を実際は助手に任せたにもかかわらず、同教授が担当したとして申請し、文科省の私立大経常費補助金を3年間で360万円受けていたという。

 男性は当時、教授らの時間割の作成を担当していた。03年以降、「(教授ではなく)助手の授業が面白い」という学生の話や「授業時間に教授が自室から出るのを見たことがない」とする周辺の話から疑問を持ち、卒業生への独自のアンケート調査などを経て昨年12月に内部告発した。

 大学側は2月、事実確認を行うため公益通報調査委員会を設置し、5月にも答申をまとめる見通し。男性は同委員会にこれらの内容を報告している。会見で「学校側が発表する内容と私か把握している事実と異なるなら民事手続きも検討したい」と話した。

「常葉学園が補助金を不正受給」 静岡、准教授内部通報
朝日新聞(2013年4月20日)

 常葉大学短期大学部(静岡市葵区)の男性准教授(40)が19日会見し、運営する学校法人常葉学園(同)が2002~04年度の3年間で、約360万円の補助金を不正に受けた疑いがあり、公益通報者保護法に基づいて内部通報したと発表した。同学園は「公益通報調査委員会を設置して調べている」としている。

 准教授によると、常葉短大(当時)の男性教授の授業を、実質的に助手がしていたという。学校教育法では助手は教授の補助者としての位置付け。准教授は「助手は授業ができず、授業をしない教授の分の補助金を受けたのはおかしい」としている。教授は昨年3月に定年退職した。

 授業は、幼稚園と中学校の教員免許取得の必修科目で毎年約200人が単位を取得。文部科学省は、単位の有効性や補助金返還について「状況を把握しないと判断できない」とした。

 同学園は今年2月、有識者による同委員会を開き、これまでに2回の会合を開いた。5月にも調査結果を公表するという。

補助金不正受給と内部告発、常葉大短期大学部
読売新聞(2013年4月20日)

 常葉大学短期大学部(静岡市葵区)が、2002~04年度に国の補助金を不正受給していたとの内部告発を受け、調査委員会を設けて事実関係を調べていることが19日、大学関係者への取材でわかった。

 同大関係者によると、内部告発は、コンピューター関係の授業で、実際には助手が講義していたのに男性教授が行っていたように文部科学省に申請し、私学事業団を通じて3年間で少なくとも360万円を受給していたとの内容で、昨年12月に同大を管轄する常葉学園本部に寄せられた。学校教育法では、助手は単独では授業を担当できないと規定している。

 同本部は今年2月、弁護士らによる公益通報調査委員会を設置。授業実態などの調査結果を今後、公表する予定だとしている。

 同大ではこの授業を教員免許取得のための必須の教養科目としていたが、文部科学省教職員課は「ただちに卒業生の免許無効や再履修にはつながらないとみられる」としている。

補助金360万円不正受給か 教授の代わり助手授業 静岡・常葉短大
産経新聞(2013.4.20)

 常葉大短期大学部(旧常葉学園短大、静岡市葵区瀬名)で平成14年度から16年度までの3年間、授業を行っていない教授が授業を受け持っていると虚偽申請し、同短大が国の補助金300万円以上を不正受給した疑いがあることが、19日わかった。男性准教授(40)が同日、県庁で会見して明らかにした。

 准教授によると、旧常葉学園短大だった当時、教員免許を取る学生には必修科目のコンピューター関係の授業で、実際は男性助手が授業を行っていたのに、当時50代の男性教授を担当教員として文部科学省に助成金を申請。14~16年度分、少なくとも360万円を不正受給したとされる。学校教育法では助手が授業を行うことを禁じている。

 准教授は、14年当時から授業の時間割などの作成を担当。15年に学生から「(助手の男性の)授業が面白い」と聞いて、問題に気付いたという。その後、昨年に当時の学生にアンケートで調べたところ、この教授から授業を受けた学生はいなかったことがわかったという。准教授は静岡地検に昨年3月、刑事告訴したが、同年6月には公訴時効となっている。

 常葉学園本部では、すでに外部の専門家や弁護士らを含む第三者委員会を設置して調査しており、「委員会が調査内容を理事長に答申した上で公表する」としている。また、文科省私学助成課もこの問題を把握しており、「学校側の調査委員会の結果をみて判断したい」とした。


2013年04月10日

常葉大学短期大学部、補助金不正受給か 「身代わり授業」の波紋

AERA(2013年4月15日号)57頁
 ∟●常葉学園で補助金不正受給か、「身代わり授業」の波紋(PDF)

常葉学園で補助金不正受給か

「身代わり授業」の波紋

系列に甲子園常連校もある静岡県の短大で、補助金の不正疑惑が浮上した。
卒業生にも影響が出かねないという、その中身とは……。

 地元では、「常短」の愛称で知られる「常葉大学短期大学部」(旧常葉学園短期大学、静岡市)で、補助金(私立大学等経常費補助金)を不正に受け取っていた疑いが出てきた。
 関係者の話を総合すると、不正受給があったのは少なくとも2002~04年度の3年間。当時50代半ばのA教授(昨年3月に定年退職)が、本来、B助手(当時)と一緒に行わなければいけない授業をB助手一人に担当させていた。学校教育法では、助手は教授や准教授(助教授)の補助者の位置づけにとどまり、単独で授業は担当できないと定められている。

調査委員会が学内に

補助金は、国から「日本私立学校振興・共済事業団」(通称「私学事業団」)を通じ、教職員数や学生数に応じて私立の大学や短大などに交付される。教授は大学内の立場などに応じ、一定時間以上の授業を担当しなければならない。A教授が授業を実質的にしていなかったにもかかわらず、学園は3年間で約360万円の補助金を受け取っていた可能性があるのだ。
 短大の母体となる常葉学園は1946年に創立。同族経営で知られ、学園長以下、理事長や常務理事といった要職の大半を親族が占める。学園長は参院議員を2期務めた木宮和彦氏で、A教授も和彦氏の甥に当たる。
 内部告発をきっかけに今年2月、「公益通報調査委員会」が学内に立ち上がり、これまでに2回委員会が開かれた。本誌の取材に対してA教授の答えは、「授業の管理・監督をしていた。(授業を)やっていると考えるか、やっていないと考えるか難しい。補助金の申請は私学事業団と相談して決めていたから問題ない」
 とあいまい。またB助手は、「単独で授業してはいけないことは知っていたが、当時は、どれくらいの範囲まで担当してはいけないか、わかりかねていた」と話した。学園の内部事情に詳しい関係者は言う。
「本人は授業の最初に若干顔を出したので問題ないなどと言っているようだが、当時のシラバスにはB助手を『講師』」以上の扱いにしていたりするなど、A教授が授業をやっていたとは思えない様々な証拠が出ている。現時点では不正に補助金を得ていたと推測せざるを得ない」

学び直す可能性が?

 今回の件を、文部科学省も注視している。
 「補助金の不正が明らかになった場合は、個別の事案に応じて判断することになる。今後は補助金全体の2割か5割、あるいは全額がストップになる可能性もある」(私学助成課)
 さらに「身代わり授業」は今後、卒業生の教員免許に影響を及ぼす可能性もある。同短大では例年、約200人が幼稚園や中学校などの教員免許を取得し卒業するが、B助手が担当していた「情報とコンピュータ」は免許を取るには必修科目。無資格者が担当していたとすれば、3年間で600人近い卒業生の免許の正当性が問われかねない。「場合によっては、卒業生はもう一回、学び直す可能性が出てきます」(文科省大学振興課)
 本誌の取材に学園本部は、「公益通報調査委員会が調査中であるため、現時点では回答できません」
 としながらも、卒業生の免許問題については、
「委員会の報告を受けて対応が必要であれば検討することになります」
 と回答した。
 大学の不止行為の調査・改善勧告などをする「大学オンブズマン」の理事で、龍谷大学教員の細川孝さんが言う。
 「1人の元教授の問題なので不正額こそ少ないが、公金の不正受給を生む土壌が問題です。今回の件は、常葉学園だけの問題でないように思う。解決のためには大学全体の改革が急務だ」
 真相の解明が待たれる。

編集部野村昌二


2012年12月27日

学校法人「常葉学園」のダークサイド、「静岡県警」OBがスキャンダルのもみ消しに暗躍

NEWS RAGTAG
 ∟●「静岡県警」OBがスキャンダルのもみ消しに暗躍 捜査情報の漏えいも疑われる学校法人「常葉学園」のダークサイド

以下,サイトを紹介します。

「静岡県警」OBがスキャンダルのもみ消しに暗躍 捜査情報の漏えいも疑われる学校法人「常葉学園」のダークサイド

僕はいろんな面で顔が利く。ヤクザの親分はいまでも、しょっちゅう相談にくる。携帯にも、びっくりするくらいたくさん、親分から電話がかかってくる。

署長に会ったり、静岡中央署の刑事部長も同期で、若手を指導するのは僕だから。僕ら捜査2課は、キャリアだからトップもおなじ。トップはキャリアの集団だから──。

'10年の7月16日、学校法人『常葉学園』(静岡市葵区瀬名)が経営する系列校に勤務する市谷勝弘さん(仮名)のもとを訪ねた初老の男性は、暴力団幹部や警察幹部などとの"コネ"をことさら強調した。

男性は、その年の春に常葉学園法人本部の総務課に入ったばかりの<静岡県警>OBで、危機管理を担当する小野田勝課長補佐。市谷さんが、学内のパワーハラスメントなどの不正を監督官庁や捜査機関に告発しようとしていたさなかの訪問だった。

……以下省略。続きを上記サイトでご覧下さい。


2007年06月05日

浜松大大学院、教授が「ハラスメント」 元院生夫婦 1300万円の賠償提訴

■http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shizuoka/archive/news/2007/05/26/20070526ddlk22040137000c.html

 浜松大大学院(浜松市北区)の男性教授が満足な授業をせず、理不尽に修士論文試験で落とされたのは「アカデミック・ハラスメント」にあたるとして、浜松市の元同大院生の夫婦が25日までに、大学を経営する学校法人常葉学園(静岡市葵区、木宮健二理事長)を相手取り約1300万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。……