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2016年03月31日

奨学金受けた大学生 5割超

NHK(3月30日)

全国の大学生や大学院生の生活状況について、「日本学生支援機構」が調べたところ、昨年度大学生が支払った授業料は平均で91万円余りと調査を始めて以降最も高くなり、奨学金を受けた大学生は51%と2人に1人に上っていることが分かりました。
日本学生支援機構は大学生や大学院生などを対象に2年に1度、生活状況について調査していて、今回は4万5500人余りの学生が昨年度の支出や収入について回答しました。
それによりますと、大学生では、昨年度1年間に使ったお金は平均で186万2100円で、前回の調査に比べて1万8000円減少しました。全体の6割以上の119万5300円は「学費」が占めていて、なかでも「授業料」は91万6000円に上り調査を始めた昭和43年以降最も高くなりました。
また、大学生の収入は、197万1400円で、前回の調査のときより2万5900円少なくなりました。保護者からの仕送りなどは減る傾向が続くなか、奨学金を受けた大学生は51%と、2人に1人に上りました。
奨学金を受ける大学生の割合は、平成8年度は21%ほどでしたが、その後、ほぼ一貫して増え続け、平成22年度以降は50%ほどでほぼ横ばいになっています。
奨学金を巡っては、卒業後に返済が滞る人が多いのが課題になっていて、文部科学省は、年収に応じて返済額を決める新たな制度の導入に向けて、対応を進めています。

2016年03月30日

大学生の生活費、年67万円に減少

産経(2016.3.29)

 大学生(夜間部を除く)の平成26年度の年間平均生活費は67万円で、24年度の前回調査に比べ3万円減少したことが29日、日本学生支援機構の調査で分かった。

 不況の深刻化で仕送りが大きく減るなどして、12年度をピークに減少が続いていた生活費は24年度にやや増えたが、再び減少に転じた。支援機構は「通信費などの減り幅が大きい。理由ははっきりしないが、一時的なものかどうかは今後の推移を見ていく必要がある」としている。

 調査は、国公私立の大学生、短大生、大学院生を対象に隔年で実施し約4万6千人が回答した。

 生活費の内訳は、下宿生で住居・光熱費45万円、食費26万円、娯楽・嗜好費14万円。自宅生は住居・光熱費がゼロで、食費10万円、娯楽・嗜好費13万円。洋服代や携帯電話料金など「その他の日常費」は下宿生と自宅生を合わせた平均が14万円で、前回調査から2万円減った。一方、年間収入は3万円減の197万円。


給付型奨学金を創設=無利子も拡充-安倍首相

時事通信(2016/03/29)

 安倍晋三首相は29日夕、2016年度予算の成立を受け、首相官邸で記者会見した。大学生らを対象にした国の奨学金制度について、首相は「本当に厳しい状況にある子どもたちには、返還が要らなくなる給付型の支援によって、しっかり手を差し伸べる」と述べ、給付型奨学金を創設する考えを表明した。今夏の参院選から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられる見込みのため、若者支援拡充をアピールする狙いがありそうだ。
 首相は「家庭の経済事情に関係なく、希望すれば、誰もが大学にも専修学校にも進学できるようにしなければならない」と強調。給付型奨学金に関し、首相は25日の国会答弁で「全面的に否定的なことを言ったことはない」と含みを持たせていたが、会見ではより踏み込んだ。
 国の奨学金制度は文部科学省所管の独立行政法人「日本学生支援機構」が運用。返済が必要な通常の奨学金には無利子型と有利子型がある。首相は「可能な限り速やかに、必要とする全ての子どもたちが利子のない奨学金を受けられるようにする」と明言。返済についても卒業後の所得に応じて軽減措置を講じる方針を示した。

2016年03月27日

大学再生を願う福岡教育大学教員の会、福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める公開署名

福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める公開署名

福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める公開署名

  平成28年3月25日、大学再生を願う福岡教育大学教員の会

 福岡教育大学は、教員養成を担う国立大学です。現在、本学は、寺尾愼一学長(次期副学長予定者)及び櫻井孝俊理事・副学長(次期学長予定者)による、教育研究評議会、教授会等の審議機関の形骸化と恣意的な運営により、大学全体の教育研究がこれまでにない危機に瀕しています。
 授業未開講による学生の不利益、教員に対するパワハラ・不当労働行為、社会的需要を無視した教育組織改編と入試改革の失敗による入学志願者減などの業務実績悪化、教授会の審議を経ないカリキュラム変更、大学英語名称の国際通用性に欠ける変更などの問題が、平成27年12月の学長選定後にますます明らかになってきました。そして、櫻井理事は学長候補者に選考されたのち、寺尾学長を副学長に指名し、実質的には寺尾氏が影のトップとなるような体制を作ろうとしています。
 これに対して、福岡教育大学教員有志84名(提出時点。学部教授会の過半数。現在も署名継続中)から、平成28年3月22日、学長選考会議・喜多悦子議長に宛てて、「福岡教育大学長の解任審査および学長候補者選考実施について(要望)」が提出されました。議長はそれを真摯に受け止め、同日の会議で審議しましたが、直ちに要望が実現するには至っていません。
 私たちは変化することを恐れているのではありません。本学が大学としての使命を果たし、今後も質の高い教員養成系大学として発展していくために、本学の長所をも破壊する、現在の大学運営体制をこのまま容認することができないのです。
 そこで、私たちは、改めて、より多くの声を結集し、より強力に大学執行部、学長選考会議、文部科学省に、以下の要求を訴えるため、日本全国、さらには全世界から、広く賛同の署名を集めることとしました。
 大学再生が実現した暁には、私たちは、福岡教育大学が国内外の負託に応える大学として今後も発展するよう、一層尽力することをお約束します。

要求事項
(1)寺尾愼一学長(4月1日付副学長予定者)、櫻井孝俊理事・副学長(4月1日付学長予定者)は、自らの不適切な大学運営、コンプライアンス違反を認め、速やかに退任すること。
(2)学長選考会議は、(1)に関連して、学長の解任審査、学長選考の実施等、適切な措置をとること。(寺尾学長を解任し、櫻井学長予定者の選考をやり直すこと。または、4月1日以降に櫻井新学長を解任し、学長候補者選考を新たに行うこと。)
(3)新たに選考される福岡教育大学長は、大学運営体制を正常化し、真に学生の実力を高める教育体制、活発な研究活動の推進体制、国内外の負託に応える社会・国際連携体制の実現に向けた改革を、総力を挙げて早急に実行すること。


「福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める!」署名運動始まる

福岡教育大学の学長選を考える会
 ∟●福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める!」署名運動始まる

【〔拡散希望〕「福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める!」署名運動始まる!!】
 
 昨日は福岡教育大学の卒業式でした。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんのご卒業を心から祝福し、揚々たる前途にエールを送りたいと思います! 福岡教育大学の卒業式の日は、我々宗像市民にとりましても特別な日の一つであり、毎年、誠に誇らしく、嬉しい気持ちになります。ところが、今年は、光り輝く城山の一角に暗黒の雲が垂れ込めている、何かそんな不安を覚えられた方が沢山おられるのではないでしょうか。
 
 昨夜、複数の職員の方から、最新の情報が寄せられました。先日来、複数の新聞に報道され、社会の注目を集めている「寺尾氏の学長解任」と「櫻井氏の次期学長選考取消し」を求める請願活動をより多くの市民の方に知って頂き、協力を仰ぐために、「大学再生を願う福岡教育大学教員の会」という組織が立ち上げられ、「福岡教育大学における学長解任及び学長選考やり直しを求める!」署名運動が始められたようです。
 
 そこには、つぎのような「要求事項」があります。
 
(1)寺尾愼一学長(4月1日付副学長予定者)、櫻井孝俊理事・副学長(4月1日付学長予定者)は、自らの不適切な大学運営、コンプライアンス違反を認め、速やかに退任すること。
 
(2)学長選考会議は、(1)に関連して、学長の解任審査、学長選考の実施等、適切な措置をとること。(寺尾学長を解任し、櫻井学長予定者の選考をやり直すこと。または、4月1日以降に櫻井新学長を解任し、学長候補者選考を新たに行うこと。)
 
(3)新たに選考される福岡教育大学長は、大学運営体制を正常化し、真に学生の実力を高める教育体制、活発な研究活動の推進体制、国内外の負託に応える社会・国際連携体制の実現に向けた改革を、総力を挙げて早急に実行すること。
 
 詳しい内容につきましては、
 URL https://www.change.org/p/%E7%A6%8F%E5%B2%A1%E6%95%99%E8%82%…
 
 をご覧下さい。
 福岡教育大学の教授の皆さんが遂に大学再生のために立ち上がりました。我々市民も、この動きを後押ししようではありませんか!!

2016年03月26日

福教大教職組、学長職辞職の要求と学長職への就任辞退要求を提出

全大教
 ∟●福教大教職組、学長職辞職の要求と学長職への就任辞退要求を提出

2016年3月18日(金)、本組合は、寺尾愼一学長に対し、「学長職辞職の要求」を、同時に、次期学長就任予定者の櫻井孝俊理事に対して、「学長職への就任辞退要求」を、提出致しました。

樟の葉 32号.pdf
学長職辞任要求 20160318.pdf
学長職就任辞退要求 20160318.pdf


山口大准教授が公的研究費174万円を不正使用 停職76日間の懲戒処分

産経(2016.3.25)

 山口大は25日、公的研究費約174万円を不正に使用したとして、教育学部の沖林洋平准教授(39)を停職76日間の懲戒処分にしたと発表した。

 大学によると、平成23~26年度に、研究目的の旅行や出張が、中止や日程変更されるなどしたのに大学に申告せず、出張したものとして旅費を不正に受け取っていた。旅費は准教授の個人口座に振り込まれていた。大学は、生活費や研究用の書籍の購入などに使用したとみている。

 准教授は調査に対し「手続きが面倒だった」と不正使用を認めている。全額弁済の意向を示しており、大学は刑事告訴しない方針。


大学入試新試験、年複数回見送り 制度改革で専門家会議、最終報告

共同通信(2016/3/25)

 大学入試改革の制度設計を議論する文部科学省の専門家会議は25日、最終報告を取りまとめた。現在の中1が高3になる2020年度に大学入試センター試験から替える予定の「大学入学希望者学力評価テスト」は年複数回の実施を当面見送り、記述式とマークシート式のテストを別日程で行うことも検討する。採点態勢の整備や日程確保など課題は多く、委員の意見に隔たりもあって、実施日程や対象科目など具体的な枠組みを示すには至らなかった。

 今後は文科省が出題内容や採点態勢などを検討。17年度にそれらの方針を公表し、実施大綱を19年度に定める予定だが、20年度に開始できるかは不透明だ。


2016年03月25日

梅光学院、真相解明と正常化が急務 「改革派」が踏み荒らした梅光

長周新聞(2016年3月23日)
 ∟●真相解明と正常化が急務

真相解明と正常化が急務
「改革派」が踏み荒らした梅光
子供たちの為に奮起を

2016年3月23日付

 下関市にある梅光学院で、「改革」を巡って経営陣と教員・父母・同窓生・生徒たちとの間で衝突が起き、本間理事長の退任を求める署名が広がりを見せている。「梅光の未来を考える会」が訴えた署名は1万7000筆に達するなど、下関市内だけでなく広範な人人のなかで関心を呼んでいる。本紙はこの間、地方の私学において何が起きているのか、どうしてそこまで同窓生や教員、父母や子どもたちが怒っているのか、相当数の学校当事者たちに意見を聞き、真相に迫るべく取材を進めてきた。当初は口が重かった教師たちや学院関係者たちも次第に内実を語り始め、おぼろげながらその全貌が見えてきた。100年の歴史を誇る梅光学院で何が起きているのか、どうすることが教育にとって求められているのか、記者座談会を持って論議した。
 
 学問と教育投げ捨てた文科省路線の産物 建設的な力結集することに展望

 A この間、「梅光がたいへんだ!」という話は伝わってくるが、具体性に乏しく何が問題になっているのか分かりづらい状況が続いていた。それは、一つには解雇というか辞職に追い込まれた教師たちの口が重く、はっきりとしたことが伝わらなかったからだと思う。苦しくても辛くても話せない抑圧感があったようだ。家族にすら打ち明けられずに悩んでいた教師もいた。
 B 同窓生の1人は、3月5日の集会に参加して初めて梅光の実態を聞き、ショックと憤りを感じて署名を集めてきたが、詳しいことがわからなかったと話していた。自身はキリスト教信者ではないが、梅光の精神やそこでの出会いで教えられたことは多かったという。梅光を別物にしていくのは許せないと話していた。「尋常ではない事態が起こっているぞ」ということで同窓生を中心に署名は広がった。そのなかで、先生たちが経験したことや学院運営を巡るさまざまな問題が浮き彫りになってきた。
 D 表面に出てきたのは、教師をパワハラで退職に追いやるという労使関係の問題だった。そのやり方も確かにびっくりするようなもので、ブレインアカデミーによる「研修」は最近流行している首切りビジネスそのものだったが、取材を進めるなかでわかったのは、その労使関係も含めて四年前からやられてきた「改革」に問題の根源があり、教師・生徒・学生たちと学院経営陣との矛盾が激化してきたことだった。
 E 地方の私学が少子化のもとで生き残るのは大変な困難をともなっている。梅光も同じで、中・高校が男女共学になったときも世間は「生徒確保でたいへんそうだ」と話題にしてきた。東亜大学がアジア圏から留学生ばかり連れてきているのもしかり。学生や生徒の確保が経営にとって生命線になってくることは誰でも分かる。問題は、そこで何がやられたのかだ。梅光の場合統轄本部長の只木徹氏が赴任して次第に実権を握り始め、文科省官僚だった本間政雄氏を理事長に引っ張ってきたところから、それまでと明らかに違いが出てきた。彼らは地元民からすると「よそ者」になるわけだが、外部から乗り込んできた力によって「梅光が別物にされている」という思いをいろんな人が口にしていた。
 B 今回の解雇騒動で、結果的に中・高校は21人の教師が辞めていった。全教職員の半数以上になるようで、子どもたちに聞くと離任式は涙、涙だったようだ。生生しい大人世界の事情をさらけ出すものになった。ひどい辞めさせ方に対抗する術がなく、教師集団が各個撃破で追い込まれていったのについて、結束してどうにかできなかったのだろうか…という意見もある。ただ、もともと家父長的な色彩が強かったことや、採用の際には「組合をつくらないように」といい渡されるのが常だったこと、昔からの校風というか、とくに波風が立つこともない雰囲気のなかに「改革」勢力が乗り込んできて、何が何だかわからないうちに物いえぬ支配的な力が加わっていたこと、急展開していく事態への戸惑いのようなものを当事者たちからは感じる。「まさかあの梅光で」とみなが語っているのは、まさにそのギャップからだと思う。昔のイメージからは考えられないようなことがやられていたわけだ。
 D それで何を「改革」してきたのか。近年は学校の壁に「授業料を○%減らします」とか「○○大学に何人入学しました」とか、携帯会社のPRかと思うほど大きな垂れ幕や宣伝文句を並べてアピールするようになった。テレビCMにも出てくるようになった。学生集めに必死だというのは傍目にもわかる。
 E そういう意味で私学の苦境には普遍性があるし、梅光では文科省官僚出身者を理事長に据えて、そのパイプを頼りに補助金を得たいとかさまざまな思惑もあったのだろう。しかし、その結果、文科省路線そのままの「改革」が持ち込まれ、ここまで事態がこじれたというのが実態だ。

 「文学は儲からない」 経営の為学生求む転倒

 C 大学関係者は職業専門学校化してきたことを非常に憂えている。例えば、2015年度から文学部(日本文学科)と国際言語文化学部(英語英文学科、東アジア言語文化学科)が、「文学部人文学科」に統合された。梅光は歴史的に日本文学で知られてきたが、同時に英文学や語学にも力を入れてきた。それが「英語コミュニケーション専攻」「国際ビジネスコミュニケーション専攻」などになり、国際ビジネスコミュニケーション専攻では、ANAと提携してキャビンアテンダントを養成するコースができるなど、「まるでANAのビジネススクールだ」と指摘していた。かろうじて日本文学科を守っているが、宮沢賢治の研究者である中野学院長本人が“文学はもうからない”と公言する始末だ。
 D 子ども未来学科(子ども学部)の立ち上げにかかわった関係者は、保育士を育てる教師を育成する学科という位置づけで、喧々諤々(がくがく)議論をしながら建設してきたものだったという。ところが、その理念を置き去りにして単純に保育士資格をとる薄っぺらな学科になったことを残念がっていた。資格がとれることを売りにして学生を集め、保育士資格を与えるが、それで現場に出て行った保育士が現場に対応できず、すぐにやめていく。深く学問として幼児教育等を探究することよりも、資格がとれるか否かという方向にねじ曲がってしまった。
 A 大学改革は全般的に、企業が即戦力になる学生をいかにつくるかを競っている。梅光も同じようにビジネススクール化の道を歩んできた。直接的には文科省出身者がトップに就いたこともあるが、政府が進めている人文系廃止の動きともかかわっている。「大学の知的劣化」はどこでも問題になっている。企業が求める人材を手軽な商品として市場に送り出す職業専門学校と化してしまい、最高学府としての面目を失いつつある。このなかで梅光でも「文学は飯にならない」といって別の道を探し始めていた。人文・社会科学は現在の人間と社会のあり方を相対化したり、批判的に考察する独自の役割を持っている。ところが、目先の経済的利害につながるか否かがすべての判断基準となり、大学教育全体が底の浅いものになっている。これは大学改革全般に普遍的に貫かれている方向だ。
 D この間のグローバリズム、市場原理を導入した独立法人化もそうだが、遠い将来を見通した学問としての社会貢献ではなく、目前の産業界の要請や国家、地方行政の下請研究・教育機関として役立つことが第一になり、国家統制が強まってきたのも特徴だ。梅光に限らず全国の大学に文科省出身者や事務次官レースに敗れた者たちがたくさん天下り、同じように「改革」を競っている。
 C 「改革」の成果として、確かに梅光学院大学の入学者数は増加した。授業料の2割引きとか給付型奨学金の拡充で学生を集めると同時に、外国人留学生も増やしている。来年度に入学する学生は330人といわれるが、そのうち約30人はウガンダ、ミャンマー、ベトナム、台湾、韓国などからの留学生だ。これまでは台湾や韓国など近隣の国からの留学生が多かったが、今度は日本語も英語も話せない学生を連れてくるようだ。
 A 「改革」の成果が学生数確保だけなら、最終的に東南アジアあたりから連れてくる競争の仲間入りをするだけだ。文科省族の河村建夫がかかわっていた萩国際大学がそうだったが、私学助成金を得るために中国人留学生をたくさん引っ張ってきて、行方不明者が続出して大問題になった例もある。学問探究を投げ出して経営だけが一人歩きすれば、大学の設置目的すら吹っ飛んでしまいかねない。しかし、そうした本末転倒が公立や私学を問わず、全国の大学を舞台にしてくり広げられている。学生が学ぶために大学があるのではなく、経営のために学生を必要とする。少子化のもとで、そうしたパイの奪いあいみたいなことをやっている。
 B 大学改革の背景は確かにあるが、客観視したときに梅光で起こっている事態を「改革派」「守旧派」などと見なすのは誤っている。流言飛語の類いを排除するべく、金銭にまつわる噂も含めて学院経営陣にも質問をぶつけてきたが、教師の扱いにしてもあまりにも乱暴で、とても「改革」=正義といえる代物とは思えない。もっとはっきりいうと、文科省関係者などのよそ者が入り込んで、食い物にしているというのが実態ではないか。真相解明が求められる点は多多あるし、とくに金銭面についての疑問が多すぎるというのが印象だ。
 C 梅光は決して財政難の学校ではない。30億円ともいわれる金融資産を有しているし、数年前には理事長をしていた山田石油の会長が六億円ともいわれる寄付をしている。東亜大学のように金銭の工面に苦労している大学に呼ばれたとして、果たして問題視されているよそ者たちは行ってみようと思っただろうか? 裕福な経営だからこそ魅力を感じたのではないか? という疑問がある。

 本当に赤字なのか? 豊かな資産を食い物に

 B この間の「改革」は財政赤字を錦の御旗にして実行してきた。しかし、本当に赤字なのかだ。本間理事長や只木統轄本部長、樋口学長などの行動を見ていると、今年1月5日の常任理事会で、自分たちの報酬を引き上げる案を出している。それは理事長1300万円、学院長1300万円、学長1200万円、統轄本部長1200万円に引き上げるというものだった。それを見て常任理事が驚いて反対すると、すぐにやめさせる行動に出た。本間理事長の場合、学院にやってくるのは月に1、2回、それも2、3日しか来ないのに1300万円というのは破格の報酬だ。それで、下関に来たときにはグランドホテルの最上階を定宿にしている。とても財政赤字に苦しむ大学トップの姿とは思えない。
 E 中学校の合唱部が1月の声楽アンサンブルコンテスト県大会で金賞をとり、全国大会に行けるようになったが、学校から「今経営が苦しくて金がないから交通費は出さない」といわれ、仕方なく次点の学校に譲って福島に行けなくなった。中高校で教師たちが大量に首を切られて年収300万円程度の契約社員のような教師を増やしているのともあわせて、「ダブルスタンダードだ」という声は多い。
 B この間、学院内部の事情に精通する人人にも取材していったが、みなが丹念に資料を整理しているし、問題点あぶり出しに向けた態勢は整っているように思えた。驚かされたのは、只木氏の出張経費は1人だけで年間400万円という点だ。コーポレートカード(法人カード)にしても月100万円までは自由に使えるというもので、一番使う只木氏がカードを管理しているから、そのほかの人にはチェックしようがない状態になっているという。何に400万円も費やすのか、毎月100万円近くを費やすのかは領収書や明細も含めて重要かと思うが、いったいどんなチェック体制になっているのか、監事は何をやっているのかと、聞いていて疑問に感じた。問題を指摘する監事もいたようだが、逆に首を切られたという話も耳にした。
 C 物品購入にしても不透明なものが多いといわれている。中・高校の生徒たちが一番問題にしているタブレットも、教職員たちの反対意見を無視して推し進め、300台以上を購入した。毎月の学校負担は110万円に上るようだが、ほとんど使っていない生徒も多い。「大好きな先生たちを辞めさせるのに、なぜこんな物にお金を使うのか」という生徒たちの怒りとなっている。
 D そして大きな問題が株式運用だ。表向きは現金預金30億円のうち10億円を運用しているという説明だったが、これももう少し詳しく取材してみると、昨年3月末の段階で、野村證券に5億円、大和証券に5億円(退職給与引当金を入れている)、大和ネクストに5億5000万円と、これだけで15億円を超す金額になっている。さらにこの後「証券は今が底値だから買っておけばもうかる」といって、日興証券の系列に2億円を突っ込んでいるという話で、合計17億円を運用しているようだ。
 運用を株式会社クライアント・ポジションというコンサル会社に委託しており、ここにも約300万円支払っているという。株価の下落が止まらないなかで、損失額はふくれ上がる一方だ。裕福な学院の資金に、証券会社などが寄ってたかって群がっているのもわかる。
 A 「改革」というよりは、こうした学院経営に批判意見を持つ人、抵抗勢力と見なした人を次次に切り捨てていったことに特徴がある。理事、監事などの役員、事務職員を切り、今回は大学や中・高校の教員を大量に解雇した。一方で只木氏は四人も女性秘書を抱えている。
 「気に入った秘書の給与を8万円もアップした」とかも噂話ではなく、真相解明してみたらいいと思う。この3月末で、真面目に働いていた経理の女性2人も解雇してアウトソーシングするようだ。25日に開かれる理事会で現監事2人が解任されるという話にもなっている。
 D 梅光の経営状態を知る人たちは、「赤字、赤字というが、梅光には借金がない。30億円持っていれば、こつこつ地道にやっていけば十分な経営状態だ」と話している。中・高校については少子化の下でここ数年は年間1億円ずつ赤字が出ていたようだが、21人もの教師を解雇しなければならないほど、ましてやつぶさなければならないほどの経営状態ではないという。
 B 私立中・高校に対しては、学校規模(生徒数)が1~299人には50万円、300~599人には100万円、600人以上には200万円の補助金が出ており、加えて生徒1人当たり(保護者が市内在住に限る)には1万5000円の補助金も出ている。それを合計した額は下関短期大学付属高校では318万5000円、早鞆高校は1256万円、国際高校は527万5000円、梅光高校は537万1710円。さらに国(県)からの助成金も生徒1人当たり34万円ある。市内の私立高校の関係者も「赤字を理由に首切りするのは私学の常套手段だ」と指摘していた。
 A 現金で30億円も持っている私立学校というのはお金持ちだ。東亜大学などは私学振興財団に毎年2億円ずつ返済している。とても投資に回す貯金などない。梅光はお金を持っているからこそ証券会社も喜んで飛びついているし、そのお金をみんなで食い物にしているのが実態ではないか。駅前のホテルに暮らしている資産運用担当職員についても、どこからそのようなお金が出ているのか真相解明したらいいと思う。自分のカネで単身赴任のホテル暮らしなどするものだろうか。

 梅光100年の歴史 評価高い日本文学研究

 D 一般市民のなかでは「あの梅光で」というショック、驚きが大きい。100年の伝統がある梅光のイメージといえば、地道ではあるが下関の歴史のなかで存在感があり、下関の風格に一つの影響を与えてきた。かつては「上流階級の子どもが行く学校」だった梅光での騒動が、今の下関の疲弊と重なり、商業都市・水産都市として繁栄した下関の衰退の象徴だという論議にもなっている。よそ者に引っかき回されて散散な目にあっている姿も下関の政治経済の状況とそっくりで何ともいえないものがある。
 A 梅光そのものの歴史を見ると、140年ほど前にヘンリー・スタウト博士夫妻が長崎に英語塾を開設したのが始まりだ。彼が下関に来て一番最初につくったのが下関教会で、そこにいた服部章蔵が梅香崎女学校を長崎につくった。その後、梅香崎女学校と山口の光城女学院を合併して、下関に梅光女学院高等学校・同中学校を設立した。それから100年になるが、明治維新後の女子教育を担ってきた学校だ。伝統的には日本文学研究で知られる、まさに人文系だ。
 B 元学院長の佐藤泰正氏は夏目漱石の研究者として知られているし、大学内にある郷土文化研究所にはかつて、国分直一という国内屈指の考古学者がいた。綾羅木郷台地遺跡の発掘にかかわっていた国分博士が、ベトナム戦争のさい企業が砂を採取して遺跡を破壊しようとしたとき、現場で体を張ってブルドーザーと対峙し阻止した歴史は、山口県をはじめ全国の考古学研究者のなかで語り草になっている。そして守られてできたのが現在の考古博物館だ。
 独自の宗教教育が中心ではあるが、一つの理念を持った純潔な教育をしているというところでの信頼があり、学問的・教育的な内容にしても水準の高さは認められる権威があった。

 25日の理事会に注目 子供に責任負う解決を

 D こうした歴史や伝統、地域や同窓生とのかかわりを断ち切るから矛盾になる。あと、宗教戦争の色彩もあって、オンヌリ教会で塗り替えようとしているという危惧は同窓生や関係者のなかに強くある。市内の教会を切ってオンヌリ教会を入れ始めたのが1昨年からといわれている。それが佐藤元学長の死で、たがが外れたように加速したようだ。「梅光の歴史の終焉」とみる人もいる。幼稚園長や中・高校の宗教担当など主要ポストにオンヌリ教会の関係者が就いているのも特徴だ。
 A 労使問題から学校運営、私学の置かれている苦境、さらに宗教上の問題など、さまざまな問題が複雑に絡みあって単純ではない。ただ、「カネがない…」といっている「改革」派が、結構大胆な金遣いであることはわかってきたしそのダブルスタンダードをみなが疑問に感じている。文科省改革路線、英語教育の最先端を梅光でやって、その結果、学校崩壊を引き起こしている。それが「改革」の結果だった。
 E 学校、教育機関であるなら、子どもたちの教育に責任を負うことが大前提だ。
 今回の解雇問題では解雇する側のやり口もひどいが、同時にそれを恐れて逃散するだけでは何も物事は解決しない。今後立て直していくにはどのような力がいるのか、同窓会の援護射撃もあるし、世間の世論も動き始めたなかで、梅光で起きた出来事を一つずつ真相解明も含めて明らかにし、膿をとり除かなければ前に進みようがない。理事長そのほかを解任しただけで何かが解決するわけでもない。どのような大学なり中高校にしていくのか、発展的な力を束ねていくことが事態打開の大きな原動力になると思う。
 A 25日には理事会・評議委員会が開かれるようだが、そこでどういう結果になるのかが注目されている。評議委員会には地元企業のメンバーもかなり含まれているが、同窓生や地域、保護者、生徒たちの思いに対して、どのような態度をとるのか注目されている。あと、投資信託等に突っ込んでいる17億円の金融資産は、この間の株式市場の落ち込みで相当に目減りしていることは疑いない。この焦げ付きも将来的に誰が責任をとるのかが注目されている。理事も評議委員もみんなが蜘蛛の子散らして逃げていったでは話にならないし、子どもたちに責任を負わなければならない。それこそ学院経営の抜本的な改革が迫られるところへきている。


涙、涙の離任式……梅光学院中・高校

長周新聞(2016年3月21日)
 ∟●涙、涙の離任式……梅光学院中・高校

涙、涙の離任式……
梅光学院中・高校
生徒に深い印象残す

2016年3月21日付

 「財政難」を理由に多くの教師が解雇された下関市の梅光学院中・高校で18日、離任式がおこなわれた。どの教師が学校を去るのか、この日まで生徒たちは知らされていなかった。講堂が涙で包まれるなかで教師たちが残した言葉は、子どもたちの心に深く印象を刻み込むものとなった。

 満身の怒り語る教師 担任の退職初めて知る生徒も

 離任式が始まり、校長の「今年やめる先生を紹介します」という言葉で並んだ教師は16人にのぼった。残る教師の方が少ないほどだったという。そのなかには噂になっていなかった教師もおり、また担任教師がやめることを初めて知るなど、衝撃を受けたことを生徒たちは語っている。高校1年生の担任は全員が退職。体育科も専任教師全員、英語科は昨年と1昨年に採用された2人を残し、古参の教師はほぼ全員だった。国語科も4人のうち3人など、生徒たちが長く信頼を寄せてきた教師たちだった。
 「本当はやめたくないのに、やめさせられた」「腹が立って腹が立ってしかたがありません」「パワハラに負けてやめるような人間ではないことをわかってほしい」。教師たちが一人一人発言を始めると、講堂中が涙で包まれたという。
 ある教師は、「この学院を愛してもいない人たちによって学院が踏みにじられている」といい、またある教師は、「教師を6人やめさせて4人採用するなら、やめさせる教師は2人でよかった。この学校が数学の足し算・引き算ができる学校かどうか、あなたたちが来年確かめなさい。私たちは確かめられないから」とのべた。
 一人の教師が、「古い教師がいたら今の梅光がなくなる」といわれ希望退職に応じたこと、生徒会などが署名するのを見て「やっぱり梅光に残りたい」と思い取消を求めたが、受理されなかった経緯を涙ながらに語るのを聞き、慕っていた高校2年生たちは大泣きしていたという。
 また、昨年秋頃から突然姿を見せなくなり、生徒たちが心配していた宗教主任も出席。離任式への参加も迷ったが、生徒たちから寄せ書きが届いたり、自宅に押しかけてきたり、同僚の教師たちに後押しされて出席したことを語り、「学校を見るだけで苦しかった」と思いを語ったという。
 教師が語る内容は、「私たち生徒にとってはびっくりすることばかりだった」という。悲しみと同時に教師たちの満身の怒りにふれ、多くの生徒が悔しさ、怒りを募らせている。
 これほどの教師が去り、4月から学校はどうなるのか、中・高校が今後どうなっていくのか不安も広がっており、「自分たちのときはまだ学校はあるのだろうか。大丈夫だろうか」と語りあわれている。
 子どもを育てる教育の場で、教師も子どもたちも、これほどの思いをしなければならない学校とは何なのかを考えさせる離任式となったようだ。


梅光学院騒動の真相に迫る、なぜ14人の教師は辞めたのか

長周新聞(2016年3月18日)
 ∟●梅光学院騒動の真相に迫る、なぜ14人の教師は辞めたのか

梅光学院騒動の真相に迫る
なぜ14人の教師は辞めたか
理事長解任署名の背景

2016年3月18日付

 今年に入ってから、下関市にある開学100周年を迎えた梅光学院で中・高校の教師14人、大学の教員8人が辞めることが明らかになって以後、生徒たちが「先生を辞めさせないでほしい」と署名活動を始め、3月5日には保護者、教職員有志、卒業生らが300人の集会を持って「梅光の未来を考える会」を設立。現経営方針の転換と理事長の解任を求める署名運動を展開してきた。署名は卒業生を通じて全国区で広がり締切の14日までに1万5361筆が集まった。16日には代表者らがそれを携えて梅光学院を訪れた。ただ、関係者以外の市民の耳に届いてくるのは「とにかく梅光が大変なことになっている」ということ以外には具体性が乏しく、さまざまな噂や憶測ばかりが飛び交い、いったいなにが起こっているのかわからない状態が続いてきた。本紙はこの間の経過について関係者に取材し、流言飛語ではなく何が真実なのかを問うてみた。
 
 下関で100年の歴史誇る私立 「改革」で学校崩壊の本末転倒

 「梅光の未来を考える会」がおこなっている署名は、「梅光学院は、伝統あるミッション・スクールとして、下関を拠点に、質の高い教育を行い、地元の文化の一翼を担ってきた。しかし“改革”の名のもとでの専横的な学校運営により、教育環境は破壊されつつあり、資金の使途に数々の疑念があるばかりでなく、コンプライアンス違反の疑いも浮かび上がっている…梅光学院の未来のために、私たちは、本間理事長の退任と、現行運営方針の転換を強く要求する」としている。
 生徒たちのなかでは「共学化に反対した先生が辞めさせられるのだ」と話題になっているものの、どの教師が解雇されるのかわからない状況が続いている。そのなかでアンケートをとって校長に提出して説明を求めたり、署名活動をしてきたが、学校が子どもたちに真摯に向き合った形跡は乏しい。先日開かれた高校の生徒総会で「10億円を株に運用している」ことが話題に上るなど、学校に対する子どもたちの不信感も強いものがあるようだ。
 梅光学院でいったい何が起きているのか? どうしてそれほどの教員が大量に辞めていくのか? 何と何が矛盾して、その結果、学校の宝であるべき子どもたちの教育環境はどうなるのか? である。

 希望退職募集が発端 異常な人格否定研修会

 問題の発端は、昨年10月下旬、「財政難」を理由に40歳以上の中・高校の教師11人を対象に希望退職の募集がおこなわれたことだった。
 第1回目の募集で、すでに嫌気がさしていた英語教師らの多くが辞表を提出したとされる。その要因として関係する人人が指摘しているのが、2014年度から只木徹氏(統轄本部長、大学事務長、中高校副校長)が主導する英語教育改革と矛盾が生じていたことだ。その英語教育改革とは、文科省が進める「授業をすべて英語で」を徹底するものだったという。基礎になる文法を教えないので、学力の低い生徒になるとついていけず置き去りになる状況も出ていたようだ。公立高校の受験を希望する中学3年、大学受験を控えた高校3年生には対応できない状況も生まれた。子どもたちが喜ばないことを、いいなりになってやらなければならないことに嫌気がさしたのだという。
 だが辞表を提出した教師は11人に及ばず、数年前から中・高校にかかわってきたブレインアカデミーというコンサルタント会社が前面に登場した。全国で50以上の私学の人事制度の構築・導入などにかかわった実績を売りにするコンサルだが、その実態は、最近問題になっているリストラビジネスを手がける人材派遣会社の私学バージョンのようにも見える。
 まずブレインアカデミーによる「再就職斡旋の説明会」が開かれた。当初は希望者のみだったが、直前になって「全員参加」となり退職を希望していない教師も含めて参加することになった。そして11月14、15日の2日間、まだ辞表を提出していない教師を集め、1日5時間、計10時間にわたって「キャリア再開発」と銘打った研修会が開かれた。学院によると「この研修を受けたのは十数人」。講師はブレインアカデミー特別専任講師の肩書きを持つ西條浩氏だった。
 1日目、「人の目を見て話聞けよ!」と罵倒し、顔を上げると「その目はなんだ!」という場面があったり、「こういう発言をすることからして、あなたはこういう人だ」と嫌みな人格評価をするなど、特定の教師に狙いを定めた個人攻撃と人格否定がやられたことに教師たちは戸惑った。普通の人なら腹が立つ内容だが、事前に「会の趣旨に反することをいったり、講師に反対意見をいう人は退出してもらう」「どうしても辛くなったら退場してよいが、なんらかの処分がある」と釘を刺され、教師たちは我慢するほかない状態に置かれていた。
 続く2日目は、参加者の能力を全面的に否定することに力が注がれたという。年末までの「必達5項目」が掲げられ、「今から頑張って90点、100点になる人がこのなかにいるか? せいぜい60点か65点にしかならない」「このなかで努力して学院が希望する点数になる人はいない」「これがあなたたちの中途半端な成果だ」といった調子で教師の能力を否定。そのうえで、「当事者意識」「自責」といった言葉を強調し、「学校の経営状態がこうなったのはあなたたちの責任」「当事者意識を持って学校改革をしていかないといけない。でも能力がないからよそに行ったらどうか」と、「人生の棚卸し」などの言葉を使ってくり返し巻き返し精神的に追い詰めていった状況を、当事者である教師は明かしている。経営陣の「経営責任」をいつの間にか教師たちにすり替えていく手法だったようだ。
 そして最後に研修の成果を発表するプレゼンがおこなわれ、一人ずつ「今後どれだけ貢献できるか」を発表させられたが、西條氏はそれを聞いて「あなたたちのなかで、私がこの人と一緒に働きたい、この人の力を借りたいという人は一人もいない」といい、続いて中野学院長が、「(この研修は)先生を辞めるまで終わらない。あまり無理をなさらず、他の道も探した方がいい」といった内容をのべたという。初めから「辞表を出すように」と囲い込んでいく研修会だったのか、参加した教師たちにとっては脳みそ破壊をやるブレインバスターがいきなりあらわれ、耐えがたい研修会となった。
 その後、2度目の希望退職の募集がおこなわれた。1回目の条件では退職金について「本俸8カ月加算」だったが、2度目は「6カ月加算」に削減されていた。それでも辞表を提出しなかった教師には、第2段階のブレインアカデミーによる「個別カウンセリング」(1人90分)が待ち受けていた。密室でのカウンセリングの後、第3段階は「面接」で中野学院長、只木統轄本部長、樋口学長、只木氏の秘書・辻野氏の4人に囲まれて、「あなたは来年度はいらない」「来年度の学院の構想には入っていない」と戦力外通告がされていったという。3度にわたる圧力で11人の教師が辞表を提出。今年度末で退職する予定の教師は中・高校全体で14~15人に上っている。
 梅光の教師たちの年収は300万~400万円、長く勤めた人で500万円台と、教師としては決して高給ではない。それに対してブレインアカデミーはたった1人を2日間・10時間の研修に派遣しただけで300万円を得た。時給にして30万円である。さらに驚かせたのは学院の顧問弁護士が渦中で口を滑らせ「1人辞めさせるごとに成功報酬100万円を手にしていた」という話が広まったことだった。11人分の成功報酬を得たとすると1100万円、計1400万円になる計算だ。ただ、この真偽について只木氏に問うたところ「まったくのデマだ」とのべていた。

 教員の大量解雇 来年の授業体制組めず

 これほどの大量解雇でもっとも心配されるのは、来年度からの子どもたちの教育がどうなるかだ。
 中・高校では正規の教師の半数が退職し、大学でも来年度の授業予定も組んでいた准教授が、2月24日になって「総合的な判断」という理由で突然雇い止めの通告を受けており、中・高・大学すべてで来年度の授業体制がいまだに組めていないと指摘されている。ある教員はこうした状況について「入学者が増えたというが、レストランで客が増えたのに料理を出さないようなもの。反教育だ」と語っていた。「改革」した末に教師が逃散するように辞めていき、おかげで学校が崩壊するというのでは本末転倒というほかないが、職安に梅光学院の教師募集の求人が幾つも出ていたのを見て、学外でも懸念する声は高まっていた。

 4年前からの改革 「文学は儲からない」

 今回の問題は突然起こったものではなく、4年ほど前から大学を手始めにやられてきた「学校改革」の一環で、それが表面化したものだと関係者は指摘する。背景には、政府・文科省が進める人文系廃止や、少子化のなかで財政難に陥っている地方の私立大学が、生き残りをかけて熾烈な競争をくり広げていることなど、根深い問題が横たわっている。梅光学院も十数年前から定員割れに頭を悩ませてきた。
 梅光学院の「学校改革」は、2011年10月、現・統轄本部長である只木徹氏(名城大学で非常勤講師をしていた)が梅光学院にやって来て、その翌年の2012年春から始まった。非常勤講師として着任した同氏は、まず事務局を廃止して統轄本部を新設。本部長に就任して人事と金を動かす権限を掌握した。1年たった2013年、ガバナンス(統治・支配)強化のために、只木氏が本間政雄氏(元文科省官僚、大学マネジメント研究会会長)を呼び寄せ、現在の本間理事長、只木統轄本部長(大学事務長)、樋口紀子学長、中野新治学院長(中・高校長)の体制ができあがった。
 「学生数を確保する」こと、「人件費比率の削減」が改革の内容で、真っ先に事務職員の給与切り下げがおこなわれた。意見をいう職員には降格人事や左遷など、容赦のない仕打ちがおこなわれたという。このなかで心を病んだり、学院のやり方に納得できず、半数ともいわれる事務職員が学院を去り、半分が非正規職員になっているようだ。
 2014年からは大学教員の給与切り下げと人員削減が始まった。執行部が「金にならない」とターゲットにしたのは文学だといわれる。梅光学院大学は歴史的に日本文学の研究で知られてきたが、2012年に13人いた日本文学科の専任教員を四人まで削減。残りは非常勤講師でまかなう状態になった。1人1人呼び出して「今年辞めたら退職金を○○円出すが、来年になったら半額になる」という手法だった。
 ある教員は、「梅光は文学や語学に力を入れていたのに、文学はもうからないという。かろうじて日本文学は守っているが、英文学や英語学などはなくし、薄っぺらな学問にしようとしている」と危惧していた。辞めた教員を非常勤で補うなど有期雇用に変え、いつ辞めさせても法律上問題のない手法で削減は進んでいる。
 大学教育にかかわった経験のある人物は、「子ども未来学科を設置したとき、子どもの未来を考えられる人材や研究をどのようにしていくか、喧々諤々(がくがく)論議しながら建設してきた過程がある。それが保育士の資格をとれればいいというものに変わってしまった」という。もともと「保育士を育てる教師の育成」を追求していたはずが、保育士資格をとらせるだけに変わった。教授会の発言権を奪って学長に権限を集中させ、理事会で反対意見をいう理事をやめさせるなど、「守旧派」と見なした人人を学外に追いやるなかで「改革」は次から次へと進んでいったという。
 その結果、高校への生徒募集や宣伝広告の強化、給付型奨学金(1億円ほど)の強化、2013年度からは学費を20%減額するなどして学生数は増加した。「地方小規模大学のV字回復」と、教育情報サイトでとりあげられるほどだ。ベトナムなど東南アジアからの留学生の確保にも力を入れたようだ。学生数を基準にする文科省にとっては、今回のような騒動が起ころうと「優秀な大学」である。しかし、「4年前は赤字が1億2000万円といっていたが、この4年で2億ずつ増え、今累積が8億円といわれている」とも指摘されている。そうしたなかで、学院のなかでも「赤字部門」、すなわち経営者の視点から見たときに不採算部門に映るであろう中・高校にも改革の手が伸び始めていった。

 生徒や同窓生の疑問 不透明なカネの使い道

 地方の私立大学が生き残りをかけて懸命になるのは無理もない。大学として存立するために何を為すべきかはどこの大学でも抱えている重要課題だ。しかし関係者の多くが怒っているのは、これらの「改革」が進むと同時に、不透明な金の使い道、執行部にまつわる黒い噂ばかりが拡大し、説明を求めても明らかにされないことだ。
 例えば生徒たちが問題にしているのは2015年度から導入されたタブレットだ。中・高校の全校生徒と教師全員に、およそ300台ものタブレットが一人ずつ配られた。ある生徒は「学習の記録や授業に使えといわれるが、重たすぎて家に放置している生徒もいる」と話す。学校で充電してはいけないので、毎日持ち帰らなければいけないからだ。「礼拝のときに先生がタブレットを活用しなさいというが、先生さえ使えていないのに意味がないと話になる」という。男子を増やすため、サッカー部をつくってレノファと提携を結んだことも話題になっており、「そんなお金があるなら、なぜ先生たちを首にするのか」と子どもたちは疑問にしている。
 さらにこの間、昨年7月から学院が所有している現金資産のうち10億円の運用を始め、昨今の株価下落で目減りしていることも心配されている。また、「4人の執行部が法人カードを持って好きなように使っており、学内の人間はその支出先を知ることができない」「毎月100万円を使い切っているというのは本当か?」「統轄本部長が報酬を1000万円から1300万円に上げてくれといっているのは本当か」等等、金銭にまつわる疑問も多い。さらに宗教上懸念されている問題として、戦後日本キリスト教団とつながりをもってきた梅光学院のなかに、オンヌリ教会(韓国)のチャペルをつくるという噂など、さまざまなものが飛び交っている。
 あと、教員たちや学院に関係する人人に取材するなかで共通して出されていた懸念は、一連の改革や解雇が中・高校をなくすための布石ではないかというものだった。2013、14年頃に、中・高校の生徒数が減っているにもかかわらず、1年契約の常勤講師を退職者数以上に採用しており、「教師が多すぎるのではないか」と疑問視されてきたが、それらが「正規の教師をリストラするための準備、もっといえば中・高校をいつでもつぶせる体制に向かっている」と真顔で心配しているのである。曲がりなりにも中心市街地の丘の上の一等地に位置するのが中・高校で、広大な用地は高値で取引されることは疑いない。「校舎を新しくしたばかりで、まさかそれはないだろう…」という意見と同時に、そうした将来を本気で心配している人人も少なくない。

 統轄本部長に聞く 中学・高校の存続は?

 これらの疑問や噂が目下、同窓生やその周囲を巻き込んで流言飛語のように拡大している。放置することは学院にとっても不名誉で、真相を明らかにすることによってしか打ち消すことなどできない。学院に取材を申し入れたところ、只木氏と小谷財務部長が対応した。まず第一に、教員不足でカリキュラムが組めないのではないかという疑問については、「雇い直しは(教科によっては)ぎりぎりのものもあるが、授業はきちんとできるようにしていく」という説明だった。
 株式運用については、担当の小谷財務部長が回答し「投資信託、株、債権、リートなど組み合わせたファンドラップでやっている。当然ながら規定があるし、理事会でも承認を得て長期の運用でやっている。決して投機的なことをしているとか、ギャンブル的な話はない」と強い口調でのべていた。昨年七月の運用開始からの目減り分について質問したところ、「株式が下がったパーセンテージの半分くらい」とのべていた。
 毎月100万円の限度額ともいわれている法人カードについて只木氏は「会社だったら当然持つ物だ。監事や公認会計士がみんな見る。絶対に証拠が残るから、むしろ明朗会計だと評議員の企業主もいっている」とのべていた。
 そしてもっとも心配されている中・高校の廃止については「過去10年を見て、普通の会計士が見ればつぶすのが正しい選択だという。今は再建しようという意志でやっている」とのべていた。「今」は再建するつもりであるが、今ではないいつかにその意志がどうなるのかはわからなかった。「今は」を強調していたのが印象的だった。
 また、オンヌリ教会について尋ねると、「奇想天外な発想ですね! そういう話があるんですか!」と驚いた表情をして、「キリスト教の学校だから個人的にはチャペルを建てたいが、今は計画はない」とのべた。

 子供たちの未来の為 真相示し教育的解決を

 この間の梅光学院を巡る騒動は、単なる労使問題で片付けることのできない問題を含んでいる。それは同じように財政難にあえぐ地方大学、とくに私学の姿を映し出すものでもある。しかし聞こえてくるのは、大人たちのどろどろした金の話だったり、支配と被支配のそれこそ専横的といわれる学院運営の実態だったりで、文科省官僚出身だった理事長のもとでくり広げられてきた改革の結末は、何ともしれない印象を放っている。それでいったい、学院に通っている子どもたちはどうなるのかがもっとも心配されている。
 少なくとも、梅光学院は誰かがカネを稼ぐための道具ではなく、子どもたちを教育するために理念を掲げ、100年の歴史を紡いできたはずだ。その梅光学院が乗っ取られる、別物のオンヌリ学院か本間学院にされてしまうという懸念が、同窓生を行動に駆り立てている最大の要因のようだ。
 現在、署名運動は広がりを見せており、学校の行く末を巡る論議が活発化している。お金にまつわる疑問にせよ、正面から真相を明らかにすることによってしか解決の道はない。教師の解雇についても、そのように学校を支えてきた人材を次から次へと追い込んでいく運営にどのような未来が待ち受けているのかである。
 「改革」して大学なり学校が崩壊したというのでは、あまりにも惨い結末といわなければならない。現経営方針を転換させたのちにどのような学校にして、子どもたちをどう育てていくのか、大学であればどのような理念によって人材育成の分野で社会的な役割を果たしていくのか論議を深めていくことが待たれている。建設的な力をつなげていくことしか梅光学院の未来はなく、阻害物があるならば取り除き、どう進んでいくのかが問われている。


福岡教育大学、教授たちが「寺尾氏:学長解任」「櫻井氏:次期学長選考取消し】を学長選考会議に要求

福岡教育大学の学長選を考える会
 ∟●教授たちが「寺尾氏:学長解任」「櫻井氏:次期学長選考取消し】を学長選考会議に要求

【緊急速報!!! 教授たちが「寺尾氏:学長解任」「櫻井氏:次期学長選考取消し】を学長選考会議に要求!!!】
 
 昨日の「西日本新聞」朝刊に、「福教大教員有志が学長解任の要望書」という記事が掲載されました。そこには、84名もの教授の皆さんが署名を添えて、学長選考会議の喜多悦子委員長に対し、寺尾氏の学長解任と櫻井理事の次期学長選考取り消しを求めたとあります。寺尾氏の恐怖政治のもとで、これだけ多くの教授の皆さんが勇気を振るって立ち上がったのを我々市民も黙って見ているわけにはいきません。
 
 なお、同日の産経新聞にも、この件に関する記事が載っています。
 ↓ 
http://www.sankei.com/reg…/news/160323/rgn1603230035-n1.html
 
 市民の皆さん、納税者の皆さん、もはや寺尾氏・櫻井氏のコンビによる大学経営は、常軌を逸しています。両氏が大学経営者として不適格であることを認識させるため、皆さんの健全なご意見を福岡教育大学と文科省に届けましょう。
 ↓  ↓  ↓
「福岡教育大学学長への提案」
https://www.fukuoka-edu.ac.jp/president_form/index
「御意見・お問合せ 入力フォーム:文部科学省」https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry21/

「苫小牧駒沢大学と共に歩む市民の会」発足 市民の目線で大学を応援

苫小牧民報(2016年 3/24)

 学生数の減少が続く苫小牧駒沢大学(佐久間賢祐学長)を支援しようと23日、市民有志らが「苫小牧駒沢大学と共に歩む市民の会」(津川義信会長)を立ち上げた。同会の趣旨に賛同した194の個人と法人が加盟登録。同大で開かれた設立総会には地域住民など約70人が出席し、今後の活動方針などを確認した。

 学生確保に苦戦する同大を応援しようと、明徳町のスプリングタウン町内会元会長の津川義信さんが発起人となり、設立準備を進めてきた。昨年末には同大周辺など市内西部地域の21町内会に案内を送付し、賛同を募った。

 総会で津川会長は、同大の歩みなどに触れながら、「市民目線で、地域住民が大学にできることをやっていきたい」と抱負を述べた。

 大学の活性化を目指した活動方針では、▽大学が開放している図書館や展望室、学生食堂の利用▽大学行事の広報活動▽学生と市民の交流▽大学行事への参加▽草刈りなどのキャンパス整備―などを確認。今後、大学側と協議しながら、具体的な活動内容を決めていく。

 総会終了後、佐久間学長は「大学は教育、研究だけの場ではなく、生涯学習など社会的に大きな役割も担っている。地域の皆さんと手を取り合って大学を運営していきたい」と、出席者らに呼び掛けた。

 田中敏文事務局長は「予想以上の反響に驚いている。大学を守ろうという、市民の思いが強い」とし、「学生、大学と地域のつながりを大切に活動していきたい」と話した。

 同会は、地域を問わず、随時、入会を受け付けている。問い合わせは同会事務局の田中さん 電話0144(71)7236。


国立大の中期計画了承 神戸大など26校組織再編

神戸新聞(2016/3/24)

 国立大学法人評価委員会は23日、文部科学省内で総会を開き、国立大86校が同省に提出した2016年度から6年間の教育・研究や運営の指針となる第3期中期計画を了承した。学部などの組織再編は半数超が予定。神戸大など26校が人文社会科学系の組織見直しを盛り込み、地域の活性化を目指す人材育成や文理融合の学部設置を掲げる大学が目立った。

 計画は文科相が月内に認可。計画の達成状況などを評価委が評価し、各校への運営費交付金の配分にも反映される。

 計画や各大学によると、福井大は教育地域科学部を教育学部に改組するとともに、地域創生に資する人材を育てる国際地域学部を創設する。神戸大は国際文化学部と発達科学部を再編統合し、17年4月に国際人間科学部(仮称)を開設するとした。

 計画内容のうち、各大学が先駆的に取り組むものは「戦略性が高く意欲的な目標・計画」と認定され、達成状況だけでなく経過内容も評価される。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響を抱える子どもや家族への専門的支援を掲げた福島大の計画などを認定することを決めた。

 文科省は昨年6月、国立大に対し、教員養成系と人文社会科学系学部の廃止や社会的要請の高い分野への転換を求める通知を出していた。


奨学金の年間返済額、所得の9%に 文科省会議

日経(2016/3/24)

 奨学金の毎月の返済額を大学卒業後の所得に連動させる新制度について、文部科学省の有識者会議は24日、年間返済額を所得の9%とすることなどを決めた。2017年春に大学や短大などに入学する新規貸与者らが対象となり、卒業後の所得はマイナンバーを使って把握する。

 新制度は日本学生支援機構で無利子奨学金を利用する学生から先行導入する。返済額の下限は月2千円か3千円かで議論が続いていたが、より負担を軽減する狙いで2千円に決まった。所得に対する年間の返済額の割合は9%とした。

 会議で示されたイメージによると、4年間で計約260万円を借りた学生の場合、新制度での毎月の返済額は年収144万円まで2千円、400万円で1万3500円、600万円で2万3500円などと、年収から算出した所得に応じて増える。

 現行の制度では毎月の返済額が固定される。学生は定額の返済方式を選ぶこともできる。年収300万円以下の場合は申請によって返済を通算10年まで猶予できるとした。


2016年03月24日

横浜市立大学教員組合、採用後5年で無期労働契約への転換実現

横浜市立大学教員組合
 ∟●労使交渉妥結

労使交渉妥結

1 採用後5年で無期労働契約への転換実現

   平成22年度以前採用者は本年4月1日より無期労働契約に転換

   平成23年度採用者は平成28年度速やかに無期労働契約に転換

   平成24年度以降採用者は採用から5年後無期労働契約に転換

2 教員評価制度の給与への反映を廃止

合意事項

 合意事項は以下の通り。合意書をそのまま掲載します。

 公立大学法人横浜市立大学(以下「法人」という)と横浜市立大学教員組合(以下「組合」という)は、平成28年3月18日の団体交渉において以下の事項に合意した。

【合意事項】

I. 無期労働契約への転換について 

以下の新たな制度を平成28年4月1日より実施する。

(1) 5年任期の教員(但し、助教は除く)は、採用から5年目に審査を経て、無期労働契約転換権を取得する。3年任期の教員は、採用から通算5年目に審査を経て、無期労働契約転換権を取得する。

(2) 助教については、現行規程どおり、任期の上限を10年とする。

(3) 平成22年度以前に採用された教員は、平成28年4月1日より無期労働契約となる。

(4) それ以降の採用者については、任期の最終年度を迎える年度(3年任期の教員については、採用から5年目)に審査を行い、翌年度より無期労働契約となる。但し、平成23年度採用者については、平成28年度早期に審査を経て、速やかに(平成28年度早期に)無期労働契約となる。

II. 無期労働契約転換の審査の基準と手続き

(1) 無期労働契約への転換審査は、人事委員会において、採用後5年間における当該教員の教育・研究・診療に関する能力、実績、将来性、識見等を総合的に判断する。

(2) 無期労働契約への転換審査の基準は別表1に示す「状況」につながる行動の有無とする。但し、別表1に示す「行動の例示」以外の場合でも、別表1に示す「状況」につながる行動で、教育、研究又は診療等に著しい支障を及ぼした場合は無期労働契約への転換を不可とする。

(3) 過去4年間の確定した評価に加え、審査日までの期間内で特に評価すべき行状を踏まえて審査する。

III. 教員評価制度の見直しについて

教員評価制度の見直しに係る具体的考え方は以下のとおりとする。

(1) 教員評価制度の目的は、教員一人ひとりの能力や業績の向上を図り、結果として大学の各種活動が活性化するものとする。

(2) 制度の骨格については、組織目標を踏まえ、教員個人が年間の自己目標を立て、面談を通じて振返り、確認することによって、能力や業績の向上を図るものとする。

(3) 教員評価結果を給与へ反映させない。但し、SD (Self Development) シートを合理的な理由なく、期限がすぎたにもかかわらず提出しない場合は昇給なしとする。

(4) 教員評価一時金の支給を廃止するとともに、教員のモチベーション向上のための新たな方策に移行する。

(5) 社会が大学に求めている教育方法や、研究業績を目標設定時の必須項目(「基本項目」)として取り上げ、公立大学法人横浜市立大学教員として求められる内容を明確にする。

(6) 新たな教員評価制度の策定に管理職以外の一般教員を参画させる。

(7) 新たな教員評価制度の実施時期は、平成28年度からとする。

IV. 今後の協議について

(1)本合意書に明記されていない事項、特に、任期制や、無期労働契約への転換審査の手続の詳細について、法人と組合は引き続き協議を行う。

(2)新たな教員評価制度実施後は、組合の意向を踏まえ、改善していく。


福岡教育大学、「寺尾氏:学長辞職要求」「櫻井氏:次期学長就任辞退要求」ダブル提出

福岡教育大学の学長選を考える会
 ∟●【緊急速報!!!! 「寺尾氏:学長辞職要求」「櫻井氏:次期学長就任辞退要求」ダブル提出!!!】

【緊急速報!!!! 「寺尾氏:学長辞職要求」「櫻井氏:次期学長就任辞退要求」ダブル提出!!!】
 
 4月から副学長として「院政」を行う予定である寺尾氏が、こともあろうに自分のために豪華「副学長室」を大学の予算で整備中であるという信じられない情報を入手し、早速、福岡教育大学に取材に行ってきました。
 
 寺尾氏の豪華「執務室」が建設されているという噂の現場近くを歩いていると、教職員組合の掲示板があり、それを見て驚きました。

 そこには、同組合が、3月18日(金)に、寺尾氏の「学長職辞職の要求」、そして、寺尾氏を副学長に任命するという非常識な人事を発表した櫻井理事に対して、「次期学長職への就任辞退要求」を出した、とありました。
 
 取材の内容は、また改めて報告致しますが、まずは取り急ぎ寺尾氏への「学長辞職要求」と櫻井氏への「次期学長就任辞退要求」を緊急に速報いたしました。続報にご期待ください。

 何か「山」が動き始める予感がします。

 市民の皆さん、納税者の皆さん、怒りの声をあげましょう。

 ↓  ↓  ↓
「福岡教育大学学長への提案」
https://www.fukuoka-edu.ac.jp/president_form/index

「御意見・お問合せ 入力フォーム:文部科学省」https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry21/


福岡教育大で内紛 一部教員、学長選やり直し要求

産経(2016.3.23)

 福岡教育大(福岡県宗像市)で行われた学長選考会議のやり直しを求めて、同大の一部の教授陣が22日、同大学長選考会議(委員長、喜多悦子・笹川記念保健協力財団理事長)に要望書を提出した。

 同大では昨年11月、寺尾慎一現学長の後任を選ぶ学長選考会議が開かれた。副学長で理事の桜井孝俊氏が、新学長候補者に決まった。任期は4月から4年間。

 この結果に、一部の教授陣が反発した。寺尾氏が学長として、大学の組織改編や教育課程の再編、大学の英語名の変更について、教授会に諮らず、一方的に決定し続けていると主張する。また、桜井氏が学長に就任する際、寺尾氏が副学長となることへの反対意見も強いという。

 教授陣は、寺尾氏の学長職と、桜井氏の学長候補者の解任を求め、164人の同大教授のうち過半数84人の署名を集めた。教育学部の坂本隆則教授は「寺尾氏や桜井氏らが、恣意的に運営している」と訴えた。

 寺尾氏は22日夜、産経新聞の取材に「きちんと手順を経て運営しており、恣意的といわれるのは心外だ」と語った。


授業担当外された准教授、「視覚障害で差別」と提訴

NHK(3月23日)

岡山県倉敷市の短期大学に勤める難病を患う51歳の准教授の女性が、新年度の授業の担当から外されたのは、視覚障害を理由にした差別だとして、学校の運営法人に対し授業を続けられるよう求める訴えを起こしました。
訴えを起こしたのは倉敷市の岡山短期大学に勤務する准教授(51)です。
准教授は視力が低下したり、視野が狭くなったりする「網膜色素変性症」という難病を患っています。
訴状などによりますと、准教授は、授業中に飲食していた学生を注意できなかったことや、試験の採点の際、答案を第三者に読んでもらったことなどを理由に短大側から新年度の授業の担当から外され、事務の担当に替えられたとしたうえで、こうした対応は障害者に対する差別であり不当だとして、学校の運営法人に対し、授業を続けられるよう訴えています。
提訴について岡山短期大学の原田博史学長は、「視覚障害による差別ではなく、これまで支援してきたのに提訴され驚いている。学生にきちんと教えられていないのであれば教員を替えざるをえない」と話しています。

26国立大、人文社会科学系見直しへ 中期計画を提出

朝日新聞(2016年3月23日)

 文部科学省の国立大学法人評価委員会は23日、全86の国立大の運営や改革の方針を定めた「中期計画」を了承した。26大学が人文社会科学系の見直しを盛り込んだほか、地域に根ざした取り組みも目立った。今月中に認可され、4月から運用が始まる。

 文科省は新年度から、国立大が重点的に取り組む内容を三つに分類。このうち「地域に貢献」を選んだ中では、福島大が東京電力福島第一原発事故後の子どもや家庭への支援方法の開発や、支援活動をコーディネートする人材育成を掲げた。福岡教育大は、保護者や地域と協力できる教員を養成するため、学生のボランティア参加率100%を目指す。愛媛大は地域が舞台のフィールドワークやインターン科目を100以上開講するとした。

 「世界で卓越した教育研究」では、東北大が世界最高水準の外国人研究者を招くなどして国際共著論文数を20%以上増やすことを掲げた。

 人文社会科学系の組織見直しでは、山形、千葉、三重、神戸、九州など26大学が学部の統合や学科の再編などを掲げた。昨年10月に公表された素案の段階から大きな変更はなかった。

 国立大は2004年度の法人化以降、6年ごとに中期計画を国に提出しなければならない。


2016年03月18日

学長選考「無効」訴え,下関市立大 選考委員の半数

■朝日新聞(2016年03月15日 西部 朝刊 山口・1地方)

 下関市立大学の次期学長を選んだ昨年12月の選考会議をめぐり、「教員らによる意向投票の結果を覆すなど、選考手続きに大きな問題がある」として、選考委員の半数が決議の無効と審議再開を求めている。教授会構成員の過半数も事実関係の調査などを要求している。一方、同大側は「大学の規程に従って選考した」と反論している。

大学側「規程に従って選考」

 同大によると、昨年12月開催の「学長選考会議」(議長=佐々木孝則同大事務局長)では2人の候補者の中から、次期学長に九州大学付属図書館付設記録資料館長の川波洋一氏を選出した。任期は4月からの3年間。
 朝日新聞が入手した同大教員でつくる[大学の現状を憂える教員一同」が大学側に提出した文書「次期学長候補者選考に関する調査請求」などによると、学長選考会議に先立って行われた教員らの「意向投票」では、川波氏の29票に対し、落選した対立候補は9票上回る38票を獲得していた。
 だが、「選考会議」では議長の佐々木事務局長を含む委員6人が投票を行い、3対3の同数となったため、議長裁定で川波氏を選出したという。
 対立候補に投票した3人の委員は「9票もの大差を覆す明確な理由が無い」「議長が投票権と決定権を二重行使できるかについては結論が得られていない」などと反発。同大理事長にあてた「学長選考結果報告書」の書面への署名捺印を拒否し、公式文書とは認められないと主張している。
 また、同大教授会構成員の過半数にあたる33人の教員も連名で、選考手続きの事実関係の調査と説明を求めている。
 教員の一人は朝日新聞の取材に対し、「学長選考会議は問題の多い選考過程を隠蔽しようとしており,説明責任を果たそうとしていない。公立大学法人に求められるコンプライアンスに明確に抵触する」と話した。
 一方、同大の佐々木事務局長は「学長選考に関する大学の規程では教員の意向投票結果は『参考にして審議』するもので選考結果を縛るものではない」と指摘。「『議事は出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる』とも定めており、議長の投票権を排除していない」としている。(白石昌幸)

梅光学院、経営方針の転換,本間理事長の退任を求める署名、目標を上回る1万6千人

山口新聞(2016年3月16日)

全国から集まった署名簿を集計する梅光学院の同窓会員ら

 下関市の学校法人梅光学院(本間政雄理事長)の教育環境が破壊される-などとして、同窓生らが中心になって設立した「梅光の未来を考える会」が、経営方針の転換、本間理事長の退任を求めて呼び掛けた署名の集計が15日あり、同日夕までに1万6千人近い署名が集まった。

 14日までの9日間で1万人の署名を目標に活動を展開したが、学院運営に納得できない同窓生らが運動の輪を広げて、北海道から沖縄まで全国から署名が集まった。梅光には縁のない市民からも多くの署名が寄せられた。同日夕までの集計では1万5631人、今後も増えそうだという。

 同窓会役員で元教員の梶間真寿美さん(79)は「梅光で受けた教育は素晴らしいものだった。それがここ数年、改革という名のもとで信じられない状況になっている。卒業生として黙っておれない、何日間か立ち上がろうと呼び掛けた結果だ。学院は重く受け止めてほしい」と語った。

 梅光学院大学教職員組合の委員長を務める渡辺玄英文学部専任講師は、署名の数に「皆さんの関心、学校への愛情の深さを示すものだ」とし、「市民の方々からもたくさん寄せられたのには驚いた。学院執行部がやっていることが、いかに社会通念からはずれているかということ」と話している。

 同会は16日午後、署名簿を持って同市向洋町の学院本部で本間理事長に会い、署名の本旨を伝える。17日以降も下関市や山口県、文部科学省などを訪れ、同様に訴える予定だ。

 5日に設立された同会は6日から署名活動を展開。財政健全化などを理由に同学院が中学校高校で一気に11人の希望退職を募集する際に、研修名目の面談に参加した教員から「パワハラだ」と反発の声が上がり、大学で特任准教授の突然の雇い止め通告など人事で混乱が続く学校運営を、「計画性のない人事」「専横的な学校運営で教育環境が破壊されつつある」などと訴えていた。大学では4月からのカリキュラムが決まらない学科、ゼミもあるという。


梅光の未来を考える会、状況の説明と退陣要求がなされました

梅光の未来を考える会
 ∟●本日の通告の概要

本日の通告の概要

2016年03月16日

本日の「通告」は、梅光学院大学 学院長室にて行いました。
学院側は理事長、学院長、統括本部長、秘書室長、「梅光の未来を考える会」側は発起人3名と有志6名が出席しました。また、新聞社など数社も立ち会うことになりました。
17:00から15分程度、「梅光の未来を考える会」による状況の説明と退陣要求がなされました。学院側は、理事長は言葉を発せず、学院長が「真摯に受け止めて今後対応する」と言っただけでした。
今回は、署名は途上という理由で、呈示しただけで学院には引き渡さず回収して参りました。

過去に、「大学の諸問題についての学生自身によるアンケート結果報告」を受け取りながらロクな対応もせずそのまま放置したり、今年1月の中高の署名運動でも署名を受け取った後に形式的な対応をしただけで問題の本質的な対応はせず、また3月の学生による公開質問状に対する返答も内容が無意味であるなど、様々な働きかけに対する学院の姿勢は常に真摯とはかけ離れたものでした。

今回の私たちの活動は署名を集めるのが最終目標ではなく、これからも続いていく梅光の未来を描くことです。
今後の活動につきましても随時ご報告できるよう致します。
何卒、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い致します。

署名結果(暫定)

2016年03月15日

私たちの活動にご理解とご協力を賜り感謝致します。

3月15日にご署名の集計を致しました。
17:30時点の暫定ですが15,631名に上り、目標の1万を大きく上回ることができました。
これも偏に皆様のご協力の賜物と存じます。あらためまして感謝申し上げます。
判明している未到着分もありますので、最終的にはこれらを含めて確定値と致したいと存じます。
各方面への反響の大きさもありますので、しばらくの間電子メールでの署名受付を継続致します。
ご協力頂ける場合にはこれまで同様のメールアドレスで受け付けておりますので署名にご協力頂けましたら幸です。

署名活動はこの会の最初に第一歩でございます。
この皆様からのお志を糧に、梅光を未来に資する活動を続けて参りたいと存じます。
まずは、3月16日17:00に梅光学院大学東駅キャンパス学院長室(予定)において、理事長・学院長に対し、署名の開示とこの会の要求の通告を行います。
お時間が許す様であればこの場へお越し頂き、様子をご覧頂ければと存じます。

これからの活動の詳細につきましては、ブログ(http://baikomirai.seesaa.net/)やツィッター( 梅光未来@baiko_mirai )でお知らせ致しますので、これからもご支援を頂戴できれば幸に存じます。
今後共、ご支援を賜りますようお願い致します。

略式ではありますが、ひとまずお礼とご報告を兼ねて。

2016年03月16日

広島大学原医研、嫌がらせで研究滞る 准教授2人が提訴

■中国新聞(2014年3月4日)

 下記の新聞記事は約2年前の記事であるが,この事件はハラスメントの事案であると判断し,あえて掲載する。現在,地裁に提訴中。(HP管理人)

「嫌がらせで研究滞る」 原医研准教授2人が提訴

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研、広島市南区)の准教授2人が、実験室から機器を撤去されるなどの嫌がらせを受けたとして、教授や大学などに計約1400万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こしたことが3日、分かった。
 訴状によると、教授は原医研に着任した20Il年、同じ研究部門の2人をそれぞれの准教授室から退去させ、学生たち十数人と共同の部屋に移るよう提案した。2人が「狭すぎる」と反対し、協議を求めたが難航。対立が深まる中、教授や教授側の研究者たちは13年5月、共同で使っている実験室から、2人の機器や試薬などを撤去したという。
 2人の申し立てで大学側はハラスメント調査会を設置。2人は機器などの返却を求めたが、いまだに返却されていないとい。
 2人は「精神的苦痛を受けた」として、2月28日に提訴。准教授の1人は「機器が撤去されてから1年近く、研究ができない状態にある。医学の発展に貢献する研究所の理念にも反する」と主張している。
 教授は中国新聞の取材に対し「大学に一任する」と説明。大学側は「訴状を確認しておらず、コメントできない」としている。


広島大学准教授2人が提訴 「研究室撤去迫られ苦痛」

■読売新聞(2014年3月3日)

 下記の新聞記事は約2年前の記事であるが,この事件はハラスメントの事案であると判断し,あえて掲載する。現在,地裁に提訴中。(HP管理人)

 広島大の男性准教授2人が、研究室から退去するよう迫られるなどの嫌がらせを受けたとして、男性教授らと同大学に対し、計約1400万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こしたことがわかった。教授は「本来は自分が使えるはずの部屋に居座られており、私が被害者だ」と反論している。
 訴状などによると、2人は2007年に同大学原爆放射線医科学研究所の准教授となり、大学に割り当てられた2部屋(各18平方㍍)と隣の大部屋(36平方㍍)を研究室に使用していた。
 11年、同じ研究部門に配属された教授が「自分が使う」として2人に2部屋から退去し、大部屋を他の研究者ら十数人と共同で使うよう提案。2人は一人当たりのスペースが2平方㍍になるうえ、教授は別に研究室があるとして抗議した。
 その後、所長や学長が、2部屋と大部屋を一つの部屋にし、その一部を2人に使わせる内容の「裁定」を出したが、2人は納得せず元の2部屋を使用。ほ年5月には、別室に置いてあった実験機材などを教授らに撤去されたという。
 2人は「実験ができないなど研究の機会を奪われ、精神的苦痛を受けている」として先月28日に提訴。大学には教授らの使用者責任があると主張している。
 教授は取材に「他に研究室はなく、精神的苦痛を受けているのは私だ」と話し、広島大は「訴えの内容がわからずコメントできない」としている。同研究所は放射線研究に関する国内の中核施設の一つ。

国歌斉唱なしに文科相「恥ずかしい」 憲法学者、発言撤回求め声明

東京新聞(2016年3月15日)

 入学式や卒業式で国歌斉唱しない方針を示した岐阜大学学長を「恥ずかしい」と批判した馳浩文部科学相の発言をめぐり、憲法学者七人が十四日、東京・永田町の参院議員会館で会見し、「発言は学問の自由を保障した憲法二三条の趣旨に違反する」として、撤回を求める声明を発表した。
 声明は、学問の自由を制度的に保障するのが大学の自治とした上で、「憲法の通説は、政治権力は大学の自治に介入してはならないと考えている」と指摘。九十六人の憲法学者が賛同者に名を連ねる。
 武蔵野美術大の志田陽子教授は会見で「かつてナチスが美術、音楽、映画を統制し国の方針とそぐわないものをおとしめるレッテルを貼った。馳文科相の発言はそれと同じ」と批判。日体大の清水雅彦教授は「憲法二三条を分かっていない人が文科相であることはおかしい」と訴えた。
 研究室に日の丸を飾り、大相撲の千秋楽で一緒に国歌斉唱するという群馬大の藤井正希(まさき)准教授は「それでも国旗、国歌は国に強制されるべきものではない。十八歳選挙権の時代だからこそ、学生の自主的判断を尊重すべきだ」と述べた。
 岐阜大の森脇久隆学長が二月十七日の定例会見で、卒業式などで国歌斉唱しない方針を示すと、馳文科相はその後の会見で「国立大学として、ちょっと恥ずかしい」などと批判した。

岐阜大学長、君が代斉唱しない方針を改めて表明

朝日新聞(2016年3月15日)

 岐阜大学(岐阜市)の森脇久隆学長は15日、今春の卒業式と入学式で国歌「君が代」を斉唱しない方針を改めて示した。これまで通り、大学の愛唱歌「我等(われら)多望の春にして」を歌う。

 森脇学長は定例記者会見の質疑で、「3月の卒業式と4月の入学式は例年通りです」と説明した。馳浩文部科学相が2月23日の閣議後会見で「日本人として、特に国立大学としてちょっと恥ずかしい」と述べたことについては、「コメントを差し控えます」と答えた。

 国立大の入学式や卒業式での国歌をめぐっては昨年6月、当時の下村博文文科相が学長に斉唱を要請。一方、森脇学長は2月17日の定例会見で、今春の卒業式や入学式では大学の愛唱歌を歌う考えを示していた。

 日本科学者会議岐阜支部幹事会は同26日、国歌を斉唱しないとする森脇学長の態度を支持する声明を出した。憲法学者のグループは3月14日、馳文科相に発言の撤回を求める抗議声明を出したと発表していた。


北海道大、研究費2000万円詐取容疑で元教授ら書類送検

毎日新聞(2016年3月15日)

 北海道大の教員が業者に研究費を不正に管理させていた「預け金」問題で、北海道警は15日、研究費など約2000万円を北大からだまし取ったとして、元男性教授(62)と取引業者3人を詐欺容疑で書類送検した。

 捜査関係者によると、元教授が不正に受給した研究費を弁済したとして、北大は15日付で告訴を取り下げた。不起訴処分になる見通しという。

 書類送検容疑は、元教授は業者と共謀し、遺伝子病制御研究所に勤務していた2006?11年ごろ、研究用試薬などの物品を購入したと偽って架空請求し、北大から研究費計約2000万円をだまし取ったとしている。

 元教授が預け金を自家用車のタイヤ購入費や車検費用、高級腕時計の購入費、飲食代に充てるなど私的に流用したとして、北大は13年6月、道警札幌北署に告訴。業者には預け金の1?2割を渡していたという。

 元教授は北大から「懲戒解雇相当」の処分を受けたが、13年7月に退職し、退職金の受け取りも辞退した。

 北大が14年7月に発表した預け金問題などに関する調査の最終報告書によると、04年度以降、不正経理は総額約5億3500万円に上り、元教授を含め教員59人が関与した。このうち56人を処分。私的流用したのは元教授だけだったとした。【日下部元美、千々部一好】

預け金

 教員の架空請求に基づき、大学が支払った研究用物品の代金を業者に管理させた。後で引き出し、目的外の物品の購入に充てたり、私的に流用したりする不正な経理で、北大では2011年7月、札幌国税局の指摘を受けて問題が発覚した。


2016年03月15日

千歳科学技術大学解雇事件は紛れもなく解雇権濫用である

■『千歳科技大不当解雇事件の控訴審を支援する会』会報 第ニ号

 以下は,当HP管理人が,千歳科学技術大学解雇事件に係わり,解雇の不当性と,裁判において解雇権濫用を適用しなかった地裁判決に対する批判を「支援する会」の会報紙上に書いたものである。
 この度,札幌高裁は札幌地裁と同様に不当な判決を下した。原告教員は最高裁へ上告した。現在,申立理由書の作成準備中である。改めて,この解雇事件の知っていただき,支援を頂きたいと思う。
(「国公私立大学の事件情報」HP管理人)

千歳科学技術大学事件は紛れもなく解雇権の濫用である

 千歳科学技術大学で原告教員が解雇された事件は,紛れもなく解雇権の濫用である。これまで日本の大学において,学内で権力を持つ人物(理事長,学長など)が様々な理由から教職員を学外に排除するために「教員不適格」のレッテルを張って解雇する事件は数多い。しかし,大学教員が学長に抗議のメールを送ったことで解雇され,それを裁判所が合法と認めた事案はない。そもそも,抗議メールとそれに対する解雇という報復措置は,与えた影響において全く釣り合わない。その意味で本件解雇事件は,まさに解雇権の濫用にほかならない。

 このことは,裁判所の判断を待つまでもなく,初めから大学当局でさえ十分にわかっていた。したがって,原告教員を解雇するためには,抗議メールを送ったという事実だけでは極めて不十分であり,別の事由を探さなければならなかった。そこで見つけたのが,大学教員には全く馴染みのない「試用期間」という就業規則の一文である。

 札幌地裁の判決文では,原告の採用にあたり,当該教員人事の公募書類には「試用期間の存在を明示していなかった」が,事務職員の公募書類には「試用期間の存在を明示していた」。また,採用面接の際にも「試用期間の存在を説明しなかった」し,採用通知書の交付においても,同通知書に「試用期間の存在の記載はなかった。」これらは,地裁判決で裁判所が認めた客観的事実である。

 ところが,札幌地裁の裁判官は,大学は「事務手続きについて説明する文書に就業規則を添付」して原告に渡したが,ここで添付された就業規則の中に「試用期間の記載がある」との形式を唯一の判断材料にして,解雇権の濫用法理を適用しなかった。私は,この点こそ札幌地裁判決(2015年5月28日)を「不当判決」と呼ぶ最大の根拠と考える。

 そもそも,大学教員においては,「6ヶ月の試用期間」を設定すること自体が形式的にも実質的にも意味をなさない。この点を裁判官は全く理解していないか,無視している。大学の教員は,一般に4単位講義科目の場合,通年で授業を行う。その期間の途中で担当者を変更することは,単位認定の問題と係わって,死亡や病気など特別な場合を除きあり得ないし,そうした変更を想定していない。もちろん,「試用期間」の結果に備えて代用教員など用意していない。したがって,大学事務職員に一般に適用する「試用期間」をそのまま教員に適用できないし,できないからこそ採用にあたり委員会を設置して研究業績を詳細に判断し,模擬授業で教育能力を評価するなど厳格な手続がとられるのである。千歳科学技術大学においても,「試用期間」が公募書類上で事務職員の場合に「明示され」,他方教員には「明示がなかった」のは,その意味で当然なのである。実際,同大学に在籍する教員うち,「採用後6ヶ月間は試用期間である」旨説明されて採用された者など恐らく皆無であろう。

 また,同大学では,卒論研究のための教授指導は3年生の11月から始まる。原告教員の場合も例外ではなかった。着任後の11月に,卒論研究の学生7名について原告研究室への配属が教授会決定された。卒論研究という長期間の指導責任を任せられたこと自体,原告が「試用期間」中と扱われていなかった証左である。

 以上のことは,大学当局自ら知っていることである。したがって,それをすべて知りながら姑息にも「試用期間」を悪用して解雇し,ゼミ学習や卒論指導など学生の教育権(教育を受ける権利)をも突然奪った千歳科学技術大学は,真理を探究し知を創造する大学の名に値しない。札幌高裁は,地裁のように就業規則の記載文言の形式面だけをもって判断を下さないよう切に希望する。

札幌学院大学経済学部教授
片山一義

千歳科学技術大学不当解雇事件、札幌高裁 またも不当判決

■『千歳科技大不当解雇事件の控訴審を支援する会』会報 第三号(2016年3月15日発行)

怒 不当判決!

控訴審も不当判決 最高裁上告へ

 千歳科学技術大学を不当に解雇された事件の控訴審で、札幌高裁は2016年1月29日、原告の訴えを退けた2015年5月28日の札幌地裁判決を踏襲し、控訴を棄却する不当な判決を下しました。

 すでにこの会報でお伝えしているとおり、本件解雇はいくつもの点で違法であり、それらは法廷に出された多くの証拠から明らかになりました。まさに解雇権の濫用にほかならない重大な人権侵害事件でした。しかし札幌地裁は証拠に基づいた検討をせず、大学法人の主張を鵜呑みにして、原告の訴えを退けました。 原告は、この一審判決を到底受け入れられないとして札幌高裁に控訴し、一審判決の問題点を詳細かつ明瞭に指摘しました。そのため私たち支援者は、公正な審理が行われれば当然、逆転勝訴できるものと考えていました。

 ところが札幌高裁は原告の主張に全く耳を貸さず、わずか4ページという短い判決文によって控訴を棄却したのです。そこで原告はこの判決を不服として、2月9日、最高裁に上告申立をしました。

 長年、専門分野で実績を積み重ねてきた優れた研究者・教育者が、権力者の不当な解雇権濫用によって将来の道を断たれてはなりません。

 私たちは原告教員が千歳科学技術大学に復帰できるよう、また同大学の運営がルールと正義に基づいて適切に行われるよう切に願い、最高裁での公正な審理を求めて引き続きを支援していく決意です。この会報を読まれる皆様には、更なるご支援、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

2016年3月15日

千歳科技大不当解雇事件の控訴審を支援する会
呼びかけ人代表  神沼公三郎 (北海道大学名誉教授)

英和大 元職員らと和解

NHK甲府放送局(3月14日)

甲府市の山梨英和大学が非正規雇用の職員と講師の2人の雇用を一方的に打ち切ったのは不当労働行為だとして、2人が加入する労働組合が県の労働委員会に救済を申し立てていた問題で、大学側が解決金を支払うことなどで和解しました。

県の労働委員会に不当労働行為の申し立てを行っていたのは、山梨英和大学に勤務していたいずれも非正規雇用で30代の元職員と60代の元講師の2人が加入する労働組合です。
2人は去年3月末「一方的に雇用契約を打ち切られ雇い止めされた」として、労働組合が雇い止めの取り消しを求めていました。
これに対し大学側は雇い止めではなく契約に基づいたものだと主張していました。
労働委員会で調査や協議を続けた結果、大学側は、雇用契約は結ばないものの2人に解決金を支払うことなどで和解が成立したということです。
労働組合の河村厚夫執行委員長は「非正規労働者の雇い止めが問題となる中、双方が納得して和解が成立した点はよかった」と話しています。
山梨英和大学は「和解を受け入れたとしかお答えできません」とコメントしています。


所得連動型奨学金 首相、来年4月の導入表明

東京新聞(2016年3月14日)

 参院予算委員会は十四日午前、「社会保障・国民生活」をテーマに集中審議を行った。安倍晋三首相は大学生らが在学中に受けた奨学金について、卒業後の所得に応じて柔軟に月々の返還額を決める「所得連動返還型奨学金制度」を二〇一七年四月の入学者分から導入する方針を表明した。
 首相は「子どもたちの未来が家庭の経済状況で左右されてはならない。希望すれば誰もが大学に進学できる環境を整えたい」と述べた。しかし、返済の必要がない給付型奨学金の導入は「財源の確保や対象者の選定など、さらに検討が必要だ」と慎重な考えを示した。
 所得連動返還型奨学金をめぐっては、文部科学省の有識者会議が二月、月々の最低返還額は二千~三千円で、一七年度から新規で無利子の第一種奨学金を借りる学生を対象に導入する案を了承している。
 首相は、子どもを保育所に入れられなかった母親らが保育制度の充実を求めて政府に提出した署名について「子どもを産み育てる若い家族の環境を配慮に満ちたものにしなければならないとあらためて思った」と説明。安倍政権が推進した待機児童解消の取り組みを上回るペースで、保育所の入所希望者が増えたと説明し「今後も待機児童ゼロに向けて万全を期したい」と述べた。
 改憲については「二十一世紀の日本の理想の姿を私たち自身の手で描いていく精神こそ、日本の未来を切り開いていく」と意欲を重ねて表明。国会発議に関し「与党のみならず、多くの党の支持をいただかなければならない」と述べ、改憲を目指す野党と連携する考えを示した。

2016年03月14日

酪農学園・損害賠償請求事件の控訴人声明、「干場学長解任の重要な根拠が棄却・破棄された」

酪農大学はやっぱり素晴らしい
 ∟●声明「元常務から訴えられていた裁判の二審で逆転勝訴!」

声明

元常務から訴えられていた裁判の二審で逆転勝訴!
-損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件(二審)の判決について-

 学校法人酪農学園の元常務理事が、当時の大学・短大教授会選出評議員である我々6人を相手取って名誉毀損の損害賠償を求めた裁判において、一審では、部分的に名誉毀損が認められる(330万円の請求に対し、6万円の支払い命令)とする判決が下されていたが、本日3月11日に開かれた二審(高等裁判所)の判決では、一審の判決を棄却し、我々元大学・短大教授会選出評議員側の逆転全面勝訴となった! (詳しくは、判決文を参照されたい。)

 この裁判は、我々元評議員6人が学園の民主的な運営をしていきたいという思いから、A教授の解雇に関連して、学校法人の評議員ならびに大学および短期大学部の教員に頒布した文書が名誉毀損にあたるとされ、損害賠償を請求されていたものであるが、二審では、「不法行為は成立しない」とされた。

 酪農学園では、一審の「名誉毀損が部分的に認められた」ことを根拠として、干場学長を解任するための審議をする旨、昨年5月の理事会・評議員会で理事長が公言し、昨年7月の理事会において干場学長の解任を決定した。
 今回の判決は、この学長解任の重要な根拠が棄却・破棄されたことを意味しており、現在理事長・常務理事が中心になってすすめている学園運営の今後に対し、少なからぬ影響を与えるものであると考えている。

2016年3月11日
控訴人裁判参加者一同

酪農学園大学、損害賠償等請求事件・控訴審判決,干場前学長など6名の教員の逆転勝訴 日下雅順元常務理事の完全敗訴

酪農大学はやっぱり素晴らしい
 ∟●札幌高裁・判決文全文(2016年3月11日)

祝 逆転勝訴!

今回の酪農学園大学に係わる損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件(二審)の判決の要約は,以下の通り。

2016.3.11 損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件(二審)の判決の要約


主文
1 本件控訴に基づき,原判決中控訴人兼付帯被控訴人ら敗訴部分を取り消す。
2 上記の部分につき、被控訴人兼付帯控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 本件付帯控訴を棄却する。
4 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人兼付帯控訴人の負担とする。

注意)控訴人兼付帯被控訴人とは6名の前・現評議員,被控訴人兼付帯控訴人とは日下氏のこと。

判決内容の要旨としては,
1.今回の事件のもととなった,A教授への日下氏の事情聴取において,A教授をことさら非難し,畏怖させるような一方的なものであった事 実,および被控訴人が「お前は首だ」といった事実について,事実と信じる相当の理由があると裁判所が判断した。

2.損害賠償の主因である,名誉毀損の故意または過失は上記の理由により成立しない。
3.評議員が出した文書については,①単なる憶測ではない,②配布先が学内にとどまる,③作成者が明記されている,以上の点から評議員として の正当な行為であり,したがって不法行為は成立しない。
4.被控訴人の請求はいずれも棄却すべきところ,一審はそうでなかったので, 一審のうち控訴人らを敗訴とした部分は取り消し,また被控訴人が 請求した部分については,すべて棄却。
5.付帯控訴(日下氏が要求した330万+αの慰謝料と,全教職員への謝罪文配布など)についてはすべて却下。
6.訴訟諸費用については,すべて日下氏負担。
以上

[見解]
これまで,理事会は単なる外部の争いであるが,不法行為等があれば厳正に対処するとしてきた。
今回の高裁判決は不法行為については,一切認められないとの判断であり,理事会における前学長の解任決議事由が崩れることとなった。

「解説」
酪農学園大学元常務理事・日下雅順による同大学学長,教員に対する訴訟事件

1.裁判の経過

(1) 裁判の基本的性格
 学校法人酪農学園の常務理事が,教授会選出の評議員6名に対して,「名誉毀損」を理由に謝罪と慰謝料を求めた事件。北海道私大教連は,学校法人トップによる特定教員への「スラップ訴訟」とも表現している。なぜなら,学校法人の常務理事が,同法人の理事である現役の学長及び評議員会の教員メンバー5人に対して「名誉毀損」で訴えるようなことは,一般にはあり得ないからである。しかも,一旦両者には「和解」があったにも拘わらず,3年経って突然訴訟になったのである。したがって,この事件は,提訴の意図(目的)から判断するに,単に「名誉毀損」の存否そのものが問題ではなかったことは明らかである。

(2) 札幌地裁
(原告)日下雅順(学校法人酪農学園・前常務理事,現在公益財団法人酪農学園育英会常務理事)
    代理人弁護士は,同法人の法律顧問,尾崎英雄
(被告)干場信司前学長を含む大学(教学サイド)から選出された教員・評議員6名

2013年9月31日,提訴(慰謝料300万円と謝罪等を請求)
2015年5月11日 不当判決(慰謝料5万円等で,原告の訴えを認めた)

(3) 札幌高裁
2015年5月25日 控訴
2016年3月11日 判決
名誉毀損に当たらないと判事し,干場学長等の教員評議員は逆転勝訴した。

2.事件の概要

 この事件は,学校法人酪農学園の常務理事(当時)であった日下雅順が,干場信司学長(当時)及び教学側選出の教員評議員5名に対して,評議員会で配布した文書,及び同一内容の文書が添付されたメールを酪農学園大学及び同短期大学部の教員に送信したことについて,「名誉を毀損された」と主張し,慰謝料300万円及び謝罪文の配布を求めて札幌地裁に提訴した事件である。

 この訴訟事件そのものについては,以下の『財界さっぽろ』(2015年5月号)で取り上げられたことがある。参照されたい。
http://university.main.jp/blog/bunsyo/201505zaikaisapporo.pdf

 この事件は,元北海道副知事・麻田信二が2007年に学校法人酪農学園の理事長に就任して以降,今日まで進められてきた専断的学園支配体制構築(理事長・常務理事の任期廃止,学長,学群長の公選制度の廃止など)のプロセスに位置づく訴訟事件である。実際,理事長の麻田信二は本件地裁判決(2015年5月11日)で,被告側が敗訴したことを理由に(すなわち,干場学長が常務理事の「名誉を毀損した」ということを理由に)干場信司学長を解任をした。

 今回の「名誉毀損」事件が,学長解任事件及び理事会の専断体制の構築とどう絡んで推移したかは,以下のように一連の出来事を年表にするとよく理解できる。麻田理事長は,これまで,マスコミ等対しても,当該訴訟問題は「個人と個人の争い」(「財界さっぽろ」2015年5月号)との見解を示してきた。しかし,①日下氏は麻田理事長の就任と同時に常務理事に昇格したこと,②また,日下氏が常務理事を降りて以降現在に至るも学園の関連組織である「酪農育英会」(7億円余の奨学資金を運用している)の常務理事の役職にあり,麻田理事長もその役員のひとりであること,③発端から3年もたって突然「名誉毀損」問題を持ち出し提訴してきたこと,④学校法人の顧問弁護士自らが,大学を3年前に退職した日下氏の代理人弁護士を担当し続けてきた事実(これは極めて不自然である),⑤さらに待っていたかように地裁判決の直後,任期の途上であった干場学長に学長職の「辞職」を「勧告」し,さらに理事会を開催して強引に学長を解任した事実などから判断して,理事長と被控訴人・日下雅順が一体となり,当該事件を利用して下記に示されるような理事会専断体制をつくりあげてきたことは明らかだと思われる。

2007年
 元北海道副知事の麻田信二が学校法人酪農学園の理事長に就任。

2009年
 大学名変更問題,旅費不正請求処分問題等が発生
 干場信司前学長(当時大学院研究科長)は教授会選出の評議員7名の1人として行動。

2010年
 4月 干場氏を含む評議員の教授6名が,「旅費不正請求処分」問題に関する文書「酪農学園の三愛精神を憂う」を配布。同文書内で,批判を受けたと感じた常務理事・日下雅順が抗議文を配布。教授会はこの常務理事の文書に対し,謝罪と内容の一部撤回を要求する決議をあげた。
 5月 学内評議会懇談会で理事長が「自粛要請」,教授会と常務理事の争いは沈静化。
 6月 日下常務理事,任期満了で退任。

2013年
 4月 干場信司氏が,理事会依リの対立候補者を僅差で破り,学長に就任。
 6月 日下雅順(元常務)が,3年の期間をおいて,突然,干場学長ら6名に対して「名誉毀損」を理由に慰謝料を求める「通知書」を送付
 6月30日 日下雅順(元常務)は慰謝料340万円を求め名誉毀損で札幌地裁に提訴。

2014年
 4月 理事会は寄付行為等検討委員会を設置。
 10月 全学教授会は,理事長と常務理事の任期を廃止する寄付行為改正案(第1回目)について反対決議をあげた。また,教授会構成員の87%による反対署名を麻田理事長宛に提出。
 11月 理事会は教授会の反対と評議員会からの慎重審議の要求をはねつけ寄付行為改正案を決定。
 12月 全学教授会は,上記理事会決定を批判する決議案を採決。

2015年
 1月 理事会 第二回目の寄附行為を改定する答申案(学長,学群長,研究科長の選挙制度を廃するなど)の提出。
 2月 全学教授会は,上記答申の反対決議案を採択。
 3月 全学教授会は,上記答申への継続審議を要求する声明書を決議。
 3月25日 理事会・評議員会は,上記答申に基づく寄附行為改定を決定。
 5月11日 「名誉毀損」事件の地裁判決。
 判決内容は,名誉毀損を容認,慰謝料6万円,訴訟費用の95%は原告負担,謝罪文の提示は必要ない
 5月25日 「名誉毀損」事件について,札幌高裁に控訴。
 5月25日 理事長が干場学長に,口頭で辞職勧告。示された理由は,「財界さっぽろ」5月号の記事と名誉毀損の地裁での成立など。
 7月14日 理事会は学長の解任を決定。

(出所)「学長解任に関する経緯」(特別講演会「酪農学園大学学長解任事件とその背景を考える」配布資料)に基づき一部加筆

梅光の未来を考える会、梅光学院に対する現経営陣の運営方針に反対し、理事長・本間政雄の退任を強く求める

梅光の未来を考える会
 ∟●署名活動のお願い
 ∟●署名用紙

署名活動のお願い

 新聞報道で御承知の通り、梅光学院は現在、混乱の極みにあります。

 長い歴史の中で、梅光学院は、伝統あるミッション・スクールとして、下関を拠点に、質の高い教育を行い、地元文化の一翼を担ってまいりました。
 しかし、「改革」という名のもとでの専横的な学校運営は、多くの教職員の退職・巨額の資金運用による損失を誘発し、時間外労働及び休日労働にかかわる賃金未払などの法令違反にもつながっています。また、中・高・大学ともに、4月新学期からの教育に支障はないのか、憂慮すべき状況です。
 今のままでは、梅光の教育理念も梅光の未来も閉ざされてしまいます。
 そこで、わたしたち有志は、本間理事長の退任と、現行の学院運営方針の転換を強く要求致します。
 
 以上の趣旨に御賛同下さいます方は、別紙署名用紙に、御芳名と御住所をご記入くださいますよう、お願い申し上げます。また、ご多用中まことに恐縮ですが署名用紙は、3月14日(月)までにご返送下さい。
 
 なお、今後の「梅光の未来を考える会」活動報告をご希望される方は、住所欄にFAX番号もしくはメールアドレス、電話番号をお書き添え下さい。
 
 最後に、梅光が目指す教育と、梅光の未来を取り戻すために、お力とお知恵を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

2016年3 月5日   

「梅光の未来を考える会」

学校法人梅光学園、同窓生ら 本間政雄理事長の退陣を求め署名活動

山口新聞(2016年3月6日)

理事長退陣を求める署名活動 梅光学院同窓生ら300人集会-下関

 下関市の学校法人梅光学院(本間政雄理事長)の運営をめぐり、同窓生らが5日、経営方針の転換や本間理事長の退任を求めて「梅光の未来を考える会」を同市細江町の市生涯学習プラザで設立した。

 学院が運営する中学校高校や梅光学院大学の学生、同窓生、3月末で契約終了を言い渡された同大の矢本浩司特任准教授、保護者ら約300人が集まった。

 学院をめぐっては財政健全化を理由に、中学校高校で40歳以上の教員(常勤講師と非常勤除く)に希望退職を募集。現役教員によると、対象外の教員を含めて14人が退職届を出しているという。対象の教員に外部のコンサルティング会社が行う研修を受けさせており、参加した教員から研修内容が「パワハラだ」と反発の声が上がっていた。

 集会では同大や中学校高校の関係者が「計画性のない人事」などを指摘。矢本特任准教授が雇い止めの経緯などを説明し、「生徒や学生を中心に考えた対応をしてほしい」と求めた。中学校高校の教員が「パワハラ」研修について、「言葉の暴力で個人攻撃するようなことがあった」と訴え、講師の具体的な言動を説明するたびに会場がどよめいた。

 同窓生が本間理事長の退任を求める決意文読み上げなどがあり、現経営陣の運営方針に反対し理事長の退任を求める署名活動を始めることを決めた。署名簿には「専横的な学校運営により、教育環境は破壊されつつある」「コンプライアンス違反の疑いも浮かび上がっている」などの文言もあった。8千~1万人分の署名を目標に、14日まで続ける。理事会が開かれる3月下旬までに本間理事長に届ける。

■人気准教授 突然の契約打ち切り 学生反発、抗議文送付

 梅光学院大学(下関市)の特任准教授が3月末での契約打ち切りを突然通告されたことに、ゼミ生を中心に学生が「納得できない」と反発、大学側だけでなく、県や文部科学省などにも反対署名を添えて抗議文を送ったことが5日分かった。3月末での事実上の解雇通告を受けた同准教授は、学生による授業評価がトップランクとされるが、学生が動いた背景に、多くの教員が年度末で去ることへの、学院側に対する不信感ものぞく。

 教員は同大学文学部の矢本浩司特任准教授(43)で専門は日本文学。1年ごとの雇用契約で昨春から教壇に立った。学生の人気が高く、一般講義のほか受け持つ日本近代文学ゼミに、来年度は新たに文学研究13人のうち10人が志望するなど集中し、調整が急がれる矢先の通告だった。

 赴任して間もない昨年7月の学生の授業評価アンケートでいきなり評価最上位ランクになり、教員の教育力向上を目指すFD委員会の副委員長を命じられた。年4回の同アンケートで准教授は常に最上位に入っていたとされる。

 准教授によると春休みに入った直後の2月24日、学院長室に呼び出しを受け、樋口紀子学長から「3月末の契約期間終期をもって雇用を終了し、以後は更新しない」旨の通告書を突然渡された。理由をただしても「総合的な判断」としか説明がなかった。

 准教授は「学校運営などで疑問に思う点を中野新治学院長に何度か申し入れた行動が、おそらく契約打ち切りの理由だろう。ハラスメント的に突然辞めさせられる事例は聞いたことがない」と憤る。

 契約打ち切りの事実を知った学生は大学側に(1)准教授の名前も入る4月からのカリキュラム、時間割がすでに決まったなかで、春休み中に通告した理由(2)授業評価アンケート結果の明示と具体的な雇い止め理由-などを1日付の公開質問状で示し、契約打ち切りの白紙撤回を求める。

 「学生有志」による抗議文、公開質問状は同学院の理事長、学院長、学長、統轄本部長宛てだが、「実態を知ってほしい」と文科省や県教委などにも送った。

 春休み中で多くの学生が帰省するなか、1日から3日間で103人の学生から抗議の意思表明を得た。

 学生らは矢本准教授について「講義は固定概念にとらわれず、とても幅広い視野で文学に迫った」「常に課題を出しながら個々にアドバイスするなど、真摯(しんし)に学生と向き合った」「教職の授業では、自身の体験を交えた心構えなど、懇切丁寧だった。契約を切る理由はどこにもない」と授業の充実度を口々に語る。

 学生が大学外に向けて動きだした背景には、学生らによると、2015年度末でゼミを受け持つ教職員が少なくとも6人も退職、他にも「数人が納得できない形で大学を去る」という窮状がある。
 
 15年度で卒業する学生は「新入学生には不安が広がるかもしれないが、学院側への不信感が在学生に根強く、後輩のためにも、学外で訴えるしか解決できないと決断した」と話す。

 樋口学長は「雇用契約等の判断は個人の評価に関するものであり、プライバシーに関わるもので回答できない。本学では教員の雇用関係は、教育の質や学院職員としての資質等をふまえて適切に判断している。学生に対してはきちんと話し合いの場を設けて説明する予定」とコメントした。


岡山大学における暴挙

一研究者・教育者の意見
 ∟●岡山大学における暴挙

岡山大学における暴挙

 昨年の9月22日、12月7日、今年の1月10日の記事で、研究不正告発をした岡山大学・森山、榎本両教授への処罰が、報復行為の疑いが極めて強いことを述べた。その事件がまた新たな局面を迎えている。

 現在、両氏は仮処分および本裁判で解雇無効を訴えている。………(以下,省略)。 上記HPへ


2016年03月12日

大学入試改革、新共通テストに記述式 文科省会議報告案

毎日新聞(2016年3月11日)

 大学入試の新制度の設計を進めている文部科学省の専門家会議が11日あり、最終報告案が示された。2020年度から導入する新共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は記述式問題を新たに入れることを盛り込んだ。ただ、採点に時間がかかることから記述式を分離・前倒しする案が浮上している実施時期については、高校関係者との調整が詰め切れず、同日実施案も含め今後の検討対象とし、結論は来年度以降に先送りされた。

 今後、専門家らがさらに議論し、17年度初頭までに実施時期や試験科目などを示す「実施方針」を作る。

 学力評価テストは現在の大学入試センター試験に代えて導入する。問題はマークシート式と記述式で構成し、記述式は当面、国語と数学で実施する。「2段落構成で解答せよ」といった条件付きの出題にする。

 当初は記述させる文字数が40?80字程度の短文式とし、24年度以降は文字数を200?300字程度に増やす。採点に必要な期間は1?2カ月間と見込む。マークシート式も思考力などを重視した問題に改善する。各大学には、各受験生のテストの小問ごとの解答状況を提供。それによって、大学側は基礎問題の得点を重視したり、思考力を問う問題に比重を置いたりできる。24年度入試以降はパソコン上で解答する方式(CBT)の導入を目指す。

 各大学が実施する個別入試は、学力評価テストの結果のほか、面接や論文、高校時代のボランティア活動や部活動の実績などから、多角的な視点で評価し、合否を決める。

 高校生の基礎学力の定着度をみる「高校基礎学力テスト(仮称)」は、高校版「全国学力テスト」の位置づけ。19年度の導入当初は国語、数学、英語の3科目。出題範囲は、中学レベルから高校の共通必履修科目までとする。各高校に整備されているパソコンを使ってのCBTが前提で、高校1年から学校の判断で実施時期を選んで受けられるようにする。テストは難易度別に複数種類作り、各学校が選ぶ。問題例は文科省ホームページで公開している。


私大への補助金、3174億円に減少 15年度

日経(2016/3/11)

 日本私立学校振興・共済事業団は10日、私立の大学や短大、高等専門学校への2015年度の経常費補助金が計約3174億2千万円になると発表した。前年度から約39億円減った。大学566校、短大308校、高専3校に交付する。

 学校法人の前理事長らに勤務実態の伴わない給与など約9900万円の不正支出があった嘉悦大学(東京都小平市)は50%減。学校法人の元学園長が私的流用をしていた西武文理大(埼玉県狭山市)、裏金問題が発覚した中学・高校と同じ法人が運営する大阪産業大(大阪府大東市)はそれぞれ25%減額された。


山形大教授が院生にセクハラ、減給処分

山形新聞(2016年03月11日)

 山形大は10日、指導する女子大学院生にセクハラ行為をしたとして、60代の男性教授を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にしたと発表した。男性教授は複数回、この女子大学院生の頭に触れたり、肩をもませたりしていたという。

 山形大総務部によると、女子大学院生は2014年10月末から15年4月末にかけ、週に1、2回程度、この男性教授から研究指導を受けていた。男性教授は女子大学院生を指導する際、頭に触れたり、肩もみをさせたりしていた。行為について認めているという。

 山形大が設置しているキャンパス・ハラスメント相談員に対し、今年1月に相談があり、教授から事情を聞くなど調べていた。9日に役員会を開き、10日付での処分を決めた。


滋賀医科大学、看護学科教授を懲戒解雇 教え子の修士論文を盗用・改ざん

クリスチャントゥデイ(2016年3月9日)

滋賀医科大学(大津市)は9日、教え子の修士論文を盗用・改ざんして、自身の論文として学会誌へ投稿していたとして、同大医学部看護学科の教授を懲戒解雇処分にしたと発表した。調査の結果、教授の論文は修士論文と95パーセント同じだったという。処分は1月28日付。

発表によると、不正があったのは、教授が2012年12月に単著で学会誌へ投稿した論文。昨年6月、この論文について「修士論文に酷似しており、盗用・改ざんに当たるのではないか」とする匿名の申し立てが寄せられ、大学が調査委員会を設置。関係資料の調査や関係者への聞き取りを行い、昨年12月に盗用と改ざんがあったと認定したという。

調査の結果、教授の論文は論述や数値データが修士論文のものと95パーセント同じで、修士論文から31カ所373行、また教授が教え子から受け取っていた修士論文の草稿から2カ所3行にわたって流用されていたという。教授は、この論文を単著の原著論文として発表した理由について、「(教え子の)修士論文作成者と連絡が取れなかったため、共同研究者としての立場で判断し、単著で投稿した」と説明していたというが、共同で研究した形跡はなく、教え子に連絡し、承諾を得る努力をしたことも認められなかったという。

また、教授の論文は、修士論文で用いられている調査データをそのまま用いて作成されているが、論文中に示されている調査期間と実際のデータ収集期間が食い違っており、実際にこの調査期間にデータの収集が行われた事実もなかったため、盗用だけではなく、改ざんもあったと認定したという。

調査結果ではその上で、「研究倫理規範を逸脱する不適切なものであっただけでなく、大学院生の研究指導にあたる教育者として、信義にもとる倫理違反があったものと認められた」としている。

問題の論文については、大学側からの勧告を受け、教授が関係学会に撤回と削除を申し出、関係学会が1月27日付で対象論文を取り消し処分にしている。

滋賀医科大学の塩田浩平学長は、「今回の事態を真摯(しん)に受け止め、今後の研究者倫理のより一層の徹底を図り、再発防止に努める」としている。なお、滋賀医科大学は教授の性別や年齢は公表していない。


2016年03月10日

国立大交付金、42校増額 改革評価で傾斜配分

日経(2016/3/9)

 文部科学省は9日、国立大学が目指す教育研究改革の方向性や戦略に応じ、運営費交付金に差をつける重点支援制度の審査結果を発表した。全国86の国立大のうち、京都大や神戸大など42大学が増額評価となった。43大学は減額となる。増額幅は最大約7千万円、減額幅は同約5千万円だった。

 運営費交付金はこれまで学生や教員の数などに基づき算出してきた。文科省は国立大に特色を打ち出すよう求めており、2016年度から交付金の一部を拠出させ、改革の中身を評価した上で再配分する仕組みを導入。各国立大は「世界で卓越した教育研究」「強み・特色のある分野の教育研究」「地域貢献」から目指す方向性を1つ選び、戦略を提案していた。

 文科省の有識者検討会(座長=稲永忍ものつくり大学長)の審査を踏まえ、各国立大の拠出金計101億円(運営交付金総額の約1%)を再配分した結果、42大学が100%を超えて増額となった。43大学はマイナス評価。旭川医科大は申請せず評価対象外だった。

 「世界で卓越」を選んだ16大学のうち、最高評価は京都大、神戸大、九州大の3大学で、再配分率はいずれも110.3%。九州大は世界トップレベルの大学との共同研究、アジア圏の大学とのネットワーク形成の推進が高く評価された。

 東京大など7大学はほぼ同額の100.2%。金沢大は「戦略の達成状況を判断する評価指標の設定が不十分」とされ、80.2%にとどまった。

 「地域貢献」の分野で拠出分より再配分額が多かったのは24大学。地域創生を先導する人材養成に向け、学士課程の改組を打ち出した岩手大は再配分率が118.6%に上った。京都教育大(75.5%)など30大学は再配分率が100%に満たなかった。

 京都教育大の担当者は「計画の数値目標がうまく表現できず、厳しい査定につながったと受け止めている。戦略をより具体化し、交付金増額につなげたい」と話している。

国立大交付金 宇大など大幅増

NHK(03月09日)

来年度から6年間の国立大学の取り組みについて文部科学省の評価結果が公表され、最も高い評価を受けた宇都宮大学など9校には国から配分される運営費交付金が18%余り増額されることになった一方、25%近く減額される大学も1校あることがわかりました。
文部科学省は「交付金にメリハリをつけることで改革を促進したい」と話しています。

国立大学は来年度から、地域に貢献する大学、特定の分野で拠点となる大学、世界トップ水準を目指す大学の3つの枠組みの中からひとつを選んで取り組み、国から支給される運営費交付金の一部はその内容や実績によって傾斜配分されることになっています。
各大学は来年度から6年間の取り組みを文部科学省に提出していて、評価結果が9日公表されました。
それによりますと、大学の特色を生かした具体的な戦略や方法を示しているなどと評価され、来年度、交付金が10%以上増額されるのは、13の大学です。
なかでも小樽商科大学、帯広畜産大学、岩手大学、宇都宮大学、長岡技術科学大学、三重大学、京都工芸繊維大学、奈良教育大学、和歌山大学の9校は最も高い評価を受け、18.6%増額されるということです。
一方で、10%以上減額される大学は7校あり、最も低い評価となった京都教育大学は24.5%の減額となります。
京都教育大学の日向野隆司理事は「評価結果を受けて戦略を練り直すとともに、減額される分経費節減に取り組みたい。ただ、運営費交付金に頼っている部分は大きく、安定した配分を求めたい」と話していました。
また、文部科学省は「交付金が減額される大学に負担をかけることは承知しているが、交付金にメリハリをつけることで、これまで以上に大学の改革を促進したい」と話しています。


2016年03月08日

全大教、「馳浩文科大臣の国旗・国歌についての介入発言を批判するとともに、大学の自律的判断を呼びかける」

全大教
 ∟●「馳浩文科大臣の国旗・国歌についての介入発言を批判するとともに、大学の自律的判断を呼びかける」

「馳浩文科大臣の国旗・国歌についての介入発言を批判するとともに、
大学の自律的判断を呼びかける」


 馳浩文部科学大臣は、岐阜大学の森脇久隆学長が入学式・卒業式で国歌斉唱をしない方針を述べたことに関し、2月21日、記者団に対し、「国立大として運営費交付金が投入されている中であえてそういう表現をすることは、私の感覚からするとちょっと恥ずかしい」と述べたとされ(2月22日付朝日新聞)、また、2月23日の定例記者会見でも「君が代を斉唱することは、私は望ましいと思っている」「日本人として、特に国立大学としてちょっと恥ずかしい」(文部科学省ホームページに掲載の動画から)と改めて考えを述べた。

 馳大臣のこの一連の発言は、大学、とくに国立大学への不当な介入であり、予算編成権や国立大学法人の中期目標を指示する権限をもつ大臣として不適切なものである。私たちはこれに強く抗議する。

 昨年(2015年)、安倍晋三総理大臣、下村博文前文部科学大臣が国会質疑のなかで、国立大学の式典における国旗・国歌が「正しく実施」されるべきとし、それが「適切な対応が取られるよう要請」すると発言したことに対し、私たちは、「政府はあらためて、国民の思想信条、内心の自由を尊重すること、大学の運営については大学内の議論にもとづく民主的運営、「大学自治」を守ることに立ち返る」ことを求めた(2015年4月22日付け声明「政府の国旗・国歌「要請」方針に抗議するとともに学長・国立大学協会は自律的判断にもとづく行動をすることを求める」)。その後、下村大臣(当時)は、2015年6月16日に国立大学長・大学共同利用機関長等会議において、全国の国立大学長に対して「要請」を行った。

 今回の、馳大臣の一連の発言の問題点を次のように考える。
 第一に、馳大臣は、本来大臣に権限のないことを承知で大学に対して不用意な介入をしているという問題である。
 馳大臣は2月23日の記者会見の中で、「高等教育機関には学習指導要領がないので、教育活動等について強制的、命令的に指示・命令するようなものではない」とし、「大学の執り行う教育活動について、自主的に適切に判断いただければよい」と述べている。文部科学大臣にはこうした件に関して大学に対して指示・命令する権限が無いと表明せざるをえないのである。この点に関しては、昨年6月に下村博文前文部科学大臣が直接国立大学の学長に対して文部科学大臣の立場として正式に「要請」を行ったこととの比較においては、大臣の立場をわきまえた発言ともいえる。
 高等教育機関に学習指導要領が定められないのは、大学に対して、大臣たりともそこで執り行われる教育活動については介入してはならないということの、制度上の表現なのである。このことは最大限尊重されなければならないことを改めて強調しておく。

 第二に、大学における多様な個人の思想・良心の自由を尊重していない点である。
 馳大臣は、21日の記者団への発言で「学長が(斉唱しないことに)言及することはちょっと恥ずかしい」と語ったとされ、また23日の記者会見では、「私が学長だったら、日本社会の多くの方にご支援をいただいて、高等教育に臨む、あるいはおかげざまで卒業します、社会に出てそれぞれの道を歩みます、というのであれば、君が代を斉唱するのが私としては望ましいと思う」と述べている。これは、学長を通して、馳大臣個人の「私」の思想・信条をすべての学生・保護者に求めていることであり、問題である。とくに大学は多くの留学生がおり、また今後ますますグローバル化していくべき時である。多様な意見や背景をもった人々が集う場としての大学を理解し、尊重する姿勢が求められる中での、大臣の発言は重大であることを認識すべきである。
 なお、私たちは、小・中・高校の学習指導要領に国旗掲揚・国歌斉唱を「指導するものとする」と明記され現場においてその指導が強制される現状そのものが、教育現場における思想・良心の自由を侵害しているものとして、今回の大学における国旗・国歌の取り扱いへの介入と同様に非常に重大な問題であると認識していることを改めて明らかにしておく。

 第三に、国が教育の機会を提供し条件整備を行う責任を負っていることを自覚した発言をすべきである。
 馳大臣は、大学で学ぶにあたって公的資金の投入がなされていることを、国旗掲揚、国歌斉唱を求めることの根拠の一つとしている。
 大学は言うに及ばず、教育には、すべての国において、多かれ少なかれ公的な資金が投入されている。馳大臣がいうように、このことが社会的合意にもとづいて行われていることはそのとおりであるが、それを「支援」と言い切ってしまうことは重大な誤りである。
 教育は、日本国憲法第26条第1項ですべての国民に対して保障する「権利」である。国民に保障された権利を実質化するために、国がその機会の提供、条件整備を行わねばならず、その方法の一つが公的資金の投入である。日本は、国際的に見れば遅れてはいたが、2012年に国連国際人権規約の高等教育漸進的無償化条項の留保を撤回したのであり、政府は、高等教育を受けようとするものへの無償化に向けた取り組みを具体的に進めていくべき立場にある。それを、保護者・学生が「支援」を受けていると一方的に位置づけし、感謝の念を表すこと、そしてその方法について軽々に述べたのである。問題のある発言と言わざるをえない。
 付言すれば、高等教育への公財政支出は、OECD諸国最低レベル(対GDP比で0.5%であり、OECD諸国のうち統計のある32カ国中31位(2012年))であり、そのことを熟知する立場の大臣が、公的支出の投入をもって国旗国歌の要請の根拠とすることもまた「恥ずかしい」。

 馳大臣は、これら国旗・国歌に関する一連の発言に先立つ1月10日には、石川県において新聞社会長との懇談の中で、国立大学法人に対する運営費交付金に関し、学長等の学内選考において意向投票を行っている大学に対しては交付金配分を厳しく評価する、と発言したと報じられてもいる(1月11日付富山新聞)。これもまた、大臣の権限を恣意的に発動する意志を示すことによる不当な大学への介入であり断じて許されるものではない。
 今回、岐阜大学の森脇久隆学長が、今春の式典において従来からの慣例である愛唱歌を唄うこと、そして「君が代」斉唱を行わないことを、自律的な判断として明確にしたことについて、高く評価し、敬意を表する。
 私たちは、それぞれの大学が毅然として自律的な判断を積み重ねていくこと、そしてすべての大学人がそのことに責任をもって自覚的に参加することを呼びかける。

2016年3月7日
全国大学高専教職員組合中央執行委員会

嘉悦学園の創立者一族が私的流用 5年で8600万円

朝日新聞(2016年3月7日)

 中高一貫校のかえつ有明中・高校や嘉悦大学を運営する学校法人嘉悦学園(東京都江東区)は7日、2011年4月から約5年間で、総額約8600万円の不正支出があったと発表した。創立者一族が私的に流用していたといい、昨年12月18日付で当時の理事長と法人事務局長を解任した。

 学園によると、当時理事長だった嘉悦克(こく)・前理事長(76)が、自分でボーナス額を決め、1142万円を不正に受給。私的に大阪旅行をしたり車を使ったりしたものも2739万円あった。妻には、勤務実態がないのに3740万円を支出。また、法人事務局長だった長男の康太氏(44)も旅費などとして112万円を不正に受け取っていた。

 一方、文部科学省の指示を受け、昨年11月に設置された第三者委員会は、不正支出の総額を約1億3800万円と認定。7日に記者会見した嘉悦学園の佐野陽子理事長らは「前理事長の母への支出は死亡を理由に集計から外し、新たな資料をもとに学園が旅費などを精査した結果、(不正支出は)約8600万円だった」と主張した。11年以前の不正支出の有無については、「文科省の指示がなかったので調査していない」とした。

 嘉悦学園は不正支出があった約5年間で、国や自治体から計約30億円の助成金を受給している。


2016年03月07日

福岡教育大学の「不当労働行為」は絶対に許せない! 寺尾氏は即刻辞職を! 櫻井氏は即刻就任辞退を!

福岡教育大学の学長選を考える会
 ∟●【教員養成大学での「不当労働行為」は絶対に許せない!!! 寺尾氏は即刻辞職を! 櫻井氏は即刻就任辞退を!】

【教員養成大学での「不当労働行為」は絶対に許せない!!! 寺尾氏は即刻辞職を! 櫻井氏は即刻就任辞退を!】
 
 既にお知らせしましたように、寺尾氏と櫻井氏は、福岡県労働委員会からの不当労働行為救済命令を無視する気のようです。
 
 寺尾氏は、4月以降も、福岡教育大学から「副学長」としての高給を手にする一方で、自らが引き起こした「不当労働行為」の再審査に関わる「多額の費用」までを大学に、そして最終的には納税者に負担させるつもりのようです。そして、櫻井氏も、このような寺尾氏の共犯者です。こんな人達に日本の教員養成を任せるわけにはいきません! 寺尾氏と櫻井氏がいくら無視し続けても、「福岡県労働委員会が寺尾氏の数々の悪行を不当労働行為と断罪した事実」を消し去ることはできません。福岡教育大学にとっても、永遠に消えることのない、開学以来の汚点です。宗像市民としても、本当に残念です。
 
 寺尾氏が大学経営者として不適格であるのは、不当労働行為という違法行為の問題だけにとどまりません。我々の取材によりますと、寺尾氏の経営ミスにより、4月から福岡教育大学の入学定員が15名も減るそうで、これは4年間で計算すると3千万円超の損失になるそうです。また、圧倒的多数の教授の方が反対したのを押し切って、文科省天下り副学長に陣頭指揮を取らせて強行した入試改革も、やはり惨憺たる状況のようです。いずれ予備校が具体的な数字を明らかにすると思われますが、取材によりますと、志願者が昨年度に比べて激減したために、入試の収入が1千万円以上も減るのではないかとのことです。そして、このような入試に関わる経営ミスについては、教育研究担当理事であり次期学長予定者である櫻井氏も、同罪です。
 
 なお、寺尾氏が福岡教育大学に与えたその他の損害(例えば、文法的におかしい?英語名称の変更、実はやらせ選考だった?UI投票、ほか)につきましても、改めてこのページで報告致します。このところ、読者の方からの情報提供が引きも切らず、我々も嬉しい悲鳴をあげております。誠に有り難うございます!
  
 ところで、寺尾氏の経営をチェックするのが仕事のはずの経営協議会のメンバー(=学長選考会議の学外委員)の皆さんは、寺尾氏の数々の経営上の失態をどう思ってあるのでしょうか? 福岡教育大学の経営協議会のメンバーには、大学の顧問弁護士さんも入ってありますが、今の無法状態の大学経営について何の痛みも感じておられないのでしょうか。とにかく、福岡教育大学経営協議会の委員の皆さんには公人としての責務をしっかり果たして頂きたいものです。寺尾氏と櫻井氏が、福岡教育大学に居座って問題を起こし続けることになれば、「経営破綻」というとんでもない事態に福岡教育大学が陥りかねません。
 
 健全な感覚をお持ちの市民の皆さん、福岡教育大学の経営を立て直すために、経営協議会宛に質問状や意見書を出しましょう。
 
<宛先>
 調べてみましたが、よくわかりませんでした。とりあえず、福岡教育大学のホームページに掲載されている「公益通報」窓口を利用してみてはいかがでしょうか。ただし、くれぐれも業務の妨害になるような行為はお慎みいただき、節度をお守りください。
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http://www.fukuoka-edu.ac.jp/…/efforts/compliance/propulsion
(電話、電子メール、FAX、書面または面会)
受付場所:福岡教育大学経営政策課長(事務局2階)
福岡県宗像市赤間文教町1-1
受付時間:平日9:00~12:00 13:00~17:00
※ ただし、夏期の休業期間中は、業務時間を変更または公益通報等の受付業務を休業することがあります。
※ 面会をご希望の方は、事前に電話にて面会日時の予約をお願いします。
Tel:0940-35-1852
Fax:0940-35-1259
E-mail:somkacho@fukuoka-edu.ac.jp (件名に「公益通報」と記載してください。)
 
(書面送付先(郵送等))
〒811-4192 福岡県宗像市赤間文教町1-1
福岡教育大学経営政策課長(公益通報窓口)
 通報者等からの情報を正確に把握し、迅速に対応するため、通報等の際には以下の様式内容を参考にしてください。(この様式を電子メール・FAX・郵送等で送付していただいてもかまいません。)
公益通報・相談受付シート [PDF:17KB]PDF
公益通報・相談受付シート [WORD:36KB]-

2016年03月03日

追手門学院大学不当配転事件、控訴審 学園側控訴取下 落合氏の勝訴確定

祝 勝訴

追手門学院大学不当配転事件控訴審(大阪高裁)において,3月1日,学園側は控訴を取り下げました。
これにより,昨年11月18日の大阪地裁判決が確定し,落合正行氏の勝訴も確定しました。

大阪地裁判決(抄)(2015年11月18日)


深刻化する「奨学金」返済問題 まさに貧困ビジネス化

東京国家公務員・独立行政法人労働組合共闘会

深刻化する「奨学金」返済問題 まさに貧困ビジネス化
強引な返済計画、延滞金、財産差し押さ、追いつめられる若者

 「毎月3万円、235回払い、払えますね」「はい」、「2回守れなかったら、一括返済ですよ。それが出来なかったら財産差し押さえですよ。いいですね」「はい」、裁判官と被告のわずか数分のやり取りで裁判終了。「奨学金返済訴訟」では、いつもこんなやり取りだそうです。
 貧困化が進む中で、親が子の学費を払えなく、今大学生の半数が「奨学金」(有利子)を利用しているそうです。しかし卒業後正社員になれず、非正規・低賃金を余儀なくされ、奨学金の返済が滞る中、「日本学生支援機構」は容赦なく返済を求める訴訟を起こしているとの事です。2012年度では6193件の訴訟、その8年前の約100倍に達しています。「日本学生支援機構」の2014年度の利息収入は約370億円、延滞金収入は約40億円、まさに「貧困ビジネス」と化しています。根本原因は労働者の賃金の低下、若者の不安定雇用とワーキングプアーの拡大、大学の運営費交付金の削減(運営費交付金は2004年度の1兆2,415億円から2016年度1兆945億円。12年間で1,470億円の削減されました)と授業料の値上げです。ちなみに日本政策金融公庫の発表(2月23日発表「教育費負担の実態調査」)よれば、高校入学から大学卒業までに1人当たり899万4000円の教育費が必要との事です。
 1月16日の東京国公春闘討論集会では、都大教の参加者から大学生の実情が話され、「教育費問題は第二の賃金闘争と位置付けるつもりで取り組みを強化してほしい」との訴えがありました。東京国公は都大教、私大教連、私教連の仲間とも共同して、この春闘も大いに奮闘します。


国立大交付金に競争制度-分かりやすい形で改革を進めよ

日刊工業新聞(2016年3月2日)

 政府の2016年度予算案では国立大学の運営費交付金を15年度と同額にした。同時に新年度からは各大学の改革に応じて支給額を増減する新制度が始まる。文部科学省は制度を分かりやすい形で運用しつつ、さらなる改革を推し進めてもらいたい。

 近年の財政難の中で国立大の運営費交付金は毎年1%ずつ減額されてきた。ただ文科省の常盤豊高等教育局長は今後「こうした形をとらない」と明言する。

 減額を求める財務省を説得できた大きな要因は、競争的な改革の導入だ。各大学は昨夏、新たな改革の枠組みである「世界」「特色」「地域」の3類型のうち、どれに沿った改革に取り組むかを選択した。国は交付金1兆1000億円のうち308億円を、この改革の程度に応じて配分する。交付金という基盤的経費に競争を取り入れたことは国立大の歴史の中でも大きなエポックだ。

 交付金の大部分は大学の規模や教職員の退職金で決まる。16年度はこのうち平均1%、約100億円を留保し、競争による配分の308億円の一部に充当する。交付金を留保する比率を定めた「機能強化促進係数」は類型ごとに異なり、「世界」が一律1・6%なのに対して「地域」は0・8―1・2%だ。つまり「世界」を選んだ大学の方が大きな額を留保され、より競争的な環境となる。

 この制度設計は、大学ごとの実情に配慮しつつ変化を促すものだと感じられる。ただ仕組みとして複雑な上に、必ずしも万能ではない。例えば大学の総収入に占める交付金比率は教育大学が7割程度なのに対し、病院収入のある医科大学では2割程度。交付金の1%を留保することで改革を促したとしても、大学によって意識の差は大きいだろう。

 文科省は17年度から、留保する100億円のうち半分を、思い切った改革プランを策定した大学を後押しする新設の補助金に振り向ける計画という。大学関係者の納得を得ながら改革を加速するには、きめ細かく分かりやすい制度運用と同時に、こうした継続的な取り組みが必要だ。


近畿大、志願者数、日本一の見込み…3年連続

毎日新聞(2016年3月2日)

 私立大一般入試の志願者数で、近畿大が3年連続全国1位になる見込みであることが、教育情報会社「大学通信」(東京都)の調べで分かった。大学通信の2日までのまとめによると、近大の志願者数は11万9453人で、昨年の最終志願者数より約5700人多い。2位以下は、明治大10万8055人▽早稲田大10万8039人▽日本大10万3348人??が続く。近大と2位以下の大学とは1万人以上の開きがあり、今後の逆転はないとみられるという。大学通信の安田賢治常務取締役は「近大は広報発信がうまくいっており、新設した国際学部が注目されて人気を高めた」と話している。

2016年03月02日

奨学金返済「結婚や家購入の足かせ」 若者の約3割回答

朝日新聞(2016年3月1日)

 大学時代などに奨学金を借りた若い世代の4割が、返済を「苦しい」と感じていることが、労働者福祉中央協議会が29日に公表した調査でわかった。また、2~3割は、返済が結婚や出産、家を買うときのあしかせと感じているという。

 昨年7~8月、奨学金返済の実態を把握するために労働組合員ら1万7981人を対象にアンケートした。74・2%にあたる1万3342人が回答。このうち3割が奨学金を借りていた。

 不況などのために奨学金を借りる人が多かった34歳以下(2061人)に絞って返済の負担感を聞くと、「少し」「かなり」を合わせて「苦しい」との回答が39・0%だった。非正規労働者に限ると、56・0%に上った。

 卒業後の生活設計への影響では、結婚について「影響している」と答えたのは、「大いに」「やや」を合わせて31・6%。持ち家取得に対しては27・1%、仕事や就職先の選択は25・2%、子育ては23・9%、出産が21・0%だった。いずれも悪影響とみられ、借金があることで「結婚など考えられない」という記述もあったという。

 借入総額が500万円以上の正規労働者と、200万円以上の非正規労働者のうち、それぞれ約5割が結婚に「影響した」と回答した。

 29日に記者会見した同協議会の花井圭子事務局長は「(国は)公教育への支出を増やし、大学授業料を安くするべきだ」と話した。

 134万人(2015年度)が利用する日本学生支援機構の奨学金は、返済者の約半数が年収300万円以下。14年度末時点の未返済者は全体で32万8千人に上った。