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 カテゴリー 2019年10月

2019年10月30日

下関市大問題、臨時監査 大学側の手続きは拙速

NHK山口(2019年10月30日)

下関市立大学が、新たな教員の採用に向けて定款の変更を県に申請したことに、学部長などが反発している問題について、弁護士などによる臨時監査が行われ、「著しく不当な事実は認められなかった」とする一方で、「大学側の手続きが拙速だ」と指摘して、より丁寧な対応を求めました。

下関市立大学では、新たな専攻科の設置に向け、教員の採用や定款変更の手続きを進めていますが、大学の学部長などが「定款の変更は透明性や公正さを損なう恐れがある」などと反発し、県に定款変更を認可しないよう求めています。
こうした中、大学の監事の弁護士と税理士が、この問題について臨時監査を行い、30日、報告書をまとめました。
それによりますと、「大学側に不正行為は認められず、法令違反や著しく不当な事実は認められなかった」としています。
その一方で、一連の手続きの進め方について、「拙速で、教授側に強い抵抗感があることは理解できた」などと指摘し、大学側により丁寧な対応を求めています。
これについて、下関市立大学の砂原雅夫事務局長は、「今後も法令などを順守し、引き続き、専攻科の設置に向けて準備を進めていく」とコメントしています。


2019年10月26日

専攻科新設を見直せ、下関市大学部長ら作業中断を請願

しんぶん赤旗(2019年10月25日)

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2019年10月23日

下関市立大、大学定款変更に瑕疵 学部長ら山口県に留保請願

しんぶん赤旗(2019年10月19日)

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下関市立大定款変更、同大理事ら県に不認可申し入れ

毎日新聞(2019年10月19日)

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2019年10月19日

下関市立大、学部長らが県に請願

NHK山口(2019年10月18日)

下関市にある市立の単科大学で、教員の人事などをめぐり、市議会が大学の定款を変更する議決をしたことは問題だとして、学部長らが、定款の変更を認可する県に対して、留保を求める請願を行いました。

下関市立大学の教員の人事などをめぐっては、市が先月、大学の経済学部の教授などが入る審議会を経ずに、新たに設けられる▼諮問機関としての「人事評価委員会」や▼外部の有識者も加わった議決機関としての「理事会」を経るように、大学の定款を変更する議案を議会に提出し、議決されました。
これについて、大学で唯一となる経済学部の飯塚靖学部長は、18日県庁を訪れ、定款を変更するのは問題だとして、変更を認可するかどうかを決める県に対して、留保を求める請願書を担当者に手渡しました。
請願書では、審議会を経ずに教員人事などが行われれば、透明性や公正さを損なう恐れがあるなどと指摘しています。
請願書を県に提出したあと、飯塚学部長は記者会見し、「定款変更の議決は極めて遺憾だ。県にはきちんと内容を吟味して審査してほしい」と述べました。
下関市立大学は経済学部だけの単科大学ですが、前田市長は多様な人材の輩出をめざして、総合大学にすることを公約に掲げていて、障害がある子どもへの教育法を学ぶ、新たな「専攻科」を設置する準備を進めています。
飯塚学部長などは、前田市長などが一方的に、新たな教員の人選も進めているなどと批判し、一連の手続きを問題視していますが、これについて下関市の山田之彦総務課長は、「手続きに問題はなかった。県に適正に審査してもらいたい」とコメントしています。


下関市大、県に定款変更の留保 学部長ら請願書

朝日新聞、山口・下関版(2019年10月19日)

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下関市大、専攻科巡り教授ら県に定款変更の留保要望

毎日新聞、下関版(2019年10月19日)

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2019年10月18日

下関市立大学、「戦後の大学が保障されてきた専門家によるピア・レビュー体制を破壊する計画が進行中」石原俊・明治学院大学教授が批判

論座
 ∟●「戦後文教行政の「最後の一線」が決壊する」より抜粋

 下関市立大学は、経済学部のみの小規模な単科大学ながら、前身の短期大学から数えれば60年以上の歴史をもつ、西南日本の名門公立大学だ。この大学をめぐっていま、戦後の大学が保障されてきた専門家によるピア・レビュー体制を破壊する計画が進行中である。

 今年5月末、前田晋太郎・下関市長(安倍首相の元秘書)が、下関市大の理事長(元副市長)や学長ら幹部を市長室に呼び出し、インクルーシブ教育(または特別支援教育)の「専攻科」を学内に新設し、市長が推薦した特定の候補者を教員として採用するよう要請した。

 市長の意向を受けた下関市大の法人幹部は、教育・研究に関する学内の最高審議機関である教育研究審議会(教研審:国立大学の教育研究評議会に相当)を招集して、3名の教員候補者の採用について承認を取り付けようとした。だが、学内教員・研究者からなる審査委員会による業績審査、教授会への諮問といった、人事に必要な手続きを一切経ていないとして、教員の大多数が猛反発するなか、教研審は流会となってしまった。

 ところが大学法人幹部は、経営に関する学内の最高審議機関である経営審議会(経営審:国立大学の経営協議会に相当)を開催して「専攻科」新設方針を決定し、さらにその後まもなく、3名の候補者に対して「内定」を通知したのである。これは、「教育研究に関する規程の制定・改廃」「教員の人事」等について教研審の審議が必要であるとする、下関市大の定款(学則)さえもないがしろにする行為だ(朝日新聞9月19日朝刊 山口版、毎日新聞9月11日朝刊 山口・下関版)。

 こうした異常事態を受けて8月に入ると、文部科学省高等教育局大学振興課法規係が大学側に対し、「教員採用手続の適切性に疑義が生じていることは好ましくない」としてメールで「助言」をおこなった。担当官は、「教授会に対する意見聴取を経ずに採用を内定とすること」が、「学内規程に則らない手続となっているおそれがある」としたうえで、「全学教授会、学部教授会の位置づけや権能を明確にするよう学則を見直した上で、学内規程に沿った適切な手続を採ることが必要になる」と述べた(『山口民報』9月15日)。文科省から下関市大への事実上の指導であった。

 ところが8月末、下関市当局は大学側に一切の相談もなく、もちろん学内の教研審や経営審の審議を経ることもなく、大学の定款変更の議案を市議会に提出した。この議案は、教研審の審議事項から「教育研究に関する規程の制定・改廃」「教員の人事」等を除外し、非研究者を多数含む新設の理事会がこれらの権限を吸収するというものだった。当然にも市議会野党議員から批判が相次いだが、9月26日(「あいトリ」への補助金不交付決定と同じ日だ!)、与党会派(安倍首相に近い会派)などの賛成多数によって、議案は原案通り可決されてしまったのである――加えて本件では、市議会与党会派議員の一部と大学経営審委員の一部に、それぞれ重大な利益相反の疑惑があるのだが、本稿ではあえて横に置く――。

 戦後日本の大学は、憲法23条の原則のもと、教育内容・研究内容やカリキュラム、研究者・教員の人事に関しては、学内に従来から所属する専門家の審査や審議を経て決められるという、ピア・レビューに支えられた自治制度を維持してきた。ましてや戦後日本の大学制度は、行政(政府・自治体)の長や議会が教育研究内容や教員・研究者の人事を左右することなど認めていない――新設部局・コースのおおまかな方向性を行政権力が大学側に要請することなら認められているが――。日本の大学のガバナンスにおいて、想定されていないこと、あってはならないことが、いま下関市の行政権力によって進められているのだ。

 文科省側は下関市大側に対して、専門家による最低限のピア・レビュー(人事評価委員会による業績審査、教授会への諮問、教研審での審議)を経ることを含め、学則にしたがった手続きをやり直すよう「助言」した。これに対して、下関市当局は、後出しジャンケンで自らの「違法」行為を追認する定款(学則)改正をおこなったことになる。言葉は悪いが、文科省の指導は、下関市の行政権力によってコケにされたというわけだ。文科省は25万都市の首長と市議会与党から、完全に「足元をみられている」。


2019年10月11日

明治学院大学事件、大学が盗聴を謝罪し和解案を提出

・大学:授業の盗聴を謝罪し、6000万円の慰謝料を支払う。
・教授:大学の提案を一蹴し、判決を希望する。
・高裁:和解協議を打ち切り、判決へ向かうか。
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2019年10月10日

札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

リアルエコノミー
 ∟●札幌大・雇い止め特任准教授の上告と鈴木学長辞任を巡る点と線

 札幌大学(札幌市豊平区)のロシア語担当の元特任准教授の女性(45)が、違法に雇い止めされたとして札幌大を相手に地位確認などを求めていた訴訟でその女性は8日、札幌高裁が控訴を棄却した判決(9月24日)を不服として上告した。それと同時進行するように札大の鈴木淳一学長(68)が任期途中で辞任する。何らかの関係があるのだろうか。(写真は、札幌大学中央棟)

 女性は、札大ロシア語学科を卒業し東京外国語大学修士課程を卒業。札大は2008~9年当時、度重なるロシア語特任教員の突然の退職で困り、長期にわたり働いてもらうことを目的に卒業生から優秀な人材を採用する方針でその女性を採用。その後、女性は6回の契約更新をして特任准教授としては初めて教職課程も担当。また、教授会や各種業務などにも特任教員の校務を超えて出席を課せられていた。このため労働契約更新の期待する合理的理由があったと主張。

 9月24日の控訴審判決で冨田一彦裁判長は、「労働契約更新を期待する合理的理由がなく控訴人(元特任准教授)の主張は採用できない」と棄却、札幌地裁判決を支持した。
 高裁の審理から女性側は元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害を大学に相談したことが雇い止めに影響したとの主張を加えた。この点について冨田裁判長は、「労働契約が更新されると期待を抱いたかどうかは無関係」と退けたものの、セクハラ・ストーカー被害の事実は認定している。
 
 女性は上告について、こうコメントしている。「改正労働契約法を悪用した違法な雇い止めが全国的に横行しており、非正規労働者は精神的にも経済的にも極限状態に置かれています。人間が部品のように使い捨てにされる社会に未来はありません。この悪循環を断ち切るために、最高裁判所には、改正労働契約法19条に関する規範・指針となる判断を示していただきたい」
 
 なお、控訴審判決が出る数日前に札大鈴木淳一学長は法人側に辞任届を提出、任期途中の11月15日付で辞任することになった。鈴木学長はその女性の札大学生時代のロシア語担当教授で、女性が特任教員に採用された後も鈴木氏の授業を代講するなど師弟関係だった。鈴木氏は、女性が元副学長から受けたセクハラ・ストーカー被害とも関係しており、女性の雇い止めにも関わったとされる。
 鈴木学長の任期は21年3月末までだったが、突然の辞任届提出は札大教員の間でも波紋が広がっている。女性の控訴審判決と上告、それと同時進行している鈴木学長辞任は点と線で関連しているのか。


2019年10月09日

札大雇い止め訴訟、元准教授が上告

北海道新聞(2019/10/08)

 札幌大に違法に雇い止めされたとして、元特任准教授の女性(45)が同大を相手取り、解雇の無効などを求めた訴訟で、女性側は8日、雇用打ち切りを適法とした9月24日の札幌高裁判決を不服とし、上告した。

 札幌高裁判決は「大学側は雇用継続を約束できない旨、3年前に女性に伝えていた」と認定。大学側は契約打ち切りを断言しておらず、更新を期待する合理的理由があったなどとする女性側の主張を退けていた。

 女性は取材に対し「非正規労働者が使い捨てにされる現状を変えたい」と述べた。同大は「上告状を確認しておらず、コメントは控えたい」とした。

 労働契約法は、有期労働者が契約更新を期待することに合理的理由がある場合、使用者は更新を拒めないと定める。


2019年10月06日

シンポジウム「北海道大学の総長解任問題を考える」

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2019年10月04日

「明治学院大学事件」が小説になった!「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

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「明治学院大学事件」が小説になりました。
「日本の大学の病弊を象徴する大事件」が文庫で登場!

■紀川しのろ『シノロ教授の大学事件』(世界書院、2019年10月)
(文庫、全219頁、750円+税、ISBN978-4-7927-9581-8)
https://books.rakuten.co.jp/rb/16083040/
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4792795818

■概要
大事件勃発! 平成の世の大学案内をつとめてきたシノロ教授が、なんと「令和学院大学」で解雇処分に?
授業の盗聴事件が発覚し、シノロ教授の講義を受けたい学生が猛反発。令和の世の学問の独立と大学自治をゆるがす大事件。はたしてその背景にある陰謀とは。これは学問と大学をめぐるミステリーだ。

■内容
本書は、「明治学院大学事件」の小説化で、ミッションスクールの「令和学院大学」を舞台に大学教授の受難を描いたフィクションです。若者の半数以上が大学に進学し大学の数が多すぎて余っている現代、教授の人員削減のために策を弄する大学側の思惑と、それを阻止するための作戦を展開する学生たちの行動がユーモア溢れる筆致で描かれています。学生たちに絶大な人気のあるラクタン倫理学の「シノロ教授」を主人公に、「シノロ教授の登場」「シノロ教授の災難」「シノロ教授の逆襲」「シノロ教授の教訓」という起承転結でアカデミックな世界で巻き起こった事件を形而上学的弁証法等も交えて描いたキャンパス小説であり、今時の大学や大学生たちの生態を揶揄しているような諧謔味が最大の特色ともなっています。

■目次
1 シノロ教授の登場
シノロ教授の倫理学――カントかヘーゲルか
大学生が求める倫理――プラトンのアカデメイア
人気科目ランキング――ボランティア学とは
多人数授業は抽選科目――イギリスの古典派経済学
少人数授業は不人気科目――孔子と孟子
人数制限はクレームの嵐――ギリシア語のスコレー
抽選登録のひみつ――アリストテレスの形而上学
履修登録の秘訣と裏技――儒教の王道
シノロ教授の授業ガイダンス――マルクスの下部構造
倫理とは何ぞや――広くて浅い教養
2 シノロ教授の災難
大学当局のマル秘作戦――ヘーゲルの弁証法
シノロ教授を狙え――孫子の兵法
秘密録音される授業――法律か倫理か
仕掛けられた罠――人の道とは
左手に聖書、右手に日の丸――相対主義的寛容論
教養部主任の尋問――リベラルアーツ対パターナリズム
自白を迫る誘導尋問――世界史の変革
学びたい科目を学びたい――アイデンティティーの哲学
雇われの身――リベラリズムとリバタリアニズム
欠席裁判のゆくえ――信じるものは救われるか?
3 シノロ教授の逆襲
イケメン弁護士・草薙五郎の登場――該当性と相当性
学長への挑戦状――やむを得ず、法的措置を講じます
哲人三銃士の共闘――デカルトとデリダ
哲学者の生き方――人間ぎらいの倫理
学生の意向はいかに――授業評価のアンケート
相手を説得する――倫理的に正しい行為か自爆テロか
弁護士・草薙五郎の再登場――1億円の慰謝料請求
教授会、多数派で強行採決か――公正中立とは
ガチで総選挙――キルケゴールの実存主義的選択
シノローズ結成――言論の自由を守れ!
4 シノロ教授の教訓
研究・教育・社会活動・校務――大学教授の仕事
令和学院大学のドン・キホーテ――倫理を問いただす
独立自尊か間柄の倫理か――福沢諭吉と和辻哲郎
シノローズ登場――神さまの声か学生の声か
作戦名は〈シノロ准教授の恋〉――プラトンからマルクスへ
機動隊の突入――ルターの宗教改革
クビを切るか反省文を書くか――虚勢を張るか去勢されるか
「無」の存在証明――西洋の形而上学
懲戒処分取消等請求事件――証拠裁判主義
実利よりも倫理――ライプニッツの充足理由律