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2017年03月31日

同志社大学解雇事件、京都地裁判決のP18~23「当裁判所の判断」

浅野教授の文春裁判を支援する会
 ∟●京都地方裁判所・地位裁判判決のp18~23

京都地方裁判所・地位裁判判決のp18~23
「第3 当裁判所の判断」

(注)支援会は、京都地方裁判所・地位裁判判決のp18~23「第3 当裁判所の判断」を文字にしました。堀内裁判長ら3人の書き残した判決の一字一句は歴史に残ります。歴史の審判に耐えられる「判断」だったかは、今後明らかになります。
日本国憲法「第六章 司法」の「第七十六条」3項は「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」とあります。堀内、髙松、築山各裁判官は、良心に従い、権力から独立して、証拠に基づいた公正な判断を行ったかどうか、上級審で明らかになるでしょう。

〔 第3 当裁判所の判断
1 争点(1)ア(被告大学院教授は,就業規則10条1項,同附則1及び48年理事会決定により,原則として定年が延長されるか)について
(1)認定事実
前前提事実,証拠(乙6ないし12,37,56,76ないし80,証人冨田安信)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができる。

ア 就業規則10条1項,同附則1及び48年理事会決定に基づく被告大学院の大学院教授に係る定年延長は,研究科委員会又は研究科教授会の審理を経て,最終的には,被告の理事会で決定される。
研究科委員会又は研究科教授会の審理は,各研究科長からの定年延長の提案を受けて行われるが,その具体的手続は統一的な定めはなく,被告大学院社会学研究科を含む被告大学院の複数の研究科では,定年延長に係る審議の時期,審議資料,審議の方法,決議要件等の具体的手続につき,それぞれ申合せ等を設けており,ごく近年に設けられたものもあるが,古いものでは昭和61年(乙9),平成2年(乙8)に決定された申合せもある(乙6ないし12,76ないし80)。

イ 原告が所属していた社会学研究科でも,平成19年3月7日,「社会学研究科の人件に関する申合せ」(乙12)において定年延長についての申合せがある。社会学研究科の各専攻は,この申合せに従い,専攻会議において,各専攻に所属する定年延長対象者の定年延長を提案するか否かを決定する。その際,対象者の研究業績,教育実績及び学内の運営面での貢献度等,プラス面のみならずマイナス面も含めて総合的に考慮して決定することとされており,決定後は,各専攻の教務主任等から,研究科長に対し,定年延長の必要がある教員を報告する。上記報告を受けた研究科長は,社会学研究科の研究科委員会に対し,定年延長の議題を上程する。
社会学研究科の研究科委員会は,上記研究科長の議題上程を受け,対象者の定年延長の可否を「余人をもって代えがたい」か否か,又は,定年延長が特に必要であるか否かという観点から審議の上,議決する。研究科委員会で定年延長の議決がなされた者については,さらに理事会で審議が行われ,最終的に決定がなされる(乙56,証人冨田安信)。

ウ 平成22年3月末及び平成23年3月末の渡辺教授の定年延長を提案するか否かについて行われた被告大学院社会学研究科委員会の審議において,原告は,渡辺教授は定年延長の条件である「余人をもって代えがたい」大学院教授ではないと主張して,同教授の定年延長の提案に異議を述べた(乙37,証人冨田安信)。

(2)ア 原告は,就業規則10条1項,同附則1及び48年理事会決定について,被告に定年延長制度が設けられた趣旨に照らすと,被告大学院教授においては,満65歳を迎えても,70歳までは,原則として,1年度ごとに定年が延長されるという意味に解釈すべきである旨主張する。
しかしながら,定年延長制度が設けられた趣旨が原告の述べるとおりであるとしても,就業規則1の「大学院に関係する教授にして本法人が必要と認めたものに限り」との文言,及び,48年理事会決定の「1年度ごとに定年を延長することができるものとし,満70才の年度末を限度とする。」との文言は,被告が,大学院教授で満65歳を迎えた者につき,必要性があると認めた場合には,定年年齢を,満70歳を限度として1年度ごとに延長することができることを意味すると解するのが自然であり,上記の原告の解釈は,これらの文言に反することが明らかである。
さらには,上記(1)で認定したとおり,被告大学院の研究科では,原告が所属する社会学研究科を含む多数の各研究科委員会,研究科教授会において,定年延長の審議についての具体的な申合せが存在することからすると,各研究科では,この申合せにしたがって実際の審議が行われているものと解されるのであり,また,現に,原告自身,渡辺教授の定年延長の審議に際して,「余人をもって代えがたい」との条件を満たしていないと主張して議論したのであり,これらのことは,定年延長が原則となっていたとの原告の上記解釈と相容れない。

イ 原告は,①専攻及び研究科委員会における定年延長の審議に先立ち,10月中旬ころまでに,各学科及び専攻は,定年延長候補者を組み込んだ形で,次年度の開講科目及び担当教員を決定していることや,②昭和51年3月末から平成25年3月末までの間に被告大学院を退職した被告大学院教授のうち,1度以上定年延長された者は93.1%であること,健康上の理由や自ら被告大学院教授以外の道を選択したなどの特段の事情がないにもかかわらず,定年延長がされなかった教授はないことをもって,満65歳となっても定年延長されるのが原則となっていたことを示す事実であるとする。
しかし,①については,次年度の開講科目及び担当教員の決定は,これを踏まえて,教室の割り付けや時間割の割り付け等の作業,シラバスや大学案内等の印刷物の準備も必要となることからすると,定年延長者の確定を待たずに全体の準備を早期に開始する必要のあることがらと解することができること,そもそも定年延長の対象となる大学院教授の数も限られ,その後の専攻,研究科委員会及び理事会の審議で定年延長がなされなかったとしても,いったん決定された開講科目,担当教員,教室の割り付けや時間割の割り付けの,関連部分のみの変更(休講)で足り,全体について改変が必要となるとも解されないことからすると,早期に定年延長対象者を含み次年度の開講科目及び担当教員決定されたからといって,そのことは,単に便宜上にすぎないものということができ,このことが当然に,当該定年延長対象者の定年延長が原則であることの証左ということはできない。
②については,単に審議の結果として定年延長となった者が多数であるというにすぎず,また,定年延長がなされなかった者について定年延長がなされなかった事情が全て対象者側の意向であることをうかがわせる客観的な証拠は何ら存在しないのであるから,これをもって,定年延長対象者の定年延長が原則であることの証左ということもできない。

2 争点(1)イ(原告と被告との間の労働契約の内容として,原告は,原則として定年が70歳まで延長されるか)について
原告と被告とが労働契約を締結した平成6年当時,原告の主張するような,定年延長を原則とする実態があったことを認めることのできる客観的な証拠はない。したがって,そのような実態があったことを前提として,これが労働契約の内容となったとの原告の主張は,その前提を欠き,認めることができない。

3 争点(1)ウ(被告大学院教授は,原則として定年が延長されるとの事実たる慣習が存在するか)について

(1) 上記1で認定したとおり、就業規則附則1及び48年理事会決定の文言は,被告が,大学院に関係する教授で満65歳を迎えた者につき,必要性があると認めた場合には,定年年齢を,満70歳を限度として1年度ごとに延長することができることを意味すると解するのが自然であり,さらには,被告大学院の研究科では,原告が所属する社会学研究科を含む多数の各研究科委員会,研究科教授会において,定年延長の審議についての具体的な申合せが存在することからすると,各研究科では,この申合せにしたがって実際の審議が行われているものと解されるのであり,また,現に,原告自身,渡辺教授の定年延長の審議に際して,「余人をもって代えがたい」との条件を満たしていないと主張して議論したのであり,これらのことからすると,被告と被告大学院教授との間において,満65歳に達した後も70歳までは定年延長が原則となっていたとの事実たる慣習があったと解することは困難であるといわなければならない。

(2)ア 原告は,被告大学院教授のほとんどの者が定年を延長されている等と主張するが,前前認定のとおり,これは審理の結果としてそのような事実があるということにすぎず,定年延長がなされなかった者について,その理由は明らかではない以上,これらをもって,事実たる慣習の根拠ということはできない。

イ 原告は,被告大学院において,次年度開講科目と担当教員が,暫定的とはいえ10月中旬頃までに決められていることから,後の定年延長審議が形式的で実質を伴わないものであることが,被告大学院における共通認識となっており,研究科委員会での定年延長の承認は形式的なものにすぎず,過去に実質的な定年延長審議は行われたことがない旨主張するが,10月中旬頃の決定は,原告も主張するとおり,あくまで暫定的なものであって,10月中旬頃に次年度開講科目と担当教員が暫定的に決定されるからといって,直ちに後の定年延長審議が形式的で実質を伴わないものであるということにならない。また,前記認定のとおり,少なくとも過去2回,社会学研究科の研究科委員会において,定年延長の可否を巡って異議が出され,定年延長の可否を巡って実質的な審議が行われていることが認められるものであるから,上記の原告の主張は認められない。

ウ さらに原告は,定年が延長される際に新たな労働契約の申し込みと承諾が存在しないとも主張しているが,定年が延長されない者に対しては送付されることのない「新年度授業時間割ご通知」,「個人別時間割」及び「出講案内」が,定年延長が理事会で決定された者に対しては送付されるのであり,特に「個人別時間割」には,個々の教授の次年度における担当科目,担当クラス,時間割及び教室等が具体的に記載されているのであるから(乙53の1ないし5),これらの書類を送付することは定年を延長することを前提とした行為であるといえるのであり,これらの書類を送付することをもって,被告から,定年が延長される予定の被告大学院教授に対し,1年間の定年延長を内容とする新たな労働契約の申込みの意思表示がなされたと解することは不自然とはいえず,また,被告大学院教授がこれに対して異議を述べず,その結果,労働契約の締結があったものとみなされるのが定年が延長される3月31日ないしはその直前であったとしてもそのことをもって,契約の不存在をうかがわせることはできない。

4 結語
以上によれば,原告について,満65歳に達した後の3月31日に特段の事情がない限り定年延長がなされるということはできず,したがって,就業規則10条1項,48年理事会決定に基づき,原告は,平成26年3月31日の経過をもって定年退職をしたものであるから,その余について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がない。したがって,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

京都地方裁判所第6民事部
裁判長裁判官   堀 内  照 美
裁判官      高 松  み ど り
裁判官      築 山  健 一 〕
(了)

同志社大学解雇事件、判決に怒りの声―支援者の傍聴・判決文の感想

浅野教授の文春裁判を支援する会
 ∟●判決に怒りの声―支援者の傍聴・判決文の感想

判決に怒りの声―支援者の傍聴・判決文の感想

以下は、判決後、支援会と浅野教授に寄せられた傍聴者と支援者のメッセージです。

〔 先生が絶対に勝って、教授に復帰すると思っていたので、信じられない。判決に腹が立っている。一緒に傍聴した夫は判決の日、誕生日だったが、ずっと判決に怒りを感じていて、ケーキを口にしなかった。 〕(氏本デリアさん)

〔 この問題の発生段階から見てきました。京都地裁で不当に裁かれたこの問題は、二審の大阪高裁では必ず逆転できると信じています。 〕(鹿砦社・福本高大さん)

〔 今回の判決文では、学校法人同志社側の主張が全面的に認められ、浅野先生の主張は一切聞き入れてもらえませんでした。怪文書、指導中の学生がいたことについての言及もなく、プラス面とマイナス面がきちんと考慮されたというような書き方になっていません。こんな判決では、本当にきちんと審議がされたのか疑問です。

この事件は、「定年延長の審議」をかさに着た不当解雇事件です。大学院教授以外の教職員が65歳で定年になるという制度を悪用して、浅野先生が65歳になった時期を見て、追放したのです。もし、65歳以前に解雇すると、さすがに裁判で負けるので、そのタイミングを狙ったのです。裁判所はそれを見抜くことができなかったのでしょうか。非常に残念です。判決は手続きの問題しか取り上げていませんが、専攻・学科の先生たちの私怨に基づく行動を問題にしていません。

同志社側は定年延長について「本法人が必要と認めたものに限り」認めると主張しました。一度雇用したということは、一度は、浅野先生が同志社に必要だと認め、20年間雇用したということです。同志社はいつのまに浅野先生に対する見方を変えてしまったのでしょうか。浅野先生のような人を追い出しては、どんどん小粒の大学になっていき、やがては日本全体が委縮していくでしょう。

同志社のホームページには、いまも新島襄の遺言である「同志社に於ては?儻不羈なる書生を圧束せず務めて其の本性に従い之を順導す可き事」という言葉が掲げられています。同志社は、この言葉を嘘にだけはしてほしくないと切に願います。 ](寺西心さん)

〔 裁判の結果には、落胆して、ことばもありません。これからも、微力ながら、先生の教壇復帰の支援のお手伝いをさせていただければとおもいます。 〕(大内健史さん=17年4月同大大学院哲学専攻入学予定)

〔 あの判決文はないですね。不当そのものです。大学との裁判は10パーセントの非があれば負けると言われているそうですが、それが出てしまいました。作戦ミスもあったのでしょうが、判決文を読む限り裁判長に問題があったと思います。おそらく最初から敗訴前提でいないと書けない内容です。逆に緻密な判決文ではないので、控訴理由書は書きやすいと思います。高裁では私も協力します。](早野慎吾・都留文科大学教授)

〔 定年延長を認めないことに対する慰謝料請求をすべきだった。判決は、大学院教授の定年延長は法的権利とは言えないという法理論で書いている。渡辺教授と似た研究教育分野なので両方認める必要はないと判断したと考えた可能性もある。 〕(森野俊彦弁護士=元福岡高裁部長判事)

〔 原告の請求の趣旨にどうして慰謝料を追加しなかったのでしょうか。そもそもそのような議論があったのでしょうか。慰謝料請求をしていれば浅野教授を嫌って追放しようとしたことが 争点になっており、裁判所も判断せざるを得ないところです。判決の争点にならなかったのは、争点設定しなかったからではないかと思います。一審は、形式的な法律論争になってしまっている。だから合意がないとか慣習がないとの形式論で敗訴している。浅野先生を嫌悪し大学から追放しようという意図の有無が争点となっていない。控訴審ではこのあたりを争点にすべきではないかと思います。 〕(高田良爾弁護士=京都弁護士会)

〔判決は確かにひどい内容ですね。私も、訴状で当然にしていると思った慰謝料請求していないのが不思議でした。いずれにしても判決を早急に検討して、今から約2ヶ月弱で、控訴理由書を作成する必要があるので、一審の審理を振り返り、新たな理論を構築したい。 〕(山下幸夫弁護士)

〔 敗訴大変残念です。判決を読みましたが、ひどいですね。文春裁判から続く構造的な問題にまったく触れず、被告の主張する手続き論だけで判決を出しているように思いました。控訴審は浅野先生が逆転勝訴されることを祈っております。 〕(森類臣・元院生=立命館大学コリア研究センター専任研究員)

〔 判決文も読みましたが、酷い判決ですね。この裁判長は、事実認識のやり方に根本的な問題があるか、それとも証拠を正確に論ずるのが面倒くさいので権威主義に従い楽をしたかどちらかではないかと疑います。傍聴席の支援者が「税金泥棒」とおっしゃっていましたが同感です。〕(人権と報道・連絡会メンバー)

〔判決を読みました。大変悔しい結果でした。

定年延長を拒否されたために困る学生がいるかいないかについては、判決文中に言及がありませんでした。ナジ・イムティハニさんへの指導復活について斟酌されないとは思いもよりませんでした。

法廷戦略が根本から間違っていました。(依頼人の主張に耳を傾けなかった)武村・小原・橋本各弁護士は弁護過誤で訴えられても反論できないです。

〈2 前提事実 (5)本件退職扱いに至る経緯 ア イ〉を読むと、研究科委員会へ議案の提案ができるのは、専攻教務主任である浅野健一教授だけだということすら、堀内裁判長には伝わっていなかったようです。イで「小黒教授が議長となり」と言及されていたのは本当に残念でした。

この箇所については、堀内裁判長の責任であって、地位確認裁判弁護団の責任ではないと思いました。証人尋問で冨田さんのウソに気づいていなければおかしかったです。小黒さんの証人尋問が無かったのも痛いです。

喧嘩過ぎての棒千切りになってしまうのですが、定年延長された者の比率93.1パーセントや74.9パーセントのデータを調べるために時間をかけたのは(時間が限られている)原告側には損だった気がいたしました。

時間が限られていることが重要です。せめて昨年の今頃に判決が出ていればと思わずにはいられませんでした。 

汗水たらして定年を迎えた院教授の追跡調査をしても、定年延長の慣習が確立しているということを立証できなければ、徒労です。

定年延長対象者の次年度の3年ゼミ募集に関し、64歳の時に3年ゼミの募集をしていて、かつ定年延長を拒否された事例の有無を明白にすべきでした。

慰謝料の請求をしなかったことに疑問を呈する法律家がいるのは当然でしょう。イヤガラセをされたから慰謝料を請求します。イヤガラセの有無が争点になれば、①渡辺さんが浅野先生との裁判に過去に負けた腹いせに定年延長を拒否して、浅野先生にガツンと一発お見舞いするというイヤガラセ②3年ゼミの募集をしているのに定年延長を拒否されたら困る学生が出るというイヤガラセ③全く落ち度が無いナジさんが博士号を取得できずにインドネシアに帰国せざるを得なくするイヤガラセ④学振の「DC2」特別研究員に内定している矢内さんに指導できる教授をいなくさせるイヤガラセ⑤研究科委員会で怪文書を配布したイヤガラセ―というように争点をいくらでも広げることが出来ました。戦いやすかったように思えます。

お元気で。](神奈川県在住の会社員)

〔 Chin Up, Asano-san. Horiuchi "Hirame" Judge is a total disgrace. Yoshi Tsurumi. 〕(霍見芳浩・NY州立大学名誉教授)=「浅野さん、気を落とさず頑張ってください。堀内“ヒラメ裁判官”はまったく恥ずべき存在です」=(浅野訳、ヒラメ裁判官とは、人事面で冷遇されることを恐れ、最高裁総務局の意向をうかがいながら権力者に都合のよい判決ばかりを書く「心の卑しい」裁判官のことです)

〔 すぐ報告が来なかったのでこれはダメかと思っていましたが、残念ですね。3年半も苦労したのにと思いますが、現在の司法制度はこんなもので、大きな進歩は期待するべくもありません。浅野君は誤った判決に苦しむ人たちと日頃接触しているから、この状況は覚悟の上と思います。 今後は、この判決を少しでも改めさせるために戦い続けるか、あるいは健康その他を配慮して別の局面で社会の進歩に貢献するか、慎重に考えて下さい。

以前同志社でお話しした時、

1. 日本の少子高齢化、労働力不足、年金不安などを考えた時、定年制は不適当で

労働能力と意欲のある人の労働継続を認めないと日本経済は立ち行かないと申しました。高齢者の雇用継続裁判では、政府の呼びかけもあって次第に労働者に有利 な判決が出るようです。研究者の場合頭脳労働ですから、元気で優秀な研究者には70歳まで働いてもらう例が多くなっています。

2. 良い研究をするためには、大幅な自由と安定が必要です。何十年も大学院教   授として勤務した研究者を実質少数者の判断によって馘首してよいものでしょうか。

よくわかりませんが、もしこれがレッドパージの一種なら、大学として大問題。他の大学にも影響が及びます。  

3. 以前に、浅野君は多大な業績があるのだから、著書、編書、訳書などの詳しいリスト、それらに対する学界、マスコミ界などからの書評、影響、国際的な学者としての活躍、その他を丁寧にまとめて冊子を作り、それを大学、学生、図書館、マスコミ、卒業生たちに配布してはどうか、と言いました。そうすれば同志社に浅野ありという認識が次第に広がるでしょう。裁判で負けても、アカデミックな評価で勝てば、学問の都市京都では価値があるでしょう。

先日はたくさんの資料をありがとう。健康は心配ですが、筆力回復で安心しました。明治学院大学の盗聴事件など初耳です。どこでも問題が多いので、情報は有難い。

近年福沢諭吉は批判されているが、慶応義塾の目的は「日本国中における気品の泉源、智徳の模範たらん」という彼の言を忘れぬように。ではいずれまた。 ](白井厚慶應義塾大学名誉教授、浅野教授のゼミ指導教授)

[  3.1.反動不当判決について

「原告の請求をいずれも棄却する」

裁判長堀内が蚊の鳴くような声で呟いた瞬間、これは夢だと思った。正常な論理的判断力と倫理観を備えているであろう判事が下すはずのない決定であるから。しかし直ぐにそれが現実なのだという認識を受け入れざるを得なかった。そしてはらわたが煮えくりかえり、満腔の怒りが込み上げてきた。気づいたら私は傍聴に駆けつけた同志達と、反動不当判決を糾弾していた。デタラメな判決を述べた堀内は逃げ隠れてしまい、「最後まで理由を読み上げろ!」という我々の抗議を無視し続けた。最終的に事務官たちは我々を暴力的な方法で排除しようとしていた。

報告集会で配布された判決言渡原稿を読み、尚一層怒りが湧き上がってきた。証人調べの発言内容も原告側の提出文書も何1つ考慮も反映もしていないものであり、被告側(弁護士も教職員も誰1人来ていなかった)のウソとデマを鵜呑みにしたものであった。最初から結果ありきで作ったとしか思えない代物で、こんなふざけたもののために費やされた原告の時間と労力、そして将来を握り潰された学部生、院生、留学生たちの悲痛な思いを考えると非常に悔しい思いで一杯だった。

堀内自身が理を解さぬトンデモ判事だったのか、政治的な意向を汲んでの事か或いは両者か知る由もない。しかし二審大阪高裁では必ず、逆転勝訴を勝ち取る事をそれ以外はありえないと私は信じている。その為にも多くの人に同志社の悪辣卑劣な蛮行を知らせ、裁判の支援体制を拡大し、より広範な運動にしていかなければならないと、決意をあらたにした。 ](鶴見太郎さん)

〔  今回の判決は、非常に悲しい結果となってしまいました。誰がどう見ても不当な解雇であり、悪意に満ちた単純な追放劇でしかないのに、どうしてこのような非人間的な判決が書けるのか、不思議でなりません。裁判官たちは、公正に事実を見る気がなく、最初から浅野さんのことを偏見で見ていたのだろうと私も疑っています。

一方で、今回の京都地裁の判決に、大勢の支援者が全国から集まっていたことは素晴らしいと思いました。若い世代も浅野さんの支援のために夜行バスなどを利用して京都に来ており、非常に頼もしく、嬉しく感じました。裁判所に入ってきた裁判長が、空席のほとんどない傍聴人席を見渡して言葉をなくし、とても驚いた表情でいたのが忘れられないです。私も、京都に近い場所に住んでいたなら、これまでの裁判にもっと頻繁に傍聴に訪れることができたのにと後悔しました。控訴審では、できる限り傍聴に訪れ、裁判の行方や裁判官の様子を間近で見守りたいです。

判決後の報告集会では、控訴審に向けて意義あるお話を参加者の皆様から伺うことができましたし、浅野さんご自身の固い決意にも感銘を受け、正義のために私も支援し続けたいと改めて思いました。ただ、今現在、インドネシアの国立ガジャマダ大学文学部日本学科で助教(専任講師)をしているインドネシア人留学生(インドネシア政府奨学生、社会学研究科メディア学専攻博士後期課程)ナジ・イムティハニさんですが、同志社大学から14年6月に、一方的に「14年3月に遡って退学」とされて以降3年近く、指導放棄の状態にあり、失意の底にいます。今回の判決で、ナジさんはさらに打ちのめされたことでしょう。ナジさんは予定の博士号を取得できなかったため、インドネシア教育文化省の命令で、2月からの新学期ではガジャマダ大学の授業を担当できなくなっていると聞きました。

私も浅野さんもナジさんを励まし続けていますが、本人は「自分や浅野先生をこのような目に遭わせた同志社大学を許せない。もう関わりたくない」という気持ちも強いようです。それでも、彼が日本の大学で博士号を取得する可能性は、同志社大学でしか残されていないのですから、なんとか、ナジさんには控訴審でも陳述書を提出して一緒に闘ってほしいと願っています。

ナジさんは昨年11月末に同志社大学へ再入学の申請を行い、今年1月25日付で松岡敬学長から再入学許可の通知を受けています。浅野先生が復帰すれば、博士論文を書き上げられる可能性が大きく広がっています。

報告集会では皆様からナジさんへの伝言を預かりましたので、それはすでにメールで伝えてあります。ありがとうございました。もし、皆様のなかにナジさんに直接コンタクトが取れる方がいたら、ぜひとも彼に励ましのメールなどを送ってほしいです。浅野さんには純粋な気持ちの支援者が大勢いること、ナジさんの境遇に共感する仲間が日本にいることをもっと伝えてほしいです。同志社大学に「見捨て」られた状態で、インドネシアで孤独に過ごすナジさんを思うと、私も悲しみと申し訳なさでいっぱいです。2009年に大きな夢を抱いて日本に留学しただろうに、このような結果になり、恥ずかしいです。

私自身、インドネシアの大学院に留学していた時に、ゴルフ場建設の反対運動をする村を訪問したことで地元警察から呼び出され、事情聴取を受け、一時、身柄を拘束されました。その時にはインドネシアの大勢の友人・知人が警察とかけあってくれ、留学先の大学も私のことを全力で守ってくれましたので、その後は無事に修士課程を修了するまで滞在することが出来ました。インドネシアでのそうした過去を思うと、今の同志社大学や京都地裁の対応は、あまりにもナジさんの現状を無視し、踏みにじっています。

控訴審では、絶対に負けられません。大阪高裁での闘いでは、一人でも多くの方の傍聴を呼びかけていきたいです。浅野さんの完全勝利を信じ、これからも支援したいです。 ](大石薫さん)

〔 学内の反浅野グループが仕組んだ追放劇だったのに、その忌まわしい実態には目をつぶり、定年延長の原則はなかった、定年延長の慣習はなかったなどと、

表面的な理由で判決文を巧みにカムフラージュし、原告の請求を退けた不当な判決だ。定年延長対象の大学院教授のうち、90%以上が延長を認められている実態を無視し、その実態を単なる結果の数字に過ぎないと判示するなど、被告側の立場を一方的に斟酌しており、到底納得が行かない。これでは公平、公正な判断とはいえない。今回の確認訴訟の本質は、浅野氏の業績を無視し、追放劇を画策した者達の動きに対する正義の告発であった。そこを裁判所が素通りしたのは、なんとなく意図が感じられ、容認しがたい。 〕(戸田邦信・元共同通信バンコク支局長、米国在住)

〔 不当な判決に抗議し、先生の控訴審でのご奮闘をお願いします。 〕(山内正紀「進歩と改革」編集長)

(続く)

同志社大学解雇事件、京都地裁不当判決 教授ポスト剥奪を合法化

浅野教授の文春裁判を支援する会
 ∟●同大の教授ポスト剥奪を合法化した不当判決、“ヒラメ”裁判官・堀内照美裁判長の蛮行

同大の教授ポスト剥奪を合法化した不当判決
“ヒラメ”裁判官・堀内照美裁判長の蛮行

浅野健一・同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程教授は3年前の2014年3月末、20年間務めてきた教授ポストを、村田晃嗣学長(当時)執行部、渡辺武達教授(70歳定年退職後、2015年4月から名誉教授)ら同じ専攻・学科の教員6人、冨田安信社会学研究科長(当時)らの闇討ち・暗黒裁判によって剥奪されました。浅野教授が2014年2月3日に学校法人同志社(水谷誠理事長=神学部教授)を相手に起こした「地位確認等請求訴訟」の判決が3月1日(水)午後1時10分、京都地方裁判所第6民事部(堀内照美裁判長、髙松みどり右陪席裁判官、築山健一左陪席裁判官)であり、堀内照美裁判長は「原告の請求をいずれも棄却する」「訴訟費用は原告の負担とする」との主文を言い渡しました。 

傍聴した支援者、浅野教授らからの報告をもとに、3・1判決について、以下報告します。

堀内照美裁判長が政治的判決、3月10日付で控訴

堀内裁判長は、3年間の審理で行われた証拠調べを無視して、被告同志社の代理人、小國隆輔・多田真央両弁護士(大阪・俵法律事務所)の詭弁と冨田安信・研究科長(当時、産業関係学教授)の偽証を「証拠」として認め、同大による忌まわしい不当解雇を正当化しました。

堀内裁判長らは西日本トップ私大の同大の犯罪を免責し、形式論だけで浅野教授の地位を奪った同大当局の共犯者になりました。判決文の「当裁判所の判断」は4ページ半しかありません(注)。冤罪事件、公安事件の認定のようで、被告側の主張をすべて「不自然ではない」などと採用、原告側の証拠については「証明がない」と切り捨てた極めて政治的な判決です。これは昨年11月24日の東京地裁(辻川靖夫裁判長)による城﨑勉さんのジャカルタ事件の刑事裁判での「初めに有罪ありき」判決に酷似しています。辻川判決は被告人に偏見を持ち、直接証拠が何もないのに「推認」だけで有罪としました。

堀内裁判長ら裁判官3人は御用裁判官です。裁判官というのは巨大な権力を持っています。黒を白と言い切れるのです。しかし、誤った判決は高裁、最高裁で改めなければなりません。大学教員の位置がこんな理不尽な方法で剥奪されるのを許してはなりません。堀内氏は、安倍晋三首相の御用学者、村田晃嗣学長(当時)体制の御用裁判官でした。

浅野教授は一審敗訴の場合、控訴すると決めており、判決言い渡し後に判決文を入手して、被告代理人の荒唐無稽なウソだらけの主張をコピペしたふざけた判決だと知り、判決報告集会で、「残念な結果になったが、新たに構成する弁護団と元学生・支援者と共に、大阪高裁で逆転勝訴を目指す」と表明しました。

3月15日が控訴期限でしたが、浅野教授の控訴審代理人は3月10日、京都地裁へ控訴状を送りました。裁判所が控訴状を受理してから50日以内に控訴理由書を大阪高裁へ提出しなければなりません。控訴審の弁護団は山下幸夫(東京弁護士会)、高田良爾(京都弁護士会)、山縣敦彦(第二東京弁護士会)の各弁護士です。山下弁護士は対冨田裁判、山縣弁護士は対渡辺裁判、怪文書5人裁判の代理人です。高田弁護士は岡山大学医学部教授解雇事件の原告代理人をしています。岡山大事件は、全国大学事件情報のHPに載っています。浅野教授の事件もHPに掲載されています。http://university.main.jp/blog/ 

一審の弁護団は3月9日、大阪の武村二三夫弁護士事務所で約2時間、判決検討会を開き、控訴審弁護団に助言などをしてくれることになりました。

教授の労働権、学生の教育権を蹂躙した裁判官

浅野教授の解雇・追放を主導したのは、メディア学専攻の渡辺教授、同僚4人(小黒純・竹内長武・池田謙一・佐伯順子各教授)と社会学部メディア学科の河﨑吉紀准教授(浅野ゼミ2期生)です。この7人を背後で操ったのが安倍晋三首相に近い村田晃嗣学長(15年11月の学長選挙で完敗、現法学部教授)、尾嶋史章副学長(当時、現社会学専攻教授)ら当時の大学執行部です。同志社大学教職員組合(浅野教授は1997年度の委員長)は浅野教授の解雇を「大学の自治、学部の自治に介入できない」という理由で取り上げませんでした。浅野教授は「組合を脱退していない」(佐藤純一書記、組合が65歳以降も嘱託書記として再雇用)状態ですが、「個別事案の裁判は支援しない」(佐藤書記)浅野教授に通告しています。組合は大学執行部の共犯者です。

堀内裁判長は、小黒氏を「議長」と認定し、専攻会議の決定がなく、社会学研究科委員会(教授会)において前例のない無記名投票を強行したなどの手続き上の重大な瑕疵を見ず、最初から「棄却」ありきの判断を示しました。定年延長は労働契約ですが、毎年3月中旬にすべての教員(嘱託講師を含む)に送られてくる「出講案内」「個人別時間割表」の送付が、労働契約の「申し入れ」で、送られてきた定年延長対象者が黙っていれば「承諾」だという被告代理人の主張を認めました。同大では次年度のゼミの仮登録を12月から1月に行い、教員に対し、次年度のシラバスの提出を1月上旬に求めています。新学年が始まる約10日前に定年延長の労働契約が結ばれるというのはあり得ません。

原告の浅野教授と弁護団、支援者は1975年以降、65歳になったすべての大学院教授を調査し、浅野教授のように、専攻や研究科委員会で拒否されたケースはないことを証明したのに、それは「たまたまそうなっただけ」で、「65歳で定年退職」「65歳以降の定年延長は慣習にはなっていない」(権利ではない)と判断しました。浅野教授が解雇された後の、大学における教育指導に関しては、全く言及していません。大学の実態を知る人なら、定年延長が3月下旬に決まるなどという見解は荒唐無稽だとすぐわかるでしょう。大学にとって一番重要なのは、「科目」を教え、学生の指導をすることですが、堀内裁判長は指導教授を失った博士後期・前期の学生のことを忘れてしまっています。

同大において、大学院教授は70歳まで教授を続けるという慣行があるのは周知の事実です。浅野教授は13年10月に、日本学術振興会(文科省)の科学研究費の申請を行っていました。14年4月から2年間の研究で、テーマは「尖閣(釣魚島)・竹島(独島)領土問題に関する日本・中国・韓国のマスメディアによる取材・報道の検証」でした。博士後期課程2年生だった矢内真理子氏の学振「DC2」特別研究員の受入研究者(指導教授)を14年4月から16年3月まで行うことが13年9月に内定していました。矢内氏の研究テーマは「東電福島原発事故とメディア」でした。ロシアのペテルスブルク大学を卒業した学生が日本政府奨学金で14年8月来日し、15年4月から2年間、浅野教授が受入研究者(指導教授)となって指導することが13年8月には決まっていました。彼女の研究テーマは「外国人刑事事件と日本の新聞」でした。

浅野教授の科研の応募、学振研究員・国費留学生受入はすべて学長を通じて文科省・学振に対して申請・認可が行われています。同大が浅野教授を14年4月以降も雇用するという前提がなければ、学長がこれらの書類に署名・押印するはずがないのです。同大では教職員も学生・保護者も、大学院教授の定年は70歳と考えています。

また、同大では大学院教授は、67~68歳になったころから博士後期課程の学生を受け入れません。博士号を取るには、後期課程に入ってからどんなに早くても3年はかかるからです。

学部のゼミの募集でも、大学院教授は70歳まで教授を続けるという前提があることが、3・4年連続履修で卒業論文指導も兼ねる本ゼミ(演習)の募集をしなくなるのが、69歳の時だということでも分かります。浅野教授が64歳だった12年1月、3・4年生連続履修のゼミの募集を行い、4月に13人が登録しました。浅野ゼミ20期生で、15年3月に卒業予定でした。退職予定の教員のゼミは退職の2年前からゼミ募集をやめます。4年次に教員がいなくなるためです。渡辺教授が3年ゼミの募集をやめたのは、14年4月です。渡辺氏は69歳になっており、15年3月末に70歳定年退職するためでした。

堀内判決のように、大学院教授も65歳が定年で、定年延長は慣行ではないというのなら、65歳の時点で科研の応募はできないし、ゼミ募集は64歳の時にできなくなるはずです。堀内裁判長は同大の60歳代前半の教授の指導を受けている学生に、「あなたの先生はいつ退職するか」と聞いてみればいいのです。大学院へ進もうと思っている学生なら、100%が「70歳までいる」と答えるでしょう。

被告同志社の水谷理事長(法人と大学施設部長は16年8月に産廃事件で有罪確定)も、4月から総長に就任する八田英二・元学長も定年延長中です。水谷理事長と八田新総長の所属する神学研究科、経済学研究科はどういう「審議」を行って、定年延長を認めたのでしょうか。両教授には博士後期課程の学生はいるのでしょうか。両教授の所属する研究科委員会で、どのように、「研究業績、教育実績及び学内の運営面での貢献度等、プラス面のみならずマイナス面も含めて総合的に考慮した」か知りたいところです。

支援者30人に驚く堀内裁判長、被告席は無人

原告側は平方かおる弁護士と浅野教授が出廷。被告の代理人、小國隆輔・多田真央両弁護士と裁判を欠かさず傍聴してきた冨田氏と松隈佳之・社会学研究科事務長は姿を見せませんでした。

法廷に、同大社会学部メディア学科4年生の2人、鶴見太郎さん(2013年、同大文学部哲学科卒)、氏本義隆さん・氏本デリアさん(浅野ゼミ14期生の両親)、庄司俊作・同大人文科学研究所教授、新谷英治・関西大学文学部教授、福本高大・鹿砦社編集部員、田中圭太郎・元大分放送記者、園良太・人民新聞記者、大石薫・元上智大学インドネシア語講師(博士後期課程学生ナジ・イムティハニさんの博論翻訳協力者)、元京都府立高校教諭(広島大学大学院生の時、中国新聞に被疑者写真と間違えて掲載された報道被害者)、大道さん(映像ジャーナリスト)、京都大学学生(京都大学新聞編集員)、高田良爾弁護士(京都弁護士会)、元浅野ゼミ聴講生の会社員、元会社員ら30人が傍聴してくれました。

堀内裁判長は入廷した際、傍聴席に30人を超す浅野教授の支援者がいることに驚き、傍聴者を見渡した後、着席しました。傍聴席を埋め尽くした支援者は、裁判長がか細い声で、「請求棄却」を言い渡した瞬間、「不当判決だ」「ふざけるな」「許さないぞ」などと大声で抗議しました。傍聴人全員が怒りの声を発したため、訴訟費用に関する主文はほとんど聞き取れない状態でした。堀内氏と書記官、裁判所職員が「静かにしてください」「静粛に」などと制止しましたが、「こんな判決のために3年以上もかけたのか」などとプロテストの合唱は止まりませんでした。本来なら、裁判長は傍聴人に退廷を命じるのですが、30数人全員が声を上げていましたので、何もできず、憮然とした表情で、「それでは閉廷します」と告げて立ち上がりました。浅野教授は堀内氏を睨みつけ、「あんたは税金泥棒だ。村田晃嗣一派の御用裁判官だ」と言いました。敗訴の場合、閉廷後にそう言うことを決めていました。「3年もかけて解雇正当化か。恥を知れ」と非難しましたが、堀内氏は浅野教授に目を合わさず、しばらく呆然として傍聴席を見て、姿を消しました。堀内氏は「静かにしなさいよ」と言ったようですが、傍聴人の怒号でほとんど聞こえませんでした。

閉廷後、鶴見さん、大道さん、園さんが書記官ら裁判所職員に「堀内裁判長はなぜ判決理由を読み上げないのか。傍聴人にはなぜ浅野教授の請求を棄却したか分からないではないか」などと抗議。職員は「裁判は終わったので退廷を」と制止しましたが、「堀内裁判長は出てこい」「司法は強い権力の犬か」などと抗議を続けました。3人の抗議は約25分間続き、裁判所総務課長ら職員が10数人現れ、裁判所から退去命令が出そうになった午後1時40分に全員が法廷から出ました。

堀内氏は傍聴席からの罵声を全身に浴びて、インチキ判決を出したことを恥ずかしく思ったでしょう。学生、市民に説明のつかない判決内容でした。予想した中で、最悪の内容でした。あなた、そこまで言うかと呆れる内容です。

四国から来てくれた支援者は「3年間闘った末にこんな形になって悲しいし、怒りをおぼえる」と言っていました。支援者の中に、涙ぐんでいる人が何人もいました。浅野教授は「3年半、ずっと応援してくれた支援者のことを一生忘れません」と話しました。

控訴審で正義の判決を―支援者が報告集会

判決後の午後1時50分から3時半まで、地裁の隣にある京都弁護士会館3階の「大会議室1」で判決報告集会が開かれました。メディア学科4年の寺西心さん(13年度1年浅野ゼミ)が司会を務めました。

まず、原告の浅野教授が次のようにコメントしました。

「3年1カ月も要して、こんな結果になり、怒りを感じている。浅野教授の追放を共謀した連中と、大学から大金をもらって弁護してきた悪徳弁護士が喜んでいると思うと、本当に悔しい。

残念な判決だが、ある程度覚悟していた。まず裁判官たちが悪かった。堀内氏は裁判の途中から浅野教授に対し冷たい態度だった。昨年9月の証人尋問で、裁判官3人から浅野教授に質問が全くなかった。真実を究明する気がない。左陪席は手続きの瑕疵に理解を示していたが、裁判長は最初から強い偏見を持っていた。冨田氏と小國弁護士が、浅野教授の支援者に裁判所内でビデオカメラらによって無断撮影されたというウソを告げ口して、1年間も法廷警備が行われ、同志社が大阪の暴対弁護士(淺田法律事務所の米倉正美・小谷知也両弁護士)を雇っていることも発覚した。堀内裁判官は公安当局のような目で浅野教授を見ていた。

次に、一審弁護団は『特段の事由のない限り、希望する大学院教授は70歳までの定年延長が認められており、浅野にはそれを拒む特段の事由は全くない』ということを証明すれば勝てるという立場だった。浅野教授は、それだけでは勝てない、私怨を持つ渡辺グループが小黒教授を工作員にして悪意をもっていやがらせで定年延長制度の不備をついて追放した経緯を強調すべきだと要請したが、中途半端に終わった。

浅野教授が解雇される1年前に、大学院ビジネス研究科の山口薫教授が2年目の定年延長を拒否されて裁判を起こしたが、同じ京都地裁第六民事部で、定年延長は慣行にはなっていないとして敗訴し、確定しているのが、影響したと思う。山口教授の事件の判決を言い渡したのは、堀内裁判長の前任者だった。定年延長を慣行と認めた日本大学判決もあるが、弁護団は最初、使わなかったのも不利に働いた。

判決は、同僚6人の悪意、村田晃嗣学長(当時)と冨田氏が嫌がらせで浅野教授を排除したことを見て見ぬふりをした。万死に値する蛮行だ。控訴審では一審の闘い方を検証し、新たな理論、証拠で闘い、必ず逆転勝利したい。皆さんの引き続きの支援をお願いしたい」

次に各地から参加した支援者が感想を述べました。

那覇から駆け付けた大石薫さんは「ナジさんの博論執筆のために、日本語とインドネシア語の翻訳の手伝いをしています。浅野さんとは30年前に浅野さんが共同通信ジャカルタ支局長だったころからの知り合いで、浅野ゼミの沖縄合宿では毎年、学生さんと交流してきた。ナジさんが博士号を取るためには、浅野さんが教授に復帰することしかないのに、教授としての地位を認めない司法判断はおかしい」と訴えました。次に、京都大学の学生が「浅野教授は日本のジャーナリズムの改革にとって大切な教員で、他大学の学生、一般市民にとって必要だ」と話しました。1年生の時に浅野ゼミだった寺西さん(3月21日に卒業予定)は「浅野先生は最も熱心で、勉強ができると思ってゼミを選んだ。大学はなぜ浅野先生を追放したのか。控訴審も支援したい」と述べました。

裁判所から判決文正本を受け取って、判決文を読んでから報告会に合流した平方かおる弁護士は次のようにコメントしました。

「私たちは、同大教職員の定年は65歳だが、大学院教授に関しては70歳まで1年ごとに定年が延長されるという慣行があり、特段の事情がない限り、すべての大学院教授に認められてきたのに、浅野先生には特段の事情もないのに認められなかったのは、不当、違法だと訴えたのだが、裁判所は、大学院教授の定年延長について、事実たる慣習もなかったし、労働契約の内容にもそのことは入っておらず、解雇権の乱用を判断するに至らないと判断した。

就業規則の付則、理事会通達などの規定の文言は、同大の教職員は65歳で定年になっており、当分の間、法人が必要とする大学院教授は定年が延びるとしており、原則として70歳まで延長されるというのはこの文言に反するとした。原告側の私たちは、文言上は65歳であっても、これまでに65歳を迎えた大学院教授の実態を見ると、健康で定年延長を希望する院教授には例外なく延長が認められてきたことを証明し、70歳定年が慣行になっていると判断すべきと主張してきたが、被告は形式的にすぎない就業規則などの文言を根拠に、法人が個々の大学院教授の定年延長に関し、実質的に審議が行われてきたと認めた。大学院教授の93%が定年延長になっているとしても、それは慣行にはなっていないし、労働契約時にも明示されていない。

また、浅野先生の場合、審議の結果たまたま定年不延長になっただけで、定年延長される権利があるわけではないと判示した。

実際の定年延長される教授の手続きとして、65歳で定年延長のための労働契約を結び直す手続きが明確になされなければならないと私たちは主張したが、判決は被告法人側が主張した通り、新年度の出講案内と個人時間割表を送られてきたことを労働契約の申し出とし、定年延長対象の教授がそのまま授業をすると承認することで、労働契約の申込みとするという手続きを認定した。この申し込みと承諾は、毎年3月中旬に、定年延長対象者以外の教員、嘱託講師に一斉に送られる書類で、定年延長の雇用手続きになっていないのだが、定年延長しない人には送っていないので、それを契約とするのは不自然とは言えないと判断している。

浅野先生の場合、研究科に行くまでの専攻における審議の過程の瑕疵などは全く論じていない。浅野先生は研究科で定年延長が拒否され、法人(理事会)では審議もされなかったのに、審議がなされたとみなした。

今日から2週間後までに控訴するかどうか決めなければならない」

庄司教授が「こちらの主張が認められず、被告の主張がほとんど認められた。準備書面を振り返ると、大学の自治が壁になったとは言えないと思うがどうか。ビジネス研究科の山口薫教授の2回目の定年延長が拒否された事件の裁判で、大学院教授の定年延長は慣行にはなっていないという判決が確定しているが、その影響はあるか。定年延長制度は就業規則の付則で、必要な大学院教授に認めると書いてあるだけで、慣行、権利ではないという判決だが、原告側は1976年以降に65歳を迎えた大学院教授のリストをもとに、希望する大学院教授の全員が定年延長されていることの立証ができたのに、判決は、93%が認められているだけで確立した慣習というのは否定されたが、なぜなのか」と質問。

平方弁護士は「大学の自治、裁量という論理ではなく、定年延長は権利ではないし、手続きに問題はないという判断だ。山口薫教授裁判に判決の、同大において、定年延長に関し事実たる慣習は存在していないという判断と同じだ。院教授のリストをもとに全員が認められてきたと証明したが、判決(21ページ)は何の理由も示さずに、客観的な証拠がないと言い切っている」と答えた。また、「定年延長に関し、各研究科委員会で審理しているとした上で、原告の浅野先生が渡辺武達教授の定年延長に関し、2回異議を申し出て、研究科委員会で審議したことを根拠に、審議があると認定した」と話しました。

庄司教授は「日本大学国際関係学部の教授の定年延長拒否事件の確定判決では、65歳を超えた教授に、2年、2年、1年ごとに定年延長が認められているのは、確立した慣習と認定され、教授が全面勝訴している。教授会で定年不延長を決めたことは、大学・学部の自治とは言えないという判断だ。浅野先生のケースと類似の事案だと思うが、日大裁判の判決と違う判断が出たのはなぜか」と質問しました。

平方弁護士は「日大裁判の場合と違うのは、大学側が65歳以上の教授の定年延長を前提として認める表明が様々にあった。その前提が違うと思う」と答えました。

これに対し、庄司教授は「同大でも大学院教授は70歳が定年と教授も大学も認識している。定年延長があるので国公立大学から50歳代に移籍してくる教授も少なくない。学生に対しても、大学院教授は65歳で退職せず、5年間は大学にいるという前提で動いており、日大と同様だ」と強調しました。浅野教授も「大学院教授は64歳の時、学部の本ゼミ(3年ゼミ)を普通通り募集している。定年延長を慣行としているからで、審議の結果、3月に定年延長するかどうかが決まるというなら、もし定年不延長になった場合、次年度はいないわけで、3年生が4年生になった時に担当できなくなるので、64歳の時に3年ゼミの募集はできないはずだ。渡辺教授の場合も、69歳の2014年度になって初めてゼミの募集をやめている。15年3月に70歳で定年退職するので、4年生の時にいないからだ。他の学部でも同じだ。また、大学院と学部で受験生に配布する案内文書、ネットのHPの教員一覧に65~69歳になった教授の一覧が載っている。次年度いないかもしれない教授を、何の断りも付けずに載せるはずがない。同大と日大に違いはない」と反論しました。

13年度に浅野ゼミ1年生だった須賀達也さんは「このような判決を出すのに、こんなに長い期間が要されているのが理解できない。浅野先生の定年延長が拒否される過程を実際に見た私には、きちんと審議がなされたとは思えない。控訴審、最高裁と続くと思うが、裁判が終わった時に、先生は70歳ということになりかねない」と話しました。

元会社員の山田健吾さんは「去年2月から病気でしばらく傍聴できなかったが、今日は来ることができた。3年かかったから、裁判所から和解勧告が出ると思っていたが、こういう一方的な判決で驚いている。高裁では逆転してほしい。5人裁判、対冨田教授裁判の一審で、名誉棄損を認めさせ勝ってほしい」と激励してくれました。 

田中圭太郎さんは「大学の実態に合わない形式的な判断に終わった。これなら3か月か半年で裁判を終えることができたはずだ」と話しました。

新谷教授は「浅野ゼミのイベントに参加して、浅野さんのゼミは生き生きと活動しているのを見て、同じ大学教員として学ぶところが多かった。ぜひ教授に復職してほしい」と話しました。 

テレビ朝日報道部記者(ゼミ14期生)の父親の氏本義隆さんは「息子が4年間世話になった。どうしてこういう結論が出るのかと悲しくなる。毎回法廷で傍聴することしかできないが、控訴審も傍聴して支援したい」と話しました。

平方弁護士は「2週間以内に控訴し、控訴審に向けて心を一つにして闘ってほしい。引き続き支援をお願いしたい」と語りました。

「院教授70歳定年」まで残りは2年

浅野教授は地位裁判の前の2013年12月27日に地位保全の仮処分を申し立て、解雇後の14年5月15日に棄却されています。地位裁判だけで3年1カ月もかかっています。一審不当判決で、大阪高裁、最高裁まで争いが続くことになり、さらに1年かかることは必至です。訴訟費用もかかります。浅野教授は今年7月27日に69歳になります。上級審で地位が確認されても、定年延長で教鞭をとる期間は1年かゼロになります。被告の同志社と、俵法律事務所の弁護士たちにとって、時間が長くなるほど、「浅野がいなくても何の支障もない」という状態をつくれるのです。浅野教授を追放した教授たちは、浅野教授をまるで犯罪者、ストーカー扱いして、「浅野のいないメディア学専攻」でぬくぬくと生活しています。浅野教授が同大教職員に問い合わせたり、取材したりすると「すべて社会学部の松隈事務長を通してください」という通知が全教職員に出ています。小國弁護士(同大法科大学院嘱託講師)は「原告が大学に取材しているが、すべて代理人を通すように」というファクスを浅野教授の代理人へ送っています。65歳で定年退職した教員が、大学に近寄るな、学生に連絡するな、取材も問い合わせもするな、などと通告していいのでしょうか。

17年4月から、小黒・池田両教授はゼミを休むようです。専任教員二人が同時に3年ゼミを開講しないというのはあり得ないことです。「ジャーナリズムのことをきちんと教える教員はいない」とメディア学科3年生は嘆いています。

この判決は、裁判官たちが「悪意・嫌がらせに基づく65歳定年退職」という形で不当解雇の経緯を見ず、「西日本トップ私大の裁量、大学の自治に司法は介入しない」という理屈で逃げ込んだのだと思います。大学は「権力」です。

支援会は、大阪高裁の控訴審では、メディア学専攻と社会学研究科における定年不延長決定の手続きに重大な瑕疵があることなどを論証していけば、必ず逆転勝訴判決を勝ち取れると確信しています。その場合、冨田氏と同僚5人が13年8月段階から同志社の代理人の弁護士(複数)と相談しながら、10月16日まで、浅野教授に定年延長は確実と思い込ませ、10月28日に「定年延長拒否通告」を突然通告し、専攻会議(議長は専攻教務主任の浅野教授)の議決を経ず、10月30日と11月13日の研究科委員会で「専攻で決まった」とウソをついて定年延長拒否を議決した経緯を証明していくことが大切です。彼らの行為は、学部の自治などでは全くなく、何の権限もないのに、好き嫌いで浅野教授を排除したことが明白になると思います。控訴審、最高裁で浅野教授が勝った場合、不法行為で浅野教授を解雇に追い込んだ人たちには責任を取ってもらうしかないでしょう。

それから、浅野教授の地位裁判一審判決の結果とは関係なく、浅野教授が14年4月1日から同大の教壇に立てなくなっているのは不当です。堀内判決は、浅野教授が就業規則どおり65歳でめでたく退職したのだというのですから、学校法人が14年4月1日に13年度の浅野ゼミ(3年、20期生13人)を強制解散させ、小國弁護士らが浅野教授に「大学構内への立ち入り禁止」「指導していた学生への電話・メールでの連絡の禁止」を通知してきたことは不当、違法ということになります。3年間も浅野教授の大学院と学部の10科目(15年度から院の2科目だけ小黒氏が担当)を担当者未定・休講にしていることの妥当性も問われると思います。

浅野教授と同大の学生有志は4月から、3年間休講になっている科目の授業再開を強く望んでいます。学生有志は判決後も、松岡敬学長と水谷理事長に、緊急要望書を提出する予定で、今、署名を集めています。

浅野教授は「週刊金曜日」2月17日号に、怪文書5人裁判における小黒氏の法廷証言を批判する記事を書いています。また、ジャーナリストの佐竹純一さんが2月27日、人民新聞HPに怪文書裁判に関する記事をアップしています。

http://jimmin.com/2017/02/25/post-1270/

「同志」がいない同大―野田正彰さんが自主ゼミで講演

判決の夜、同大今出川キャンパス・良心館306番教室で精神科医の野田正彰・元関西学院大学教授を招いて、自主ゼミ「浅野健一ジャーナリズム講座」(第11回)が開かれました。コーディネーターは田中圭太郎・元大分放送記者。

野田さんは講演の冒頭で地位裁判判決について話しました。

〔 まず、今日、不当判決が出た大学院社会学研究科メディア学専攻の浅野健一さんの地位裁判についてお話しします。

浅野さんの定年延長を審議した2013年10月30日の社会学研究科委員会で配布された

「浅野教授定年延長の件 検討事項」と題した審議資料(怪文書)を読んだときにびっくりしました。

一つは、大学院の教授として採用しておきながら、20年も経ってから、教授としての能力がないっていう判断をするというのは、じゃあこの間は何をしていたんだろうという話で、めちゃくちゃなことを書いているなあと思った。

それから、そう言っている教授たちのメンバーを見て、他の教授の名前は全然わからないけれど、遊女の研究を講義している佐伯順子の名前が載っていたから、なんじゃこらあと思ったんですね。同志社の腐れようの象徴みたいなものです。(そういう)メンバーですよ。

もちろん大学で遊女の研究をやってはいけないわけではないですけれど、少なくとも日本の社会の中で遊女というのはどういう位置に置かれていて、それが社会の人間とどう関わっているのかという研究をしていればいいけれど、彼女のやっているのは、面白おかしく、80年代の大学で軽薄短小の講義をするのがひとつのファッションみたいな、その延長になっている人が、浅野さんが一生懸命に現代のジャーナリズムの批判をしてきたわけですけれど、それに対して「教授としての一定基準のレベルに達していない」とよく言うなと思いました。

あと、審議資料文書を読んでいると、最後の方にある「職場環境面」「[要点]学科内の職場環境を極めて不正常にさせている」根拠の一つに、「専攻科の各教員は常時強いストレスにさらされている。文書送付等が顕在化しているときは勿論、その後も長く続く恐怖感。これによる突発性難聴や帯状疱疹などの発症」と書いてありました。浅野さんが職場にいるせいで、ヘルペスになったとか、突発性難聴になったとか、これにはまあびっくりしました。この大学の教授は、最低限の教養もないんだなあと思いました。浅野さんがヘルペスをうつすぐらいの能力があったらですね、川向こうの(京都大学にある)iPSの研究所と同じく、同志社も浅野ウイルスを抗体にする研究所を作ったらいいくらい大変なことなんですけれど。平気でそういう、言っていることが本当だと思っているんでしょうね。ヘルペスがウイルスであることを知らない人の物だと思うんです、あの文章は。その程度の人が社会学部の教授になって、この大学の、最低限の教養もなしに、自ら辞表を出すべき人ではないかと思いました。

突発性難聴についてもですね、これは原因不明だから突発性と書いてあるのですよ。浅野さんが原因だったら、浅野さんの教室の、左前の人ばっかりが難聴になるというのなら、あっちの方から耳を傾けていると悪い声が聞こえたというのなら、まあ皮肉としては面白いけれども、どうもそういうことでもないらしい。

とりあえず、嫌なやつだということを書いているだけです。それをそう書くならいいですよ。しかし、最低限の高校生くらいの知識すらない人が大学教員で、恥ずべきことだと思います。

2004年1月の自衛隊のイラク派兵の時に、時の女性の外相、川口順子をよんで、劣化ウランを使ったときですよ。村田晃嗣教授(法学部教授、13~16年同大学長)が彼女をよんで早々に講演会やったんですね。そのときに劣化ウランの問題を提起した学生とかをここの職員も動員して会場からつまみだすということをやったそうです。それを聞いて、最低な大学だなと思いました。

今日も来るときに「良心館」に行くのかと。不愉快な名前のところにいかなきゃならないなあと思ったんですよ。私は前から同志社の名前のつけ方が気に食わない。それから名前以上に入ってくると建物が気にくわない。こんなにピカピカな贅沢な建物で、いったい社会の矛盾を考えるような学生が育つのだろうか。これは明らかに土地の地上げで金儲けした不動産会社と組んで、大学がそのお金でこういう建物をボンボン作っていますよね。そのことを大学も学生も問題にできなくて、挙げ句の果てには川口を呼んで喜んでいるという印象を持ちました。

もちろん私は、関学にいたので、五十歩百歩の大学で、西の方から同志社の悪口を言えるほどのことはないけれども、しかし、五十歩百歩でいえば、ここまで落ちぶれていないぞという感じがしましたね。

きのう娘が久しぶりにご飯を食べに来たので、明日久しぶりに同志社に行くんだって言って、からんでですね。「同志社大学っていう名前がついている学校に行ったんだろう」って。私の娘は経済学部(八田英二教授=元学長で4月から総長=のゼミ)を出て、総合政策の大学院を出た。「いったい志はあったのか、言ってみなさい」と言ったんですね。同志社でしょう。「同志だから、志を共にしようとする人と出会ったか言え」って言ったら「友だちはいっぱいいた」と言ったんですよ。友だちと同志とは違うだろうと。そうしたら怒ってきょうはご飯食べないと言われてしまいましたけれど。

でも皆さん、本当に考えてください。名前が泣いているんじゃないでしょうか。同志社です。志をもって、日本のシステムの中で、廃仏毀釈の動きがあるなかで、キリスト教の志を持って作ろうとした大学がいったい何をやっているんだろうという感じがします。私は国立大学だけれど唯一キリスト教によってつくられた北海道大学(医学部)を卒業しています。同志社よりも私の大学の方がずっとキリスト教的だったなあと思うことでして、もうちょっとちゃんと志を持って欲しい。名前だけ良心館と付けたという思いです。 ]

(続く)

同志社大学・浅野教授定年延長拒否事件の概要

浅野教授の文春裁判を支援する会
 ∟●同志社大学・浅野教授定年延長拒否事件の概要

同志社大学・浅野教授定年延長拒否事件の概要

☆闇討ち・暗黒裁判だった浅野教授追放

浅野健一・同志社大学(以下、同大)大学院社会学研究科メディア学専攻教授は2014年3月末、学校法人同志社(水谷誠理事長=神学部教授、以下同志社)による定年延長拒否=解雇という形での“だまし討ち”“暗黒裁判”で不当解雇されました。浅野氏は14年2月3日、同志社を被告とし、京都地方裁判所第6民事部(堀内照美裁判長)に従業員地位確認等請求訴訟を起こし、これまで15回の口頭弁論が開かれ、今年3月1日(水)午後1時10分、京都地裁203号法廷で判決の言い渡しがありました。堀内裁判長は請求を棄却しました。浅野氏は判決は不当として、3月10日付で控訴しました。大阪高裁で控訴審が行われます。判決については、浅野支援会のHPを参照ください。

浅野氏は1972年に慶應義塾大学経済学部を卒業、同年4月から一般社団法人共同通信の記者となり、社会部、千葉支局、外信部で記者やデスクとして働き、ジャカルタ支局長などを歴任しました。

浅野氏は94年3月末に共同通信を退社し、同年4月から2014年3月末までの20年間、同志社が運営する同大大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程(旧・大学院文学研究科新聞学専攻)及び同大社会学部メディア学科(旧・文学部社会学科新聞学専攻)において教授の職にありました。1998年に大学院文学研究科新聞学専攻(2005年に社会学研究科メディア学専攻と改称)博士後期課程が設置されましたが、その際、文部省(当時)による教員審査で、博士論文の指導が可能な「D○(マル)合」の資格が認められています。設置が認可された博士後期課程にはジャーナリズム、コミュニケーション、情報文化の三つのコースが設けられ、浅野氏はジャーナリズム分野の責任者となりました。

浅野氏は村田晃嗣学長(15年11月の学長選挙で敗北し16年3月辞任、法学部教授)とメディア学専攻の同僚である渡辺武達教授(2015年に70歳で定年退職、現在名誉教授)が中心となった“闇討ち”の暗黒裁判で同大から暴力的に追放されました。1951年以降、すべての大学院教授に認められている定年延長を社会学研究科委員会(教授会)において前例のない無記名投票で拒否され、「65歳で退職」という形の極めて巧妙なやり方の不当解雇でした。

浅野氏は「65歳定年」で、同志社総長から感謝状をもらって退職した形になっていますが、実際は同志社大学からの完全追放でした。20年間も大学院教授・学部教授を務めたのに、名誉教授にもならず、70歳まで任用可能な他の雇用形態(特別任用教授、客員教授、嘱託講師など)での再雇用もありませんでした。

浅野氏の定年延長を審議した13年10月30日の社会学研究科委員会(35人の専任教員で構成)で、浅野氏の同僚4人(小黒純・竹内長武・池田謙一・佐伯順子各教授)は「浅野教授の定年延長 検討事項」と題したA4判・2枚の文書(作成者名、作成日時なしの怪文書)を配布しました。根拠を示さない一方的な非難・中傷を列記した文書でした。「研究者としての能力に問題」「学生本位の教育がなされていない」「御用組合、デマなどの用語を使っている」……。「専攻科の教員がストレスにさらされ帯状疱疹を発症」などという非科学的言いがかりさえありました。

小黒氏は16年12月20日、京都地裁へ提出した陳述書で、浅野氏が13年度の「新聞学原論Ⅰ」の講義概要で、朝日新聞の11年10月15日の社説を引いて、〈「大本営発表」報道だったとあっさり認め自省した〉と書いたことを取り上げています。

〈(社説では)「大本営発表」になっていないか」という「厳しい批判にさらされている」と述べられているにとどまり、自らの報道が「大本営発表」になっていたと認めてはいませんので、明らかな誤読か、意図的な曲解と考えざるをえず、研究者・教育者として極めて不適切〉

この後、小黒は、浅野氏が〈自らの主義・主張、政治的信条を前提とした授業が行われていると推認され、院生・学生本位の教育ではない〉と非難しています。

しかし、 依光隆明・朝日新聞記者(元・東京本社特別報道部長)は「福島原発事故に関する朝日新聞の取材・報道は“大本営発表”になっていたというのが朝日社内の一致した感覚だと思う。私たちが『プロメテウスの罠』(11年10月~16年3月)の連載を始めた原点も、その反省の上に立ってのことだ」と話しています。

小黒氏らは、日本に国際標準のジャーナリズム創成を目指す浅野研究室を破壊するために、同大における定年延長制度の不備を利用して、浅野氏の追放を強行したのです。

浅野氏は地位確認訴訟の他、16年3月13日、渡辺氏と怪文書作成の4教授(小黒・竹内・池田・佐伯各教授)を相手に、京都地方裁判所第3民事部(久保田浩史裁判長)に名誉毀損・損害賠償請求訴訟を起こし、4月13日に結審の予定です。浅野氏は、さらに、5人と共謀して研究科委員会で規定にない「可決要件3分の2の無記名投票」(新任採用教員採用の際の要件)で定年延長を拒否する議決を強行した冨田安信・前社会学研究科長(産業関係学専攻教授)を被告とする損害賠償請求訴訟を神戸地裁民事4部(石原和孝裁判官)に起こしています。

☆矛盾に満ちた院教授だけの定年延長制度

浅野氏の不当解雇の経緯と現状は次の通りです。

同志社の教職員の定年は65歳ですが、同大には、「同志社が必要とする大学院教授」だけは70歳まで定年延長(1年ごとに更新)されるという制度があります。博士後期課程の博士論文指導ができる教授を確保するために1951年に「当面の間」として導入された制度が66年間も続いています。同大の定年延長制度は、大学院教授は65歳で退職せず、試験監督などの雑務が減ったうえで、65歳時の賃金が保証される「私たちから見れば『夢のような制度』」(勝村誠・立命館大学政策学部教授)で、これまで定年延長を希望する大学院教授に自動的に認められてきました。同大の大学院教授の65歳時の年収は1700万円を超えています。5年間の定年延長で退職金も増えますので、70歳で定年退職する大学院教授と、65歳で退職する非大学院教授との生涯賃金は約1億円違います。このように、同大の定年延長制度は、大学院教授だけの特権であり、大学院教授ではない教員(一般教養科目担当、外国語・体育担当、研究所)にとっては差別的制度で、同志社大学教職員組合でも古くから問題になっていました。「院教授の特権を認めて差別的で、職場の風通しを悪くする同大独自の定年延長制度は根本的な改革が必要」(社会学専攻・板垣竜太教授、2012年度同志社大学教職員組合委員長)で、1997年度の大学組合委員長の浅野教授も同じ見解を持っていました。

☆同僚4教授の妨害と前代未聞の教授会での投票で定年延長拒否

しかし、浅野氏の定年延長を、「大学院教授としての適性に欠ける浅野には認めない」と「メディア学専攻」教授4人が密室の会議で決め、大学執行部が容認したため、教壇に立てなくなりました。

浅野氏は13年7月に65歳になりました。同年10月16日までに決まり、冨田研究科長に提出された14年度開講科目には「浅野教授の講義」(大学院5、学部12科目)が明記されていました。全国の受験生に配られた14年度版大学案内には、浅野氏と浅野ゼミ出身でメディアに就職した卒業生の写真が掲載されていました。14年度の大学院案内にも浅野氏の科目が載っていました。これらはいずれも、「浅野教授の定年延長」を前提としたものでした。

ところが10月29日、浅野研究室に小黒教授名義の「浅野教授の定年延長を提案しない。渡辺教授の定年延長は提案する」旨の文書が投函されていました。「メディア学専攻」6人のうち、浅野、渡辺教授を除く4人で10月25日に決めたということでした。

10月30日、「社会学研究科委員会」(35人の専任教員のうち31人が出席)が開かれ、浅野氏以外の5人(渡辺教授を含む)の定年延長が各専攻から提案されて承認されました。冨田研究科長は、浅野氏は「専攻会議では拒否されたが、浅野先生自身が自身の定年延長を来防しているので、私から提案する」と議題にしました。浅野氏の退席後、冨田研究科長とメディア学専攻の教授4人が怪文書を配布しました。11月13日、研究科委員会で浅野氏の定年延長が継続審議されました。定年延長は承認事項だったため可決要件の規定が全くなく、冨田研究科長が独断で「3分の2の賛成で可決」と提案し投票、「否決された」と浅野氏に通知しました。

渡辺教授とそのグループは03年8月から、「浅野教授がセクハラをした」と学内の委員会に申し立てたり、それを「週刊文春」に垂れ込みして書かせたりしてきました。それが全部虚偽だったことは、浅野氏が起こした対文春、対渡辺教授の名誉毀損訴訟2件で浅野氏が全面勝訴(両裁判の確定判決では、渡辺氏が証拠にしたメールなどを改竄し、同大の信用を失墜させたと認定)したことにより、証明されています。

今回の定年延長妨害も「渡辺グループ」が画策し、安倍晋三首相に近い村田学長、尾嶋史章副学長(村田氏の側近、社会学専攻教授)らが追認しました。「メディア学専攻」が定年延長を提案しなければ、目障りな浅野氏を排除できます。名誉毀損の被害者を追放し、加害者を〝延命〟させる卑劣極まりない工作でした。

被害者は浅野氏だけではありません。浅野ゼミの院生・学生が新年度から希望のゼミを失いました。浅野氏は京都地裁への地位保全仮処分申し立て(13年12月27日、14年5月に却下)の陳述書で、こう書いています。

《私の研究の原点は、「声なき声」、少数者、被抑圧者の立場に立つことです。生きた学問に忠実で、象牙の塔に籠らない学者、学生たちと真に人間的につきあう教授、何よりも人間として今何が必要なことかを教える人になろうと努力してきました》

新島襄が創った「官ではない民の学園」の同大は、こんな研究者・教育者を追放する大学なのでしょうか。

地裁裁判の審理で、同大では大学院教授の場合、70歳定年が制度化していること、浅野氏のような事例は皆無であることが明白になりました。浅野氏の定年不延長を大学院メディア学専攻の同僚(後輩)4人が密室で「決定」し、それを専攻会議の議決を経ていないのに、冨田研究科長が「専攻で決定した」とウソをついて、研究科委員会、大学執行部が「研究科・学部の自治」「定年延長は各研究科の審議事項」(村田晃嗣学長=当時)として追認(黙認)したのが「浅野ケース」です。

定年延長をめぐる労働裁判はこれまでいくつかありましたが、日本大学国際関係学部で教授会において定年延長を拒否された教授が勝訴するなど、大学側がほとんど敗訴しています。

同大の現役学生有志が14年7月以降、浅野氏の教壇復帰を求める要望書を大学と同志社に計5回提出しています。また、学生有志が14年9月から、自主ゼミ「浅野健一ジャーナリズム講座」を同大内で開催しています。浅野氏の闘いは日本におけるジャーナリズム教育研究の拠点を取り戻す活動でもあります。浅野氏の三つの裁判の行方に注目ください。

☆浅野ゼミOB・OG、現役学生らが支援

浅野氏の三裁判については、浅野支援会HPを読んでください。

http://www.support-asano.net/index.html

また、浅野ゼミの20年の歩みはゼミのHPをご覧ください。

http://www1.doshisha.ac.jp/~yowada/kasano/index.html

浅野氏の雇用闘争では、以下の4団体が支援しています。

「浅野先生の教壇復帰を求める会」(大内健史・代表幹事、同志社大学文学部2016年卒、mr.ootake@gmail.com)

「浅野先生を守る会」(吉川幸祐会長=同大政策学部2015年卒astrophysik928@gmail.com、木平良史事務局長=同大法学部卒)

「浅野健一ゼミ・OBG会」(馬場尚子会長、bbnaoko@gmail.com)

「浅野教授の労働裁判を支援する会」(山際永三代表・〒168-0064 東京都杉並区永福4-3-2、電話 03-3328-7609、eizoyama@asahi.email.ne.jp)

札幌大、再雇用賃下げ無効判決 1億400万円支払い命令

毎日新聞(2017年3月30日

 定年後に再雇用された札幌大学(札幌市豊平区)の教授や元教授ら14人が、賃金を一方的に減額されたのは不当だとして大学側に減額分の未払い賃金などの支払いを求めた訴訟で、札幌地裁は30日、計1億400万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 湯川浩昭裁判長は「最大4割の大幅かつ急激な減額で重大な不利益が生じるにもかかわらず、代償措置や経過措置がとられなかった。教職員組合への説明も不十分だった」と指摘。「入学者数の減少などで人件費を削減する必要性はあったが、大幅な減額は不要で、無効だ」として、原告の訴えを大筋で認めた。

 判決によると、札幌大では2007年、教員の定年を労使協議で70歳から65歳に引き下げ、希望すれば70歳まで再雇用される制度を新設。再雇用期間中の年収は最高800万円とした。

 しかし大学側は12年10月、一方的に就業規則を改定し、13年4月以降の年俸を480万円に決めた。

 このため原告らは未払い賃金など計約1億1300万円の支払いを求めて提訴し、「当事者の同意なく大きな賃金引き下げが決められ、無効だ」と主張。大学側は「少子化など厳しい経営環境で人件費を引き下げる必要があった」と反論していた。

 判決後、八鍬(やくわ)幸信教授ら原告側が記者会見し、「企業や大学が労働者や研究者に、安易に厳しい条件を一方的に通告する風潮の歯止めとなる」と判決を評価。大学側は「今後の対応を含め、現時点でコメントできることはない」とした。


札大の一方的賃下げ無効 札幌地裁判決 教授ら再雇用後


道新(2017/03/30)

 札幌大学の教授ら14人が、再雇用後に労使協定に反して一方的に賃金を引き下げられたとして、大学に減額前の賃金との差額などの支払いを求めた訴訟の判決が30日、札幌地裁であった。湯川浩昭裁判長は「賃金を減額する給与支給の内規の変更は無効」として、原告それぞれに約300万~約1千万円の支払いを命じた。

 判決理由で湯川裁判長は、内規の変更によってそれまで516万~800万円だった教授らの年俸が、480万円に引き下げられたとし、「最大4割もの大幅な減額を強いられ、不利益の程度は重大であるにもかかわらず、不利益を緩和する代償措置や経過措置が全く講じられていない」と指摘した。

 さらに人件費を削減し経営再建を図る必要性があったことは認めながらも、「原告らの年俸を大幅に減額しなければ、直ちに運営資金の調達に困難を生じるほど経営状況が逼迫(ひっぱく)していたとは言えない」と判断した。

2017年03月29日

下関市立大パワハラ訴訟判決訴訟判決、事務局長に賠償命令 地裁下関 一部不法行為と判断

毎日新聞(2017年(平成29年)3月29日 地域・下関)

 市立大パワハラ訴訟判決訴訟判決 事務局長に賠償命令 地裁下関 一部不法行為と判断

 下関市立大の教授が研究妨害やパワーハラスメントによって精神的に不安定となり、適応障害を発症したなどとして、同大理事長と事務局長に対し、損害賠償を求めていた裁判で、山口地裁下関支部(泉薫裁判長)は事務局長に5万5千円を支払うよう命じる判決を出した。判決は21日付。判決では、研究妨害やパワハラは認定しなかったが、事務局長の行為の一部を不法行為と判断した。

 判決によると、2012年9月、原告は事務局長らにパワハラを受けたとして、同大のハラスメント委員会に調査を申し立てたが、同委員会はパワハラとは認められないとの結論を出した。その後、14年3月ごろ、今度は事務局長が、原告がハラスメント被害を教授会などで訴えたことで名誉を棄損されたとして、同委員会に調査を申し立てたが、委員会は「委員会が取り扱うべき案件ではない」などとして申し立てを却下した。

 判決では事務局長による委員会への申し立てを「報復目的によるもの」と認定し、不法行為があったと判断した。泉裁判長は「本来、職員をハラスメントから保護すべき立場にある被告から報復的申し立てを受けた原告の精神的苦痛は大きい」と述べた。取材に対し、事務局長は「大学には関係のない個人間のことであるので、コメントは申し上げられない」と語った。

下関市立大学に関する過去記事
下関市立大、「健全運営を」 教員ら市議会に請願書
学長選考「無効」訴え,下関市立大 選考委員の半数
下関市立大学、敗北した者が学長に 民主主義のない大学

教授に精神的苦痛、下関市大の事務局長に賠償命令 地裁支部

山口新聞(2017年(平成29年)3月28日 社会)

 下関市大の教授がパワハラなどを受け適応障害を発症したとして同大の理事長と事務局長に損害賠償を求める訴訟を山口地裁下関支部(泉薫裁判長)に起こし、同支部が事務局長に5万5千円の賠償を命じる判決を出したことが27日、分かった。判決は21日。

 判決によると、2012年9月、原告は事務局長らにハラスメント行為を受けたとして、同大ハラスメント防止委員会に申し立てを行った。しかし、同委員会はハラスメントがあったとは認めなかった。一方で事務局長は14年3月ごろ、原告が教授会で事務局長に対する名誉棄損発言をしたとして、同委員会に調査を申し立てたが却下された。

 泉裁判長は「職員をハラスメント行為から保護すべき立場の事務局長から申し立てを受けた原告の精神的苦痛は相応に大きい」と指摘。事務局長の報復的な申し立てを不法行為と認め、慰謝料の支払いを命じた。

 事務局長は取材に「個人的な訴訟のためコメントは差し控える」と述べた。


森友どころでない加計学園問題、日本中で進む国家の私物化 お友達はみんな優遇され

長周新聞
 ∟●森友どころでない加計学園問題、日本中で進む国家の私物化 お友達はみんな優遇され

森友どころでない加計学園問題
日本中で進む国家の私物化
お友達はみんな優遇され

2017年3月29日付

 不可解な国有地払い下げを焦点にして注目を集める森友学園問題は、籠池理事長の証人喚問によって、火消しどころかますます疑いを広げている。政府側は、8億円値引きの算定基準も「資料を廃棄した」といって明かさず、「違法でない」という100万円の寄付の事実についても認めていないが、国民が納得する説明はなされていない。そのなかで、第2、第3の「森友問題」の実態が暴露されている。国民の知らぬところで、公有財産の譲渡、払い下げなどの「私物化ビジネス」は、森友学園のさらに上を行く規模で進んでおり、森友学園問題は氷山の一角であることに衝撃が走っている。安倍政府のもとで進む「愛国」「右傾化」の本質は、仲間うちで好き勝手に国を私物化するスローガンに過ぎないことを暴露している。

「愛国」謳ってビジネス大繁盛

 森友問題発覚後、「第2の森友問題」としてにわかに話題になっていたのが、加計学園グループ(岡山市)が愛媛県今治市に新設予定の岡山理科大学獣医学部をめぐる問題だ。今月3日、同学部の建設用地として、今治市が36億7800万円相当の公有地(16・8㌶)を無償で譲渡し、校舎建設費用96億円の助成(8年間)を決めて物議を醸した。森友学園の「土地代の8億円値引き」と比べてもケタ違いの厚遇だが、その背後には安倍首相とかかわりの深い人脈があった。
 加計学園グループ(加計孝太郎理事長)は、「加計学園」「順正学園」「英数学館」「吉備高原学園」「ゆうき学園」「広島加計学園」の6つの学校法人と社会福祉法人「順正福祉会」を運営する大規模グループで、岡山県を中心に6つの大学、6つの専門学校、小中高、幼稚園・保育園、特別養護老人ホームや美術館を手広く運営している。
 加計理事長は、安倍首相が大学卒業後、米カリフォルニア州立大ロングビーチ校への語学留学中に知り合った40年来の知己の間柄で、この3年間だけでも14回もゴルフや食事を共にする仲だ。加計氏は、日本会議メンバーで構成し、戦争肯定の教育を提唱する「新しい教科書をつくる会」の派生団体「教科書改善の会」の賛同者でもある。同学園が運営する「御影インターナショナルこども園」(神戸市東灘区)では、やはり昭恵夫人が名誉園長に就き、「日本の英語教育」について講演。同じく講演に招かれた同学園傘下の英数学館では、下村博文元文科大臣(日本会議国会議員懇話会副会長)の夫人と学園の「功労者」として紹介され、「昭恵夫人には米国バージニア州グレートフォールズ小学校との姉妹校締結の橋渡しをしていただいた」と称賛を受けている。
 もともと岡山理科大獣医学部の新設については、獣医師が増えすぎて粗製乱造を招く懸念から日本獣医会が反対し、国も52年にわたって増設を認めてこなかった。同大学の設置は規制がかかる岡山県内では難しいため、立地場所を獣医学部のない四国へ変更した。
 日本獣医師会は10年、再三にわたって今治市と愛媛県が「構造改革特区・地域再生」として獣医学部の設置認可を要望していることについて、「全国に獣医師の養成課程を有する大学は国公立私立合わせて16大学」あり、年間1000人が国家資格を取得し、獣医師は不足していないこと、入学志願者は全国各地域から公平に受け入れられており、「大学の立地自体が教育の機会均等を損なうものではない」と反発。既存大学でさえ教育改善のため専任教員数の確保が課題となっており、むしろ16大学の再編・統合による改善努力こそ必要であり、「高度専門職業人養成の責を担う獣医学教育課程が、“特区”に名を借りた『地域おこし』や特定の一学校法人による“大学ビジネス拡大の手段 ”と化すようなことがあってはならない」としている。文科省も獣医師の質の確保を理由に、構造改革特区での加計学園誘致の申請は15回にわたって拒否し続けてきた。
 だが、第二次安倍内閣後の2015年12月、国家戦略特区諮問会議(議長・安倍首相)は一転して今治市を広島県とつなげた国家戦略特区に指定して新設の道を開いた。今年1月には、「四国に獣医師学部がない」ことを理由に獣医師養成学部の新設を認める特例措置を認め、唯一の応募者であった加計学園を事業者として認定。これに対して日本獣医師会は、「暴挙というべき国家戦略特区による獣医学部の新設は、これまで関係者が実施してきた国際水準達成に向けた努力と教育改革にまったく逆行するもので不適切」「十分な検証も行わず、本会等関係者が意見を述べる機会もないまま、一方的に獣医学部の新設が決定されたことはきわめて遺憾」(藏内勇夫会長)と反発を強めている。決定から1カ月間文科省が募集したパブリックコメントでも、83%が反対意見だったという。
 土地の無償譲渡を推進した今治市の菅良二市長は、日本会議愛媛県本部の地方議員連盟正会員であり、市議会では安倍政府に呼応して「憲法改正早期実現意見書」(県内三自治体のみ)まで採択した。加戸守行・前愛媛知事は、森友学園でも講演した八木秀次(麗澤大学教授)や曾野綾子などとともに「教育再生実行会議」の有識者メンバーでもある。在任中には「新しい歴史教科書の会」の教科書を県内の小中一貫校に採択させて物議を醸している(今治市でも一時的に採用)。岡山理科大の現学長は愛媛大学の前学長という奇妙な一致もある。ここでも安倍昭恵が直接文科省と交渉していたことが暴露されている。
 加計学園を取り巻く人脈とカネの流れは、森友学園などは後進の「新興勢力」に過ぎないことを感じさせている。

自治体から土地も補助金も 系列の千葉科学大

 同じく加計学園が運営する千葉科学大(千葉県銚子市)では14年5月、開学10周年の記念式典に、異例にも安倍首相本人が岸田外相まで率いて来賓として列席している。そこでの挨拶では「どんなときも心の奥でつながっている友人、私と加計さんもまさに腹心の友」と昵懇(じっこん)ぶりをみずから表明しており、直前に講演を断わられた森友学園と比べても格の違いを見せつけている。
 この千葉科学大の誘致経緯もすさまじい。15年前、大学誘致を選挙公約にして当選した野平匡邦・銚子市長は、97年から99年まで加計学園が本拠を置く岡山県の副知事で、02年から市長になる直前まで岡山理科大の客員教授という、いわば加計学園の代理人ともいえる人物。誘致の条件として加計学園側は、完全整備済みの学校建設用地15㌶の無償譲渡を求め、上物(校舎)の建設費にも93億~120億円の補助金を銚子市に要求している。結果的に、市が92億円の補助金を提供し、市有地9・8㌶の無償貸与が約束された。その後、補助金は77億5000万円に下がったものの、大半が借金だったことから市民の批判が噴出して03年には住民投票請求(市議会が否決)も起き、市民の批判をかわすため加計学園が14億6000万円を返還することが決まった。だが、市側は8億円の受けとりを辞退している。
 銚子市の市債残高は3000億円を抱え、千葉科学大への補助金支払いのための借金で、利子を含めた返済額は84億円。毎年約4億円を返済しており、14年度末時点で約44億円が借金として残っている。これらの経緯への疑心暗鬼が膨らみ、野平市長は3選目を逃したが、今年4月23日の市長選での返り咲きを目指して出馬する意向で、今度は千葉科学大学に国家戦略特区制度を利用して「水産・獣医学部」の新設を公約に掲げるなど、今治市に続く二匹目のドジョウを狙っていることが話題にされている。
 一学校法人にすぎない加計学園が自治体の権限さえも操れるのは、さらに大きな権力と直結していると見るほか説明が付かない。象徴的事例として昨年、安倍首相は、みずからが任命権を持つ最高裁判事に加計学園監事の木澤克之弁護士を任命。同氏は加計理事長と立教大の同窓で旧知の仲とされている。15人の最高裁判事のうち「弁護士枠」は長年の慣例として日弁連が推薦したリストから選ばれていたが、なんの功労賞なのかその慣例すら無視した「安倍人事」となった。
 さらに、文科省官僚であり、安倍内閣で内閣官房参与を務めた木曽功は、今治市を国家戦略特区に指定した直後、加計学園に天下り、現在は千葉科学大の学長におさまっている。さらには、萩生田光一官房副長官も落選中、千葉科学大学がアジアで唯一といって新設した「危機管理学部」の客員教授として「小遣い稼ぎ」をやっていたことも明らかになっている。
 安倍首相お膝元でも、下関市長5選目の出馬をやめてから参議院の山口県選挙区ポストが空くまで「浪人」だった江島潔(現参議院議員)が、やはり加計学園の倉敷芸術科学大学に客員教授として潜り込んでいた。同大学のフィリピン日本語文化学院との教育交流協定(13年11月)では、「安倍首相のご令室」として安倍昭恵が立ち会って協定書に署名し、首相がフィリピン訪問時には安倍夫妻が揃って同学院を視察していることを大学側が紹介している。これら自民党政治家の「止まり木」的採用は、安倍政府の加計学園への厚遇に対する「見返り」とも見てとれる。

森友問題は氷山の一角 全体像解明は必至

 加計学園がらみの異例待遇はこれにとどまらない。2012年、加計学園グループの学校法人順正学園(加計美也子理事長)が運営する吉備国際大学あわじ志知キャンパスのために、兵庫県南あわじ市が旧公立高校の敷地と建物約30億円相当を無償譲渡していたことが報じられている。さらにリフォーム代20億円のうち13億円を市が出していた。200億円もの資産を有する学校法人に、税収60億円の自治体が巨額の支援をすることには反発も強く、もともと地元の売却候補だった地元企業関係者が県監査委員会に告発するなど住民も怒りを露わにしている。
 また、加計学園が所有する「ヘルスピア倉敷」(宿泊施設やプール、スケートリンクを備えた複合施設)も、社会保険庁の保養施設であったが、09年に社保庁の「財源確保の一環」として同学園が払い下げを受けており、開業式典には安倍首相が参列するなど、国がらみの癒着が疑われる厚遇ぶりは目に余るものがある。
 さらに加計学園と共通する「国家戦略特区」の恩恵を受けている大学として、国際医療福祉大学(栃木県大田原市)が上がっている。同大学が成田キャンパス(千葉県成田市)に立地予定の医学部(4月開学予定)をめぐって、一昨年に安倍政府によって特区申請が認められ、公募期間はわずか一週間で応募者は同大学のみ。成田市から大学用地23億円相当が無償譲渡され、建設費160億円のうち80億円の補助金を加えて、附属病院用地の造成費用として10億円を市が負担するなど、加計学園とウリ二つの内容となっている。数数の国営病院を買収してきた同大学の高木邦格理事長は、歴史的に自民党の渡辺美智雄元副総理との関係が深く、東京JT病院買収時には、渡辺喜美衆議院議員の関与が指摘されていた。

 さらに、この間、芋づる式に明らかになったのが、18歳選挙権以後に安倍政府の肝いりで始めた「高校生未来会議」にかかわっている安倍首相の親戚が代表を務める社団法人が設立した「AO義塾」(自己推薦入試対策の予備校)への関与だ。この会議には、安倍晋三が「内閣総理大臣賞」、石破茂が「地方創生担当大臣賞」、高市早苗が「総務大臣賞」を贈るなど政府が全面バックアップしているが、その流れで一ベンチャー企業の「AO義塾」にも安倍昭恵が「内閣総理大臣夫人」として応援メッセージを寄せ、文科省にも直接支援を要請するなど、営業活動に全面的に関与する公私混同ぶりが指摘されている。
 また、2月におこなわれた「もったいない学会」シンポジウムで、「日本国際民間協力会」の理事を務める京都大学名誉教授が、アフリカでの「エコサントイレ」の普及事業への補助金給付について安倍昭恵夫人に相談したところ、その晩にすぐ安倍首相から連絡が入り、「今年8000万円の予算がついた。あの夫婦のホットラインはすごい」と自身が公開した動画で自慢げに発言していたことも物議を醸している。森友学園で問題になった「口利き」などはすでに常態化しており、「公人」としての威力を能動的に発揮していることがわかる。
 森友学園問題まで行き着いた一連の大学への利益供与は、「日本会議」の人脈で張り巡らした安倍内閣人事をみるまでもなく、「愛国」や「教育再生」をスローガンにした右傾化路線の中で拡大してきたことはいうまでもない。「日本会議の研究」の著者で知られる菅野完氏は、「籠池理事長は、2006年の教育基本法改正が小学校を建てる追い風になったと語っていた」とのべており、日本会議の別働隊である教育再生機構との関係や、当初は安倍首相を党首に迎えることまで取りざたされた「大阪維新」の台頭を「鉱脈」にして、国による異例の便宜をとりつけるところまでいったことを暴露している。
 森友問題は氷山の一角にすぎず、国民の視線は今後、日本中の「森友現象」の真相解明へと広がらざるを得ない。


2017年03月28日

宮崎大学不当解雇事件 パワハラまで捏造 最高裁が異例の対応

現代ビジネス
 ∟●国立大にパワハラを捏造され、解雇通告を受けた教授の告白

田中圭太郎氏が,前回の同志社大学の解雇事件に続き,【ルポ・大学解雇②】として宮崎大学の解雇事件についてルポルタージュを書き,『現代ビジネス』(講談社)2017年3月28日付に掲載された。
この宮崎大学のケース,本当にひどい。証拠の捏造も含めて人権侵害も甚だしい。ブラック大学中のブラック。かかる事件を起こし,当局側の人間のみならず,この何年もの間,同僚である多数の教職員は何をやっていたのだろうか。あるいは,この大学は良識ある者が声を発することさえできない状況にあるのかもしれない。宮崎大学に対しては,今後も社会的に厳しく監視していく必要がある。
また,都留文科大学の対応も,極めておかしい。最高裁が2016年10月18日付で宮崎大学の上告を棄却しても,なお教壇に立たせていない。同大学は,別の事件でも,不当労働行為で訴えられるなど,問題の多い大学である。(ホームページ管理人)

国立大にパワハラを捏造され、解雇通告を受けた教授の告白

先日公開した「ルポ・大学解雇」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51247)では、近年、学校側の一方的な通知によって大学教授らが解雇されるケースが増加していることを指摘した。

今回は、国立大学法人・宮崎大学のケースを追う。同大学で教鞭を振るっていた准教授が、身に覚えのない「セクハラ」「パワハラ」で突然解雇されてしまった。裁判の結果、この解雇が不当なものであることが認められたが、その裁判資料からは「捏造」というほかない、あまりに強引な大学のやり方が明らかになる。

なぜ宮崎大学は「捏造」をしてまで、この准教授を解雇したかったのか。そこには、一人の女子学生の死が関係していたのではないか――。ジャーナリスト・田中圭太郎氏のリポート。

身に覚えのないハラスメントで懲戒解雇

宮崎大学の准教授のAさんは、2012年4月に約8年間勤めた同大学を退職し、公立大学法人・都留文科大学(山梨県)の教授に就任することが決まっていた。准教授から教授になること、新たな立場と環境で研究活動ができることに期待を膨らませていたのは言うまでもない。

そんなAさんのもとに、悪夢のような報せが入ったのは、退職直前の3月12日のことだった。宮崎大学から、唐突に次のような通達が届いたのだ。……以下,本文を参照のこと……

2017年03月27日

福教大の不当労働行為 認める

NHK福岡(03月23日19時11分)

宗像市にある福岡教育大学が、教職員組合の活動を行っていた2人の教授を大学の要職に就任させなかったことについて、中央労働委員会は、「組合活動を萎縮させて組合を弱体化させるものだ」として不当労働行為にあたると認めました。
福岡教育大学の教職員組合は、▽給与の減額に反対して裁判を起こした男性教授と▽学長選挙を批判するビラを配った男性教授を、大学側が要職に就任させなかったのは不当労働行為にあたるとして、3年前、県労働委員会に救済を申し立てました。
県労働委員会は、去年2月、不当労働行為と認めましたが、大学側が決定を不服として再審査を申し立てていました。
これについて、中央労働委員会は、今月1日、大学の対応について、「組合活動を萎縮させて組合を弱体化させるものだ」として不当労働行為にあたると認め、大学側の申し立てを棄却しました。
教職員組合は、23日、県庁で会見を開き、「大学には、この決定を真摯に受け止めてもらいたい。
今後も労使関係の正常化を目指していく」と述べました。
一方、福岡教育大学は、「現在、対応を検討している」とするコメントを発表しました。

2017年03月23日

ワクチン論文巡る准教授の解雇無効 東京地裁

■東京新聞(2017年2月14日(夕))

 インターネット掲示板「2ちゃんねる」への書き込みを理由にした懲戒解雇は違法だとして、帝京平成大(東京)の准教授だった男性(45)が雇用上の地位確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(知野明裁判官)は13日、解雇を無効と判断、地位を確認した。

 判決によると、男性は同大学の別の教員が製薬企業に在籍していた際、肩書を記載せず子宮頸(けい)がんワクチンの意義や効果に関する論文を執筆していたとして、2015年に実名を挙げて「偽装論文」「論文のせいで被害者多数」などと書き込んだ。大学は16年2月、懲戒解雇にした。

 知野裁判官は、書き込みは名誉棄損(きそん)に当たり、懲戒処分の対象になると認めた一方、「減給などの軽い処分で反省の機会を与えずに解雇したのは、懲戒権の乱用だ」と指摘した。

 帝京平成大は「判決の詳細を把握できていないので答えられない」としている。


上野学園を告発して解雇…ピアニスト横山幸雄氏が全激白

日刊ゲンダイ(2017年3月22日)

 「このまま学園が潰れたら、学生たちが路頭に迷う。(経営陣と)ケンカをしたいわけでもなければ、犯罪者にしたいわけでもありません。学生たちが音楽を学べる環境を取り戻したい。ただそれだけなんです」

 こう悲痛な思いを語るのは、上野学園大元教授で、世界的なピアニストの横山幸雄氏(46)だ。

 同大は1904(明治37)年に設立された学園が経営する名門音楽大。創設初期に校長を務めた石橋蔵五郎以来、一族経営が続いている。

 一方、横山氏は1990年に最年少でショパン国際ピアノコンクールで3位入賞した世界的ピアニスト。98年から同大で指導し、「盲目のピアニスト」辻井伸行氏(28)を育てた。

「私が学園に携わった当初は、現役の演奏家が後進を育成することはそれほど一般的ではありませんでした。そこで仲間の演奏家たちに『上野学園に力を貸して欲しい』とお願いしました。ところが学園は、毎年数億円の赤字を出し続け、給与を半分に下げ、中には月給が10万円になった専任教授もいます。彼らは演奏家としての貴重な時間を削りながら、教育に力を注いでくれた。それが『経済的にも精神的にもきつい。辞めさせてください』と頭を下げられ、言葉を失いました」(横山幸雄氏)

 その元凶が創業家一族による学園の私物化だという。横山氏は昨年8月、学園の旧経営陣を背任の疑いで東京地検と上野警察署に刑事告発した。

 学園側はHPで石橋慶晴前理事長(49)と母親の石橋裕学園長(今年死去)の役員報酬について、「高額であり、適切性を欠く水準」と明記。第三者委の調査報告書によると、10年以降、勤務実態のない裕氏に1億4000万円が支払われ、補助金が減額される一因となった。さらに石橋一族が役員を務める関連企業「和」に高額な業務委託を行っていた。その一方で赤字補填のため、昨年7月にはバッハの直筆の譜面を3億4000万円で売却したというのだから、メチャクチャだ。

「経営環境の悪化を理由に教職員の給与を減額する一方、前理事長は報酬を下げたように見せかけて、給与に付け替えていました。第三者委では過去9年間で学園が『和』に業務委託したことによる損失が8億4000万円になるという指摘がありました」(横山幸雄氏)

 学園側は今月13日、経営の健全化を求める横山氏を、「就業規則違反を繰り返していた」として解雇した。

「複数のメディアにおいて、学園の創業一族が多額の金員を着服したかのような内容が報道されています。これらの報道は事実を伝えるものではありません」(上野学園広報担当者)

 そこで学園側に横山氏に対する法的措置を取るのか尋ねたところ、代理人を通じて「回答不要」とのことだった。

「本来なら教育に回るべきお金が創業者一族に流れ、『犯罪者の片棒を担ぐようなことをこれ以上続けるのはムリだ』と辞めていった同僚もいます。しかし『私と一緒に音楽を学びたい』と言ってくれる学生がいる限り、無責任なことはできません」(横山幸雄氏)

 横山氏は近く、「学生たちを守らなければならない」と、地位保全の仮処分を申請する予定だ。

教育体制崩壊露わな梅光学園、卒業も資格取得も困難に

長周新聞(2017年3月22日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170322.pdf

教育体制崩壊露わな梅光学院 
梅光の未来を考える会が報告会
卒業も資格取得も困難に

2017年3月22日付

 
 現役大学生が切実な訴え

 下関市で幼稚園、中高、大学を運営する梅光学院をめぐる問題は、昨年度末、多数の教員の雇い止めをきっかけに表面化して1年を迎える。学院の正常化を求めて運動してきた「梅光の未来を考える市民の会」は18日、下関市生涯学習センター宙のホールで報告会を開いた。報告会では「赤字解消」を掲げた改革のもとで、教育体制・教育内容ともに崩壊に拍車がかかっている現状が明らかになり、参加者は新たな怒りを燃やしつつ、子どもらのために最後までたたかうことを誓いあうものとなった。

中高では教員の退職者は14人

 今回、現役の大学生らも複数参加した。2回生の学生たちがマイクを握り、あと2年間通っても卒業できない、もしくは目標にしていた資格がとれない可能性に直面している現状を訴えた。
 大学では、幼・小・中・高校教員免許、保育士資格、司書資格など、資格取得をうたって学生を募集してきた。学生数は増加したが、教員を辞めさせて教える側が不足しているうえ、時間割編成も教員を排除しておこなったことから、文学部では、真面目に単位をとり、成績のいい学生ですら卒業が危うい可能性が浮上している。ましてや資格取得との両立はカリキュラム上難しい。学生の将来をも左右する問題であり、早期解決は待ったなしだ。
 問題が発覚した昨年9月、学生らは樋口学長にシミュレーションを出すことを申し入れたが、12月に学長は「シミュレーションをしていない。するのは難しい」と回答。不足している単位(とれなければ卒業が難しい)を補うために、海外語学研修やイングリッシュキャンプなど、当初説明していない金銭のかかる授業や、そもそも受けることのできない授業を示したという。
 学生の1人は、「“不足する単位と資格をとる授業が重なった場合はどのように対処すればよいか”という学生の質問に、学長は“資格よりも卒業を優先しろ”といった。資格をとるために入学したことを伝えても、“でも卒業が優先だろう”という不誠実な答えが返ってきた」と憤りをもって発言。別の学生も、「教職課程や図書課程といった課程科目をとっている学生がたくさんいるが、学長に“資格よりも卒業を優先しなさい”といわれた。夢があって資格をとろうと入学したのに、資格がとれないかもしれない状況になり、怒りを感じている学生もいる。資格取得にはお金がかかる。親も怒りを感じている」と発言した。
 さらに、先日2回生に対して来年度から始まるゼミの説明があり、現在の3回生がとっているゼミが開設されないことが知らされた。とくに文学部の地域文化専攻、東アジア言語文化専攻は各1ゼミしかない。選択肢のない状況に学生のなかで怒りが広がっていることも明らかにした。
 学生たちは「ある先生に学びたいと思って2年間授業を受けてきたにもかかわらず、学長の考えでゼミを選ぶことができなくなったことに、みんなが怒りを覚えている」「ゼミのことも卒業のことも、今どうにかしないととり返しがつかなくなる。よろしければ助けてほしい」「残された時間は2年間しか残っていない。安心して学べる環境がほしい」と切実な思いを訴えた。

学生が主役というが… 広がる学生の怒り

 司会者が報告した学院の全体状況は、学生らの訴えに加えて参加者の怒りを強めた。
 大学では、今年1月の教職員の新年会の場で、長らく活動実態がなくなっていた教職員会(互助会)の解散が、学長によって宣言された。まともな議論もなされず、教職員が積み立ててきた積立金は一部を返還し、残りを学院に寄付する方向で話が進んでいる。
 また、新年会も宴たけなわとなったころ、学院出身者が前に並び校歌を歌った。歌い終わるとある職員が、校歌の最後の「玉なし」という一節をとりあげて「女子校だから玉なしで」と発言。これを聞いた男性教職員の複数は興奮し、玉なしを性的ニュアンスに絡めた発言を連呼したという。女子職員は屈辱感に怒りを感じたが、学院長、学長、統轄本部長の3者は笑っており、セクシュアルハラスメント防止委員会の長を務める副学長も事態を放置していた。
 司会者は、「校歌は学院のアイデンティティーだ。その一節を性的ニュアンスに絡めてからかうのは、卒業生を含む先人たちが築き上げてきた学院の伝統の品位を著しく貶める行為であり、ミッションスクールに奉職する人間として恥ずべき行為だ」とのべ、これらの人人が今年、大学開学50周年を祝う前面に立つことに疑問を呈した。
 似たような状況は、先日おこなわれた就職対策の研修旅行でも見られたという。この北海道までの船旅には、就職先決定済みの4年生と1、2年生の希望者が参加した。引率した教職員らは研修期間中、飲酒する場面の画像を学生に送り、学生ら(未成年を含む)を飲酒に誘うという無責任な態度で、学生が二日酔いの引率者の尻ぬぐいをする事態も起こったとのべた。
 また、今年度も3月末で大量の雇い止めや退職者が出ていることを明らかにした。大学では、子ども学部の授業評価が高い教員が雇い止めとなったことに、学生らが撤回を求める署名をおこなった。同学部の半数が署名したが、樋口学長は回答していない。そのほか日本文学研究と演劇評論家の教員、秘書を含む3人の職員が雇い止めになった。さらに、4人の教員が来年3月での雇い止めを通告されている。
 これらに対する学生らの怒りは広がっており、卒業式後の祝会を、子ども学部のほとんどの学生がボイコットする様相だ。文学部も申し込みは1人という状況になっており、「学長は“学生が主役の大学”と口ではいうが、学生が主役ではなく自分が主役だ」と指摘した。
 中高では校長・教頭を含め退職者は14人にのぼり、うち常勤教員が7人も入れ替わる。ブレインアカデミーの紹介で今年度来たばかりの教員も含まれている。退職する教員らの、「昨年3月30日に“あなたが来てくれないと授業に穴が開くのでぜひ来て下さい”と頼まれて来たが、来年度の契約はしないといった」「本学で勤めることが夢だった。生徒とのかかわりを考えると辞めることは残念だが、神様がこの学校であなたの役割がないといわれたんだ」などの声を紹介した。

現状を広く知らせよう 学院内外協力して

 こうした現状に報告会では教師OBや同窓生などから、怒りとともにあきらめずたたかい続けるとの発言があいついだ。
 2010~12年の13年間、中野学院長の依頼を受けて中高の校長を務めた男性は、教職員の協力も得て中学校の生徒数は倍になったにもかかわらず、解任された経緯をのべた。在職中から只木氏を中高に寄せ付けないようにしていたこと、学校運営について後任の校長にくり返し意見してきたにもかかわらず、「梅光の宝」である教員を辞めさせるに至ったことへの憤りを語った。
 1、2年目の教師のみで会議をするなど、「梅光の精神を持っている人たちを追い払い、自分に顔が向いている人だけで運営しようとしている」現状を語ったうえで、梅光は切羽詰まった状況にあるが、市民の会の運動や矢本准教授の裁判が抑止力になっていることを明らかにし、「絶対に負けないという気持ちだ」と力強くのべた。
 矢本浩司特任准教授も、昨年九月の仮処分申請の完全勝利に続き、学院が起こした異議申立でも学院の主張が退けられたことを報告。同時に進行している本裁判の経過等にもふれたうえで、「メールやライン、電話などで励ましてもらい、野菜や果物、弁当をつくって頂いたりすることが強みになっている」と謝辞をのべた。昨年度末、ブレインアカデミーの研修で辞職に追い込まれた元教員も発言した。
 福岡で梅光を考える会を立ち上げた女性は、昨年7月以来の活動を報告した。昨年の同窓会総会で下関の熱気にふれて福岡で臨時総会を開くと、問題を知る同窓生約30人が怒りに燃えて集まり、会発足へとつながった。弁護士などから「手遅れだ」といわれながらも、「教師や学生・生徒といった当事者ではない同窓生に何ができるか」とその方法を模索し、①感情に流されることなく情報を正確に知ること、②できる限り身近な人に広げていくこと、③矢本先生の裁判を支援することの3つの旗を立て、毎月集まっている。
 女性は、同窓生という一点で気持ちが通じあう光景が生まれており、「梅光で大事な物を受けたことが私の人生を変えた」「どん底に陥ったときに支えてくれた」という声も多数寄せられたことを紹介し、その思いに背中を押されて活動してきたとのべた。「今の若い人たちは、将来の就職口が保障されている時代の私たちとは違い、いつ無職になるか、ホームレスになるかわからないという恐れを持ちながら暮らしている。職場で人を育てなくなり、即戦力を求めるので、学校が専門学校化することはやむを得ない現状もある」としつつ、この間の同窓生の反応から、教育とは目前のノウハウ以上に「人生のなかでくずおれたり、立ち止まったときに支えとなる、魂・人間を育むものでなければならないと改めて思う」と語った。
 「静かな怒りを持って活動していく」という会員の言葉を紹介し、「カッとなる出来事が多いが、静かな怒りを持ち続けて活動していきたい。それは中高、大学にいる生徒たちが魂・人間の根っこを育てられたいと願い、人を育てたいと願う先生たちがいるからだ。私たちはその場に携わることはできないが、集まり続けることでそれを支える一つの枝になるのではないか」とのべ、下関との連帯を呼びかけた。
 「梅光だけは守らないといけないと思っている市民が外にたくさんいる。決して孤立していないので、内部の人も頑張ってほしい」との発言もあり、学院の内と外が支えあい、協力しあって運動を進めること、現状を一人でも多くの人に伝え、世論にしていくことが強い力になることを確認しあった。


2017年03月22日

田中圭太郎氏【ルポ・大学解雇】同志社大学の名物教授が「突然の退職」を通告されるまで

『現代ビジネス』(2017年3月21日)【ルポ・大学解雇】同志社大学の名物教授が「突然の退職」を通告されるまで
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51247

梅光学院大学問題、センター試験中に洗礼式 当局の責任を問う声

長周新聞(2017年3月17日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170317.pdf

2017年03月19日

上野学園創業家10億円“着服”を有名ピアニストが実名告発

文春オンライン (2017年3月18日)

 開学100年以上を誇る名門、上野学園大学で創業家の石橋一族による10億円“着服”疑惑が発覚した。

「上野学園は今や末期的な状況です。実態を知ってもらうために、実名でお話しさせて頂く事にしました」

 そう語るのは、同大の教授で日本を代表するピアニストでもある横山幸雄氏(46)。横山氏が問題視するのは、石橋家による乱脈経営だ。横山氏は昨年、この問題を東京地検特捜部と上野警察署に刑事告訴。その後、第三者委員会が調査に入り学園側に報告書が出されたが、原本は公開されなかった。横山氏は情報公開請求により、原本を入手。これにより石橋家の学園私物化の実態が明らかになった。

「石橋一族は、自分たちがそろって役員を務めるファミリー企業に対して、学園の清掃や食堂などの業務委託を相場よりも高額な値段で発注していたのです。理事長の慶晴氏は、この企業から高額な報酬を得ており、明確な利益相反です」(横山氏)

 第三者委の調査では、ファミリー企業への発注額は、過去9年で相場に比べて約八億4000万円も高額であることが指摘された。また勤務実態のない石橋家の人間に対して学校側から報酬が支払われていたことも明らかになり、「石橋一族が“着服”した金額は10億円を越える」(同大学職員)という。

 一方で、経営陣は横山氏に対して、〈当学園の機密情報を学内外に開示・漏洩〉したことは、〈当学園の学校経営・業務に対する重大な妨害行為である〉として、3月13日付で解雇通知書を送付した。


創立者一族の大学私物化を追及しクビに! あの辻井伸行さんも教えた有名ピアニスト

Jcast(2017/3/16)

「クラシックの名門大学で内紛です」(岩本乃蒼アナウンサー)

開学100年以上のクラシックの名門大学だという上野学園大学で、教授をつとめる有名ピアニストの横山幸雄さんが13日(2017年3月)に解雇された。同大学で十数年、教えてきたという横山さんは、これまで大学経営の問題点を調査し、告発してきた。

「長年、(大学が)経営不振だと聞いていた」「事務職員から『このままだと学校がいつ立ちゆかなくなるかわからない』という声も聞こえてきた」(横山さん)

貴重な楽譜や楽器も売っていた

横山さんによると、昨年、経営悪化の原因について同僚らと調査を開始。その結果、大学の理事を代々つとめる創立者一族が学校を私物化しており、その穴埋めのために貴重な楽譜や楽器を売却せざるをえなくなったことがわかったそうだ。昨年8月には、利益相反の疑いで刑事告発も行ったという。

大学側は解雇の理由について、横山さんが所定のレッスンなどを行わず、さらに特待生の合否基準といった入試に関する機密情報をSNSを通じて漏えいしたことを挙げている。

また大学経営については、第三者委員会の指摘を受けて、すでに改善を進めていると発表したという。


ピアニスト横山幸雄さんを上野学園大解雇 経営巡り対立

朝日新聞(2017/3/15)

 クラシックの名門「上野学園大学」(東京都台東区、石橋香苗理事長)が、教授の横山幸雄さん(46)を13日付で解雇したことがわかった。横山さんは昨年8月、同大を運営する学校法人「上野学園」の経営陣を、背任の疑いで東京地検に刑事告発している。横山さんは1990年のショパン国際ピアノコンクールで3位入賞し、脚光を浴びた人気ピアニスト。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんも同校で横山さんに師事した。

 昨年4月、当時教員だった指揮者の下野竜也さんらと「新しい上野学園を作る会」をたちあげ、経営の健全化を訴えていた。昨年末には第三者委員会による調査報告書で、前理事長に支払われた報酬が「財務状況をさらに悪化させる結果となった」ことや、ファミリー企業への業務委託金額が不自然であることなどが指摘された。同学園では、創設当初から石橋家による同族経営が続いている。

 同学園は、代理人を通じ「機密情報をSNSで漏洩(ろうえい)し、業務を妨害するなどの行為があった。安心して勉学できる環境を確保するため、やむなく解雇処分とした。第三者委員会の指摘を受け、すでに経営改善を進めている」としている。横山さんは地位保全の仮処分を申請する意向。「一部の経営陣のためではなく、音楽の未来を担う教員や学生のための運営を取り戻すまで闘う」と話している。


「雇い止め違法」 特任准教授、札幌大を訴え

毎日新聞(2017年3月12日)地方版

 札幌大(札幌市)が3月末で労働契約の更新をしないとしたのは違法として、特別任用准教授の女性(43)が10日、大学側に地位の確認と4月以降の給与を毎月支払うよう求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2010年4月、ロシア語担当の教員として雇用され、毎年3月に契約を更新してきた。15年の契約では17年4月以降の雇用を保証しないとの一文が加えられ、17年2月に大学側から契約更新をしないとの通知を受けた。

 原告側は「女性は7年間も継続して雇用されており、大学側の雇い止めには合理的な理由がなく違法だ」と主張している。

 大学側は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

2017年03月11日

広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

週刊金曜日
 ∟●広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

広島大学で“大人のいじめ”2─対応しない大学当局

(明石 昇二郎)

2017年3月10日

広島大学の深刻ないじめについて前回報告した。にわかには信じがたいが、事態はさらに悪化する。


部屋割りの見直しがアカハラのきっかけ

H教授とQ准教授らのトラブルは2011年8月、H氏が広大原医研の教授に着任したことに伴う「部屋割りの見直し」で、H教授の案にQ准教授らが疑問を呈したことから始まっていた。

新たな上司となったH教授からQ准教授らは、それまでQ氏ら2人の准教授が使用していた部屋を明け渡し、大学院生らと大部屋(1人あたり約2平方メートル)を使用するよう言い渡される。それでは教育・研究活動が不可能になるとして、Q准教授らがH教授の案を拒否し、その調整に手間取っていると、13年4月末からゴールデンウイークの休み明けにかけて、Q准教授の研究資料や重要書類、実験機材が勝手に部屋から持ち去られ、進めていた研究を無理やり中断させられたばかりか、新たな研究もできなくなった。

以来、Q准教授はH教授への“敵対勢力”と見なされ、広大原医研内で研究することを妨害されてきた。

Q准教授はゲノム科学の研究者であると同時に、薬毒物や放射線の生体影響の研究者でもあり、定年で退官するまでの最後の10年間を研究の総仕上げに費やすべく、研究に打ち込んできた。それが、H教授が広大原医研に来てからの5年間は全く進められなくなる。研究者生命にも関わる非常事態であり、H教授による研究妨害や、前掲のH教授らによる遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食行為等について、Q准教授は大学当局に通報する。

H教授が着任して以降、広大原医研の雰囲気は一変した。Q准教授だけでなく、Q氏の同僚までが同様の嫌がらせを受け、退職者まで出るようになる。

子どもじみた嫌がらせを繰り返し、遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食を注意しても意に介さないH教授に不信感を抱いたQ准教授は、なぜ彼はそんなことをするのかと考え、改めてH氏について調べてみることにした。

その結果、広大原医研に配属される以前のH氏は、同大の心臓血管生理医学教室に属し、同大付属病院で循環器系の疾患を担当していた臨床医であり、いわば“畑違い”の人だったことが判明する。その過程で、H氏の「業績の水増し」行為に気づいたのだった。驚いたQ氏は、直属の上司でもあるH教授の不正を、その手口とともに大学当局に告発した。

告発したQ准教授が“クビ”を通告される

すると、17年3月に任期の更新を控えていたQ准教授の再任を妨害する動きが表面化する。16年9月、広大原医研の松浦伸也所長が委員長を務める人事交流委員会からQ准教授に対し、同氏の業績評価を「C評価」(再任不可)にしたとする通告が出されたのである。

上司の不正を告発したことが「再任不可」の理由とされたわけではない。しかも、直接手を下したのはH教授でなく、表向きは「人事交流委員会」が判定したとの体裁になっている。ただし、H教授はQ准教授の「再任不可」判定に全く異存はないようだ。この判定に上司として反対した形跡は見られない。

Q准教授は、教育活動や外部資金獲得、社会貢献、学内活動等を点数化した総合評価では「A評価」(優秀教員)となる。そんなQ准教授が再任不可とされた唯一の理由は、Q氏が「研究をしていないから」というものだった。

Q准教授の研究再開に対して何ら手を打たず、研究所内の混乱を放置してきたのは他ならぬ上司のH教授と松浦所長であり、H教授および松浦所長はこの判定と無関係であるどころか、大いに関係がある。だが、H教授と松浦所長が揃って出席していた16年10月の広大原医研教授会では、H教授による研究妨害は何ら問題視されず、Q准教授の「再任不可」判定は覆らなかった。

研究をできなくしておきながら、「研究していない」との理由で再任を妨害し、広大原医研から追い出す――。教授という立場を利用して、H教授とQ准教授のトラブルなど何もなかったかのように繕い、部下であるQ氏だけに問題があったとするH氏のやり方は、フェアでないばかりか、教育者の名折れだ。

ちなみに、厚生労働省は「職場のパワーハラスメント」を次のように定義している。

「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」

H教授がQ准教授に対して行なった「部屋割りの見直し」や「研究妨害」「混乱放置」「再任不可工作」のいずれも完全にアウトであり、パワハラであるのは明白だった。それ以前に、小学・中学教育や高等教育の手本となるべき「学問の府」にあるまじき、幼稚で恥ずべき“大人のいじめ”である。

このような異常極まりない状況に対し、Q准教授はまず、広島大学の教職員組合に相談した。同教組が大学当局に団体交渉を三度、申し入れたところ、大学側は3回とも団交を拒否する。続いて、広島県労働委員会にも「広島県個別労働関係紛争のあっせんに関する条例」に基づく斡旋を申請したが、いまだ救済の目途はついていない。

その一方で、H教授のパワハラや不正に関する告発は棚晒しにされる。

すべて“なかった”ことにする広島大学

広島大学では「広島大学学則」に基づき「ハラスメントの防止等に関する規則」が定められ、相談窓口が設けられている。Q准教授らがその窓口に相談し、同大のハラスメント調査会が設置されたのは13年6月のことだった。その後、同年8月にハラスメント調査会による関係者へのヒアリングが行なわれ、翌9月と10月には現場確認などが行なわれる。だが、大学側の対応はそこまでだった。

大学側がパワハラへの対応をしないため、研究を再開できないQ准教授らは14年2月、H教授や広島大学を相手取り、原状回復などを求めて広島地裁に提訴した。しかし、大学側はこの提訴を理由に、ハラスメント調査会の調査結果の公表を中止。広大原医研内の混乱も放置され、H教授による「職場環境を悪化させる行為」が改善されることはなかった。当然、Q准教授の研究も再開できていない。

さらには、遺伝子組換え生物等使用実験室での飲食行為にしても、
「大腸菌を用いた実験が行われたことは認められるが、それが遺伝子組換え実験であったと認めるには至らなかった」
との理由で、広島大学当局はH教授らをお咎めなしとした。遺伝子組換え実験をやっていなければ、同実験室で飲食しようがお構いなしだというのである。

だが、H教授らの「大腸菌実験」と同時期に、別の研究者が同実験室で遺伝子組換え実験をやっていたとの情報が、当方まで寄せられている。事実とすれば、H教授らの飲食行為等は法令違反となるので、この場を借りて大学当局に対し、改めて事実関係を精査するよう強く要請する。そもそも、遺伝子組換え生物等使用実験室内で飲食をすること自体が甚だ非常識なのであり、広島大学が疑念を持たれぬためにもこの際、飲食全面禁止にすることをお勧めしておく。

Q准教授は語る。
「大学当局は、H教授らが大腸菌を使用していたのは『部屋の清浄度の調査のため』で、遺伝子組換え実験ではなかったと説明しています。しかし当時の実験室内には、大腸菌を使った組換えDNA実験に用いる資材や、組換えDNA実験を実施すると発生する特徴的な形跡がいくつも残っていました。彼らは『部屋の清浄度調査』とは無関係な、大腸菌のコロニー(細胞塊)をとって増やすことや、大量液体震盪培養もやっていました。大学はきちんと調査したのでしょうか。
H教授は、ウイルスを用いた細胞への遺伝子導入実験(P2実験)に必要な『安全キャビネット』を、私たちから強制的に取り上げました。しかし、H教授らが大学に届け出ていた組換え生物等使用実験はP1レベルの動物実験だけだったことが、その後の情報開示で判明しています。必ずしも使う必要のない安全キャビネットをH教授らが独占していたことには、私たちの研究を妨害する以上の意味はありません」

H教授の「業績水増し」行為も不問に付されている。Q准教授が広島大学の公益通報窓口に異議を申し立てたところ、
「広大には公益通報に対する異議申立制度がないため、受け付けられない」
とされた。教師にいくら相談したところで解決できない「小学生のいじめ」とそっくりである。

そして16年12月27日、広島大学はQ准教授の再任を不可とし、17年3月末をもって任期満了退職とする、越智光夫学長名の通知をQ氏に出した。

だが、Q氏を大学から追い出すことに成功したとしても、H教授の「業績水増し」行為がなかったことになるわけではない。

わざわざ公益通報の窓口を設けておきながら、その実態は告発者の炙り出しと大学からの排除にしか使われないとするならば、大学当局が不正の片棒を担いでいるのと同じだ。大学が不正に目をつぶったことで、国費からH教授の研究費が引き出されていれば、大学も詐欺の共犯ということになる。その被害者は言うまでもなく、血税を不正に使われた国民だ。

筆者は広島大学を取材した。
〈つづきは3月13日ごろに配信予定です〉

(あかし しょうじろう・ルポライター、1月27日号)

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広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

週刊金曜日
 ∟●広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

広島大学で「大人のいじめ」1-業績水増し告発の准教授が“クビ”へ

(明石 昇二郎)

最高学府であるはずの国立大学で今、パワーハラスメント(パワハラ)が罷り通っている。部下の教員をいじめて何ら恥じることのない教授が「教育者」を気取る――。これでは、小学校や中学校、高校で学ぶ子どもたちにも示しがつかない。だが、幹部教員が部下の教員をいじめるパワハラが堂々と行なわれ、何のお咎めもない国立大学が実在する。

少子化の進行や運営交付金の削減により、今や国立大学であっても、生き残りをかけた戦略が求められる時代となった。

文部科学省は「スーパーグローバル大学創成支援」と銘打ち、世界のトップ100大学へのランク入りを目指す国内の大学13校に補助金を出す制度を開始。そのうちの一つに、国立大学法人の広島大学(広大)が選出された。

これを受け同大では「成果主義」が取り入れられ、研究活動の活性化が図られることになった。だが、その裏では業績の改竄や水増しといった不正が罷り通っている。

「成果主義」が招いた業績の水増し不正

今回、業績の改竄や水増し等の不正行為が発覚したのは、広大の原爆放射線医科学研究所(広大原医研)。およそ半世紀前の1961年、原爆の被爆地である広島に、世界的な被爆者医療の研究拠点となるべく設立された由緒ある研究機関だ。

国立大学附置研究所・センターの一つとして「共同利用・共同研究拠点」にも指定され、研究予算も特別に重点配分されている。2011年の東京電力福島第一原発事故の際には多額の国費が投入され、「緊急被ばく医療推進センター」としての役割を担っていた。

広大原医研の活動と業績は、研究所の公式記録である「年報」として毎年、300ページを超す本にまとめられている。関係省庁や関係機関に配布され、国会図書館にも寄贈されてきた。この年報は、さまざまな外部評価や公的研究資金申請時の資料としても活用される、非常に重要なものだ。

2014年発行の『広島大学原爆放射線医科学研究所年報55号』(赤字は筆者注)

写真は14年発行の『広島大学原爆放射線医科学研究所年報55号』の抜粋。この年報は、13年4月から14年3月までの1年間における広大原医研の業績をまとめたもので、広大原医研に所属するH教授の論文リストである。

H教授の手口は、
(1)他年度に発表した論文を、新たに書いたように装って使い回す。
(2)著者の順番を入れ替えて、全く別の論文であるかのように改竄する。
というものだ。

こうした使い回しや改竄によって、さも多数の論文を執筆しているかのように水増ししたうえで、H教授の論文リストはつくられ、そのままチェックされることもなく年報に掲載されていた。

確認したところ、リストにある「英文原著」24本のうち8本が、ルールに従えば次号の年報(56号)に掲載すべき別年度のもので、11本は年報54号の論文リストに掲載済みのものだった。水増しされた分を差し引けば、この年度のH氏の英文原著数は5本程度にまで激減してしまう。つまり、広大原医研の年報は、実際の研究活動や業績を全く反映していないものになっていたのだ。

H教授の不正行為は、広大原医研に所属する研究者がH教授の論文リストに疑問を抱き、その手口を大学当局に通報したことで明らかになっていた。実際、広大原医研年報は改竄が確認された14年発行の55号を最後に作成されておらず、通報を受けた同大年報編集委員会の動揺のほどがうかがえる。

だが、同大当局も広大原医研も、H教授の不正に対して対応せず、H氏の処分はおろか、年報の訂正さえ行なわれていない。

遺伝子組換え実験室で堂々と“違反飲食”

H教授の業績水増しは年報だけではなく、同大の研究者総覧でも発覚している。

研究者総覧は、大学に所属する研究者たちの業績を広く世間に知ってもらうために、大学のデータベースにある研究者の情報を、大学のホームページを通じて公開しているものだ。その内容はもちろん、本人がチェックしたうえで掲載される。

研究者総覧に掲載されていたH教授の「学術論文」リスト(赤字は筆者注)

写真は、研究者総覧に掲載されていたH教授の「学術論文」リスト。390本のタイトルが記載されていたが、同一論文が何度も使い回しされ、5回も繰り返し登場する論文まであった。

それが、大学当局への通報があった後の16年12月に確認すると、いきなり145本にまで“激減”していた。これほど大規模な変更が行なわれる場合、通常であれば更新履歴などでその理由を説明するのがインターネット上のマナーであり常識だが、広大の研究者総覧は何ごともなかったかのように“頬かむり”している。(http://seeds.office.hiroshima-u.ac.jp/profile/ja.0fbbc96bc2f4924b520e17560c007669.html

広大では「成果主義」の号令のもと、研究予算が業績に基づき、傾斜配分されるようになっただけでなく、給与額も業績に基づき、弾き出されるようになった。しかし、その根拠となる「業績」そのものに不正があったとすれば、それは詐欺であり、刑事事件にまで発展する恐れがある。

こうした業績の水増しは、内部告発によって明らかになっていた。告発したのは、広大原医研に勤める研究者・Q准教授である。

Q准教授がH教授の不正に気づくきっかけは、広大原医研内に設置された「遺伝子組換え生物等使用実験室」(P1・P2実験室)における、H教授らの傍若無人な振る舞いだった。

H教授らが同実験室の使用を開始したのは13年5月頃のこと。それ以前の同実験室は、取り立てて問題なく運用されてきた。しかし、H教授らが使うようになってからは、同実験室内での飲食や、同実験室のドアを開け放したままの実験等、プロにあるまじき行為が繰り返し行なわれるようになる。

ところで、「遺伝子組換え生物等使用実験室への飲食物持ち込み」は文科省令と環境省令で禁止されており、広大で作成した「遺伝子組換え生物等使用実験安全講習会」テキストにも、

「実験室で飲食・喫煙・化粧などを行ってはいけません」

と明記されている。「遺伝子組換え生物等使用実験室のドアを開け放したままの実験」に至っては、カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)第12条違反である。見かねたQ准教授が、H教授やその部下に再三注意したにもかかわらず、改められることはなかった。
〈つづく〉

(あかし しょうじろう・ルポライター、1月27日号)

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2017年03月10日

宮崎大学不当処分事件続報、裁判において多数のハラスメント捏造が発覚し、文科省からの指導で検証委員会設立

 2017年1月25日付の本HP記事において 2012年,宮崎大学が事実無根の「セクハラ」を理由に退職した教員の退職金を支給しなかった事件で、最高裁が2016年10月18日宮崎大学の上告を棄却し、40代教員の完全勝訴が確定したことを紹介した。

 その続報が原告教員から届いたので,ここで紹介したい。それによれば,同事件に係わりハラスメント裁判で多数の捏造が発覚した結果、宮崎大学にたいして文科省から指導が入り,同大内に第三者の調査委員会が設立される運びとなった旨,文科省の担当官から直接原告宛に連絡があったとのこと。

[過去の記事]
宮崎大学不当処分事件ならびに都留文科大学不当解雇事件について
宮崎大学不当処分事件・最高裁決定、宮崎大の敗訴確定 元准教授へ退職金(2017年3月10日付)

宮崎大学不当処分事件・最高裁決定、宮崎大の敗訴確定 元准教授へ退職金

ハラスメント訴訟 宮大の敗訴確定、最高裁決定 元准教授へ退職金(宮崎日日新聞2019年3月7日)

 在職中のハラスメントは事実無根で,退職金が支給されなかったのは不当として,宮崎大の元准教授の男性が退職金や慰謝料など約1045万円の支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3法廷(大橋正春裁判長)は6日までに,大学側の上告を棄却する決定を出した。大学側に約313万円の支払いを命じた二審判決が確定した。

 同大学は,元准教授が在籍中に女子学生の半裸の写真を撮影し,卒論に掲載させたなどとして、懲戒解雇処分に相当すると判断。2012年6月,すでに退職していた元准教授に退職金を支給しない決定をした。元准教授は同年12月,「事実無根」と提訴した。

 一審の宮崎地裁判決は准教授側の請求を棄却。二審・福岡高裁宮崎支部の判決では「元准教授が撮影し,画像を卒論に掲載させたと認めるべき証拠はない。(そもそも)卒論の指導教員は別の教員。退職手当不支給の決定は法的に無効で,原告に精神的苦痛を与えた」などと指摘。一審判決を変更し,大学側に退職金203万円と慰謝料など110万円の支払いを命じた。

 元准教授は「大学は自分たちの意向に沿う発言を学生たちにさせ,学生を利用してハラスメントを捏造(ねつぞう)した。私自身と学生の両方を陥れた」と話している。

 同大学は「残念ながら主張は認められなかった。これからも教育研究にまい進する」とコメントした。上告棄却は昨年10月18日付。


2017年03月07日

公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

大学オンブズマン
∟●公益通報者の教員解雇 県警OB使った常葉学園の「危機管理」

 大学から幼稚園まで14校を運営。約1万1000人が学び年15億円の利益をあげる静岡最大の学校法人常葉学園(とこはがくえん・木宮健二理事長)が、補助金不正の内部通報者解雇で揺れている。
 解雇されたのは、常葉大学短期大学部で社会学を教えていた准教授のMさん(43)だ。
 Mさんは、学園が、実際には講義をしていないK教授が講義したことにして、私学助成金の補助金を不正受給していることに気づいた。「私が問題を指摘し、不正受給のための書類は作れないと言ったら、パワハラを受けたのです」とMさん。
 「パワハラ」した、一人は、不正受給の張本人のK教授だ。「多数の教職員の面前で、『お前はクズ』などとの叱責を受け、うつ病になってしまいました。そこでハラスメント対策委員会に助けを求めたのです」(Mさん)。
 Mさんは、研究室の前に、県警の連絡先を記したハラスメント防止啓発ポスターを貼り出し、学園側にも掲示を依頼する。すると、危機管理担当者のO総務課長補佐が研究室にやってきた。
 暴力団対策などを担当し、学園に天下った県警OBのO氏は「暴力団と政治家、公務員を専門にやってきただもんで、顔は利く」「親分たちがみんな電話してくる」と暴力団との付き合いを明言。 Mさんが静岡労働局に行った際も同行し、自分が勤める学園を告発すれば「組織を全体に敵に回しますよ」などと述べた。

【県警OBが「圧力」】
 告発をつぶすための脅しではないか。そう感じたMさんは、O課長補佐とともに、O氏を差し向けた責任者として木宮理事長らを「強要罪」の疑いで告訴する。静岡地検は告訴を受理するが、不起訴処分となった。常葉学園は「(補助金不正問題を)もみ消すという意図は全くない」(木宮岳志常務理事、静岡朝日テレビ2月2日放送)と説明する。
 Mさんの通報を受け、学園は補助金不正を認めたが、告訴が「学園の秩序を乱した」とされ、Mさんは12年8月、懲戒解雇。暴力団との関係を公言したO氏は、逆に「昇格」した。
 ある学園関係者は、「不祥事対応に当たるOさんは、暴力団との関係もよく口にしてましたね」。O氏自身、裁判所に出した陳述書で、「ヤクザの話をすることにはあまり抵抗がなく……」と認めている。
 Mさんが起こした裁判で、静岡地裁は1月20日、Mさんの准教授としての地位を認める判決を言い渡した。関口剛弘裁判長は判決で、懲戒解雇は補助金不正の公益通報に対する報復とまではいえないが、その「問題が大きくなるのを防ぐために性急に行った」とした。
dogli学園側は控訴するとともに、Mさんに新たに普通解雇を言い渡し、争いは長期化の様相を見せている。

【Mさんへの支援の輪】
 「圧力をかけられるほど、屈するわけにはいかないという気持ちが強くなる」と話すMさんへの支援は、静岡県内外に広がりつつある。
 県警OBを使って「危機管理」する学園。特異な体質の源をたどると、2代目理事長・木宮和彦(故人)に行きつく。
 「木宮氏は自民党参議院議員も務め、学園職員も「選挙に動員」されたものです。許認可や自治体からの土地所得で、政治力は学園経営にも大いに役立った」と事情に詳しい学園関係者は振り返る。
 木宮氏の葬儀には、中曽根康弘元首相や安倍首相の供花もあり、政界人脈の広さをうかがわせた。
 常葉学園の名は「万葉集」に収められた歌に因み、霜雪に耐えて青い葉を茂らせる橘(たちばな)のように、困難に克ち高みを目指す人間の育成が建学の精神だ。
 政治家や暴力団との関係を振りかざして「真実の声」をつぶそうとする学園に、創立者は草葉の影で泣いている。(ジャーナリスト・北健一)
 メモ:公益通報者・・労働者が勤務先などの違法や不正を、勤務先や監督官庁、マスコミなどに知らせること。現在でも通報者への解雇や不利益取り扱いは禁止されているが、公益通報者への報復は跡を絶たない。通報者の権利がより守られる方向での改革が急務だ。


教授の処遇巡り、都留文科大対応は不当

教授の処遇巡り、都留文科大対応は不当(毎日新聞2017年3月3日)

 自治労連の県組織は2日、教授の処遇を明らかにしない都留文科大の対応は不当労働行為に当たるとして、県労働委員会に救済を申し立てた。この教授は同日の記者会見で、処遇の説明を受けていない教員はほかに2人おり、いずれも同大教職員組合の書記長経験者だと説明。「差別でありパワハラだ」と訴えた。

 救済を申し立てたのは「自治労連山梨自治体一般労組」(河村厚夫執行委員長)。申し立て書は、都留文科大が来春、文学部の「社会学科」を「地域社会学科」に改める予定だと説明。この学科再編に伴う同大による教授への対応に問題があると指摘している。

 そのうえで同大に対し、▽他の教員と同じ条件で新しい学科に移行させる▽労働条件の変更にあたっては労組に事前に提示し、本人の同意を得る▽労組員に対する不利益な扱いをしない▽不当労働行為に謝罪する--の4点を求めている。

 県庁で会見した教授によると、同大は昨年10月、担当教員13人(定年退職予定の1人を除く)のうち10人について、新学科への移行を踏まえた配置案を示したという。ところが、この教授を含む教員3人に対しては「今に至るまで意向の確認がない」と述べた。同大事務局は、申し立てについて「内容を確認し、適切に対応する」としている。

[同ニュース]
■朝日新聞(2017年3月3日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170303asahi.pdf
■山日新聞(2017年3月2日)
http://university.main.jp/blog/bunsyo/20170302yamanichi