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2020年07月22日

奈良学園大学解雇事件地裁判決、勝利「声明」

奈良学園大学教職員組合

本日奈良地裁において、奈良学園大学の学部廃止に伴う解雇が無効である等の判決が下されました。提訴以来3年にもわたる長らくのご支援を各方面よりいただくことができました。お礼を申し上げます。以下に奈良地裁判決を受けての声明を公表させていただきます。

2020年7月21日

声 明

1 判決の趣旨

 奈良地方裁判所(裁判長島岡大雄、裁判官千葉沙織、裁判官佐々木健詞)は、本日、奈良学園大学の教授ら7名が平成29年3月末で解雇・雇止めされた事件について、教授ら7名のうち5名に対する解雇が違法・無効であったとして、学校法人奈良学園に対して、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認するとともに、平成29年4月以降の未払賃金・賞与として総額1億1000万円以上を支払うよう命ずる判決を下した。なお、定年後再雇用であった2名については雇止めを有効とした。

2 本件整理解雇・雇止めに至る経緯

 原告らは、学校法人奈良学園が運営する奈良学園大学(旧・奈良産業大学)の教授、准教授、講師であった。

学校法人奈良学園は、平成23年頃、学部の再編を計画し、人間教育学部、保健医療学部及び従来のビジネス学部・情報学部の後継学部としての現代社会学部を新たに設置することを計画した。しかし、平成25年8月時点で現代社会学部の設置申請が取り下げられると、学校法人奈良学園は、ビジネス学部・情報学部教授会への事前の説明に反して、両学部について学生募集を停止し、平成29年3月末までに両学部所属の教員ら全員を転職又は退職させようとした。

この方針に反対した原告らは、平成26年2月に労働組合を結成した後、奈労連一般労組にも加盟し、奈良学園大学において大学教員として雇用を継続することを求めてきた。

しかし、学校法人奈良学園は、現代社会学部に代わる社会科学系の学部(第3の学部)の設置を一旦は検討したものの、その後、不合理な理由でその設置を凍結・延期し、組合が求めた「教育・研究センター(仮称)」の設置を真摯に検討せずに、大学教員として原告らの雇用を継続するための努力をしないまま、最終的には、平成29年3月末、労働組合員を含む教員らを解雇・雇止めにした。

3 判決の意義及び内容

本判決は、学部再編を理由とする解雇について、整理解雇法理を適用し、人員削減の必要性は高かったとはいえず、解雇回避努力を尽くしたものといえないとして、解雇を無効としたものである。少子化等による経営悪化を口実に全国の大学で安易な統廃合が行われる中、学校法人に対して教員らの雇用継続について責任ある対応を迫るものとして、大きな意義がある。

すなわち、本判決は、①人員削減の必要性については、ビジネス学部・情報学部の募集停止により学生らがほとんどいなくなったため教員が過員状態になったとはいえ、被告は資産超過の状態にあって、解雇しなければ経営破綻するといったひっ迫した財政状態ではなかったと判示した。また、②解雇回避努力については、原告らを人間教育学部や保健医療学部に異動させる努力を尽くしていないことや、総人件費の削減に向けた努力をしていないと判示した。さらに、③人選の合理性については、一応は選考基準が制定されてはいるものの、これを公正に適用したものとは言えないと判示した。また、④手続の相当性についても、組合と協議を十分に尽くしたものとは言えないと判示した。

学校法人奈良学園は、本判決を重く受け止め、原告らを直ちに大学教員として復職させ、本件解雇・雇止めをめぐる紛争を全面的に解決するべきである。

なお、本判決は、教授らのうち定年後再雇用であった2名については、有期雇用が更新される合理的期待があったものと認めつつも、人員削減の必要性があるなか有期雇用の労働者を優先的に雇止めすることも合理性があるとしたが、この点は遺憾である。

4 原告らの要求と決意

 学校法人奈良学園は、本判決を真摯に受け止め、控訴をすることなく、原告らを大学教員として奈良学園大学に復職させ、解雇・雇止めをめぐる紛争を全面的に解決し、奈良学園大学が本来の大学としての役割を果たすことができるようにすべきである。私たちは、本件の全面的な解決に向けて、引き続き奮闘する決意を表明する。

2020年7月21日    

原告団 弁護団 奈労連一般労組 関西私大教連
 

奈良学園大学不当解雇事件地裁判決、教員多すぎる」と大学解雇 判決「1億2000万円支払え」

ABCニュース(2020/07/21)

 奈良学園大の解雇事案は,学部の改組転換によって解雇されたのではなく、学部を完全につぶして全く違う新学部つくり、原告たちは職種限定で雇用されていたので新学部に移さないという理由で解雇するという事案でした。

「教員が多すぎる」という理由で解雇されたのは不当だと、奈良学園大学の教授らが訴えた裁判で、奈良地裁が一部を認める判決を言い渡しました。

訴えを起こしていたのは、奈良学園大学を解雇されたビジネス学部と情報学部の教授ら7人です。大学は2014年に2つの学部を統合し、新しい学部を設置する計画を立てましたが、計画が頓挫し、学生の募集を停止。その結果、「教員が過剰になった」として7人を解雇しました。21日の判決で「大学の経営破綻のおそれはなく、整理解雇を回避する努力義務があった」として、5人の解雇を無効とし、未払いの給与など約1億2000万円を支払うよう大学側に命じました。一方で、定年退職後に再雇用されていた2人については、訴えが認められませんでした。


2018年06月23日

奈良学園大学、学部再編失敗で教員一斉強制解雇…学部新設で虚偽申請も

Business Journal(2018.06.11)

奈良学園大学、学部再編失敗で教員一斉強制解雇…学部新設で虚偽申請も

文=田中圭太郎/ジャーナリスト

 大学に入学する年齢である18歳の人口が、今年から減少する「2018年問題」。私立大学の約4割がすでに定員割れの状態にあり、これから本格的な淘汰の時代がやってくる。大学が再編や統合を迫られた時、大学で働く教職員はどうなるのか――。

 この点で注目されているのが、奈良学園大学をめぐる裁判だ。この大学では約40人の教員がリストラにあい、最終的に解雇された8人が大学を運営する法人を訴えている。筆者は奈良学園大学を訪れ、解雇された元教員を取材した。

教員約40人をリストラ

「私たちは、大学による学部の再編失敗のしわ寄せによって解雇されました。こんな解雇が許されたら、大学改革や再編の名の下で理不尽な解雇が可能になります。絶対に許すわけにはいきません」

 こう憤るのは、2017年3月末に奈良学園大学を解雇された川本正知さん(64)。京都大学大学院文学研究科博士後期課程を単位取得退学し、複数の大学・短大で非常勤講師を勤めたあと、1989年に奈良学園大学の前身、奈良産業大学に講師として勤務。1999年からは教授の立場にあった。

 実は、同じ時期に職を失った教員は川本さんだけではない。13年11月、約40人の教員が17年3月までに転退職するよう迫られた。多くの教員は他大学に移るなどして若干の優遇措置とひきかえに大学を去ったが、その他の教員は雇い止めされたほか、教職員組合を結成して最後まで交渉を試みた川本さんら8人が解雇された。

 8人は大学を運営する学校法人奈良学園を相手取り、地位の確認などを求めて17年4月に奈良地方裁判所に提訴。16年11月には、奈良県労働委員会に不当労働行為の救済の申し立てもしている。しかし、両者の主張は対立したままで、いまだ解決の糸口を見いだせていない。

 明確なのは、川本さんをはじめ、リストラされた約40人に非がないことだ。リストラの直接的な原因は、学部の再編の失敗にあった。

学部再編を申請するも文部科学省から「警告」

 奈良学園大学は1984年、奈良県生駒郡三郷町に奈良産業大学として開学。硬式野球部は過去に多くのプロ野球選手を輩出している強豪チームで、今年6月に開催される全日本大学野球選手権大会にも出場する。筆者が訪れた日は3月の春休み中だったが、練習があるのか、ユニフォーム姿の部員がキャンパス内を歩いていた。

 名称が奈良学園大学になったのは14年4月。名称が変わる直前はビジネス学部と情報学部を有していたが、法人は名称変更に合わせてこの2つの学部を「現代社会学部」に改編することと、「人間教育学部」と「保健医療学部」の新設を13年に文部科学省に申請した。

 しかし、新設する2学部は設置が認可されたが、「現代社会学部」は要件を満たしていないとして文部科学省から同年8月に「警告」を受けた。すると、法人は申請をやり直すのではなく、すぐさま申請を取り下げてしまった。

「現代社会学部」を申請する時点では、再編が成立しない時にはビジネス学部と情報学部に戻して募集を継続することを、教授会だけでなく、理事会も大学評議会も決議していた。申請を取り下げても、既存の2学部は存続するはずだった。

 ところがこの年の11月、法人は突然、教員向けの説明会を開催。ビジネス学部と情報学部の廃止を告げるとともに、教員約40人に対し転退職を迫ったのだ。

法人側は「警備員なら雇う

 川本さんは、法人側の説明に唖然とした。2学部を廃止することも、自分たちがリストラされることも、まったく想像していなかったからだ。

 法人側が説明した解雇の理由は「過員」。新設の2学部のために、すでに約40人の教員を新規に採用していたので、教員が多すぎるというのだ。しかし既存の2学部を廃止するのは法人側の一方的な決定であり、教員にとって「過員」という理由は納得できるものではなかった。さらに、この説明会で法人側が言い放った言葉に川本さんは驚いた。

「法人側は私たちに、警備員なら雇用継続が可能だと言いました。この発言には耳を疑いました。既存の学部を残すという決定があったにもかかわらずリストラをするのは、道義的にも許されることではありませんし、教育機関とは思えない行為です」

 大学を運営する学校法人奈良学園は、幼稚園から大学まで10の学校を運営し、約200億円を超える流動資産を保有。ここ10年間で300億円以上の設備投資もしている。経営難を理由としない大量リストラは異例だ。

 このリストラを止めようと、川本さんらは教職員組合を結成して、奈良県労働委員会にあっせんを申請。16年7月には、奈良県労働委員会から「互いの主張を真摯に受け止め、早期に問題解決が図られるよう努力する」ことと、「労使双方は組合員の雇用継続・転退職等の具体的な処遇について、誠実に協議する」とのあっせん案が示された。労使双方がこのあっせんに合意し、団体交渉を進めるはずだった。

 ところが法人はこの合意に反して、8月には「事務職員への配置転換の募集のお知らせ」を一方的に配布。さらに11月には組合員に退職勧奨をすることを理事会で決定した。

 組合は退職勧奨を受けてすぐに、奈良県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。すると法人は、翌17年2月に解雇予告通知書を出して、3月末に組合員全員の解雇を強行。翌月、川本さんら組合員が提訴して、裁判と労働委員会の審判は現在も続いている。

大学や学部新設で2度にわたる虚偽申請

 学部の新設などをめぐる法人の不手際は、今回に限ったことではない。法人は06年に奈良文化女子短期大学を改組して「関西科学大学」を設立する申請をしたが、申請書類に虚偽の記載があったことが文部科学省から指摘され、取り下げざるを得なくなった。すでに亡くなっていた初代理事長を理事会の構成員として申請していたのだ。

 申請を取り下げた時には、すでに200人以上の入学者の内定を出していて、大きな問題となった。内定者には1人あたり30万円の補償金を支払ったほか、文部科学省から処分を受けて、新たな学部の申請は3年間禁じられた。

 さらに07年にビジネス学部の開設を申請した際にも、またも書類に虚偽記載があったほか、虚偽の教員名簿を提出したことが判明した。そして今回の「現代社会学部」では、設置計画に多くの欠陥が指摘された。

 これだけ大学設立や学部の再編に失敗しても、法人や大学の幹部はなんの総括もしていないし、責任も取っていないと川本さんは指摘する。

「自分たちは失敗の責任を取らずに、教員にリストラを押し付けたのが今回の問題の構図です。こんなことが許されたら、大学の経営陣が赤字学部の教員を一方的に解雇することが可能になってしまいます」

 川本さんら解雇された多くの教員は、収入がゼロになり、貯金を崩しながらなんとか生活している。なかには他の大学で非常勤講師をしている教員もいるが、収入は以前の半分にも満たない。それでも裁判は続けると川本さんは話す。

「私たちが泣き寝入りしたら悪しき前例になり、日本の私立大学全体に影響してしまうでしょう。大学教員の労働者としての権利が蹂躙されているのは明らかです。大学教育を守るためにも、諦めずに訴えていきます」

 筆者の取材に対し、学校法人奈良学園は「係争中にあるのでお答えできません」と話すのみだった。裁判の結果は、これからの私立大学教員の雇用を左右する。

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)


2017年07月26日

奈良学園大学解雇事件、提訴報告

民主法律協会
 ∟●奈良学園大学事件・提訴報告

奈良学園大学事件・提訴報告

2017年05月15日

弁護士 西田 陽子

平成29年4月25日、被告学校法人奈良学園(以下、「被告法人」という。)によって同年3月31日をもって解雇・雇止めされた(以下、「本件解雇雇止め」という。)奈良学園大学教員8名が原告となり、奈良地方裁判所に提訴した。また、提訴の約2週間前である同年4月13日に、原告らは、奈良県労働委員会に対して、被告法人による不当労働行為に対する救済申立て(支配介入、不利益取扱い)を行った。

本件は、被告法人が過去に起こした不祥事等により、奈良学園大学ビジネス学部・情報学部の後継学部として設置する予定であった現代社会学部の設置申請を取り下げざるを得なくなり、現代社会学部の設置が不能の場合にはビジネス学部・情報学部の募集を継続するとしていた付帯決議を削除し、両学部教員を整理解雇する方針に急遽転換したという事案である。

原告らは、奈良学園大学教職員組合を結成し同法人と団交を続けていたが、議論は平行線であった。その後、奈良学園大学教職員組合の組合員は、奈労連・一般労働組合に個人加入し、労働委員会におけるあっせん及び団体交渉を続けた。しかし、被告法人は、労使双方が受諾した「労使双方は、今後の団体交渉において、組合員の雇用継続・転退職等の具体的な処遇について、誠実に協議する」というあっせん合意に反し、「事務職員への配置転換の募集に対するお知らせ」と題する書面を配布したり、本件解雇雇止めの通知を一方的に送付したりした。

本件のもう一つの特徴は、被告法人が、現代社会学部設置の計画が頓挫した後も、社会科学系の学部である「第三の学部」の設置を模索しており、これを一方的に凍結して原告らに対して本件解雇雇止めの通知を行った後、再び「第三の学部」の設置を検討し始めたということにある。この事実は、原告ら組合員を排除する目的の表れであり、また、解雇回避努力を尽くしていないことの表れでもある。

原告らの専門性を活かす場としての教育・研究センター(仮称)の設置についてまともに検討しなかったこと、他学部への配置転換を認めなかったことなども、被告法人が解雇回避努力を尽くしていないことの裏付けとなる。

さらには、被告法人は、既に本件解雇雇止めを通告されていた原告らに対して、平成29年3月下旬になって、突如非常勤講師として出講することを打診したが、その後撤回した。当該打診は、被告法人にとって原告らを解雇雇止めする必要性がないどころか、被告法人の大学運営にとって不可欠の人材であることを示している。

以上のような事実関係を前提に、訴状においては、①原告らに対する解雇及び雇止めの本質は、組合嫌悪の不当労働行為に他ならないこと、②だからこそ、整理解雇の4要件(要素)も満たしていないことを、主張した。

訴状提出後、同年4月25日午後1時より、佐藤真理弁護士、山下悠太弁護士、原告らが記者会見を行い、被告法人による不当労働行為及び整理解雇の不当性を訴えた。原告である川本正知教授は、記者会見において、被告法人が欺瞞的大学再編を推し進め、その大学再編を口実として、大量の不当整理解雇をおこなったことに対する経営責任が厳しく追及されなければならない、また、特定の教員の解雇を目的とした学部・学科廃止は絶対に許されることではない、と述べた。また、川本教授は、労働運動に対する不当きわまりない攻撃であり、労働三権の否定であって、これはまさに、憲法の保障する基本的人権の侵害であることも主張した。

杜撰な経営を行ってきた被告法人によって、被告法人の発展に寄与し、正当な組合活動を行ってきた原告らの権利が脅かされるようなことがあってはならない。組合の粘り強い団交の結果、被告法人は、ついに、原告らを非常勤講師として雇用する意向を示した。

本件は、執筆者にとって初めての本格的な労働事件である。先輩弁護士の背中から大いに学び、原告らとともに熱意をもって戦うことで、早期に事案が全面解決されることを切に望む。

(弁護団:豊川義明、佐藤真理、鎌田幸夫、中西基、西田陽子、山下悠太)


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奈良学園大学教職員組合、「不当解雇撤回に向けての私たちの闘い」

奈良学園大学教職員組合
 ∟●不当解雇撤回に向けての私たちの闘い

経過(概要

不当解雇撤回に向けての私たちの闘い

2017年4月

はじめに

 学校法人奈良学園(理事長:西川彭(ちかし)、元奈良県教育長、以下奈良学園)は、幼小中高大の各種学校を持つ学校法人です。この3月末に奈良学園大学で教員の不当な大量解雇が強行されました。この暴挙について以下に概要をお伝えします。

大学再編における欺瞞と既存学部教員約40名の大量リストラ

 奈良学園は奈良産業大学の学部再編を計画した時、既存のビジネス学部と情報学部を「現代社会学部」とし、また新たに「人間教育学部」と「保健医療学部」を設置するという3学部体制を構想しました。既存学部の大学教員の所属先として「現代社会学部」を作る条件で、既存のビジネス・情報の2学部の学生募集を停止したのです。

 しかし、奈良学園は、平成25年8月、文部科学省への学部設置認可申請過程で多くの欠陥を指摘され、「現代社会学部」の設置に失敗しました。奈良学園は、約40名の新規教員を大量採用し、平成26年4月に新たに「人間教育学部」と「保健医療学部」の2学部を設置し、奈良産業大学を奈良学園大学と名称変更しました。その一方で、「現代社会学部」の設置に失敗した結果、失敗の責任を負うべき理事会によって旧奈良産業大学の時から勤務している約40名の教員の大量リストラ計画がもちだされました。

許しがたい奈良学園のやり方

 奈良学園は、「現代社会学部」ができなければビジネス学部・情報学部の2学部が存続すると約束していましたが、現代社会学部の設置に失敗するやいなや、約束を反故にして大量リストラ計画をもちだし、「警備員なら雇ってやる」と脅迫しビジネス学部・情報学部の既存教員の退職を迫ってきました。

 奈良学園の騙し討ちのような対応は法的にも、道義的にも許されず、ましてや教育機関が行うことではありません。

不当解雇は絶対許さない

 最近10年間で300億円超の設備投資を行いながらも、現時点で法人として無借金で約200億円超の流動資産を持っております。また、大学をさらに拡充させる構想をもっております。このような経営危機とはほど遠い状況で大量の教員を解雇するなど前代未聞です。

 大学では、様々な形で教員を活用することができ、現にどこの大学でもそうしています。実際、奈良学園もこれまでに解雇を行った前例はありません。

 奈良学園の現理事会は、前理事会の不祥事の結果、正常化路線を掲げつつ誕生し、学園全ての児童・生徒・学生・教職員を大切にする「人間中心主義」を理念としてとなえ続けていますが、この解雇はこの理念を自ら蹂躙する行為です。西川理事長と理事会は教育機関を運営する資格はありません。

 奈良学園は、長年にわたって奈良学園の高等教育を支えてきた教員を徹底的に排除しました。強行された不当解雇に対して、私たちは断固闘います。

闘いの現状

 私たちは、3年間にわたって理事会の経営責任を追及し、全教職員の雇用をまもるために闘ってきました。これに対して理事会は誠実に対応することはなく、組合から既存教員の所属先として提案した「教育・研究センター」設置案もまともに取り上げることもしませんでした。そのため昨年11月私たちは奈良県労働委員会に奈良学園の不当労働行為の「救済」を申し立て、審議が続いております。

 その審議中であるにもかかわらず、ついに3月末教員の不当な大量解雇が強行されました。これに対して4月25日には8名の組合員が奈良地裁に解雇の撤回をもとめて提訴しました。

 現在、私たちは裁判および労働委員会の救済の二本立てで闘っております。
 詳細は、本ホームページの「裁判」「労働委員会」のページをご覧ください。

以上

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