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2014年08月31日

社説[無利子奨学金拡大]給付型導入につなげよ

沖縄タイムス(2014年8月29日)

 家庭の教育費負担の軽減を図るため、大学生や専門学校生への奨学金の無利子枠が拡大される。文部科学省が、来年度概算要求に必要経費を盛り込む。

 かつて日本育英会と呼ばれていた日本学生支援機構が、大学生らに貸与している奨学金の無利子枠が3万人分増え47万1千人になる。有利子枠は1万8千人減らし93万9千人。トータルでは141万人が利用できる。

 内訳は有利子が66・6%、無利子が33・4%。文科省は「有利子から無利子へ」の流れを加速させたいとする。

 日本では、これら貸与型の奨学金が主流である。先輩からの返還金を後輩の奨学金に充て、将来にわたって多くの学生を支援していく仕組みを取っているからだ。

 貸与型とは別に返済義務のない奨学金が給付型である。

 子供の貧困問題が深刻化する中、世代を超えて貧困が連鎖するのを断ち切ろうと政府が作る「子供の貧困対策大綱」の当初案には、大学や専門学校で給付型奨学金の創設を目指すとの文言が盛り込まれていた。最終的には、財源のめどが立たないとして給付型には踏み込んでいない。

 文科省も給付型奨学金の導入を、財務省の抵抗で断念している。

 奨学金は、今や大学生の2人に1人が利用する、なくてはならない制度である。進学を後押しするものとして定着する一方、就職難や非正規雇用といった卒業後の収入の問題から、返済に苦しむ人も増えている。

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 日本の貸与型奨学金は、大学を卒業すると正社員になって、賃金は年々アップし、簡単には解雇されないという雇用システムを前提に成り立っている。

 学生たちも借りる時は、就職したらすぐに返せると思ったに違いない。

 文科省が今月公表した学校基本調査によると、この春大学を卒業した学生の就職率は69・8%(非正規雇用含む)。非正規にアルバイト、進学も就職もしていない人を合計した「安定的な雇用に就いていない人」の割合は18・6%だった。

 借りたものを返すのは当たり前で、自己責任という声もある。だが社会人になった途端の三桁の「ローン」は、若い世代には重い。まして収入が不安定で低ければ生活すら維持できない。返せないうちに延滞金が膨らめば、それこそ人生を左右する。

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 安いと思われている国立大学でも、年間の授業料は約54万円、入学料の約28万円を足すと、初年度は80万円余りが必要になる。学費が高いため借りざるを得ない状況があることにも目を向けてほしい。

 経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で、日本は教育への公的支出が低いと言われ何年もたつ。特に「幼稚園と大学で私費負担の割合が高い」と指摘されている。

 意欲と能力にあふれる若者が返済の不安から、利用をためらうようになったのでは奨学金の意味がない。 

 無利子枠の拡充から、さらに一歩踏み込んで給付型の導入に結びつけるべきだ。


2014年08月12日

奨学金訴訟、100倍に 8年で急増 借り手困窮/機構、回収強化

朝日新聞(2014年8月10日)

 奨学金を返さないとして、訴えられる人が急増している。貸した側の日本学生支援機構(旧日本育英会)が2012年度に起こした訴訟は6193件で、8年前の100倍を超えた。借り手の貧困に加え、機構側の回収の強化が背景にある。国も、返済制度の改善に乗り出した。

 「どうしていいかわからず、怖かった」。札幌市の20代女性は2月、機構から訴えられた。大学時代に借りた奨学金約240万円のうち、未返済の約170万円を求められた。

 2007年の卒業後に就職し、返済を始めた。出産のために休職したが、子どもを預ける場所が見つからずに復職を断念。さらに夫の勤める会社が倒産した。11年9月、困窮を理由に返済猶予を機構に申請。認められたが、その後、毎年必要な猶予の更新手続きをしなかったとして、翌年10月から延滞扱いにされていた。

 「100万円か150万円を一括で払わないと、訴訟です」「あなたの話は聞けません。今のままなら(訴訟に)負けますよ」

 女性は提訴される直前、機構側に、そう言われた。

 だが、弁護士に相談して機構に返済猶予を改めて申請すると、困窮状態にあると認められて提訴はあっさり取り下げられ、延滞金も不要となった。女性は「自分だけでは動けなかった。支払いが猶予されなかったら、生活がどうなっていたか……」と振り返る。

 猶予の申請時、更新手続きの説明を受けたかははっきり覚えていないが、「訴訟前に改めて教えてくれれば、弁護士に相談せずにすんだのに」と思う。

 昨春提訴された名古屋市の50代男性は、20代のおいが奨学金約190万円を借りた際に保証人となった。おいが返していない約170万円を求められた。

 おいは発達障害で会話が不自由。卒業後に就職したが、まもなくうつになって仕事を辞めた。返済猶予の対象となる生活保護受給者だが、病気などのせいで、自分では猶予を申請できなかった。男性は司法書士の助言で提訴後に返済猶予を申請し、認められた。

 この問題に取り組む池田賢太弁護士(札幌弁護士会)は2人の例とは別に、「猶予が認められるはずなのに、提訴されて返済続行の和解案を受け入れてしまう『泣き寝入り』事例がある」と指摘。返済を続けても延滞金に充てられて元金が減らない例や、自己破産する例もあると話す。

 ■延滞33万人 機構「猶予制度を周知」

 日本学生支援機構は、約131万人に、計1兆815億円の奨学金を貸し付けている(2012年度)。無利子で月5万4千円を借りると、4年間で計約260万円。15年の完済計画ならば、毎月の返済額は約1万4千円になる。有利子の年利は7月現在で0・79%(利率固定方式)だ。

 ただ、就職難などを背景に延滞額は年々増加。12年度末時点の延滞は33万人で計925億円に上る。3カ月以上の延滞者を抽出して調べた結果、8割が年収300万円未満だった。

 機構は、09年の民主党政権による事業仕分けなどで、債権回収の甘さを指摘された。このため、債権回収会社に業務を委託し、回収を強化した。まずは延滞者に電話で催促。3カ月以上の延滞者の情報は、加盟している個人信用情報機関「全国銀行個人信用情報センター」に提供する。クレジットカードやローンの利用が制限される恐れがあるが、返済終了から5年後に削除される。12年度末までに2万件以上を登録した。

 9カ月以上の延滞者には事前通告の上、裁判所を通じて支払いを求める督促状を送付。異議申し立てがあれば提訴する。機構の担当者は「今後も猶予制度の一層の周知に努めたい」と話す。奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和・中京大学教授(教育社会学)は「返済猶予や減額制度をわかりやすく説明し、提訴は本当に必要な相手に限るべきだ」と指摘する。(佐藤恵子)

 ■年収連動の返済制度 文科省、18年度返済開始から

 文部科学省の検討会は先月、年収額に応じて返済月額が変わる「所得連動返還型奨学金」の導入を提言した。現在も年収300万円以下なら返済を先延ばしできるが、さらに幅広く、経済力に応じて、月々の返済額が減らせるように弾力化する。担当者は「所得に合わせた返済制度は世界的な流れ。これまでがおかしかった」と説明する。

 2016年に国民全員に番号を割り振る共通番号(マイナンバー)制度の運用が始まると、行政側は納税の状況や会社が提供する従業員の給料などが把握できる。文科省はこれを利用し、18年度に返済を始める人から対象にする考えだ。また、現在は全体の3割に満たない無利子型を増やし、返す必要がない「給付型」の創設も議論する。(高浜行人)

 ■奨学金返済に関する現行の救済制度

 <返済の猶予> 年収300万円以下(自営業などは所得200万円以下)を目安に最長10年を猶予。災害や傷病、生活保護受給などの場合、猶予期限はなし。産休や育休中も猶予される。毎年の更新手続きが必要。

 <返済月額の減額> 経済困窮や災害、傷病などの場合、一定期間は毎月の返済額を半額に。毎年の更新手続きで最長10年。このほか、死亡や心身の障害によって返済できなくなった場合、状況に応じて全額または一部を免除。


2014年08月10日

准教授の降格、停職無効 公立大セクハラ高裁判決

宮崎日々新聞(2014年8月9日)

 女子学生2人へのセクハラ行為などを理由に停職、降格処分を受けた宮崎公立大の准教授が、同大学を相手に停職処分が無効であることの確認を求めた訴訟の控訴審判決は8日、福岡高裁宮崎支部であった。田中哲郎裁判長は女子学生の供述は具体性、一貫性に欠け「虚偽である可能性が高い」として、降格処分のみを無効とした一審判決を変更し、降格、停職いずれも無効を言い渡した。

二審はセクハラ認定せず 宮崎公立大の准教授訴訟

朝日新聞(2014年8月9日)

 宮崎公立大の男性准教授が、女子学生にセクハラをしたとして大学から停職や降格の処分を受けたことを不服とし、処分の取り消しと損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が8日、福岡高裁宮崎支部であった。田中哲郎裁判長は「女子学生の証言は虚偽である可能性が高い」と述べて、大部分のセクハラを認定せず、大学側に処分の取り消しと減給分の給与など計約700万円の支払いを命じた。

 准教授は教授だった2009年にセクハラをしたとして、10年に大学側から停職4カ月と准教授への降格処分を受けた。一審・宮崎地裁は、准教授のセクハラは認定したが、大学の降格処分は不当と判断。准教授と大学側の双方が判決を不服として控訴していた。

 控訴審判決は「准教授から太ももを押さえられたり、唇を指で触られたりした」との女子学生の証言を「具体性、一貫性に欠ける」と指摘。大学側のセクハラを理由とした停職や降格の処分は不当とした。

 判決を受け大学側は「判決文を精査し、対応を検討したい」とコメントした。


2014年08月09日

私大の半数が定員割れ、小規模校で顕著…平成26年度動向

RBBTODAY(2014年8月8日)

 平成26年度に定員割れ(入学定員充足率100%未満)となった私立大学は45.8%に上ることが8月7日、日本私立学校振興・共済事業団が公表した「平成26年度私立大学・短期大学等入学志願動向」から明らかになった。定員割れは、入学定員800人未満の大学に多い傾向にあった。

 平成26年度の「学校法人基礎調査」に基づき、志願者数、入学者数などを集計してまとめた。集計対象学校数は、大学578校、短大320校、大学院455校。

 平成26年度の大学の概況は、入学定員46万,251人に対し、志願者346万4,429人、受験者332万9,844人、合格者119万5,744人、入学者47万7,631人。18歳人口が前年度より約5万人減少する中、入学定員、志願者数、受験者数、合格者数はいずれも増加したが、入学者数は6,326人減少。入学定員充足率は、1.78ポイント下降し、103.78%となった。

 定員割れの私大は、前年度比33校増の265校。私大全体に占める未充足校の割合は、5.5ポイント上昇し、45.8%となった。

 規模別では、1校あたりの入学定員が800人以上の大学で入学定員充足率が100%を超えた一方、入学定員800人未満の大学では入学定員充足率が100%を下回った。前年度より入学定員充足率が上昇したのは、入学定員3,000人以上の大規模校だけだった。

 学部系統別では、医学、歯学、薬学、理・工学系、農学系、人文科学系、社会科学系で志願倍率が上昇。医学と歯学では、入学定員充足率も上昇した。

 一方、短期大学の入学定員充足率は90.56%。定員割れの短大は、前年度比9校増の207校。短大全体に占める未充足校の割合は64.7%に上った。


授業料減免へ専門学校補助新設 文科省が概算要求

共同通信(2014/08/08)

 文部科学省は8日、生活保護世帯など経済的に余裕がない専門学校生の授業料を減免する学校に、補助する制度を創設する方針を固めた。2015年度予算の概算要求に必要経費を盛り込む。

 減免の対象は、国公立に比べ授業料が割高な私立の専門学校生を想定。就職に必要な資格、技能を取得する学生を軸に支援を検討する。卒業後に地元の中小企業に就職する学生も多いことから、地域活性化にも貢献できるとしている。

 授業料の減免は国公立や私立大学が実施しており、私立大学の場合は減免に必要な費用の半額以内を国が補助している。専門学校には国が費用を補助する減免制度はなかった。


2014年08月08日

ブラック大学・法政が労働契約法の脱法を狙い雇い止め強行、2名が大学と理事ら11名を告訴

My News Japan(08/07 2014)

ブラック大学・法政が労働契約法の脱法を狙い雇い止め強行、2名が大学と理事ら11名を告訴

林 克明


 法政大学理系学部の特任教育技術員(実験助手)は、「3年契約で65歳の定年まで就労可能」という条件で、2009年4月に採用された。そのひとりAさんは、11年9月に、翌12年4月から3年間の再契約をする約束を大学側と交わした。ところが大学側は急遽、12年1月1日に、当事者に知らせず、就業規則を改定。最初の3年契約の終了後、1年契約2回を限度とする5年雇止め制を導入し、一方的に通知してきた。改正労働契約法によって契約期間が通算5年に達すれば労働者は無期契約を申し込めることになり、過去にさかのぼって無期契約転換権が特任教育技術員に適用されてしまう、と大学側が勘違いした結果だった。今年3月に、教育技術員12名全員を解雇(雇止め)し、そのうちの2名が6月27日に東京地裁に地位確認と未払い賃金の支払いを求めて提訴、7月18日には、立川労働基準監督署に大学理事らを告訴した。ブラック企業化する大学の労働環境を報告する。(訴状は記事末尾でダウンロード可)

【Digest】
◇理系の実験に必要な教育技術員
◇3年契約繰り返し定年の65歳まで就労可
◇当事者が知らない間に5年雇止めの規則変更
◇勘違いで就業規則を一方的に改定
◇労働契約法や私大連盟の雇止め条件満たさず
◇過半数代表選出もせず労働基準法違反
◇9月に法政ユニオン結成し対抗

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◇理系の実験に必要な教育技術員

 非常勤講師たちが鎌田薫総長ら理事18人を刑事告訴した早稲田大学に次いで、法政大学では、職員扱いの特任教育技術員(旧称は実験助手)が、労働基準法違反で理事12名を立川労働基準監督署に刑事告訴し、また地位保全などを求めて東京地方裁判所に提訴した。
 両大学で起きている事件は、大学のブラック企業化を象徴するかのようだ。

 今回雇止めにされて訴えたAさん(50歳)は、他大学で准教授として働いていたが、2009年4月から法政大学理工学部で実験等を補助する技術員としての職を得た。

 直前までは東京から遠く離れた大学の専任教員だったが、首都圏に住む高齢の両親のことを考えて東京の大学で職を得ようと思ったからだ。Aさんが話す。

 「家庭の事情のほかに、DNAナノテクノロジーに関する共同研究を東京の有力大学の指示を受けて共同研究をしていたので、東京の大学に職を得られれば実験装置を頻繁に使えることになり、研究にも都合がいいと、この職に応募したのです」
 特任技術員とはどういう仕事内容なのだろうか。
 「特任教育技術員というのは、学務課所属の技術嘱託の扱いです。出勤の監理は学務課が行いますが、実際の業務内容のすべてを担当する教員から指示されるので、学務課は内容を知りません。
 実際の業務は、複数の教員から指示を受け、時間のやりくりをしながら同時並行で進めていきます。

 学科の立ち上げのための支援、自分が担当する実験テーマの準備、補助指導、学生が持ってきた実験レポートの試問。そのレポートに関する評価原案を作成して教員に提出したりします。

 2009年に最初に契約をしてから2年間は、新規実験の設備の設計、整備、運用ルールの調整などの仕事で、7月、12月、1月の忙しい時期には連日の残業でした。

 こうした業務に加えて、学生相手の仕事なのでそれなりに大変な面もありました。実験で苦戦しているときに、ちょっとした補助で目に見えて進歩していく学生がいたり、実験設備の設定の補足説明などに非常に興味を持ってくる学生も出たりして、大変だけれどもやりがいのある仕事だと思っています」

◇3年契約繰り返し定年の65歳まで就労可

 さて、Aさんは具体的にどのような契約を大学と取り交わし結局は解雇(雇止め)されてしまったのだろうか。再びAさんの体験を聞いてみる。
「2009年2月の採用面接の際に、主要な面接官から、業務が問題なくこなせれば3年間の再契約になるが、65歳を超える契約はできないということを言われました。実際、面接の説明通りの雇用契約内容を記述した書類を人事担当者が送ってきました。
 このときの面接で、もちろん学科改変時の組み換えなどによって終身雇用にはならないにしても、きちんと働いている限り、少なくとも学科の存続期間中には雇用されつづけると思いました」


 こうしてAさんは2009年4月1日から2012年3月31日までの契約を結んだ。その当時の「法政大学工学部・理工学部・生命科学部およびデザイン工学部特任教育技術員の就業に関する規則」には、次のように記載されている。
≪第5条 特任教育技術員の雇用期間は3年とし、再任をさまたげない。ただし、65歳に達した日の属する年度の末日を限度とする≫

 この就業規則と採用面接の内容を見る限り、まじめに仕事をすればずっと働き続けられると考えるのが普通だろう。
 そして2012年3月末日の契約更新時期が近づいた。Aさんによると、最初に更新の話を聞いたのは、2011年8月~9月である。

「学科の准教授から非公式に雇用契約更新の打診があり、私と他の特任教育技術員は契約を延長したいと伝えました。これが2011年の8月末から9月にかけてです。……


2014年08月07日

学生にアカハラ、教授を停職処分 久留米工業大

西日本新聞(2014年08月06日)

 久留米工業大(久留米市)は、学生にアカデミックハラスメント行為をしたとして、工学部の40代男性教授を停職10日の懲戒処分にした。処分は7月31日付。
 大学事務局によると、教授は今年1~3月に複数の学生に高圧的な表現を使って指導し、精神的な苦痛を与えるなどした。学生から相談を受けた別の教員が大学側に報告して発覚。教授は学内調査でハラスメント行為があったことを認め、反省しているという。
 大学は全教職員向けにアカデミックハラスメントの研修会を開いて注意を促すなど、再発防止に努めているとしている。

忘れた資料捜してと女性准教授、アカハラで減給

読売新聞(2014年08月06日)

 岡山大は5日、学生に私的な手伝いをさせるなどのアカデミック・ハラスメント(教育・研究機関での嫌がらせ)があったとして、1日付で女性准教授を減給(日給の2分の1)の懲戒処分にしたと発表した。

 同大学によると、准教授は2012年10月、タクシー内に忘れた研究資料を男子学生に捜させるなど、研究とは無関係な私用を手伝わせた。大学は同学生からの相談を受け、調査していた。学生は今年3月に退学したという。


2014年08月06日

軍学共同(大学・研究機関における軍事研究)反対アピール署名

軍学共同(大学・研究機関における軍事研究)反対アピール署名

軍学共同(大学・研究機関における軍事研究)反対アピール

軍事研究とは、武器開発や、敵国に対して優位に立つことを目的とする装備開発や戦略研究であり、戦争・戦闘に直接・間接に繋がる研究である。先の戦争で日本の大学・研究機関は、戦争に協力する学問を生みだし、軍事研究に深くかかわり、多くの学生を戦場に送り出したという苦い経験をもつ。戦後、この戦争遂行に加担したあやまちを二度とくりかえさないため、大学や研究機関は平和目的の研究のみに従事し、軍事研究は行わないことを固く誓った。その決意は日本学術会議の総会声明で「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」(1950年)、「軍事目的のための科学研究を行わない声明」(1967年)と、歴史の節目ごとに繰り返し確認されてきた。また、1980年代後半には大学非核平和宣言運動があり、大学や研究機関ごとの平和宣言・平和憲章なども制定された。

この歴史の流れに逆行して、いま軍学共同の動きが加速されようとしている。2014年4月に、防衛省は大学と軍事の共同研究を本格化させる専門部署「技術管理班」を新設し、大学側との手続きを円滑化しようとしている。すでに、いくつかの大学や研究機関では、防衛省との共同研究協定が締結された。このような軍学共同の動きの背景には、武器禁輸三原則の撤廃などの安倍政権の姿勢が強く関連している。「平成26年度防衛計画大綱」(2013年12月)でも「大学や研究機関との連携の充実により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める」との方針が打ち出されている。

特定秘密保護法が成立(2013年12月)した今日、軍事にかかわる研究の透明性は著しく低下し、軍事機密を漏えいしたとみなされた大学教員や研究者が厳罰を科される可能性が強く懸念される。

軍学共同は如何なる大学・研究機関像をもたらすのだろうか。軍学共同が社会に深く根付いているアメリカの事例から、学問の自由が著しく蹂躙されかねないことが容易に想定できる。軍学共同研究の影響は、大学教員や研究者にとどまらず、大学においては学生・院生へも及ぶことは自明である。それは研究室を主宰する教員や研究者が、その軍学共同の資金に合意された研究を院生・学生にやらせるという立場にもなりうるからである。この結果、院生・学生が意味を十分に理解しないまま、軍事研究に従うことになっていくことも十分ありうる。このような荒廃を決して大学や研究機関にもたらしてはならない。

とりわけ大学は、本来、人類の未来を切り開くための学問・研究の場である。大学は、学問・研究を通じて、民主主義の発展や人々の生活向上、核兵器の廃絶・貧困の根絶といった普遍的な問題や、平和の創造に関する問題に取り組む場である。このため大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、真理と平和を希求する人間の育成を教育の基本とすべきであり、軍学共同とは両立しえない。

われわれは、科学本来の目的・役割に反し、さらに科学の発展をゆがめる、戦争を目的とする研究と教育には絶対に従うべきではない。軍学共同によって戦争に加担するというあやまちを二度とくりかえしてはならない。

ここに学生・院生も含めた大学・研究機関の構成員すべてに対し、軍関係機関に所属する者との共同研究を一切おこなわず、これらの機関からの研究資金を受け入れないこと、また軍関係機関に所属する者の教育はおこなわないことを、あらためて心からアピールするものである。


京都大学未払い賃金訴訟、第6回口頭弁論は9月3日 原告団115名に!

京都大学職員組合
 ∟●職員組合ニュース(2014年8月4日)

原告団115名に! 多数の傍聴ご参加を

 昨年6月11日の賃金訴訟提起から1年余が経過し、5回の口頭弁論が行われました。当初96人だった原告団も、その後参加が相次ぎ、現在115人にまで達しています。2012年8月から2014年3月までの1年8ヵ月間の賃下げによる損害額は、教授職で60万円超、准教授や一般職掛長クラスで約30万円に至っています。
 9月3日の第6回口頭弁論を終えると、「証人尋問」にステージは移ります。10月29日には被告(大学側)への証人尋問、11月5日には原告側への証人尋問が予定されています。……

 私たち原告団の「財政的根拠も高度の必要性もない賃金引下げである」との主張に、法人は〝震災復興に必要、政府の要請、賃下げへの異議申出は原告団長以外誰もいない(黙示の同意)〟等を繰り返すばかりです。財政面においては「運営費交付金削減の場合、他の収入源からの補填は容易でなく賃下げは不可避だった」と京大法人は主張していますが、本当でしょうか?
 臨時給与減額に伴う運営費交付金の減額は単年度につき28億円とされており、このうち10億円を教職員の給与減額、残り18億円を研究費などを含む物件費から充てられています。

 京都大学の財務諸表を見ると、2012年度には32億円の目的積立金が積み立てられ、累計で216億円の積立金がありました。目的積立金は、目的の変更が法律で認められており、財源が不足した場合には取り崩すことができます。貸借対照表によれば、「現金及び預金」と「有価証券」だけで750億円を越える資産があり、キャッシュフロー計算書では運営に使用されるのは500億円にとどまっている現実のもと、賃金も教育・研究費も減らすことなく運営費交付金の削減に対処できたことは明らかです。第一に賃金、第二に教育研究費を削減するというこの姿勢は、法律および大学のあるべき運営の原則に真っ向から反しています。
 9月3日の第6回口頭弁論や、それに続く10月29日(水)、11月5日(水)の証人尋問においては、こうした京都大学の財務面からも尋問、陳述を展開する予定です。また、これまでと同様に口頭弁論終了後に、隣の弁護士会館にて報告集会を開催予定しています。こちらの報告集会にも多数のご参加をお待ちしています。


2014年08月04日

広島大 教員給与、年俸制を拡大へ

読売新聞(2014年08月02日)

 ◇若手や外国人 優れた人材確保狙い

 広島大は10月から、一部の教員の給与に、業績を反映させる「業績年俸制」を導入する。新規採用の若手教員や外国人教員などが対象で、優れた教員の確保や育成が狙い。理・工・農・医系で先行導入し、2年後には全分野の教員の15%(約230人)に適用する計画だ。(小宮宏祐)

 発表によると、同大はすでに特任教員12人に年俸制を適用しており、新たに新規採用の助教と外国人教員に原則適用することにした。55歳以上の在職教員(教授や准教授を含む)と、特任教員など教育・研究系の契約教員は選択制にする。これら以外の教員は従来の給与体系のまま。

 年俸は360万~2040万円の29ランクに分け、年額の8割相当の「基本年俸」は3年ごとに業績評価を反映させて額を見直し、残り2割の「業績年俸」は1年ごとに評価を反映させる。業績評価は論文数などを参考に各部局が定める。

 文部科学省によると、年俸制は他大学も検討。同省国立大学法人支援課には、86国立大のうち8割強の大学から年俸制導入の相談があり、島根大では4月から導入されているという。

 同省は昨年11月、国立大学改革プランを発表。その中で、人事・教育システムの弾力化を加速するため、「大学を支援する際、年俸制の導入を条件化」などとうたっており、今年度、年俸制導入の支援費として24億円の予算をつけている。

 年俸制の利点について、同課は「教員の流動性が生まれ、ポスト不足の解消につながるほか、適切な評価・処遇により、教育や研究が活性化する」とみている。広島大の浅原利正学長は記者会見で、「(単年度の)業績に応じて給与を支給することで、教員の意識改革や組織活性化につなげたい」と期待を込めた。


2014年08月02日

東大論文不正、元教授がノートねつ造指示

NHK(8月1日)

東京大学の元教授のグループが発表したホルモンの働きに関する論文など43本に画像の切り貼りなどの不正が見つかった問題で大学の調査委員会は、1日、元教授が、不正が発覚しないよう実験ノートのねつ造を指示していたなどとする調査結果を公表しました。

この問題は東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授のグループが発表した骨が出来る仕組みやホルモンの働きについての論文など43本に画像の切り貼りなどの不正が見つかったものです。
大学の調査委員会は1日、記者会見し、これまでに調査が終わった5本の論文について加藤元教授と当時の助教授ら合わせて4人が不正に関わっていたとする調査結果を公表しました。
このうち加藤元教授についてはねつ造や改ざんを直接行った事実は確認できなかったものの、研究員に対し、よい実験結果を出すよう強く求め、高圧的な態度で日常的に不適切な指導を行ったことが不正につながったと認定しました。
さらに論文を掲載した科学雑誌から不正の疑いを指摘された際に不正が発覚しないよう研究員らに画像のデータや実験ノートのねつ造などを指示していたとしています。
また残りの3人についても、論文の画像などのねつ造や改ざんをみずから行ったなどと認定しました。
加藤元教授は国から30億円の研究費を受けるなど日本を代表する分子生物学者の一人で、大学では、残りの38本の論文についても不正への関与を調べたうえ関係者を処分する方針です。

元教授がコメント
調査委員会の結果について加藤茂明元教授は、研究員らに実験ノートのねつ造などを指示したとされた点については、「私の不適切な判断がありましたことをおわび申し上げます」とする謝罪のコメントを出しました。
その一方で加藤元教授の不適切な指導が不正につながったとされたことについては、「事実を曲げて私の名誉を毀損しかねないもので、到底承服できない」と反論しています。

[同ニュース]
■東大研究論文不正「4人が関与」と認定 調査チーム
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000031818.html
■東大論文不正問題、4人の不正関与を認定 「懲戒事由に相当する可能性」も
http://www.j-cast.com/2014/08/01212116.html?p=all
■東大論文捏造(ねつぞう)問題調査結果 元教授ら4人が不正に関与
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00273734.html
■研究論文で不正、東大が4人の関与を認定
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140801-OYT1T50094.html
■東大論文不正:元教授強圧的指導 調査委「懲戒処分相当」
http://mainichi.jp/select/news/20140801k0000e040207000c.html

大学生らが労働組合結成

デイリー(2014年8月1日)

 アルバイトなのに、学業に支障が出るほどの過重なシフトや長時間労働を課せられる「ブラックバイト」に悩む大学生らが1日、労働組合「ブラックバイトユニオン」を結成した。メンバーが東京都内で記者会見し明らかにした。

 ユニオンによると現在、組合員は約20人。事務所は都内に置く。アルバイト先で組合員がシフトを強要されたり、残業代未払いなどの問題を抱えたりした場合、企業と団体交渉するほか、組合員以外でも問題を抱える学生から幅広く相談に乗り、支援していく。

 ユニオンでは3日午後1~4時、大学生らを対象に相談ホットラインを設置する。電話番号は(0120)987215。