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 カテゴリー 2013年05月

2013年05月30日

専修大北海道短大不当解雇事件、6月3日 いよいよ証人尋問

■不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会

裁判傍聴のお願い

近年、全国の短大や小規模の大学などで閉校が相次いでいます。このような状況下で専修大学のような大規模かつ健全経営の大学法人の不当な教員解雇を許すことは、日本の全ての大学教職員の身分を不安定にする先例とされるでしょう。
 裁判は6月から証人尋問に入ります。多くの皆様の傍聴は、原告たちに勇気と希望を与えるとともに、また裁判官に与える影響も大きいのです。厳正な審理に基づく公正な判決の出る世論を作り上げるため、どうぞ御協力下さい。

証人尋問:6月3日(月)午後1時30分より
札幌地裁7階法廷

 今回の証人尋問は、原告側証人として、法人理事会で短大募集停止の決定にただ1人反対し、募集停止後は教職員の身分保障に尽力し、この3月にいわれのない罪を着せられて法人から諭旨免職処分を受けた専修短大前学長が、被告側証人として、短大募集停止や8教員解雇に主導的な役割を果たした法人専務理事が陳述します。
裁判傍聴はどなたでもできます。1人でも多くの方の傍聴をお願い申し上げます。

不当解雇された専修大学北海道短大8教員を支える会

桐蔭横浜大、元教員2人仮処分申請 「解雇不当」地位保全など求め

毎日新聞(2013年05月28日)

 桐蔭横浜大学(横浜市青葉区)の教員ら5人が、懲戒処分の無効確認を求めている訴訟に絡み、今年3月に大学を解雇された元教員2人が27日、大学を運営する学校法人桐蔭学園を相手取り、「解雇理由が明確になっておらず、処分は不当」として地位保全と賃金の仮払いを求める仮処分を横浜地裁に申請した。

 申請したのは、同大スポーツ健康政策学部の元学部長(53)と元学科長(52)の2人。

 申立書によると、昨年10月の保護者説明会で、学生3人が学校生活の窮状を告発する文書を配布しようとした騒動を巡り、学生の側に立った教員5人がけん責処分を受けた。このうち元学部長ら2人は1月、「一部の保護者や学生を巻き込み、大学運営を妨害した」として解雇を予告され、3月に解雇された。

 同学園は「内容を見ていないのでコメントできないが、解雇は正当な理由がある」としている。


2013年05月25日

「大学シンポジウムin 北海道」、相次ぐ解雇、雇い止め 大学教員の雇用問題

毎日新聞(2013年5月25日)

相次ぐ解雇、雇い止め 大学教員の雇用問題
考えるシンポに170人 「改革」のひずみ、指摘も

 道内の大学で相次ぐ教員の解雇処分や雇い止めなどの労働問題を考えるシンポジウム「どうなってる 道内の大学」が18日、札幌市北区の北海道大であった。大学関係者ら約170人が参加し、事例の発表とパネルディスカッションを実施。問題の背景に、学長や理事会の権限強化のひずみを指摘する声が上がった。(社会面参照)

■8年半勤務の末に

 「なぜ私が働き続けることができないのか、裁判で明らかにしたい」。北大から雇い止めされ、2011年6月に札幌地裁に提訴した小池晶さんは事例発表で訴えた。

 小池さんは02年秋、非正規職員の研究補助として働き始めた。身分は「謝金雇用」「短時間勤務職員」「契約職員」と変わり、職場を異動した末、8年半後の11年3月に雇い止めとなった。「私の退職後、後任を雇っており、予算上の問題ではない。雇い止めの理由が知りたい」と、小池さんは怒りをぶつけた。
 今年3月に閉校した専修大北海道短大では、教員24人のうち8人が解雇された。8人は解雇無効を求めて提訴。原告の一人で、教員組合委員長の男性(44)は「大学側は、専修大や石巻専修大の専任職員への転職など優遇措置で、解雇回避の努力をしたと説明するが、応募者はいなかった」と現状を訴えた。小さな子供を抱えながら職を探す仲間の厳しい現実も紹介した。
 このはか、天使大で教職員組合結成に対する不当労働行為▽道教育大で学長選の取り消しを求める訴訟▽札幌大で労働条件切り下げをめぐる道地労委への救済申し立て▽千歳科学技術大で新任教員の不当解雇▽東京理科大長万部キャンパスでパワハラによる懲戒処分禁止の仮処分申し立て-など、11年以降の労使紛争も報告された。

■チェック機能なし
 パネルディスカッションでは、背景や問題点を探った。
 札幌学院大の片山一義教授(労働経済学)は「この10年間に全国で起きた動きが、道内にも飛び火した形」と指摘する。北大の光本滋准教授(高等教育論)はグローバル経済を受けた新自由主義経済に基づく大学改革で、国の統制が強化されたことを説明し、「問題の多くはそのひずみの表れ」と話した。
 大学教員の労働問題を扱う中島告弁護士は「法律を教えるのが大学だが、法律を守ろうとしているのかがはなはだ疑問」と皮肉りながら、「企業なら株主代表訴訟、行政なら住民監査とチェック機能が担保されているが、大学にはない」と強調。04年の国立大学法人への移行、私学法の改正で、「経営体制の明確化」の名の下に、学長や理事会の権限が強化され、大学自治の要を担っていた教授会の役割が有名無実化しているのが実態という。
 弁護士の佐藤博文実行委員長は「教員が大学という名の企業の使用人化している。大学の自治が破壊され、未来が脅かされている」と警鐘を鳴らした。【千々部一好】


解雇無効求め前学長が提訴 、専修道短大

■北海道新聞(2015年5月25日)

 身に覚えのない理由で解雇されたとして、専修大学北海道短期大学(美唄市)の前学長寺本千名夫さん(64)が24日、運営主体の学校法人専修大学(東京)を相手取り、解雇無効を求めて札幌地裁に提訴した。
 訴状によると、法人側は2010年、学長だった寺本さんの反対を押し切り、本来必要な教授会の決議もなくH年度以降の同短大の学生募集停止を決定。さらに寺本さんに無断で学長印を使い、学長名義の募集停止の報告書を作成、文部科学省に提出したという。
 これに対し寺本さんは「自分は報告書を作成していない」と同省に説明。法人側は今年3月、「寺本さんは自分で印を押したのに文科省に虚偽の説朋をした」などとして、解雇したという。
 寺本さんは提訴後に記者会見し「このようなあるまじきことが行われ地方の短大がつぶされたということを世の中に知らしめたい」と述べた。法人側は「事実を確認しておらずコメントできない」としている。
 同短大をめぐっては、元教員8人が法人側に対し、解雇無効を求めて同地裁で係争中。

補助金不正疑惑「助手が授業代行」、常葉学園調査

■中日新聞(2013年5月25日)

補助金不正疑惑「助手が授業代行」 常葉学園調査

◆元教授が認める
 常葉大短期大学部(静岡市葵区)が国の補助金を不正受給したとして同学部の男性准教授が内部告発した問題で、授業をしていなかった疑いのある元教授が常葉学園本部の調査委員会で、助手に授業を担当させていたと認める証言をした。委員会関係者への取材で分かった。助手も同様の発言をした。常葉大は調査委の報告を受け、事実関係や再発防止策を近く公表する。
 告発によると、同学部は常葉学園短大だった二〇〇二~〇四年、週七回のコンピューター関連の授業をしたのは助手だったのに、元教授が行っていたと偽って文部科学省に申請し、三年間で少なくとも三百六十万円の補助金を受け取ったとされる。学校教育法の規定では、助手は単独では授業をできない。
 関係者によると、助手は調査委で、元教授は初回の授業をしただけで、以降は自らが担当したと説明した。元教授は授業していないことを認め、助手から報告を受けていたので問題ないとの認識を示したという。
 告発を受けて、学園本部はことし二月、弁護士や会社経営者ら五人で委員会を設けて調査。調査委は今月十七日に事実関係をまとめた報告書を理事長に提出した。
 大学は国への補助金返還や関係者の処分を含めて対応を検討している。元教授は昨年退職し、処分対象外とみられる。学園の担当者は「間違って受給した分があれば返還する」と話している。


2013年05月21日

「自由に物言えぬ」と危機感 大学の労働トラブルめぐり集会、約170人の参加で成功!

■朝日新聞道内版(2013年5月19日)

「自由に物言えぬ」と危機感 大学の労働トラブルめぐり集会

 「どうなってる?!道内の大学緊急!大学シンポジウムin北海道」と題した集会が18日、札幌市北区の北海道大学で開かれた。道内の大学で教職員の身分や大学運営などを巡るトラブルが相次いでいることを受けたもので、約170人が参加した。
 事例報告では、希望退職に応じなかった教員8人が解雇された専修大学北海道短大(美唄市、今春閉校)、教員側の意向や手続きを無視して様々な規程の改定が進んでいるという天使大(札幌市東区)などのケースを当事者が報告。「気に入らない人間の意志的解雇につながりかねず、自由に物が言えなくなる」などと危機感を訴えた。
 続くパネルディスカッションでは、問題噴出の背景について、北大の光本滋・准教授(教育学)が。「経済政策に従属する形で進められた大学改革が大きなひずみをもたらした結果」と分析。また、中島哲弁護士が「企業の株主総会や地方公共団体の監査請求などに当たる外部からのチェック機能が、大学では法的に整備されていない」などと指摘した。
 集会は最後に「『大学の自治』が労働問題という形で侵されている。様々な人々と連帯し、自由の実現につなげていきたい」とするアピールを採択した。(芳垣文子)


2013年05月20日

なんとまぁ! 立命館アジア太平洋大学は教育熱心で交付金を手厚く配分する? 最低の成長戦略

■FNN(2013/05/18)

……安倍首相は、「世界で勝つ」をキーワードとした、成長戦略の第2弾を打ち出した。
安倍首相は「きょう、私はここで正式に、『農業・農村の所得倍増目標』を掲げたいと思います」と述べた。
17日、安倍首相が掲げた成長戦略の第2弾。
 今後10年間で、農業・農村の所得の倍増を新たに掲げ、農地の集約を図るほか、農産物の輸出を倍増させる方針を表明した。
 安倍首相は「現在、340兆円の世界の食市場の中で、日本の農産物・食品の輸出額はわずか4,500億円程度。こんなもんじゃないはずなんです」と述べた。
また、安倍首相は「あす、大分県にある立命館アジア太平洋大学に伺います。ここは教授陣も学生も、約半分が外国籍です」と述べた。

キーワードは「教育の国際化」。
 安倍首相は「学生生活を通じて、世界中の文化に触れることができます」と述べた。
安倍首相は、世界78の国と地域、およそ2,500人が、海外からの留学生という立命館アジア太平洋大学を例に挙げ、英語による授業など教育熱心な大学に対し、交付金を手厚く配分していくことを示した。


2013年05月17日

千歳科学技術大学不当解雇事件、第1回口頭弁論

■朝日新聞道内版(2013年5月17日)

学側,請求棄却求める

 学長にメールで大学について提言した後,解雇されたのは違法だとして,千歳科学技術大(千歳市)の准教授だった男性が教員としての地位確認と慰謝料などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、札幌地裁で開かれた。この日、大学側は請求棄却を求める答弁書を出した。
 訴状などによると、男性は大学の改善策についてのメールを学長に出した後、試用期間が終わった2月末に解雇された。男性は感情的な表現をしたというだけで解雇するのは不当などとしている。
 これに対し大学側の答弁書は、男性は学長や理事長らに学長らを中傷する内容のメールを送付したと指摘。「原告の提言が思うように推進されないことに対する合理的な解決策とは言えない」として、就業規則の免職事由に該当するとした。


北海道内の大学、労働トラブル続出 18日、緊急シンポ

朝日新聞(2013年5月16日)

 北海道内の大学で、教職員の身分や大学運営などをめぐる労働事件が次々と起きている。解雇された教員が裁判を起こしたり、理事会の大学運営を批判して教職員組合が道労働委員会に救済の申し立てをしたり。相次ぐトラブルを受けて、18日には札幌市内で緊急シンポジウムも開かれる。

 1950年に短大として開学し、看護師や助産師を数多く育ててきた天使大学(札幌市東区)。2011年に教職員が組合を結成し、同年末、道労委に不当労働行為の救済申し立てをした。

 組合側によると、10年の学長選で学長が交代し、敗れた前学長が理事長を務める理事会が、教員側の意向や手続きを無視して各種の規程を改正するなどしたため、危機感を抱いた教職員が組合を結成した。……


大産大、約2億円賠償求め前理事長提訴 資産運用で損失

朝日新聞(2013年5月16日)

 資産運用で始めたデリバティブ(金融派生商品)取引で巨額の損失を生じさせたとして、大阪産業大学(大阪府大東市)が、取引にかかわった古谷七五三次(しめじ)・前理事長と元理事ら計3人を相手取り、計約1億9千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

 提訴は4月23日付。訴状によると、古谷前理事長らは大学の資産運用の目的で1999年10月~2008年5月、デリバティブ取引を重ねていた。為替の変動で損益が出る仕組みだったが、08年秋のリーマン・ショックの影響で約12億円の損害を出した。

 古谷前理事長はこうした混乱を招いたことと、健康上の理由から09年に辞任。大学側は古谷前理事長らが主導的立場だったと主張し、3人の退職金相当額の賠償を求めている。古谷前理事長は「弁護士に任せているので、コメントは控えたい」と話している。

デリバティブで損失…大産大、元理事長らを提訴

読売新聞(2013年5月16日)

 やらせ受験問題で揺れる学校法人「大阪産業大学」(大阪府大東市)が、仕組み債と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)取引によって巨額の損失を生じさせたとして、取引に関与した古谷七五三次・元理事長ら当時の理事3人を相手取り、約1億9000万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしていたことがわかった。

 文部科学省によると、私大の資産運用を巡る損失に対し、学校法人が理事の法的責任を問う訴訟は極めて異例という。

 3人は、古谷元理事長と当時の常務理事2人。

 訴状や学校関係者によると、古谷元理事長らは1999年~2008年、大手証券会社数社から、米ドルや豪州ドルの為替で利息が変動する仕組み債などを購入した。しかし、08年秋のリーマン・ショックで円が急騰したため、一部を除いて取引を解約。損害額は約12億円で、保有中の仕組み債の評価損も約11億円ある、という。

 大産大はデリバティブ取引に関する第三者委員会を発足。昨年3月、3人が▽損失リスクを十分認識せずに取引した▽法人の定款に反して、教職員の退職金のための積立金を取り崩して運用していた――などの事実を認定し、「理事としての高度な注意義務を怠った」と結論付け、古谷元理事長らに賠償請求するよう提言していた。

 しかし、支払い能力を考慮して、請求額は古谷元理事長らに支払われた退職金などを対象にしたとみられる。

 提訴は4月23日付。大産大は「提訴は事実だが、内容はコメントできない」と回答。古谷元理事長も、代理人の弁護士を通じ「取材には応じられない」とした。

 一方、元常務理事は、「当時は為替リスクなど考えておらず、円高は想定外だった。注意義務は尽くしたつもりだ」とし、別の元常務理事は提訴前の取材に対し、「取引は理事就任前に始まっており、私が口を挟める状況ではなかった」などと話していた。


2013年05月10日

募集停止や統廃合加速 法科大学院

■日経(2013/5/8)

 法科大学院を巡っては、修了者の司法試験合格率が低迷し、学生離れの動きが強まるなか、募集停止や統廃合の動きが加速している。

 姫路独協大は2011年春から学生募集を停止し、今年3月に廃止された。今年度は明治学院大、駿河台大、神戸学院大、大宮法科大学院大の4校が学生募集を停止。東北学院大も14年度から募集をやめる。桐蔭横浜大と大宮法科大学院大は16年度をめどに統合予定だ。

 法科大学院修了者の合格率は単年度で見ると09年以降20%台が続いており、累積でも5割程度にとどまっている。

 政府の法曹養成制度検討会議は4月にまとめた中間提言で、法科大学院の統廃合や定員削減の必要性を指摘し、合格実績などを踏まえた補助金削減などに言及した。


2013年05月06日

解雇訴訟 北海道内で増加、立場弱まる大学教職員

■北海道新聞(2013年5月6日)

立場弱まる大学教職員
解雇訴訟 道内で増加

 道内で、解雇処分などをめぐり大学と元教職員が対立し、訴訟に発展するケースが急増している。道私立大教職員組合連合(札幌市)によると、解雇無効を求め係争中の訴訟は現在、少なくとも5件。一方的な給与削減が不当労働行為に当たるとして道労働委員会に救済を申し立てた事例もある。背景には、学生減に伴う経営合理化や、大学の理事会の権限が法的に強化され教職員の立場が相対的に弱くなったことがある、との見方もある。(水野富仁)

理事会の権限強化 背景

 道私立大教職員組合連合によると、解雇処分をめぐる訴訟のうち、支援などを通じ把握できているのは、1996年を最後にしばらくなかったが、ここ1~2年で一気に増加し、現在5件ある。ただ、実際にはもっと多い可能性もあるという。
 千歳科学技術大の元准教授は、経営問題についてメールで学長を批判した後に解雇されたとして、解雇無効などを求めて4月上旬、同大を提訴した。

 訴状などによると、元准教授は学長の求めに応じ、退学者減のための提案をしたが、学長が消極的だったため「もっと責任感を持ってください」などと批判的なメールを送信。大学は「教育者・組織人として適格性に欠ける」として解雇した。

 元准教授側は「大学は自由な議論が保障されている場。理事会の権限強化以前には考えられない乱暴な解雇で、無効だ」と主張。大学側は「就業規則にのっとった、正当な解雇だ」と反論している。

 北大に通算8年半非正規雇用された後、雇い止めされた元契約職員は「機械的に人材を切り捨てる雇い止めは無効だ」として2011年6月、大学を相手取り、解雇無効などを求めて提訴した。北大は「係争中につき、コメントしかねる」としている。

 このほか、専修大学北海道短期大学(美唄市)など3私立大の元教職員が解雇無効などを求め提訴している。
 一方、札幌の私大の教職員組合は、大学側か十分な労使交渉を行わないまま、期末手当の削減や定期昇給の制限を行ったのは不当労働行為にあたるとして、道労働委員会に救済の申し立てを行った。

 別の札幌の教職員組合も団交拒否などがあったとして同委員会に救済を申し立てている。
 札幌学院大経済学部の片山一義教授は「不当に解雇されても泣き寝入りしている人も多い。大学側と対立した教職員を孤立させない組織や制度の整備が急務」と説明。その上で、安易な人員整理を防ぐため大学評価制度を抜本的に見直し、第三者機関が大学運営を十分に点検できるようにすべきだと強調する。

学生減で合理化優先も

 国は2004年、民間的な発想の経営手法を活用するため、国立大を独立行政法人に移行した。05年、改正私立学校法が施行され、私大などの業務決定機関は理事会であることを明文化。「収支計算書」など財務情報の公開も義務付けた。
 いずれも経営の迅速化や透明性を高めることを目指した大学改革の一環だったが、労働問題に詳しい札幌の佐藤博文弁護士は「少子化で経営環境が厳しくなる中、権限を強化された理事会が、短期的な利益を求め、安易な解雇や給与削減などを強行するケースが増えた」とみる。
 近年、法令に抵触する恐れのある長時間労働や不当解雇を強いる「フラック企業」が社会問題化している。全国の大学教員でつくる市民団体「大学オンブズマン」(事務局・京都市)は「大学でも不当解雇などが次々表面化しており,ブラック企業ならぬ『ブラック大学』が全国的に増えつつある」としている。

18日 札幌でシンポ

 解雇処分などをめぐる、道内の大学と元教職員の対立激化について考えるシンポジウムが18日午後l時30分から、札幌市北区の北大人文・社会科学総合教育研究棟(北10西7)で開かれる。
 道私立大教職員組合連合などでつくる実行委の主催。訴訟などに発展した事例報告のほか、専門家によるパネルディスカッションを行う。資料代500円。

 問い合わせは北海道合同法律事務所
011-231-1888へ。

専修大道短大、処分「身に覚えない理由」 前学長の不当解雇事件

■北海道新聞(2013年5月6日)

処分「身に覚えない理由」
専修道短大 前学長・寺本さん

 「身に覚えのない理由で退職金を半分にされた上、解雇された。処分撤回を求め、今月中にも提訴したい」
 専修大学北海道短期大学(以下短大)を運営する学校法人専修大学(東京、以下専大)から3月22日付で諭旨免職処分を受けた、短大前学長の寺本千名夫さんは語気を強める。
 学長経験者が解雇処分をめぐり大学と裁判で争うのは全国でも珍しいという。専大は3月末に短大を閉校し、6月に閉校式を行う予定。
 寺本さんによると、専大は学生減を理由に2010年4月、短大生の募集停止を決め、寺本学長(当時)の学長印を押した報告書を文部科学省に提出した。

 寺本さんは11年2月、「学長印を押していない。報告書は専大が偽造した」との文書を文科省に送付。この行為について、専大は「違法性・反社会性が強く、懲罰事由に該当する」と諭旨免職処分にした。

 寺本さんは「権限を強化された理事会が、短大の教授会の意向を聞かずに閉校を強引に決め、自分を含め批判的な教員を処分した」と批判する。迷惑をかけた学生や保護者、地域への責任も感じており、「専大が何をしたか、裁判で明らかにしたい」と話す。
 寺本さんとは別に、短大の40~60代の教員8人も解雇された。8人は「配置転換や再就職あっせんがない状況での解雇はおかしい」として、解雇無効などを求めて札幌地裁に提訴している。
 専修大は「係争に関わることについてはコメン卜できない」(広報課)としている。